有価証券報告書-第77期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りであります。
a.財政状態
流動資産は、前連結会計年度末に比べて426百万円増加し、19,688百万円となりました。これは主に、現金及び預金が885百万円、売掛金が501百万円、電子記録債権が213百万円増加した一方で、受取手形が382百万円、棚卸資産が447百万円、その他(未収入金)が267百万円減少したことなどによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて714百万円減少し、5,854百万円となりました。これは主に、投資有価証券が96百万円増加した一方、土地が144百万円、顧客関連資産が122百万円、のれんが213百万円、使用権資産が59百万円、繰延税金資産が173百万円減少したことなどによります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて288百万円減少し、25,542百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて33百万円増加し、11,546百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が423百万円、未払法人税等が252百万円増加した一方で、短期借入金が500百万円、1年内返済予定の長期借入金が189百万円減少したことなどによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて1,120百万円減少し、5,348百万円となりました。これは主に、長期借入金が969百万円、繰延税金負債が94百万円減少したことなどによります。
この結果、負債は、前連結会計年度末に比べて1,087百万円減少し、16,894百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べて798百万円増加し、8,647百万円となりました。これは、利益剰余金が476百万円(親会社株主に帰属する当期純利益による増加702百万円、剰余金の配当による減少226百万円)、その他有価証券評価差額金が382百万円増加した一方、為替換算調整勘定が58百万円減少したことによります。
b.経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、長引く円安やエネルギー価格の高止まりに伴う物価上昇が個人消費の重石となったものの、企業部門においては堅調な収益を背景に、人手不足に対応した省力化・自動化投資や、GXおよびDXに関連する旺盛な設備投資意欲が継続いたしました。また、雇用環境の改善やインバウンド需要の拡大が景気を下支えし、全体としては緩やかな回復基調を維持いたしました。一方、世界経済においては、欧米の金融政策の不透明感や地政学的リスクの継続、さらには中国経済の不動産市場の低迷に伴う景気減速懸念など、依然として先行きに注意を要する状況が続いております。また、当社グループの関連する主要産業であります自動車業界においては、地域によって生産回復のペースに差が見られました。半導体・電子部品業界では、一部製品で在庫調整が進展したものの、需要の本格回復には至らず、関連する設備投資も慎重な動きが続きました。工作機械業界におきましても、国内外での受注環境は依然として厳しい状況で推移しました。
当社はこのような不透明な環境の中で、2024年5月に公表した「新中長期経営計画ローリングプラン(FY76-FY80)」の2年目として、「真の生産性向上に貢献する高度専門商社への変革」を基本方針として、持続的な成長と企業価値向上に向けた諸施策を着実に実行してまいりました。具体的には、成長分野・新領域への積極的な展開、M&A戦略の継続推進とシナジー効果の最大化(特に前連結会計年度に実施したKamogawaグループとのシナジー創出)、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進による業務効率化、サステナビリティ経営の強化等に取り組みました。また、子会社の非事業性資産の売却の推進による特別利益の計上とともに、事業構造改革の一環として「受発注業務体制の再整備による効率化」「物流業務の改革・効率化」および「商品戦略の見直し」に伴う特別損失の計上を行うなど、「収益性向上・強靭な財務体質の実現」に向けての取り組みを推進いたしました。
この結果、当連結会計年度の売上高は41,114百万円(前連結会計年度比36.5%増)、営業利益は980百万円(前連結会計年度比76.8%増)、経常利益は1,060百万円(前連結会計年度比88.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は702百万円(前連結会計年度比1,805.1%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
■ 切削工具事業
売上高は17,461百万円(前連結会計年度比4.2%増)、セグメント利益は354百万円(前連結会計年度比198.8%増)と増収増益となりました。
主な要因は、卸部門においては、主要メーカーの製品値上げに伴う需要の取り込みや、注力メーカーの積極的な拡販により売上高が堅調に推移いたしました。直需部門では、一部の自動車関連で投資抑制の影響が見られたものの、航空機・防衛関連需要の安定した取り込みや大型案件の受注が寄与し、収益・利益面ともに堅調に推移いたしました。
■ 耐摩工具事業
売上高は2,259百万円(前連結会計年度比3.5%増)、セグメント利益は78百万円(前連結会計年度比52.0%減)と増収減益となりました。
主な要因は、成長分野であるEV関連、特に車載電池・バッテリーを中心とした受注獲得への注力や新規の外注加工先との取組みを積極展開したことにより売上は堅調に推移いたしました。一方で、仕入原価の高騰による粗利率の低下に加え、販売管理費の増加により利益面は低調に推移いたしました。
■ 海外事業
売上高は8,983百万円(前連結会計年度比23.2%増)、セグメント利益は161百万円(前連結会計年度比16.3%減)と増収減益となりました。
主な要因は、成長市場であるインドや北米エリアの開拓が順調に進捗したほか、鉱物資源販売における売上寄与があり売上高は大幅に増加しました。利益面では北米、メキシコにおいて関税の影響で粗利率が低下したことなどにより減益となりました。
なお、海外事業のセグメントに含まれていたCOMINIX RUS LLCは、重要性がなくなったことから当連結会計年度より連結の範囲及び持分法適用の範囲から除外いたしました。
■ 光製品事業
売上高は 1,393百万円(前連結会計年度比4.4%減)、セグメント利益は108百万円(前連結会計年度比12.6%増)と減収増益となりました。
主な要因は、主力のマシンビジョン関連ビジネスをはじめとしたLEDビジョンなどの映像関連ビジネスにおいて、既存顧客の他、国内市場の新規開拓に積極的に注力しましたが受注・売上ともに伸び悩みました。一方で、利益面では粗利率の改善などの施策に取り組み増益となりました。
■ eコマース事業
売上高は 133百万円(前連結会計年度比51.3%増)、セグメント損失は65百万円(前連結会計年度は72百万円のセグメント損失)となりました。
主な要因は、取り扱い商品の拡充に加え、キャンペーンの実施や広告配信手法の最適化により新規会員数が大きく伸長し、販売実績や顧客基盤の拡大に一定の成果が見られたものの、利益面では販促施策の影響を受けて粗利率が低下し、通期の収益改善には至らなかったことによります。
■ Kamogawaものづくりソリューション事業(KMS事業)
売上高は10,140、セグメント利益は219百万円となりました。
当該セグメントは、2024年12月に実施したKamogawaグループのM&Aにより前連結会計年度より「Kamogawaものづくりソリューション事業セグメント」として、株式会社Kamogawa及びその子会社が営む切削工具・研削砥石などの生産財の販売の業績を反映しております。
KMS事業においては、一般消耗材は市況の影響により苦戦したものの、機械案件や自動化設備需要が収益を下支えしました。また、脆性材加工向け電着工具や独自開発の研材商材の拡販が奏功し、事業全体では売上高・営業利益ともに当連結会計年度のセグメント予算を超過いたしました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、5,608百万円(前年同期比19.4%増)となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は、1,771百万円(前連結会計年度は96百万円の使用)となりました。
資金の増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,302百万円、減価償却費199百万円、のれん償却額213百万円、事業再構築費用251百万円、棚卸資産の減少217百万円、仕入債務の増加345百万円などであり、資金の減少の主な内訳は、売上債権の増加額300百万円、法人税等の支払額428百万円などであります。
投資活動の結果得られた資金は、1,139百万円(前連結会計年度は2,207百万円の使用)となりました。
資金の増加の主な内訳は、有形固定資産の売却による収入360百万円、投資有価証券の売却による収入879百万円などであり、資金の減少の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出119百万円などであります。
財務活動の結果使用した資金は、1,945百万円(前連結会計年度は3,637百万円の獲得)となりました。
資金の増加の主な内訳は、長期借入金による収入500百万円、資金の減少の主な内訳は、短期借入金の返済による支出500百万円、長期借入金の返済による支出1,658百万円、配当金の支払額226百万円などであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
生産実績に重要性がないため、記載を省略しております。
b. 受注実績
受注実績については、販売実績と大差がないため、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 KMS事業の前期比較は、みなし取得日が2024年12月31日であったことから、2025年1月1日から2025年3月
31日の業績の期間となっております。
3 その他事業につきましては報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、製造事業であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりであります。
当社グループは、超硬工具に特化した高度専門商社としてグローバルに事業を展開しております。当社グループでは、業界NO.1に向けた成長戦略を海外市場及び国内市場にて推進しております。
海外市場は、ユーザーの海外移転が進む国内市場と比較して、より成長余地が大きい市場と捉えております。当社グループの海外進出可能な直販体制と商品力・提案力を武器に海外市場へ積極的に経営資源を投入しております。一方、国内市場においては、後継者問題や顧客の海外展開への対応などの課題を抱える販売会社に対する友好的なM&A、テクニカルセンターを活用した技術営業体制の強化、新商材の拡充など業界独自の販売方法を通してシェア拡大を図っております。
こういった方針のもと、当連結会計年度は、成長分野・新領域への積極的な展開、M&A戦略の継続推進とシナジー効果の最大化(特に前連結会計年度に実施したKamogawaグループとのシナジー創出)、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進による業務効率化、サステナビリティ経営の強化等に取り組みました。また、「収益性向上・強靭な財務体質の実現」に向けて非事業性資産の処分や事業再構築への取り組みを推進いたしました。
この結果、売上高は41,114百万円(前連結会計年度比36.5%増)、売上高営業利益率は2.4%(前連結会計年度から0.5ポイント増)自己資本比率は33.8%(前連結会計年度から3.5ポイント増)となりました。
今後も継続してM&Aを実施した連結子会社とのグループ間シナジーを高めてまいります。また海外市場で獲得したユーザーの国内拠点を開拓するなど海外市場と国内市場のシナジーを実現し、物流体制の効率化・情報の高度化等により利益の伴った成長を実現しつつ、新たな海外拠点の開設など成長市場への投資を行い、当社グループ全体の成長を図ってまいります。
また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、会社の将来の成長のための内部留保の充実と、株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本としております。将来の成長のための内部留保については、長期的な展望に立った事業所開設資金ならびに新規取扱い商品の購入資金に投入し、さらなる企業競争力の強化に取り組んでまいります。
当連結会計年度は、各種施策の取り組みによる営業キャッシュ・フローの獲得に加え、非事業性資産の処分による投資キャッシュ・フローの獲得により、「新中長期経営計画ローリングプラン(FY76-FY80)」において掲げる「収益性向上・強靭な財務体質の実現」に一定の成果が得られました。一方で、設備投資については、当社の事務所移転や連結子会社における販売管理システム導入、製造用設備の導入などの投資を行いました。この結果、当連結会計年度における固定資産の取得による支出は163百万円(前連結会計年度の固定資産の取得による支出は104百万円)となりました。尚、これらの投資のための所要資金は、自己資金、借入金にて賄っております。
この結果、当連結会計年度末における借入金等の有利子負債残高は8,809百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,608百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
当社グループは、棚卸資産の評価、固定資産の減損、のれん及び顧客関連資産の評価、貸倒引当金、税効果会計、投資その他の資産の評価及び偶発事象等に関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
翌連結会計年度においては個人消費や設備投資の持ち直しにより、緩やかな回復基調を辿ることが期待されるものの、依然として残る物価上昇圧力や金融政策の動向、さらには世界経済の減速懸念や地政学的リスクの高まり、貿易摩擦の激化、為替相場の不安定な動きなど懸念材料も多く、依然として先行き不透明な状況が続くものと予想されます。
財務諸表の作成に当たっては、「翌連結会計年度においては、米国トランプ政権の政策運営による世界経済の混迷、中国経済の低迷長期化、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢緊迫化による資源・エネルギーコストの高騰などを背景としたインフレ圧力の上昇、円安の進行、物価高騰、金利上昇など不確実要素もあるものの通常需要の見通しである」との仮定に基づき見積り及び予測を行っております。しかしながら、現時点で業績等、全ての影響について予測を行うことは困難な状況であるため、実際の業績とは異なる可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りであります。
a.財政状態
流動資産は、前連結会計年度末に比べて426百万円増加し、19,688百万円となりました。これは主に、現金及び預金が885百万円、売掛金が501百万円、電子記録債権が213百万円増加した一方で、受取手形が382百万円、棚卸資産が447百万円、その他(未収入金)が267百万円減少したことなどによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて714百万円減少し、5,854百万円となりました。これは主に、投資有価証券が96百万円増加した一方、土地が144百万円、顧客関連資産が122百万円、のれんが213百万円、使用権資産が59百万円、繰延税金資産が173百万円減少したことなどによります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて288百万円減少し、25,542百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて33百万円増加し、11,546百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が423百万円、未払法人税等が252百万円増加した一方で、短期借入金が500百万円、1年内返済予定の長期借入金が189百万円減少したことなどによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて1,120百万円減少し、5,348百万円となりました。これは主に、長期借入金が969百万円、繰延税金負債が94百万円減少したことなどによります。
この結果、負債は、前連結会計年度末に比べて1,087百万円減少し、16,894百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べて798百万円増加し、8,647百万円となりました。これは、利益剰余金が476百万円(親会社株主に帰属する当期純利益による増加702百万円、剰余金の配当による減少226百万円)、その他有価証券評価差額金が382百万円増加した一方、為替換算調整勘定が58百万円減少したことによります。
b.経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、長引く円安やエネルギー価格の高止まりに伴う物価上昇が個人消費の重石となったものの、企業部門においては堅調な収益を背景に、人手不足に対応した省力化・自動化投資や、GXおよびDXに関連する旺盛な設備投資意欲が継続いたしました。また、雇用環境の改善やインバウンド需要の拡大が景気を下支えし、全体としては緩やかな回復基調を維持いたしました。一方、世界経済においては、欧米の金融政策の不透明感や地政学的リスクの継続、さらには中国経済の不動産市場の低迷に伴う景気減速懸念など、依然として先行きに注意を要する状況が続いております。また、当社グループの関連する主要産業であります自動車業界においては、地域によって生産回復のペースに差が見られました。半導体・電子部品業界では、一部製品で在庫調整が進展したものの、需要の本格回復には至らず、関連する設備投資も慎重な動きが続きました。工作機械業界におきましても、国内外での受注環境は依然として厳しい状況で推移しました。
当社はこのような不透明な環境の中で、2024年5月に公表した「新中長期経営計画ローリングプラン(FY76-FY80)」の2年目として、「真の生産性向上に貢献する高度専門商社への変革」を基本方針として、持続的な成長と企業価値向上に向けた諸施策を着実に実行してまいりました。具体的には、成長分野・新領域への積極的な展開、M&A戦略の継続推進とシナジー効果の最大化(特に前連結会計年度に実施したKamogawaグループとのシナジー創出)、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進による業務効率化、サステナビリティ経営の強化等に取り組みました。また、子会社の非事業性資産の売却の推進による特別利益の計上とともに、事業構造改革の一環として「受発注業務体制の再整備による効率化」「物流業務の改革・効率化」および「商品戦略の見直し」に伴う特別損失の計上を行うなど、「収益性向上・強靭な財務体質の実現」に向けての取り組みを推進いたしました。
この結果、当連結会計年度の売上高は41,114百万円(前連結会計年度比36.5%増)、営業利益は980百万円(前連結会計年度比76.8%増)、経常利益は1,060百万円(前連結会計年度比88.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は702百万円(前連結会計年度比1,805.1%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
■ 切削工具事業
売上高は17,461百万円(前連結会計年度比4.2%増)、セグメント利益は354百万円(前連結会計年度比198.8%増)と増収増益となりました。
主な要因は、卸部門においては、主要メーカーの製品値上げに伴う需要の取り込みや、注力メーカーの積極的な拡販により売上高が堅調に推移いたしました。直需部門では、一部の自動車関連で投資抑制の影響が見られたものの、航空機・防衛関連需要の安定した取り込みや大型案件の受注が寄与し、収益・利益面ともに堅調に推移いたしました。
■ 耐摩工具事業
売上高は2,259百万円(前連結会計年度比3.5%増)、セグメント利益は78百万円(前連結会計年度比52.0%減)と増収減益となりました。
主な要因は、成長分野であるEV関連、特に車載電池・バッテリーを中心とした受注獲得への注力や新規の外注加工先との取組みを積極展開したことにより売上は堅調に推移いたしました。一方で、仕入原価の高騰による粗利率の低下に加え、販売管理費の増加により利益面は低調に推移いたしました。
■ 海外事業
売上高は8,983百万円(前連結会計年度比23.2%増)、セグメント利益は161百万円(前連結会計年度比16.3%減)と増収減益となりました。
主な要因は、成長市場であるインドや北米エリアの開拓が順調に進捗したほか、鉱物資源販売における売上寄与があり売上高は大幅に増加しました。利益面では北米、メキシコにおいて関税の影響で粗利率が低下したことなどにより減益となりました。
なお、海外事業のセグメントに含まれていたCOMINIX RUS LLCは、重要性がなくなったことから当連結会計年度より連結の範囲及び持分法適用の範囲から除外いたしました。
■ 光製品事業
売上高は 1,393百万円(前連結会計年度比4.4%減)、セグメント利益は108百万円(前連結会計年度比12.6%増)と減収増益となりました。
主な要因は、主力のマシンビジョン関連ビジネスをはじめとしたLEDビジョンなどの映像関連ビジネスにおいて、既存顧客の他、国内市場の新規開拓に積極的に注力しましたが受注・売上ともに伸び悩みました。一方で、利益面では粗利率の改善などの施策に取り組み増益となりました。
■ eコマース事業
売上高は 133百万円(前連結会計年度比51.3%増)、セグメント損失は65百万円(前連結会計年度は72百万円のセグメント損失)となりました。
主な要因は、取り扱い商品の拡充に加え、キャンペーンの実施や広告配信手法の最適化により新規会員数が大きく伸長し、販売実績や顧客基盤の拡大に一定の成果が見られたものの、利益面では販促施策の影響を受けて粗利率が低下し、通期の収益改善には至らなかったことによります。
■ Kamogawaものづくりソリューション事業(KMS事業)
売上高は10,140、セグメント利益は219百万円となりました。
当該セグメントは、2024年12月に実施したKamogawaグループのM&Aにより前連結会計年度より「Kamogawaものづくりソリューション事業セグメント」として、株式会社Kamogawa及びその子会社が営む切削工具・研削砥石などの生産財の販売の業績を反映しております。
KMS事業においては、一般消耗材は市況の影響により苦戦したものの、機械案件や自動化設備需要が収益を下支えしました。また、脆性材加工向け電着工具や独自開発の研材商材の拡販が奏功し、事業全体では売上高・営業利益ともに当連結会計年度のセグメント予算を超過いたしました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、5,608百万円(前年同期比19.4%増)となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は、1,771百万円(前連結会計年度は96百万円の使用)となりました。
資金の増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,302百万円、減価償却費199百万円、のれん償却額213百万円、事業再構築費用251百万円、棚卸資産の減少217百万円、仕入債務の増加345百万円などであり、資金の減少の主な内訳は、売上債権の増加額300百万円、法人税等の支払額428百万円などであります。
投資活動の結果得られた資金は、1,139百万円(前連結会計年度は2,207百万円の使用)となりました。
資金の増加の主な内訳は、有形固定資産の売却による収入360百万円、投資有価証券の売却による収入879百万円などであり、資金の減少の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出119百万円などであります。
財務活動の結果使用した資金は、1,945百万円(前連結会計年度は3,637百万円の獲得)となりました。
資金の増加の主な内訳は、長期借入金による収入500百万円、資金の減少の主な内訳は、短期借入金の返済による支出500百万円、長期借入金の返済による支出1,658百万円、配当金の支払額226百万円などであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
生産実績に重要性がないため、記載を省略しております。
b. 受注実績
受注実績については、販売実績と大差がないため、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 切削工具事業 | 17,461 | 104.2 |
| 耐摩工具事業 | 2,259 | 103.5 |
| 海外事業 | 8,983 | 123.2 |
| 光製品事業 | 1,393 | 95.6 |
| eコマース事業 | 133 | 151.3 |
| Kamogawaものづくりソリューション事業(KMS事業) | 10,140 | 649.3 |
| その他事業 | 741 | 94.5 |
| 合計 | 41,114 | 136.5 |
(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 KMS事業の前期比較は、みなし取得日が2024年12月31日であったことから、2025年1月1日から2025年3月
31日の業績の期間となっております。
3 その他事業につきましては報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、製造事業であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりであります。
当社グループは、超硬工具に特化した高度専門商社としてグローバルに事業を展開しております。当社グループでは、業界NO.1に向けた成長戦略を海外市場及び国内市場にて推進しております。
海外市場は、ユーザーの海外移転が進む国内市場と比較して、より成長余地が大きい市場と捉えております。当社グループの海外進出可能な直販体制と商品力・提案力を武器に海外市場へ積極的に経営資源を投入しております。一方、国内市場においては、後継者問題や顧客の海外展開への対応などの課題を抱える販売会社に対する友好的なM&A、テクニカルセンターを活用した技術営業体制の強化、新商材の拡充など業界独自の販売方法を通してシェア拡大を図っております。
こういった方針のもと、当連結会計年度は、成長分野・新領域への積極的な展開、M&A戦略の継続推進とシナジー効果の最大化(特に前連結会計年度に実施したKamogawaグループとのシナジー創出)、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進による業務効率化、サステナビリティ経営の強化等に取り組みました。また、「収益性向上・強靭な財務体質の実現」に向けて非事業性資産の処分や事業再構築への取り組みを推進いたしました。
この結果、売上高は41,114百万円(前連結会計年度比36.5%増)、売上高営業利益率は2.4%(前連結会計年度から0.5ポイント増)自己資本比率は33.8%(前連結会計年度から3.5ポイント増)となりました。
今後も継続してM&Aを実施した連結子会社とのグループ間シナジーを高めてまいります。また海外市場で獲得したユーザーの国内拠点を開拓するなど海外市場と国内市場のシナジーを実現し、物流体制の効率化・情報の高度化等により利益の伴った成長を実現しつつ、新たな海外拠点の開設など成長市場への投資を行い、当社グループ全体の成長を図ってまいります。
また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、会社の将来の成長のための内部留保の充実と、株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本としております。将来の成長のための内部留保については、長期的な展望に立った事業所開設資金ならびに新規取扱い商品の購入資金に投入し、さらなる企業競争力の強化に取り組んでまいります。
当連結会計年度は、各種施策の取り組みによる営業キャッシュ・フローの獲得に加え、非事業性資産の処分による投資キャッシュ・フローの獲得により、「新中長期経営計画ローリングプラン(FY76-FY80)」において掲げる「収益性向上・強靭な財務体質の実現」に一定の成果が得られました。一方で、設備投資については、当社の事務所移転や連結子会社における販売管理システム導入、製造用設備の導入などの投資を行いました。この結果、当連結会計年度における固定資産の取得による支出は163百万円(前連結会計年度の固定資産の取得による支出は104百万円)となりました。尚、これらの投資のための所要資金は、自己資金、借入金にて賄っております。
この結果、当連結会計年度末における借入金等の有利子負債残高は8,809百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,608百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
当社グループは、棚卸資産の評価、固定資産の減損、のれん及び顧客関連資産の評価、貸倒引当金、税効果会計、投資その他の資産の評価及び偶発事象等に関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
翌連結会計年度においては個人消費や設備投資の持ち直しにより、緩やかな回復基調を辿ることが期待されるものの、依然として残る物価上昇圧力や金融政策の動向、さらには世界経済の減速懸念や地政学的リスクの高まり、貿易摩擦の激化、為替相場の不安定な動きなど懸念材料も多く、依然として先行き不透明な状況が続くものと予想されます。
財務諸表の作成に当たっては、「翌連結会計年度においては、米国トランプ政権の政策運営による世界経済の混迷、中国経済の低迷長期化、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢緊迫化による資源・エネルギーコストの高騰などを背景としたインフレ圧力の上昇、円安の進行、物価高騰、金利上昇など不確実要素もあるものの通常需要の見通しである」との仮定に基づき見積り及び予測を行っております。しかしながら、現時点で業績等、全ての影響について予測を行うことは困難な状況であるため、実際の業績とは異なる可能性があります。