有価証券報告書-第11期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/23 16:00
【資料】
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【項目】
147項目
(1) 経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行を背景に、輸出や鉱工業生産が減少したほか、企業の設備投資を先送りする動きや個人の消費行動を自粛する動きなどが見られ悪化しました。また、石油製品需要の減少懸念等に伴うOPECプラスの協調減産協議が決裂したことも重なり原油価格が大幅に下落したほか、自動車等の生産・販売が減少するなど、極めて厳しい状況となりました。5月以降、国内の経済活動の再開が進められ、中国向け輸出や自動車を中心とする鉱工業生産、所得支援等の政策に後押しされた個人消費が持ち直したほか、年末には同感染症予防に有望なワクチンが一部の国々で実用化され世界経済の本格的な回復が期待されるようになったものの、感染の拡大が収まらない状況が続きました。
このような環境のもと、当社グループは、同感染症予防のため、当社において対策本部を設置し、行動ガイドラインを策定するなど徹底した感染対策を行うことにより従業員の感染を防ぎ、工場をはじめとする各拠点の事業活動を支障なく継続してまいりました。加えて、市場動向が不透明ななか需要見通しの把握と分析に注力したほか、原料調達について供給元との連携を強化することで需要に見合った生産と適正在庫の確保を図るとともに、原油やナフサの価格変動、製品の需給バランスに応じた適切な価格政策、さらには、経費を費用対効果の観点からゼロベースで見直し、削減・抑制することにより、利益確保に努めました。
また、第3次中期経営計画の基本戦略に基づいた取組みとして、冷凍機油原料や次世代半導体向け材料の新設備を稼働させたほか、最新技術を活用したプラント制御システムの導入継続、2019年に設置したオープンイノベーション拠点であるKH i-Lab(ケイエイチ アイラボ)における新ビジネス創出に向けた取組み、人事制度改革における管理職層の成果責任の明確化等の諸施策を着実に推し進めました。その他、独立社外取締役の増員や新たにグループ全体の行動原則として「コンプライアンス・コード」を策定するなどガバナンスの強化に努めてまいりました。
当連結会計年度における当社グループの業績は、同感染症の拡大の影響により国内外の需要が低迷したため、前連結会計年度に比べ販売数量が大幅に減少するなか、販売価格についても原油・ナフサ価格の急落や需要の低迷に伴い弱含みで推移しました。テレワーク関連需要が底堅く推移したことにより電子材料は販売数量・利益ともに堅調だったものの、機能性材料における需要が大きく低迷したことなどにより厳しい状況が続きました。加えて、大規模定期修繕に伴う修繕費等の製造固定費が増加したことなどにより、売上高773億32百万円(前連結会計年度比17.9%減)、営業利益56億42百万円(同41.0%減)、経常利益56億27百万円(同43.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益40億46百万円(同41.5%減)と減収減益となりました。
事業分野別には、次のとおりであります。
基礎化学品は、第2四半期において同感染症の拡大に伴い、幅広い分野で国内需要が減退して、厳しい状況で推移しました。また、第3四半期以降、自動車関連を中心に緩やかに需要が回復しましたが、販売数量、売上高、利益ともに前連結会計年度を下回り、売上高343億84百万円(前連結会計年度比22.7%減)、営業利益13億42百万円(同47.0%減)となりました。
機能性材料は、同感染症の拡大によりエアコン用冷凍機油原料の需要が第2四半期に大きく落ち込み、サプライチェーンにおける在庫調整の影響等により第3四半期まで低迷が続きました。また、外出自粛による化粧品販売の減少に伴い、化粧品原料の需要が低調に推移したことなどにより販売数量、売上高、利益ともに前連結会計年度を下回り、売上高304億49百万円(前連結会計年度比18.7%減)、営業利益51億29百万円(同36.7%減)となりました。
電子材料は、国内外のテレワーク拡大や5Gへの移行進展等を背景とした半導体・ディスプレイ向け需要が堅調に推移するなか、高純度溶剤の売上が前連結会計年度を上回ったことなどにより販売数量、売上高、利益ともに前連結会計年度を上回り、売上高115億7百万円(前連結会計年度比1.8%増)、営業利益17億83百万円(同8.3%増)となりました。
その他は、売上高9億90百万円(前連結会計年度比1.2%減)、営業利益2億16百万円(同31.5%減)となりました。
(注)上記の事業分野別の「営業利益」には、全社に共通する管理費用等を配分しておりません。
②財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は439億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ111億円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が88億1百万円、受取手形及び売掛金が5億76百万円、たな卸資産が19億70百万円それぞれ減少したことによるものであります。
固定資産は515億70百万円となり、前連結会計年度末に比べ43億47百万円増加いたしました。これは主に、有形固定資産が35億62百万円、投資有価証券が7億68百万円それぞれ増加したことによるものであります。有形固定資産の増加の主なものは、当社四日市工場における冷凍機油原料生産設備の新設によるものであります。
この結果、資産合計は955億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ67億52百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は352億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ82億13百万円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が32億60百万円、未払金が20億97百万円、未払法人税等が12億74百万円、修繕引当金が17億17百万円それぞれ減少したことによるものであります。
固定負債は144億18百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億円減少いたしました。これは主に、繰延税金負債が6億52百万円、修繕引当金が6億59百万円それぞれ増加しましたが、長期借入金が24億円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は496億24百万円となり、前連結会計年度末に比べ91億14百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は458億84百万円となり、前連結会計年度末に比べ23億61百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益40億46百万円、その他有価証券評価差額金の増加5億71百万円及び剰余金の配当22億24百万円によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ88億1百万円減少し、90億66百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は69億31百万円(前連結会計年度は109億62百万円の獲得)となりました。これは主に、修繕引当金の減少額10億58百万円、仕入債務の減少額31億97百万円及び法人税等の支払額23億2百万円により資金が減少しましたが、税金等調整前当期純利益56億27百万円、減価償却費37億37百万円、売上債権の減少額5億56百万円、たな卸資産の減少額19億31百万円及びその他の流動負債の増加額15億77百万円により資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は111億82百万円(前連結会計年度は35億12百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出108億85百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は45億30百万円(前連結会計年度は2億94百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出24億円及び配当金の支払額22億30百万円により資金が減少したことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループは化学品事業の単一セグメントであるため、事業分野別に記載しております。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を事業分野ごとに示すと、次のとおりであります。
事業分野の名称当連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
前年同期比(%)
基礎化学品 (百万円)29,61073.0
機能性材料 (百万円)26,76877.1
電子材料 (百万円)11,809105.0
合計(百万円)68,18978.8

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループでは一部受注生産を行っておりますが、売上高のうち受注生産の占める割合が低いため、受注実績は記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業分野ごとに示すと、次のとおりであります。
事業分野の名称当連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
前年同期比(%)
基礎化学品 (百万円)34,38477.3
機能性材料 (百万円)30,44981.3
電子材料 (百万円)11,507101.8
その他 (百万円)99098.8
合計(百万円)77,33282.1

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
当連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
出光興産㈱9,74010.39,28612.0
ミヤコ化学㈱9,92510.58,61311.1

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における財政状態及び経営成績の概要は「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い電子材料を除く各事業分野で需要が低迷、市況の軟化もあり、事業環境の悪化により前連結会計年度と比較して大幅な減収減益となりました。
基礎化学品においては、第2四半期(4~6月)に自動車の生産調整などによって大幅に需要が減少いたしました。第3四半期(7~9月)から自動車分野を中心に需要が回復し、住宅分野向けも底堅く需要が推移しているものと認識しております。
機能性材料においては、冷凍機油原料は第2四半期から第3四半期にかけてエアコン等の在庫調整などによって需要が減少いたしましたが、第4四半期(10~12月)から需要が回復しているものと認識しております。一方で、化粧品原料については移動制限によるインバウンド需要の減少、化粧品販売の落ち込みによって第2四半期から需要の低迷が継続いたしました。
電子材料においては、テレワークや巣籠需要などにより、当連結会計年度を通じて良好な需要が継続いたしました。
当連結会計年度末における有利子負債(リース債務を除く。)残高は前連結会計年度末に比べ22億90百万円減少の212億円となりましたが、純有利子負債(リース債務を除く。)残高は前連結会計年度末に比べ65億11百万円増加の121億33百万円となりました。これは主に、設備資金の支払により現金及び預金が減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における自己資本比率は45.42%となり、安定的な水準にあるものと認識しております。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、経済環境及び市場環境の変動、原材料の価格変動、為替相場の変動、製造物責任及び産業事故災害等が挙げられます。詳細につきましては「2 事業等のリスク」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の概要は「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社は、運転資金及び設備投資に使用するための資金を内部資金または借入金及び社債により調達しております。このうち、有利子負債による資金調達につきましては、運転資金を主に短期借入金及びコマーシャル・ペーパーにより、設備投資などのための長期資金を主に長期借入金及び社債により、それぞれ調達しております。
設備資金の支払により現金及び預金が前連結会計年度末より減少しておりますが、コミットメントラインを含めて月商の2ヶ月以上の手元流動性を維持しております。
2019年12月5日に発行した第1回無担保普通社債(発行価額の総額50億円)により調達した資金については、当社四日市工場における冷凍機油原料生産設備への投資を主な使途として、全額を設備資金に当連結会計年度末までに充当いたしました。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたって採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
また、当社は有形固定資産(リース資産を除く。)の減価償却方法について、当連結会計年度より定額法に変更しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 会計方針の変更」に記載しております。
当社グループにおいて重要と認識している会計上の見積りは、以下のとおりであります。
・製造設備の定期修繕に要する支出見込額の見積り
過去の実績等を勘案して判断しておりますが、新設した設備を除いて、概ね同程度の修繕を実施すると仮定して修繕引当金を計上しております。
・繰延税金資産の回収可能性における将来の課税所得の見積り
新型コロナウイルス感染症については、2021年12月期以降の課税所得に一定の影響があるものと認識しておりますが、繰延税金資産の回収可能性に与える重要な影響はないものと仮定しております。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、事業活動の成果を示す主な経営指標として売上高及び営業利益を掲げているほか、資本及び資産の効率性を示す経営指標としてROE(自己資本利益率)、財務の安定性を示す経営指標として自己資本比率を掲げております。
2019年12月期を初年度とする第3次中期経営計画(3カ年)の最終年度である2021年12月期における当該経営指標の目標値として以下を掲げておりました。
<売上高>1,100億円 <営業利益>135億円 18% <自己資本比率>47%
(前提条件 為替:1米ドル110円、国産ナフサ価格:46,000円/KL)
[事業環境の認識]2018年12月期(売上高1,012億円、営業利益109億円)から、主にアジアにおける当社製品への需要拡大が継続するものと認識。
一方、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う事業環境の大幅な変化を踏まえ、2021年12月期における当該経営指標は以下となることを見込んでおります(本書提出日現在)。
<売上高>864億円 <営業利益>82億円 13% <自己資本比率>46%
(前提条件 為替:1米ドル107円、国産ナフサ価格:34,000円/KL)
[事業環境の認識]感染症の拡大により大幅に需要が減少した2020年12月期(売上高773億円、営業利益56億円)から、一部のアジア諸国を中心に段階的な需要の回復が期待されるものと認識。
なお、当連結会計年度におけるROEは9.58%、当連結会計年度末における自己資本比率は45.42%となりました。引き続き当該指標の改善・向上を図り、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した経営方針・経営戦略等を着実に実施していく所存でございます。

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