有価証券報告書-第10期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、国際財務報告基準(IFRS)に準拠して作成しています。
連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針および見積りについての詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」および同「4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
(2)経営成績の状況・分析
①事業全体の状況・分析
当連結会計年度におけるわが国の経済につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大により、社会・経済活動が停滞し、極めて厳しい状況で推移しました。2020年5月の緊急事態宣言の解除後は、経済活動が段階的に再開され、一時景気の持ち直しの動きがみられたものの、2020年11月下旬以降感染症が再拡大し、2021年1月には2度目の緊急事態宣言が発出されるなど、感染症収束の目処は立っておらず、引き続き予断を許さない状況となっています。
事業全体の経営成績の分析は以下のとおりです。報告セグメントごとの分析については②セグメントごとの状況・分析をご覧ください。
(売上収益)
売上収益は、砂糖その他食品事業においてコロナ禍による需要減少により減収となり、健康産業事業において緊急事態宣言に伴う休業および会員数の減少により減収となったことから、前期比8.5%減の43,767百万円となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、エネルギーコストの下落や経費削減等により、前期比7.2%減の35,021百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、経費削減等により、前期比3.4%減の6,227百万円となりました。
(営業利益)
営業利益は、健康産業事業において、新型コロナウイルス感染症の長期化を受け、固定資産の評価において各店舗の将来の利益計画の見直しを行った結果、減損損失346百万円を計上したこともあり、前期比22.8%減の2,206百万円となりました。
(金融収益、金融費用、持分法による投資利益)
金融収益は、受取配当金の減少等により、前期比46.6%減の89百万円となりました。
金融費用は、前期比16.1%減の72百万円となりました。
持分法による投資利益は、前期比9.5%減の206百万円となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
親会社の所有者に帰属する当期利益は、健康産業事業において、税効果会計における回収可能性の見直しを実施したこと等により税負担率が増加したこともあり、前期比47.9%減の1,132百万円となりました。
②セグメントごとの状況・分析
(百万円、%)
(注)セグメント利益又は損失(△)は、連結財務諸表の営業利益と一致しています。
[砂糖その他食品事業]
海外原糖市況につきましては、1ポンド当たり10.39セントで始まり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた世界的な先行き不透明感に伴うリスク回避姿勢等から、4月下旬には今期安値となる9.05セントまで値を下げました。その後、主要生産国であるブラジルやタイの干ばつ懸念による供給面の不透明感、さらには世界的コンテナ不足による海上運賃の上昇など物流面の懸念等から上昇基調に転じ、2月下旬には今期高値となる18.94セントまで値を上げました。3月に入ると、海上運賃の高騰による輸入国での買い控えや、欧州・ブラジルを中心とした新型コロナウイルス感染症再拡大等の外部環境の不透明感から値を下げて14.77セントで当期を終了しました。
海外原糖市況(ニューヨーク市場粗糖先物相場(当限))
日付 セント/ポンド 円/kg 為替(円/ドル)
始 値 2020年4月1日 10.39 24.87 108.59
高 値 2021年2月23日 18.94 44.47 106.50
安 値 2020年4月28日 9.05 21.61 108.30
終 値 2021年3月31日 14.77 36.37 111.71
(注)1ポンドは約0.4536㎏として換算し、為替は当日の三菱UFJ銀行直物為替公表TTSによっています。
なお、2月23日は東京外国為替市場が休場のため、2月22日の三菱UFJ銀行直物為替公TTSによっています。
一方、国内精糖市況(日本経済新聞掲載、東京)につきましては、上白糖1kg当たり187~188円で始まり、ニューヨーク市場粗糖先物相場の上昇を受け、3月下旬に192~193円と5円上昇し当期を終了しました。
このような状況のもと、主力の砂糖につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、巣ごもり需要が増加したものの、インバウンド需要の減少や出張・観光の自粛等により、土産菓子および外食関係の需要が大きく落ち込み、全体の出荷量は前期を大きく下回りました。一方、このような状況においても、当社独自製品である家庭用製品のきび砂糖は好調に推移しました。
ツキオカフィルム製薬株式会社の売上収益につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、フィルム事業においてフィルム石鹸等の売上が増加しましたが、箔押事業・食用純金箔事業におけるインバウンド需要・土産物需要が減少したことなどにより、前期を下回りました。
以上の結果、砂糖その他食品事業合計の売上収益は40,327百万円(前期比6.3%減)、セグメント利益は2,919百万円(同5.7%減)となりました。
[健康産業事業]
健康産業事業におきましては、総合フィットネスクラブ7店舗、女性専用のホットヨガ&コラーゲンスタジオ5店舗およびコンパクトジム18店舗を関東地方において運営しています。政府の緊急事態宣言を受け、2020年4月上旬から5月末まで休業しましたが、6月より感染防止策を徹底して営業を再開しました。しかし、11月下旬以降感染症が再拡大し、2021年1月に2度目の緊急事態宣言が発出された影響もあり、会員数減少に歯止めがかからず、売上収益は前期を大きく下回る2,008百万円(前期比38.1%減)となりました。また、新型コロナウイルス感染症の長期化を受け、固定資産の評価において各店舗の将来の利益計画の見直しを行った結果、減損損失346百万円(前期は843百万円)を計上しました。以上の結果、セグメント損失は972百万円(前期はセグメント損失576百万円)となりました。
[倉庫事業]
倉庫事業におきましては、冷蔵倉庫は順調に推移したものの、港湾運送は海外における新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、輸入品の取扱量が減少したことにより、売上収益は1,432百万円(前期比6.6%減)、セグメント利益は258百万円(同23.5%減)となりました。
なお、各セグメントに関する他の情報は、「(3)財政状態 ②セグメントごとの状況」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に記載のとおりです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.金額は製造原価によっており、内部取引額を除いています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
b.受注実績
生産は原則として見込み生産であり、少量の受託加工を除き受注生産は行っていません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
④中期経営計画の達成状況
当社グループは、ROEを持続的な企業価値増大に関わる中核的な指標と捉えております。2020年3月期以降の次期中期経営計画に関しましては、新型コロナウイルス感染症の収束の時期や収束後の新しい生活様式等不確定要素が多く、適正かつ合理的な情報収集が困難な状況にあります。このような状況で次期中期経営計画を公表することは、株主・投資家をはじめとする関係者の皆さまを混乱させてしまう可能性があると判断し、公表を延期することといたしました。
また、従来目標としておりました2024年度ROE8%達成につきましては、次期中期経営計画の策定にあわせて見直し、改めて公表することといたします。
当社グループとして、まずは、新型コロナウイルス感染症拡大により悪化した業績を感染症拡大前の水準まで回復させ、その過程でアフターコロナを見据え、対応すべき課題を見極め、アフターコロナにおける新常態の構築、精製糖事業を中心とする事業基盤強化等に可及的速やかに対応する事に取り組んでまいります。
(3)財政状態
①事業全体の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は25,553百万円となり、前連結会計年度末に比べ932百万円増加しました。これは主に現金及び現金同等物が439百万円、営業債権及びその他の債権が200百万円、その他の金融資産が128百万円、棚卸資産が164百万円それぞれ増加したことによるものです。非流動資産は35,763百万円となり、前連結会計年度末に比べ414百万円減少しました。これは主に有形固定資産が552百万円、使用権資産が637百万円それぞれ減少した一方で、退職給付に係る資産が467百万円、その他の非流動資産が326百万円それぞれ増加したことによるものです。
この結果、資産合計は61,316百万円となり、前連結会計年度末に比べ517百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は8,156百万円となり、前連結会計年度末に比べ105百万円増加しました。これは主に営業債務及びその他の債務が419百万円増加した一方で、未払法人所得税等が322百万円減少したことによるものです。非流動負債は4,615百万円となり、前連結会計年度末に比べ91百万円減少しました。これは主にリース負債が732百万円減少した一方で、繰延税金負債が640百万円増加したことによるものです。
この結果、負債合計は12,772百万円となり、前連結会計年度末に比べ13百万円増加しました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は48,543百万円となり、前連結会計年度末に比べ504百万円増加しました。これは主に親会社の所有者に帰属する当期利益1,132百万円および配当金の支払による減少1,413百万円、保有株式の株価上昇等によるその他の資本の構成要素の増加413百万円、確定給付制度の再測定による増加361百万円によるものです。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は79.2%(前連結会計年度末比0.2ポイント増)となりました。
②セグメントごとの状況
[砂糖その他食品事業]
当連結会計年度末のセグメント資産は、主に現金及び現金同等物、退職給付に係る資産、その他の非流動資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ合計で1,357百万円増加し、53,713百万円となりました。
[健康産業事業]
当連結会計年度末のセグメント資産は、主に使用権資産、繰延税金資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ870百万円減少し、4,553百万円となりました。
[倉庫事業]
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べ36百万円増加し、3,065百万円となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より439百万円増加し、8,524百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,319百万円の収入となりました。
主なものは、税引前利益2,430百万円、減価償却費及び償却費1,664百万円、減損損失346百万円、持分法による投資利益△206百万円、法人所得税の支払額△990百万円、ならびに棚卸資産の増加、営業債権及びその他の債権の増加、営業債務及びその他の債務の増加、その他の増減による78百万円です。
なお、前年同期は3,972百万円の収入であり、主なものは、税引前利益3,168百万円、減価償却費及び償却費1,788百万円、減損損失1,047百万円、持分法による投資利益△228百万円、法人所得税の支払額△1,291百万円、ならびに棚卸資産の減少、営業債権及びその他の債権の減少、営業債務及びその他の債務の減少、その他の増減による△519百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、482百万円の支出となりました。
主なものは、定期預金の純減額940百万円、余資の運用である有価証券の純増額△1,000百万円、有形固定資産及び無形資産の取得による支出△610百万円、タイの砂糖製造販売大手 Kaset Thai International Sugar Corporation Public Company Limited(カセタイ)の持株会社株式の譲渡等の投資の売却、償還による収入494百万円、その他(事業用地の取得等)△314百万円です。
なお、前年同期は2,185百万円の支出であり、主なものは、今福工場(大阪市城東区)のきび砂糖生産設備等の有形固定資産及び無形資産の取得による支出△1,506百万円、王子製糖株式会社の砂糖事業を会社分割の形式で承継したことに伴い発生した吸収分割による支出△691百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,398百万円の支出となりました。
主なものは、リース負債の返済による支出△982百万円、配当金の支払額△1,415百万円です。
なお、前年同期は2,505百万円の支出であり、主なものは、リース負債の返済による支出△978百万円、配当金の支払額△1,526百万円です。
(5)資金需要および資金の調達・使途
①資金需要
当社グループの資金需要は、主に運転資金需要と設備資金需要です。
運転資金需要として、製品を製造するための原材料の仕入・製造費・商品の仕入・販売費及び一般管理費等、設備資金需要として、砂糖生産設備等の経常的更新費用および業務関連システム等のIT投資にかかるものが含まれます。
また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けている健康産業事業においては、運転資金ならびに、感染拡大防止のための館内設備の強化および時代のニーズに合わせた多様な店舗展開を見据えた設備資金の需要が増大しています。
②資金の調達・使途
当社グループは運転資金につきましては、上記健康産業事業の資金需要も含め、短期借入金と自己資金により充当しており、設備資金につきましては、自己資金により充当しています。
また、国内金融機関において合計2,000百万円のコミットメントラインを設定しており、流動性の補完にも対応可能となっています。
当社グループの連結財務諸表は、国際財務報告基準(IFRS)に準拠して作成しています。
連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針および見積りについての詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」および同「4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
(2)経営成績の状況・分析
①事業全体の状況・分析
当連結会計年度におけるわが国の経済につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大により、社会・経済活動が停滞し、極めて厳しい状況で推移しました。2020年5月の緊急事態宣言の解除後は、経済活動が段階的に再開され、一時景気の持ち直しの動きがみられたものの、2020年11月下旬以降感染症が再拡大し、2021年1月には2度目の緊急事態宣言が発出されるなど、感染症収束の目処は立っておらず、引き続き予断を許さない状況となっています。
2021年3月期 (百万円) | 2020年3月期 (百万円) | 増減率(%) | |
売上収益 | 43,767 | 47,809 | △8.5 |
売上原価 販売費及び一般管理費 | 35,021 6,227 | 37,725 6,444 | △7.2 △3.4 |
営業利益 | 2,206 | 2,858 | △22.8 |
金融収益 金融費用 持分法による投資利益 | 89 72 206 | 167 86 228 | △46.6 △16.1 △9.5 |
税引前利益 | 2,430 | 3,168 | △23.3 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1,132 | 2,173 | △47.9 |
事業全体の経営成績の分析は以下のとおりです。報告セグメントごとの分析については②セグメントごとの状況・分析をご覧ください。
(売上収益)
売上収益は、砂糖その他食品事業においてコロナ禍による需要減少により減収となり、健康産業事業において緊急事態宣言に伴う休業および会員数の減少により減収となったことから、前期比8.5%減の43,767百万円となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、エネルギーコストの下落や経費削減等により、前期比7.2%減の35,021百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、経費削減等により、前期比3.4%減の6,227百万円となりました。
(営業利益)
営業利益は、健康産業事業において、新型コロナウイルス感染症の長期化を受け、固定資産の評価において各店舗の将来の利益計画の見直しを行った結果、減損損失346百万円を計上したこともあり、前期比22.8%減の2,206百万円となりました。
(金融収益、金融費用、持分法による投資利益)
金融収益は、受取配当金の減少等により、前期比46.6%減の89百万円となりました。
金融費用は、前期比16.1%減の72百万円となりました。
持分法による投資利益は、前期比9.5%減の206百万円となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
親会社の所有者に帰属する当期利益は、健康産業事業において、税効果会計における回収可能性の見直しを実施したこと等により税負担率が増加したこともあり、前期比47.9%減の1,132百万円となりました。
②セグメントごとの状況・分析
(百万円、%)
事業全体 | 内訳(報告セグメント) | |||
砂糖その他 食品事業 | 健康産業事業 | 倉庫事業 | ||
売上収益 対前期増減率 (構成比) | 43,767 △8.5 (100) | 40,327 △6.3 (92.1) | 2,008 △38.1 (4.6) | 1,432 △6.6 (3.3) |
セグメント利益又は 損失(△) 対前期増減率 (構成比) | 2,206 △22.8 (100) | 2,919 △5.7 (132.3) | △972 - (△44.1) | 258 △23.5 (11.7) |
(注)セグメント利益又は損失(△)は、連結財務諸表の営業利益と一致しています。
[砂糖その他食品事業]
海外原糖市況につきましては、1ポンド当たり10.39セントで始まり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた世界的な先行き不透明感に伴うリスク回避姿勢等から、4月下旬には今期安値となる9.05セントまで値を下げました。その後、主要生産国であるブラジルやタイの干ばつ懸念による供給面の不透明感、さらには世界的コンテナ不足による海上運賃の上昇など物流面の懸念等から上昇基調に転じ、2月下旬には今期高値となる18.94セントまで値を上げました。3月に入ると、海上運賃の高騰による輸入国での買い控えや、欧州・ブラジルを中心とした新型コロナウイルス感染症再拡大等の外部環境の不透明感から値を下げて14.77セントで当期を終了しました。
海外原糖市況(ニューヨーク市場粗糖先物相場(当限))
日付 セント/ポンド 円/kg 為替(円/ドル)
始 値 2020年4月1日 10.39 24.87 108.59
高 値 2021年2月23日 18.94 44.47 106.50
安 値 2020年4月28日 9.05 21.61 108.30
終 値 2021年3月31日 14.77 36.37 111.71
(注)1ポンドは約0.4536㎏として換算し、為替は当日の三菱UFJ銀行直物為替公表TTSによっています。
なお、2月23日は東京外国為替市場が休場のため、2月22日の三菱UFJ銀行直物為替公TTSによっています。
一方、国内精糖市況(日本経済新聞掲載、東京)につきましては、上白糖1kg当たり187~188円で始まり、ニューヨーク市場粗糖先物相場の上昇を受け、3月下旬に192~193円と5円上昇し当期を終了しました。
このような状況のもと、主力の砂糖につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、巣ごもり需要が増加したものの、インバウンド需要の減少や出張・観光の自粛等により、土産菓子および外食関係の需要が大きく落ち込み、全体の出荷量は前期を大きく下回りました。一方、このような状況においても、当社独自製品である家庭用製品のきび砂糖は好調に推移しました。
ツキオカフィルム製薬株式会社の売上収益につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、フィルム事業においてフィルム石鹸等の売上が増加しましたが、箔押事業・食用純金箔事業におけるインバウンド需要・土産物需要が減少したことなどにより、前期を下回りました。
以上の結果、砂糖その他食品事業合計の売上収益は40,327百万円(前期比6.3%減)、セグメント利益は2,919百万円(同5.7%減)となりました。
[健康産業事業]
健康産業事業におきましては、総合フィットネスクラブ7店舗、女性専用のホットヨガ&コラーゲンスタジオ5店舗およびコンパクトジム18店舗を関東地方において運営しています。政府の緊急事態宣言を受け、2020年4月上旬から5月末まで休業しましたが、6月より感染防止策を徹底して営業を再開しました。しかし、11月下旬以降感染症が再拡大し、2021年1月に2度目の緊急事態宣言が発出された影響もあり、会員数減少に歯止めがかからず、売上収益は前期を大きく下回る2,008百万円(前期比38.1%減)となりました。また、新型コロナウイルス感染症の長期化を受け、固定資産の評価において各店舗の将来の利益計画の見直しを行った結果、減損損失346百万円(前期は843百万円)を計上しました。以上の結果、セグメント損失は972百万円(前期はセグメント損失576百万円)となりました。
[倉庫事業]
倉庫事業におきましては、冷蔵倉庫は順調に推移したものの、港湾運送は海外における新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、輸入品の取扱量が減少したことにより、売上収益は1,432百万円(前期比6.6%減)、セグメント利益は258百万円(同23.5%減)となりました。
なお、各セグメントに関する他の情報は、「(3)財政状態 ②セグメントごとの状況」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に記載のとおりです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前期比(%) |
砂糖その他食品事業(百万円) | 25,199 | 95.2 |
(注)1.金額は製造原価によっており、内部取引額を除いています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
b.受注実績
生産は原則として見込み生産であり、少量の受託加工を除き受注生産は行っていません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前期比(%) |
砂糖その他食品事業(百万円) | 40,327 | 93.7 |
健康産業事業(百万円) | 2,008 | 61.9 |
倉庫事業(百万円) | 1,432 | 93.4 |
合計(百万円) | 43,767 | 91.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
住商フーズ㈱ | 9,411 | 19.7 | 8,634 | 19.7 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
④中期経営計画の達成状況
当社グループは、ROEを持続的な企業価値増大に関わる中核的な指標と捉えております。2020年3月期以降の次期中期経営計画に関しましては、新型コロナウイルス感染症の収束の時期や収束後の新しい生活様式等不確定要素が多く、適正かつ合理的な情報収集が困難な状況にあります。このような状況で次期中期経営計画を公表することは、株主・投資家をはじめとする関係者の皆さまを混乱させてしまう可能性があると判断し、公表を延期することといたしました。
また、従来目標としておりました2024年度ROE8%達成につきましては、次期中期経営計画の策定にあわせて見直し、改めて公表することといたします。
当社グループとして、まずは、新型コロナウイルス感染症拡大により悪化した業績を感染症拡大前の水準まで回復させ、その過程でアフターコロナを見据え、対応すべき課題を見極め、アフターコロナにおける新常態の構築、精製糖事業を中心とする事業基盤強化等に可及的速やかに対応する事に取り組んでまいります。
(3)財政状態
①事業全体の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は25,553百万円となり、前連結会計年度末に比べ932百万円増加しました。これは主に現金及び現金同等物が439百万円、営業債権及びその他の債権が200百万円、その他の金融資産が128百万円、棚卸資産が164百万円それぞれ増加したことによるものです。非流動資産は35,763百万円となり、前連結会計年度末に比べ414百万円減少しました。これは主に有形固定資産が552百万円、使用権資産が637百万円それぞれ減少した一方で、退職給付に係る資産が467百万円、その他の非流動資産が326百万円それぞれ増加したことによるものです。
この結果、資産合計は61,316百万円となり、前連結会計年度末に比べ517百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は8,156百万円となり、前連結会計年度末に比べ105百万円増加しました。これは主に営業債務及びその他の債務が419百万円増加した一方で、未払法人所得税等が322百万円減少したことによるものです。非流動負債は4,615百万円となり、前連結会計年度末に比べ91百万円減少しました。これは主にリース負債が732百万円減少した一方で、繰延税金負債が640百万円増加したことによるものです。
この結果、負債合計は12,772百万円となり、前連結会計年度末に比べ13百万円増加しました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は48,543百万円となり、前連結会計年度末に比べ504百万円増加しました。これは主に親会社の所有者に帰属する当期利益1,132百万円および配当金の支払による減少1,413百万円、保有株式の株価上昇等によるその他の資本の構成要素の増加413百万円、確定給付制度の再測定による増加361百万円によるものです。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は79.2%(前連結会計年度末比0.2ポイント増)となりました。
②セグメントごとの状況
[砂糖その他食品事業]
当連結会計年度末のセグメント資産は、主に現金及び現金同等物、退職給付に係る資産、その他の非流動資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ合計で1,357百万円増加し、53,713百万円となりました。
[健康産業事業]
当連結会計年度末のセグメント資産は、主に使用権資産、繰延税金資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ870百万円減少し、4,553百万円となりました。
[倉庫事業]
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べ36百万円増加し、3,065百万円となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より439百万円増加し、8,524百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,319百万円の収入となりました。
主なものは、税引前利益2,430百万円、減価償却費及び償却費1,664百万円、減損損失346百万円、持分法による投資利益△206百万円、法人所得税の支払額△990百万円、ならびに棚卸資産の増加、営業債権及びその他の債権の増加、営業債務及びその他の債務の増加、その他の増減による78百万円です。
なお、前年同期は3,972百万円の収入であり、主なものは、税引前利益3,168百万円、減価償却費及び償却費1,788百万円、減損損失1,047百万円、持分法による投資利益△228百万円、法人所得税の支払額△1,291百万円、ならびに棚卸資産の減少、営業債権及びその他の債権の減少、営業債務及びその他の債務の減少、その他の増減による△519百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、482百万円の支出となりました。
主なものは、定期預金の純減額940百万円、余資の運用である有価証券の純増額△1,000百万円、有形固定資産及び無形資産の取得による支出△610百万円、タイの砂糖製造販売大手 Kaset Thai International Sugar Corporation Public Company Limited(カセタイ)の持株会社株式の譲渡等の投資の売却、償還による収入494百万円、その他(事業用地の取得等)△314百万円です。
なお、前年同期は2,185百万円の支出であり、主なものは、今福工場(大阪市城東区)のきび砂糖生産設備等の有形固定資産及び無形資産の取得による支出△1,506百万円、王子製糖株式会社の砂糖事業を会社分割の形式で承継したことに伴い発生した吸収分割による支出△691百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,398百万円の支出となりました。
主なものは、リース負債の返済による支出△982百万円、配当金の支払額△1,415百万円です。
なお、前年同期は2,505百万円の支出であり、主なものは、リース負債の返済による支出△978百万円、配当金の支払額△1,526百万円です。
(5)資金需要および資金の調達・使途
①資金需要
当社グループの資金需要は、主に運転資金需要と設備資金需要です。
運転資金需要として、製品を製造するための原材料の仕入・製造費・商品の仕入・販売費及び一般管理費等、設備資金需要として、砂糖生産設備等の経常的更新費用および業務関連システム等のIT投資にかかるものが含まれます。
また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けている健康産業事業においては、運転資金ならびに、感染拡大防止のための館内設備の強化および時代のニーズに合わせた多様な店舗展開を見据えた設備資金の需要が増大しています。
②資金の調達・使途
当社グループは運転資金につきましては、上記健康産業事業の資金需要も含め、短期借入金と自己資金により充当しており、設備資金につきましては、自己資金により充当しています。
また、国内金融機関において合計2,000百万円のコミットメントラインを設定しており、流動性の補完にも対応可能となっています。