四半期報告書-第9期第3四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)

【提出】
2021/08/13 16:29
【資料】
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【項目】
37項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当社グループは、「未来のソフトウエアを形にする」をミッションに掲げ、主に自然言語処理、画像認識、音声解析、機械学習/深層学習技術に関わるアルゴリズムソリューションを展開しております。
Mobility & MaaS事業は、Smart City化に向けてリアル空間のオペレーションを知能化させていく取り組みを行っております。画像認識に関わるアルゴリズムを活用した新たなサービス・商品等の開発ニーズを受けて、アルゴリズムソリューション及びアルゴリズムソフトウエアを販売しております。また、IoT機器からリアル空間のデータを収集しクラウドに繋げた上で顧客への製品・サービス提供を行う取り組みの一環として、駐車場機器の製造販売・駐車場運営事業を行っております。
Cloud Intelligence事業は、デジタル空間上で行われる処理を知能化させていく取り組みを行っております。アルゴリズムの活用による既存ソフトウエアの高度化・効率化や、オペレーションのソフトウエア化といったニーズに対応するアルゴリズムソリューション及びアルゴリズムソフトウエアを提供しております。
この度、同事業内において、株式会社アシリレラ(以下、「アシリレラ社」)を株式取得により子会社化、及び株式会社PRAZNA(以下、「PRAZNA社」)の全株式を当社が設立した特別目的会社(SPC)を通じて取得し、子会社化いたしました。アシリレラ社のもつ業界特化型のRPAプロダクトに当社アルゴリズムモジュールを組み込み、レガシー環境での高度な自動化を実現し、パートナー企業を通じたシェア拡大を目指します。更に、隣接に位置する当社アルゴリズムモジュール及びアルゴリズムソフトウエアとの機能連携を行い、業界・業務別の対話特性に合わせた事業展開を加速していきます。
PRAZNA社は当社が保有する自動応答エンジンの隣接領域において、FAQ/お問い合わせ管理システム「OKBIZ.」シリーズをはじめとする、企業向けの高品質なFAQソリューションを展開しています。自動応答エンジンとFAQサービスがシームレスに接続した顧客体験が、今後市場で求められるものと考えており、当社の「高品質な対話エンジン」及び「自然言語処理をはじめとした機械学習エンジニアリング」と、PRAZNA社の「高品質なFAQソリューション」及び「顧客基盤」という両者の強みを掛け合わせることで、プロダクトパッケージの高付加価値化及び顧客価値の最大化を目指します。同時に成長戦略の一環として、特定領域におけるアルゴリズムソフトウエアの強化とバリューチェーンの垂直統合を目指す成長戦略のもと、優秀な人材の採用を積極的に進めるとともに、アルゴリズムのラインアップ拡張と研究開発の加速などの先行投資に注力してまいりました。
当第3四半期連結累計期間の売上高は6,111,530千円(前年同四半期比10.8%増)となりました。これは主に、Cloud Intelligence事業においてアルゴリズムソリューションの新規案件受注の増加及び各種ライセンスの販売が拡大したことによるものです。
営業利益は438,864千円(前年同四半期比1.0%減)、経常利益は379,784千円(前年同四半期比11.0%減)となりました。営業利益及び経常利益が前年同四半期を下回ったのは、当第3四半期連結会計期間において、アシリレラ社及びPRAZNA社の株式取得関連費用を販売費及び一般管理費として229,957千円、PRAZNA社の株式取得に伴う金融機関からのノンリコース・ローン手数料を営業外費用として34,561千円計上したことによるものです。
親会社株主に帰属する四半期純利益は42,919千円(前年同四半期比97.4%減)となりました。前年同四半期を下回ったのは、前年同四半期において投資有価証券売却に伴う特別利益として2,622,221千円を計上したこと等によるものです。また、当第3四半期連結累計期間において法人税等の負担率が上昇しているのは、当社の一部の子会社で生じた欠損金及び株式取得関連費用並びにのれん償却費用について繰延税金資産を計上していないことによるものです。
セグメント別の経営成績は次の通りであります。
(Mobility & MaaS事業)
Mobility & MaaS事業につきましては、当社の画像解析アルゴリズムやソフトウエアを用いたロックレスの駐車場機器ソリューションへのニーズが堅調に推移いたしました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴う緊急事態宣言発出の影響により、引き続き顧客である駐車場運営会社の新規駐車場開設のペースが低下しており、当第3四半期連結累計期間は売上高成長率が押し下げられたことでセグメント利益は減益となっております。
この結果、売上高は3,980,572千円(前年同四半期比1.8%増)、セグメント利益は138,100千円(前年同四半期比33.5%減)となりました。
(Cloud Intelligence事業)
Cloud Intelligence事業につきましては、アルゴリズムの活用によるオペレーションのソフトウエア化を進めるニーズが堅調に拡大しております。このような環境の中、アルゴリズムソリューションの新規案件受注とライセンスの積み上げを図るとともに、自動応答エンジン「BEDORE」を中心としたアルゴリズムソフトウエアや、3D姿勢分析システム「シセイカルテ」の拡販を進めてまいりました。しかしながら、当第3四半期連結会計期間において、アシリレラ社及びPRAZNA社の株式取得関連費用を229,957千円計上したことにより、セグメント利益は押し下げられております。
この結果、売上高は2,137,557千円(前年同四半期比31.3%増)、セグメント利益は413,326千円(前年同四半期比27.6%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
① 資産の状況
(流動資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ10,555,409千円減少し、15,644,509千円となりました。これは主として現金及び預金が12,621,379千円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当第3四半期連結会計期間末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ14,034,581千円増加し、19,689,812千円となりました。これは主としてのれんが7,670,777千円、投資有価証券が4,078,718千円増加したことによるものであります。
② 負債の状況
(流動負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ172,519千円増加し、2,400,121千円となりました。これは主として未払法人税等が549,995千円減少した一方、その他流動負債が800,314千円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当第3四半期連結会計期間末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ2,092,546千円増加し、4,330,590千円となりました。これは主として長期借入金が1,708,375千円増加したことによるものであります。
③ 純資産の状況
当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ1,194,545千円増加し、28,633,585千円となりました。これは主としてその他有価証券評価差額金が891,775千円増加したことによるものであります。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は51,689千円であります。