有価証券報告書-第10期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、感染力の強い変異株の影響もあって新型コロナウイルス感染拡大の波が断続的に訪れており、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言の再発出がされたものの感染抑制効果は限定的で足元の景気の下押し要因となっております。また他の先進国に比べてワクチン接種に時間を要していたり、逼迫する医療体制の改善が見込めないままオリンピック・パラリンピックの開催が予定されていること等からも、依然人々の不安は払拭できず景気の先行きについては不透明な状況が続いております。一方、コロナ禍で生じたリモート化・EC化等の潮流変化はコロナ後も続く不可逆的な動きとなり、デジタル化は加速するとみられています。また持続可能な社会づくりに向け、世界各国から環境問題や気候変動への対応方針が示され、再生可能エネルギーの活用等の取組みが進んでおり、日本政府も2050年に脱炭素社会の実現を目指すことを宣言し、各国政府によるグリーン化の公共投資及び企業による設備投資の拡大が期待されておりますが、やはり経済回復のペースには各国でバラつきが生じるとの見方が強く、世界的な景気の下振れリスクには依然予断を許さない状況です。
当社グループの主要事業領域の一つである消費者向け電子商取引市場においては、配送業界が過去最高を記録したことからも推計されるように、これまでEコマースを利用していなかった業種も次々とネット販売を開始したり、役務サービスやエンターテイメント業界においてもオンラインでのサービス提供を実施する等、イノベーションの発展を伴って新たな消費行動を促す兆候も多くみられました。決済サービス事業そのものは、その産業の特性上と上記のような動きもあり、一定の選別は伴うものの「巣ごもり消費」や新たな生活様式に合致した消費を中心に継続的な市場規模の拡大が見込まれております。またSBIレミット株式会社等の事業領域である国際送金市場については、コロナ禍で技能実習生を含む新規の外国人労働者が入国しない状況が続くわりには、帰国せず日本に残留する外国人による郷里送金等に支えられ、第3四半期までは順調に売上が増加しておりました。しかし、長引く新型コロナウイルス感染症拡大防止の水際対策として、政府が再び外国人の入国を厳しく制限する措置をとったため、2021年1月以降 新たに来日する外国人が激減すると共に、帰国ができないまま技能実習生の雇用が終了し送金原資の目減りが懸念される国も一部出てきております。抜本的な外部環境の早期好転を望むも、新型コロナウイルスがある程度収束しない限り、今後の新規会員獲得とこれまで同様の継続的な市場の拡大は厳しいとの予測がなされております。ただし当期に限って言えば、上期は既存会員による送金が多く実施されたこともあり、損益的な影響は限定的となりました。
こうした状況の下、当社グループは「総合FinTechソリューション企業」として、従来金融機関では提供できない領域に対する様々なニーズに、FinTech技術を活用した顧客便益の高いソリューションで応え、かつSBIグループで推進する「地方創生を地銀との連携を通して実現する」というビジョンの下、グループシナジーを活かした顧客基盤の拡大を目指し、中長期的視点に立った事業全般にわたる競争力の強化のための施策を推し進めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ11,975,030千円増加し、36,179,158千円となりました。主な要因は、現金及び預金が2,640,042千円、買取債権が6,692,931千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ11,659,176千円増加し、31,708,512千円となりました。主な要因は、短期借入金の増加が5,520,301千円、長期借入金が2,026,183千円、社債が1,793,292千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ315,854千円増加し、4,470,646千円となりました。主な要因は、利益剰余金が334,182千円増加したことによるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度における当社グループの取組みは、冒頭に記載のとおりであります。
販売費及び管理費につきましては、費用削減努力を継続する一方で管理体制の強化及び海外事業展開を推進するために優秀な人材の積極採用を行った結果、増加しました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度における経営成績は、収益9,265,637千円(前期比112.3%)、売上総利益6,175,655千円(前期比103.5%)、継続事業からの税引前当期利益1,127,074千円(前期比100.2%)、当期利益723,121千円(前期比85.0%)、当期利益(親会社の所有者に帰属)725,818千円(前期比84.9%)となりました。また、当連結会計年度にビジネスサーチテクノロジ株式会社の損益を非継続事業に分類したため、前連結会計年度の数値を組替えし、比較分析しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,640,042千円増加し、当連結会計年度末には、20,844,570千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及び主な要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは5,784,353千円の支出(前連結会計年度は5,395,540千円の支出)となりました。これは主に買取債権の増減8,558,283千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは398,393千円の支出(前連結会計年度は698,629千円の支出)となりました。これは主に無形資産の取得による支出1,081,690千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは8,722,791千円の収入(前連結会計年度は1,932,577千円の収入)となりました。これは主に短期借入金の純増減額5,229,428千円、長期借入金の借入による収入3,276,417千円、及び社債の発行による収入1,920,089千円によるものであります。
② 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、決済サービス事業、個人向けマネーサービス事業並びに企業支援サービス事業を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため記載しておりません。
b.受注実績
生産実績と同様の理由により記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3. 重要な会計方針 4. 重要な会計上の判断及び不確実性の見積りの主要な源泉」に記載しております。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響は、収束時期の見通しが依然困難な状況にあるものの、当社グループの事業活動及び業績への影響は限定的であることから、本連結財務諸表における重要な会計上の判断、見積り及び仮定の変更は見込んでおりません。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
a.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
決済サービス事業における市場動向としては、非対面決済を中心に拡大基調を維持すると思われ、コロナ禍もEC化の追い風となる予想の一方、競争激化による利益率の低下が続く等、成熟市場ゆえの課題も存在します。また新型コロナウイルスによるオリンピック・パラリンピックへの直接的な影響ほか、経済全体への影響が計り知れない状況ではあるものの、そこに対しては、テレワーク拡大等で顕在化した不可逆的な潮流であるDX化のニーズに対し、グループ子会社が提供するクラウドサービスと決済、さらにファクタリングを中心としたフィナンシャルソリューションの連携等を模索し当社の得意分野における市場等で差別化を図り、収益性の高いサービスを構築することで底上げをする必要があります。また改正割販法への対応等、新たなビジネスチャンスである一方で、加盟店管理の厳格化等に伴うコスト増も利益を圧迫する要因の一つと認識しており、そこに対しては、業務効率化と改善ツール等も用いて継続的にコスト削減努力を行っていく方針です。
国際送金サービス分野における世界的な市場動向は、グローバル化で出稼ぎ労働者を含む移民が増加し、1990年以降、年平均成長率は9%に達し、世界銀行のデータによれば2019年には約75兆円と過去最高を更新しました。こういった市場の伸びはナチュラルグロースとして享受できる一方、2020年初頭から世界的に感染が拡大している新型コロナウイルスの影響で、世界銀行は出稼ぎ労働者による本国への送金額が対前年比で約20%減少するとの見通しを発表しておりましたが、全体で見ると減少幅はわずか1.6%減に留まったものの、やはり地域によって大きな差が生じており、ワクチン接種が進まない途上国においては、今後の送金の見通しは依然として不透明な状況となっています。こういった不安定な状況の中、ブロックチェーンやDLT技術、暗号資産等を用いた革新的な送金技術を利用したり、新たな顧客獲得の方法を模索しつつ、顧客目線で最善・最良のサービスを常に模索し提供し続けることが非常に重要と認識しております。
当社グループの経営に影響を与える要因としては、各事業分野における市場動向、法規制及び法改正動向、サイバー攻撃等の高度化・巧妙化を含むセキュリティリスク動向、新規サービスの企画・開発を含むシステム対応状況等があります。当社グループは、FinTech関連サービスを提供するSBIホールディングス傘下の2社を子会社に加えたことで、決済サービス事業をメインとした「ECトータルソリューション企業」から「総合FinTechソリューション企業」へと進化いたしました。これにより、2008年のリーマンショック以降、従来金融機関がリスクをとれないがゆえに、ニーズがあってもサービス提供に積極的でなかった中小企業や個人向け等のギャップ領域に対して、FinTechのテクノロジーを活用することで、リスクを抑えつつ顧客中心主義の目線で優良なサービスを開発し提供していくことをミッションとし、事業ドメインとして注力しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な運転資金需要としては、クレジットカード会社に対する売上原価及び販売費、管理費等の営業費用や国際送金事業における送金資金、ファクタリング等のファイナンス資金であります。投資資金需要としては、システム投資を中心とした設備投資によるものであります。
当社グループは事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、自己資金の活用及び金融機関からの借入及び当座借越、極度借入の未使用枠を有しております。また、複数の金融機関を比較することで、資金調達コストの逓減に努めております。
c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)決済サービス事業
決済サービス事業におきましては、EC事業者向けの決済サービス(クレジットカード決済、コンビニ決済、Pay-easy決済、口座振替決済、銀行振込決済、キャリア決済、電子マネー決済等)、店舗向け端末決済サービス等の開発と販売に関する事業が属しております。コロナ禍で伸長した加盟店も多くあったものの、チケット販売やインバウンド需要蒸発の影響を受けたホテル等のオンライン宿泊予約等の大手既存加盟店の一部落ち込み等、吉凶混合の状況となりました。また昨今の資金需要の高まりを受け、ファクタリングを中心としたフィナンシャルソリューションの提供を本格的に開始し、EC事業者のみならず、調剤薬局等の診療報酬債権の買取等も含め取引の裾野を拡大いたしました。こうした様々な取組みの結果、売上高は前年を上回りましたが、新規事業であるフィナンシャルソリューション関連や決済系の新たなサービス開発におけるシステム外注費やマーケティング費用及び人材への先行投資による販管費増により営業利益は前年比でマイナスとなりました。
以上の結果、当連結会計年度における収益は3,242,805千円(前期比113.7%)、営業利益は503,351千円(前期比65.3%)となりました。
(b)個人向けマネーサービス事業
個人向けマネーサービス事業におきましては、SBIレミット株式会社及び2018年3月にサービスを開始した韓国のSBI Cosmoney Co.,Ltd.による「国際送金サービス」が属しております。「国際送金サービス」は、SBIレミット株式会社が、ベトナム等の外国人技能実習生の増加等を背景に、日本に在留する外国人数が過去最高を記録する等、市場の拡大に伴い、手数料収益等を拡大した一方、SBI Cosmoney Co.,Ltd.は立上げに伴うコストが先行いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における収益は5,041,053千円(前期比113.0%)、営業利益は499,522千円(前期比116.7%)となりました。
(c)企業支援サービス事業
企業支援サービス事業におきましては、SBIビジネス・ソリューションズ株式会社が提供する、企業の「バックオフィス支援系クラウドサービス」や、持分法適用関連会社の株式会社ブロードバンドセキュリティが提供する「総合ITセキュリティサービス」等、事業者向けのセキュリティ関連サービス、企業の経理や会計・稟議システム・勤怠管理システム等のバックオフィス業務を支援する様々なサービスが属しております。当事業におきましては、SBIビジネス・ソリューションズにおいて、SBIグループの推進する「地方創生」の取組みを具現化させるべく、地銀との連携を強化し傘下の中小企業の獲得に注力いたしました。
なお「サイト内検索サービス」を提供するビジネスサーチテクノロジ株式会社につきましては、事業ポートフォリオ最適化の一環で2020年11月に全株式を譲渡いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における収益は981,779千円(前期比105.0%)、営業利益はビジネスサーチテクノロジ株式会社の子会社株式売却益684,642千円を含み、673,688千円(前期比356.4%)となりました。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、感染力の強い変異株の影響もあって新型コロナウイルス感染拡大の波が断続的に訪れており、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言の再発出がされたものの感染抑制効果は限定的で足元の景気の下押し要因となっております。また他の先進国に比べてワクチン接種に時間を要していたり、逼迫する医療体制の改善が見込めないままオリンピック・パラリンピックの開催が予定されていること等からも、依然人々の不安は払拭できず景気の先行きについては不透明な状況が続いております。一方、コロナ禍で生じたリモート化・EC化等の潮流変化はコロナ後も続く不可逆的な動きとなり、デジタル化は加速するとみられています。また持続可能な社会づくりに向け、世界各国から環境問題や気候変動への対応方針が示され、再生可能エネルギーの活用等の取組みが進んでおり、日本政府も2050年に脱炭素社会の実現を目指すことを宣言し、各国政府によるグリーン化の公共投資及び企業による設備投資の拡大が期待されておりますが、やはり経済回復のペースには各国でバラつきが生じるとの見方が強く、世界的な景気の下振れリスクには依然予断を許さない状況です。
当社グループの主要事業領域の一つである消費者向け電子商取引市場においては、配送業界が過去最高を記録したことからも推計されるように、これまでEコマースを利用していなかった業種も次々とネット販売を開始したり、役務サービスやエンターテイメント業界においてもオンラインでのサービス提供を実施する等、イノベーションの発展を伴って新たな消費行動を促す兆候も多くみられました。決済サービス事業そのものは、その産業の特性上と上記のような動きもあり、一定の選別は伴うものの「巣ごもり消費」や新たな生活様式に合致した消費を中心に継続的な市場規模の拡大が見込まれております。またSBIレミット株式会社等の事業領域である国際送金市場については、コロナ禍で技能実習生を含む新規の外国人労働者が入国しない状況が続くわりには、帰国せず日本に残留する外国人による郷里送金等に支えられ、第3四半期までは順調に売上が増加しておりました。しかし、長引く新型コロナウイルス感染症拡大防止の水際対策として、政府が再び外国人の入国を厳しく制限する措置をとったため、2021年1月以降 新たに来日する外国人が激減すると共に、帰国ができないまま技能実習生の雇用が終了し送金原資の目減りが懸念される国も一部出てきております。抜本的な外部環境の早期好転を望むも、新型コロナウイルスがある程度収束しない限り、今後の新規会員獲得とこれまで同様の継続的な市場の拡大は厳しいとの予測がなされております。ただし当期に限って言えば、上期は既存会員による送金が多く実施されたこともあり、損益的な影響は限定的となりました。
こうした状況の下、当社グループは「総合FinTechソリューション企業」として、従来金融機関では提供できない領域に対する様々なニーズに、FinTech技術を活用した顧客便益の高いソリューションで応え、かつSBIグループで推進する「地方創生を地銀との連携を通して実現する」というビジョンの下、グループシナジーを活かした顧客基盤の拡大を目指し、中長期的視点に立った事業全般にわたる競争力の強化のための施策を推し進めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ11,975,030千円増加し、36,179,158千円となりました。主な要因は、現金及び預金が2,640,042千円、買取債権が6,692,931千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ11,659,176千円増加し、31,708,512千円となりました。主な要因は、短期借入金の増加が5,520,301千円、長期借入金が2,026,183千円、社債が1,793,292千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ315,854千円増加し、4,470,646千円となりました。主な要因は、利益剰余金が334,182千円増加したことによるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度における当社グループの取組みは、冒頭に記載のとおりであります。
販売費及び管理費につきましては、費用削減努力を継続する一方で管理体制の強化及び海外事業展開を推進するために優秀な人材の積極採用を行った結果、増加しました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度における経営成績は、収益9,265,637千円(前期比112.3%)、売上総利益6,175,655千円(前期比103.5%)、継続事業からの税引前当期利益1,127,074千円(前期比100.2%)、当期利益723,121千円(前期比85.0%)、当期利益(親会社の所有者に帰属)725,818千円(前期比84.9%)となりました。また、当連結会計年度にビジネスサーチテクノロジ株式会社の損益を非継続事業に分類したため、前連結会計年度の数値を組替えし、比較分析しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,640,042千円増加し、当連結会計年度末には、20,844,570千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及び主な要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは5,784,353千円の支出(前連結会計年度は5,395,540千円の支出)となりました。これは主に買取債権の増減8,558,283千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは398,393千円の支出(前連結会計年度は698,629千円の支出)となりました。これは主に無形資産の取得による支出1,081,690千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは8,722,791千円の収入(前連結会計年度は1,932,577千円の収入)となりました。これは主に短期借入金の純増減額5,229,428千円、長期借入金の借入による収入3,276,417千円、及び社債の発行による収入1,920,089千円によるものであります。
② 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、決済サービス事業、個人向けマネーサービス事業並びに企業支援サービス事業を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため記載しておりません。
b.受注実績
生産実績と同様の理由により記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自2020年4月1日 至2021年3月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| 決済サービス事業 | 3,242,805 | 113.7% |
| 個人向けマネーサービス事業 | 5,041,053 | 113.0% |
| 企業支援サービス事業 | 981,779 | 105.0% |
| 合計 | 9,265,637 | 112.3% |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3. 重要な会計方針 4. 重要な会計上の判断及び不確実性の見積りの主要な源泉」に記載しております。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響は、収束時期の見通しが依然困難な状況にあるものの、当社グループの事業活動及び業績への影響は限定的であることから、本連結財務諸表における重要な会計上の判断、見積り及び仮定の変更は見込んでおりません。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
a.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
決済サービス事業における市場動向としては、非対面決済を中心に拡大基調を維持すると思われ、コロナ禍もEC化の追い風となる予想の一方、競争激化による利益率の低下が続く等、成熟市場ゆえの課題も存在します。また新型コロナウイルスによるオリンピック・パラリンピックへの直接的な影響ほか、経済全体への影響が計り知れない状況ではあるものの、そこに対しては、テレワーク拡大等で顕在化した不可逆的な潮流であるDX化のニーズに対し、グループ子会社が提供するクラウドサービスと決済、さらにファクタリングを中心としたフィナンシャルソリューションの連携等を模索し当社の得意分野における市場等で差別化を図り、収益性の高いサービスを構築することで底上げをする必要があります。また改正割販法への対応等、新たなビジネスチャンスである一方で、加盟店管理の厳格化等に伴うコスト増も利益を圧迫する要因の一つと認識しており、そこに対しては、業務効率化と改善ツール等も用いて継続的にコスト削減努力を行っていく方針です。
国際送金サービス分野における世界的な市場動向は、グローバル化で出稼ぎ労働者を含む移民が増加し、1990年以降、年平均成長率は9%に達し、世界銀行のデータによれば2019年には約75兆円と過去最高を更新しました。こういった市場の伸びはナチュラルグロースとして享受できる一方、2020年初頭から世界的に感染が拡大している新型コロナウイルスの影響で、世界銀行は出稼ぎ労働者による本国への送金額が対前年比で約20%減少するとの見通しを発表しておりましたが、全体で見ると減少幅はわずか1.6%減に留まったものの、やはり地域によって大きな差が生じており、ワクチン接種が進まない途上国においては、今後の送金の見通しは依然として不透明な状況となっています。こういった不安定な状況の中、ブロックチェーンやDLT技術、暗号資産等を用いた革新的な送金技術を利用したり、新たな顧客獲得の方法を模索しつつ、顧客目線で最善・最良のサービスを常に模索し提供し続けることが非常に重要と認識しております。
当社グループの経営に影響を与える要因としては、各事業分野における市場動向、法規制及び法改正動向、サイバー攻撃等の高度化・巧妙化を含むセキュリティリスク動向、新規サービスの企画・開発を含むシステム対応状況等があります。当社グループは、FinTech関連サービスを提供するSBIホールディングス傘下の2社を子会社に加えたことで、決済サービス事業をメインとした「ECトータルソリューション企業」から「総合FinTechソリューション企業」へと進化いたしました。これにより、2008年のリーマンショック以降、従来金融機関がリスクをとれないがゆえに、ニーズがあってもサービス提供に積極的でなかった中小企業や個人向け等のギャップ領域に対して、FinTechのテクノロジーを活用することで、リスクを抑えつつ顧客中心主義の目線で優良なサービスを開発し提供していくことをミッションとし、事業ドメインとして注力しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な運転資金需要としては、クレジットカード会社に対する売上原価及び販売費、管理費等の営業費用や国際送金事業における送金資金、ファクタリング等のファイナンス資金であります。投資資金需要としては、システム投資を中心とした設備投資によるものであります。
当社グループは事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、自己資金の活用及び金融機関からの借入及び当座借越、極度借入の未使用枠を有しております。また、複数の金融機関を比較することで、資金調達コストの逓減に努めております。
c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)決済サービス事業
決済サービス事業におきましては、EC事業者向けの決済サービス(クレジットカード決済、コンビニ決済、Pay-easy決済、口座振替決済、銀行振込決済、キャリア決済、電子マネー決済等)、店舗向け端末決済サービス等の開発と販売に関する事業が属しております。コロナ禍で伸長した加盟店も多くあったものの、チケット販売やインバウンド需要蒸発の影響を受けたホテル等のオンライン宿泊予約等の大手既存加盟店の一部落ち込み等、吉凶混合の状況となりました。また昨今の資金需要の高まりを受け、ファクタリングを中心としたフィナンシャルソリューションの提供を本格的に開始し、EC事業者のみならず、調剤薬局等の診療報酬債権の買取等も含め取引の裾野を拡大いたしました。こうした様々な取組みの結果、売上高は前年を上回りましたが、新規事業であるフィナンシャルソリューション関連や決済系の新たなサービス開発におけるシステム外注費やマーケティング費用及び人材への先行投資による販管費増により営業利益は前年比でマイナスとなりました。
以上の結果、当連結会計年度における収益は3,242,805千円(前期比113.7%)、営業利益は503,351千円(前期比65.3%)となりました。
(b)個人向けマネーサービス事業
個人向けマネーサービス事業におきましては、SBIレミット株式会社及び2018年3月にサービスを開始した韓国のSBI Cosmoney Co.,Ltd.による「国際送金サービス」が属しております。「国際送金サービス」は、SBIレミット株式会社が、ベトナム等の外国人技能実習生の増加等を背景に、日本に在留する外国人数が過去最高を記録する等、市場の拡大に伴い、手数料収益等を拡大した一方、SBI Cosmoney Co.,Ltd.は立上げに伴うコストが先行いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における収益は5,041,053千円(前期比113.0%)、営業利益は499,522千円(前期比116.7%)となりました。
(c)企業支援サービス事業
企業支援サービス事業におきましては、SBIビジネス・ソリューションズ株式会社が提供する、企業の「バックオフィス支援系クラウドサービス」や、持分法適用関連会社の株式会社ブロードバンドセキュリティが提供する「総合ITセキュリティサービス」等、事業者向けのセキュリティ関連サービス、企業の経理や会計・稟議システム・勤怠管理システム等のバックオフィス業務を支援する様々なサービスが属しております。当事業におきましては、SBIビジネス・ソリューションズにおいて、SBIグループの推進する「地方創生」の取組みを具現化させるべく、地銀との連携を強化し傘下の中小企業の獲得に注力いたしました。
なお「サイト内検索サービス」を提供するビジネスサーチテクノロジ株式会社につきましては、事業ポートフォリオ最適化の一環で2020年11月に全株式を譲渡いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における収益は981,779千円(前期比105.0%)、営業利益はビジネスサーチテクノロジ株式会社の子会社株式売却益684,642千円を含み、673,688千円(前期比356.4%)となりました。