有価証券報告書-第7期(平成30年10月1日-令和1年9月30日)

【提出】
2019/12/24 17:05
【資料】
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【項目】
144項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当社グループは、「未来のソフトウエアを形にする」をミッションに掲げ、主に自然言語処理、画像認識、機械学習/深層学習技術に関わるアルゴリズムソリューションを展開しております。
当連結会計年度における当社グループの属する人工知能(AI)技術領域では、アルゴリズムの活用による既存ソフトウエアの高度化、効率化を目指すニーズの高まりを受け、市場環境は良好な状況が続いております。こうした環境の中で、 当連結会計年度において新規案件の獲得およびアルゴリズムライセンスの積み上げを推し進めるとともに、アルゴリズムソフトウエアの拡販に努めました。
また、当連結会計年度において、アルゴリズムのラインアップ拡張と研究開発の加速、特定領域におけるアルゴリズムソフトウエアの強化とバリューチェーンの垂直統合を目指す成長戦略を掲げ、その実現に向けた施策として、駐車場機器の製造販売・駐車場運営事業を通じIoT機器を日本全国に配置しリアル空間のデータをクラウドに繋げる株式会社アイドラの全株式を取得いたしました。
加えて、当社グループは上述の成長戦略の一環として中長期の成長を見据えた先行投資に充当すべく株式の発行による資金調達を行いました。引き続き優秀な人材の採用を積極的に進めるとともに、新たなビジネスモデルへの取り組みへの先行投資に注力しつつ、企業価値向上に取り組んでおります。
なお、当連結会計年度において、株式の発行およびアイドラ社買収に伴う費用を計上しております。
この結果、当連結会計年度の売上高は3,061,469千円(前年度比103.6%増)となりました。営業利益は720,839千円(前年度比20.9%増)、経常利益は592,630千円(前年度比0.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は409,990千円(前年度比 32.9%減)となりました。
セグメント別の経営成績は次の通りであります。
なお、従来、当社のセグメント情報における報告セグメントは「アルゴリズムライセンス事業」の単一セグメントでありましたが、事業領域の拡大に伴い、新たな体制による経営管理を充実させる観点から当社グループの経営管理手法を見直しております。その結果、当連結会計年度より、報告セグメントを従来の「アルゴリズムライセンス事業」から、「Mobility & MaaS事業」、「Cloud Intelligence事業」の2区分に変更しております。
また、前連結会計年度のセグメント情報を当連結会計年度の報告セグメントの区分方法により作成した情報については、必要な財務情報を遡って作成することが実務上困難であるため、開示を行っておりません。したがって、セグメント別の実績につきましては、前連結会計年度との比較は行っておりません。
(Mobility & MaaS事業)
Mobility & MaaS事業につきましては、画像認識に関わるアルゴリズムを活用した新たなサービス・商品等の開発ニーズの拡大が続きました。このような環境の中、アルゴリズムソフトウエアの拡販を進めるとともに、株式会社アイドラの全株式の取得を通じ、IoT 端末による情報収集から顧客への製品・サービス提供までのバリューチェーンを垂直統合することでアルゴリズムが提供する付加価値を最大化すべく、新たな取り組みを開始いたしました。この結果、売上高は1,152,830千円、セグメント利益は210,182千円となりました。
(Cloud Intelligence事業)
Cloud Intelligence事業につきましては、アルゴリズムの活用によるオペレーションのソフトウエア化を進めるニーズが堅調に拡大しております。このような環境の中、アルゴリズムライセンスの積み上げを図るとともに、自動応答エンジン「BEDORE」を中心としたアルゴリズムソフトウエアの拡販を進めました。この結果、売上高は1,908,639千円、セグメント利益は681,489千円となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は30,421,682千円となり、前連結会計年度末に比べ23,687,275千円増加いたしました。流動資産は24,389,472千円(前連結会計年度末比18,676,169千円増)となりました。主な増加要因は、現金及び預金が17,249,138千円増加したことによるものであります。また、固定資産は5,949,140千円(前連結会計年度末比4,943,987千円増)となりました。主な増加要因は、のれんが1,975,511千円、有形固定資産が1,347,813千円及び投資有価証券が 997,562千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は3,768,771千円となり、前連結会計年度末に比べ3,235,721千円増加いたしました。 主な増加要因は、長期借入金が2,318,310千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は26,652,911千円となり、前連結会計年度末に比べ20,451,554千円増加いたしました。主な増加要因は、資本金及び資本剰余金が株式の発行により20,036,351千円増加したことによるものであります。

③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は22,614,986千円となり、前連結会計年度末に比べ17,249,138千円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は431,549千円となりました。これは主に、売上債権の増加88,860千円、法人税等の支払額403,244千円を計上したものの、税金等調整前当期純利益624,757千円があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は4,141,725千円となりました。これは主に、子会社株式の取得による支出2,055,893千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は20,959,314千円となりました。これは主に、株式の発行による収入19,957,750千円によるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性について)
当社グループの資金需要のうち主なものは、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金であります。これらの資金需要に対して当社グループでは、主として手元の資金及び金融機関からの借入金によって資金を確保しております。
④ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
生産実績においては、当社グループの業務形態上、重要性が乏しいため記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)
Mobility & MaaS事業1,152,830
Cloud Intelligence事業1,908,639
合計3,061,469

(注) 1.前連結会計年度のセグメント情報を当連結会計年度の報告セグメントの区分方法により作成した情報については、必要な財務情報を遡って作成することが実務上困難であるため、前連結会計年度との比較は行っておりません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況」に記載のとおりであります。
また、連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 売上高
当連結会計年度の売上高は、3,061,469千円となりました。これは主に、新規案件の獲得およびアルゴリズムライセンスの積み上げ、アルゴリズムソフトウエアの拡販が進んだことによるものであります。
b. 売上原価、売上総利益
当連結会計年度の売上原価は、1,431,499千円となりました。これは主に、事業規模拡大に伴う人員増加により人件費・外注費等が増加したことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の売上総利益は、1,629,970千円となりました。
c. 販売費及び一般管理費、営業損益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、909,131千円となりました。これは主に、事業規模拡大に伴う人員増加により採用教育費が増加したことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、720,839千円となりました。
d. 営業外損益、経常損益
当連結会計年度の営業外収益は、16,085千円となりました。これは主に、保険解約返戻金によるものであります。一方で、営業外費用は、144,294千円となりました。これは主に、アイドラ社の株式取得に係る支払手数料によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は、592,630千円となりました。
e. 特別損益、親会社株主に帰属する当期純損益
当連結会計年度の特別利益は、32,378千円となりました。これは、投資有価証券売却益によるものであります。一方で、特別損失は、251千円となりました。これは、固定資産除却損によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、624,757千円となり、法人税等を214,767千円計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、409,990千円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照下さい。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの将来の財政状態及び経営成績に重要な影響を与えるリスク要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。