有価証券報告書-第3期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
a.財政状態
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて17,187百万円増加し、393,392百万円となりました。これは主に、現金及び預金、受取手形及び売掛金、有形固定資産の増加等と投資有価証券の減少等によるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べて12,974百万円増加し、169,317百万円となりました。これは主に、短期借入金の増加等によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて4,213百万円増加し、224,074百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加等によるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に緩やかな景気回復基調で推移しましたが、海外では米中貿易摩擦の長期化が世界経済に及ぼす影響が懸念されるなど、先行きについては不透明な状況が継続しております。
当業界におきましては、原材料を含めた生産コストの上昇及び物流コストの高止まりが続く中、食料品等の日常生活品に対する消費者の低価格志向は依然根強く、厳しい事業環境が続いております。
このような状況の中、当連結会計年度の当社グループの経営成績につきましては、売上高は、前期に比べて18,856百万円増加して850,721百万円(前期比2.3%増)となりました。営業利益は、前期に比べて7,067百万円減少し、14,494百万円(前期比32.8%減)となりました。また、経常利益は、前期に比べて8,744百万円減少し、15,679百万円(前期比35.8%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べて5,196百万円減少し、10,588百万円(前期比32.9%減)となりました。
報告セグメント別の業績の概況は、次のとおりであります。
<加工食品事業>ハム・ソーセージについては、消費者キャンペーン等の実施により、「The GRAND アルトバイエルン」「朝のフレッシュシリーズ」「ポークビッツ」「原形ベーコンシリーズ」等の主力商品は総じて堅調に推移しましたが、業務用商品の伸び悩み等もあり、売上高は減少しました。
調理加工食品については、消費者の簡便志向・健康志向に対応した商品提案を強化し、テレビコマーシャルを投入した「ラ・ピッツァシリーズ」などのピザ・スナック類や「サラダチキン」などのチキン商品に加え、「レンジでごちそうシリーズ」などの簡便調理をアピールした商品が好調に推移しました。また、ハンバーグ・ミートボール類やトンカツなどのフライ商品等の拡販に努め、販売数量を伸ばした結果、売上高は増加しました。
ギフトについては、市場全体が縮小する中、「伝承」をはじめローストビーフや調理品ギフト等の拡販に努めた結果、歳暮商戦においては販売数量、売上高ともにほぼ前年並みとなりました。
以上の結果、当連結会計年度の加工食品事業の売上高は、前期に比べて4,436百万円増加し、291,939百万円(前期比1.5%増)、営業利益は、生産及び物流コストの上昇分を販売価格に転嫁しきれなかったことから、前期に比べて2,849百万円減少し、7,914百万円(前期比26.5%減)となりました。
<食肉事業>国内事業については、新規取引先の獲得や国内生産者との連携強化とともに、オリジナルブランド等の付加価値の高い商品の拡販に努めて売上高は増加しました。牛肉は、国産牛肉の相場高に加え、輸入牛肉も含めた調達コストの上昇の影響を受けましたが、販売数量が伸びたことから売上高は増加しました。豚肉は、オリジナルブランドの「アルティシモ・リバサム」「麦の誉」「菜の花そだち三元豚」が伸長しましたが、国産豚肉の相場下落の影響を受けて、売上高は減少しました。鶏肉は、「大地のハーブ鶏」の積極展開等に努めましたが、国産・輸入ともに前年の相場高の反動を受けた販売単価下落等の影響により、売上高は減少しました。
海外事業については、アンズコフーズ社は、売上高は増加したものの、調達コストの上昇等の影響を受けて、収益面では苦しい状況となりました。
以上の結果、当連結会計年度の食肉事業の売上高は、前期に比べて14,469百万円増加し、554,576百万円(前期比2.7%増)、営業利益は、海外事業の収益環境の悪化等の影響により、前期に比べて4,068百万円減少し、7,364百万円(前期比35.6%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて5,358百万円増加(前期は23,501百万円減少)し、34,643百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により資金は15,114百万円増加(前期は5,521百万円増加)しました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益、減価償却費によるものであり、主な減少要因は、売上債権の増加、法人税等の支払によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により資金は19,879百万円減少(前期は8,183百万円減少)しました。主な減少要因は、設備更新等の有形固定資産の取得による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により資金は10,084百万円増加(前期は20,004百万円減少)しました。主な増加要因は、短期借入金の増加、長期借入金の増加による収入であり、主な減少要因は、配当金の支払による支出であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.当社グループ製品の製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは「私たちは事業を通じて、健やかで豊かな社会の実現に貢献します」をグループ理念に、「フェアスピリットと変革への挑戦を大切にし、従業員とともに持続的に成長する食品リーディングカンパニー」をビジョンとして掲げ、チャレンジ精神を持って「中期経営計画2020」に掲げた施策等に取り組んでおります。また、本計画の最終年度の2021年3月期には、売上高1兆円、経常利益率3%以上の業績目標を達成すべく、グループ一丸となって取り組んでおります。
a.経営成績
(売上高)
ハム・ソーセージについては、消費者キャンペーン等の実施により主力商品は総じて堅調に推移したものの、業務用商品の伸び悩み等もあり減収となりました。調理加工食品については、消費者の簡便志向・健康志向に対応した商品提案の強化や、チキン商品、ハンバーグ・ミートボール類、フライ商品等の拡販に努め、販売数量を伸ばした結果増収となりました。食肉については、国内では牛肉が相場高に加えて販売数量も伸ばしたことから増収となりましたが、豚肉・鶏肉は相場下落等の影響により減収となりました。海外ではアンズコフーズ社が増収となり、食肉全体では増収となりました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は、850,721百万円と前期に比べて18,856百万円(2.3%)の増収となりました。
(営業利益)
加工食品事業において生産及び物流コストの上昇分を販売価格に転嫁しきれなかったことや、食肉事業においてアンズコフーズ社が調達コスト上昇の影響を受けた結果、当連結会計年度の営業利益は、14,494百万円と前期に比べて7,067百万円(32.8%)の減益となりました。
(経常利益)
持分法による投資損益が減少したこと等により、当連結会計年度の経常利益は、15,679百万円と前期に比べて8,744百万円(35.8%)の減益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、10,588百万円と前期に比べて5,196百万円(32.9%)の減益となりました。
(今後の見通し)
わが国経済は、堅調な企業収益や雇用・所得環境の緩やかな改善が続くことが見込まれる一方で、世界経済の不透明な状況に左右される懸念が広がっています。
当業界におきましても、人手不足による人件費・物流費の上昇や10月に予定されている消費増税の影響により、消費者の節約志向は一層強まることが想定される等、厳しい経営環境が続くと予想されます。
このような環境を踏まえ当社グループは、伊藤ハム、米久両ブランドの主力商品の拡販に努めるとともに、高品質・高付加価値商品の開発と値頃感のある商品の投入により消費の二極化への対応を図ってまいります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
海外子会社及び一部の国内子会社を除く当社グループではキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、グループ資金の有効活用を実現しております。
2019年度における運転資金及び設備投資資金の調達は自己資金及び借入金による調達を予定しております。
また、キャッシュ・フローの指標は、以下のとおりであります。
(注) 1.自己資本比率:自己資本/総資産
2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
3.キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
4.インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
*各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
*株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
*キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
*有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
*利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
a.財政状態
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて17,187百万円増加し、393,392百万円となりました。これは主に、現金及び預金、受取手形及び売掛金、有形固定資産の増加等と投資有価証券の減少等によるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べて12,974百万円増加し、169,317百万円となりました。これは主に、短期借入金の増加等によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて4,213百万円増加し、224,074百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加等によるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に緩やかな景気回復基調で推移しましたが、海外では米中貿易摩擦の長期化が世界経済に及ぼす影響が懸念されるなど、先行きについては不透明な状況が継続しております。
当業界におきましては、原材料を含めた生産コストの上昇及び物流コストの高止まりが続く中、食料品等の日常生活品に対する消費者の低価格志向は依然根強く、厳しい事業環境が続いております。
このような状況の中、当連結会計年度の当社グループの経営成績につきましては、売上高は、前期に比べて18,856百万円増加して850,721百万円(前期比2.3%増)となりました。営業利益は、前期に比べて7,067百万円減少し、14,494百万円(前期比32.8%減)となりました。また、経常利益は、前期に比べて8,744百万円減少し、15,679百万円(前期比35.8%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べて5,196百万円減少し、10,588百万円(前期比32.9%減)となりました。
報告セグメント別の業績の概況は、次のとおりであります。
<加工食品事業>ハム・ソーセージについては、消費者キャンペーン等の実施により、「The GRAND アルトバイエルン」「朝のフレッシュシリーズ」「ポークビッツ」「原形ベーコンシリーズ」等の主力商品は総じて堅調に推移しましたが、業務用商品の伸び悩み等もあり、売上高は減少しました。
調理加工食品については、消費者の簡便志向・健康志向に対応した商品提案を強化し、テレビコマーシャルを投入した「ラ・ピッツァシリーズ」などのピザ・スナック類や「サラダチキン」などのチキン商品に加え、「レンジでごちそうシリーズ」などの簡便調理をアピールした商品が好調に推移しました。また、ハンバーグ・ミートボール類やトンカツなどのフライ商品等の拡販に努め、販売数量を伸ばした結果、売上高は増加しました。
ギフトについては、市場全体が縮小する中、「伝承」をはじめローストビーフや調理品ギフト等の拡販に努めた結果、歳暮商戦においては販売数量、売上高ともにほぼ前年並みとなりました。
以上の結果、当連結会計年度の加工食品事業の売上高は、前期に比べて4,436百万円増加し、291,939百万円(前期比1.5%増)、営業利益は、生産及び物流コストの上昇分を販売価格に転嫁しきれなかったことから、前期に比べて2,849百万円減少し、7,914百万円(前期比26.5%減)となりました。
<食肉事業>国内事業については、新規取引先の獲得や国内生産者との連携強化とともに、オリジナルブランド等の付加価値の高い商品の拡販に努めて売上高は増加しました。牛肉は、国産牛肉の相場高に加え、輸入牛肉も含めた調達コストの上昇の影響を受けましたが、販売数量が伸びたことから売上高は増加しました。豚肉は、オリジナルブランドの「アルティシモ・リバサム」「麦の誉」「菜の花そだち三元豚」が伸長しましたが、国産豚肉の相場下落の影響を受けて、売上高は減少しました。鶏肉は、「大地のハーブ鶏」の積極展開等に努めましたが、国産・輸入ともに前年の相場高の反動を受けた販売単価下落等の影響により、売上高は減少しました。
海外事業については、アンズコフーズ社は、売上高は増加したものの、調達コストの上昇等の影響を受けて、収益面では苦しい状況となりました。
以上の結果、当連結会計年度の食肉事業の売上高は、前期に比べて14,469百万円増加し、554,576百万円(前期比2.7%増)、営業利益は、海外事業の収益環境の悪化等の影響により、前期に比べて4,068百万円減少し、7,364百万円(前期比35.6%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて5,358百万円増加(前期は23,501百万円減少)し、34,643百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により資金は15,114百万円増加(前期は5,521百万円増加)しました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益、減価償却費によるものであり、主な減少要因は、売上債権の増加、法人税等の支払によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により資金は19,879百万円減少(前期は8,183百万円減少)しました。主な減少要因は、設備更新等の有形固定資産の取得による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により資金は10,084百万円増加(前期は20,004百万円減少)しました。主な増加要因は、短期借入金の増加、長期借入金の増加による収入であり、主な減少要因は、配当金の支払による支出であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
加工食品事業(百万円) | 167,382 | 104.8 |
食肉事業(百万円) | 154,976 | 99.2 |
報告セグメント計(百万円) | 322,358 | 102.0 |
その他(百万円) | - | - |
合計(百万円) | 322,358 | 102.0 |
(注) 1.当社グループ製品の製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
加工食品事業(百万円) | 291,939 | 101.5 |
食肉事業(百万円) | 554,576 | 102.7 |
報告セグメント計(百万円) | 846,515 | 102.3 |
その他(百万円) | 4,206 | 98.8 |
合計(百万円) | 850,721 | 102.3 |
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは「私たちは事業を通じて、健やかで豊かな社会の実現に貢献します」をグループ理念に、「フェアスピリットと変革への挑戦を大切にし、従業員とともに持続的に成長する食品リーディングカンパニー」をビジョンとして掲げ、チャレンジ精神を持って「中期経営計画2020」に掲げた施策等に取り組んでおります。また、本計画の最終年度の2021年3月期には、売上高1兆円、経常利益率3%以上の業績目標を達成すべく、グループ一丸となって取り組んでおります。
a.経営成績
(売上高)
ハム・ソーセージについては、消費者キャンペーン等の実施により主力商品は総じて堅調に推移したものの、業務用商品の伸び悩み等もあり減収となりました。調理加工食品については、消費者の簡便志向・健康志向に対応した商品提案の強化や、チキン商品、ハンバーグ・ミートボール類、フライ商品等の拡販に努め、販売数量を伸ばした結果増収となりました。食肉については、国内では牛肉が相場高に加えて販売数量も伸ばしたことから増収となりましたが、豚肉・鶏肉は相場下落等の影響により減収となりました。海外ではアンズコフーズ社が増収となり、食肉全体では増収となりました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は、850,721百万円と前期に比べて18,856百万円(2.3%)の増収となりました。
(営業利益)
加工食品事業において生産及び物流コストの上昇分を販売価格に転嫁しきれなかったことや、食肉事業においてアンズコフーズ社が調達コスト上昇の影響を受けた結果、当連結会計年度の営業利益は、14,494百万円と前期に比べて7,067百万円(32.8%)の減益となりました。
(経常利益)
持分法による投資損益が減少したこと等により、当連結会計年度の経常利益は、15,679百万円と前期に比べて8,744百万円(35.8%)の減益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、10,588百万円と前期に比べて5,196百万円(32.9%)の減益となりました。
(今後の見通し)
わが国経済は、堅調な企業収益や雇用・所得環境の緩やかな改善が続くことが見込まれる一方で、世界経済の不透明な状況に左右される懸念が広がっています。
当業界におきましても、人手不足による人件費・物流費の上昇や10月に予定されている消費増税の影響により、消費者の節約志向は一層強まることが想定される等、厳しい経営環境が続くと予想されます。
このような環境を踏まえ当社グループは、伊藤ハム、米久両ブランドの主力商品の拡販に努めるとともに、高品質・高付加価値商品の開発と値頃感のある商品の投入により消費の二極化への対応を図ってまいります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
海外子会社及び一部の国内子会社を除く当社グループではキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、グループ資金の有効活用を実現しております。
2019年度における運転資金及び設備投資資金の調達は自己資金及び借入金による調達を予定しております。
また、キャッシュ・フローの指標は、以下のとおりであります。
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
自己資本比率(%) (注)1 | 58.1 | 56.6 |
時価ベースの自己資本比率(%) (注)2 | 72.7 | 51.7 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) (注)3 | 8.7 | 4.1 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) (注)4 | 6.2 | 19.2 |
(注) 1.自己資本比率:自己資本/総資産
2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
3.キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
4.インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
*各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
*株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
*キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
*有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
*利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。