有価証券報告書-第11期(平成30年5月1日-平成31年4月30日)
Ⅰ 経営成績等の状況の概要
(1)財政状態及び経営成績の状況
当社は、「驚きを心に」をコンセプトとして、人々の生活が便利に楽しくなるように、人工知能(AI)を活用したサービスをBtoCおよびBtoB領域で展開しております。
当社が属するAI市場では、ディープラーニング等の機械学習関連アルゴリズムの高度化に加えて、機械学習に利用可能な計算機の能力向上やデータの増加により、更なる成長が続いております。AIソフトウエアビジネスの全世界市場規模については、2018年は95億ドルとなっておりましたが、2025年には1,186億ドルに達するとの調査結果もあります(出所:Tractica, Artificial Intelligence Market Forecasts, 1Q 2019)。
このような環境のなか、当社のAI(BtoC)サービスにおいては、AIによるサポート機能等を搭載したスマートフォンアプリ「将棋ウォーズ」が引き続き安定した収益を上げました。
AI(BtoB)サービスにおいては、当社のディープラーニング等の機械学習技術を集約したAIサービス「HEROZ
Kishin」に関わる業務の標準化を続けております。資本業務提携先をはじめとする様々な事業会社に「HEROZ Kishin」を拡販し、初期設定フィーと継続フィーともに収益を拡大しました。また、持続的な成長のために、高度な機械学習アルゴリズム開発のための技術研究にも注力しております。
以上の結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ409,776千円増加し、2,157,910千円となりました。
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ64,702千円減少し、178,599千円となりました。
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ474,479千円増加し、1,979,310千円となりました。
b.経営成績
当事業年度の売上高は1,377,281千円(前年同期比19.2%増)となり、EBITDA(営業利益+減価償却費+敷金償却)470,580千円(前年同期比31.7%増)、営業利益420,337千円(前年同期比18.7%増)、経常利益415,055千円(前年同期比22.6%増)、当期純利益296,709千円(前年同期比20.1%増)となりました。
なお、当社はAI関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の経営成績に関する記載は省略しております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末より61,076千円減少し、1,494,001千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、230,016千円(前年同期は373,669千円の収入)であります。
この主な要因は、税引前当期純利益の計上415,055千円、減価償却費49,718千円、売上債権の増加額30,081千円、前払費用の増加額11,951千円、法人税等の支払額173,419千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、468,597千円(前年同期は36,456千円の支出)であります。
この主な要因は、有形固定資産の取得による支出169,029千円、投資有価証券の取得による支出294,000千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果得られた資金は、177,504千円(前年同期は1,013,097千円の収入)であります。
この主な要因は、株式の発行による収入107,243千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入70,671千円があったことによります。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
② 受注実績
提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
③ 販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2018年5月1日 至 2019年4月30日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| AI関連事業 | 1,377,281 | 119.2 |
| 合計 | 1,377,281 | 119.2 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当社の事業セグメントは、AI関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載はしておりません。
3.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2017年5月1日 至 2018年4月30日) | 当事業年度 (自 2018年5月1日 至 2019年4月30日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| Apple Inc. | 290,032 | 25.1 | 348,139 | 25.3 |
| Google Inc. | 273,126 | 23.6 | 298,709 | 21.7 |
| 株式会社ポケモン | 218,992 | 19.0 | 157,101 | 11.4 |
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
Ⅱ 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
(2)財政状態の分析
(資産の部)
当事業年度末における資産の額は、前事業年度末に比べ409,776千円増加し2,157,910千円となりました。
これは主に、固定資産において投資有価証券の増加288,939千円、有形固定資産の増加120,372千円があったこと等によります。
(負債の部)
当事業年度末における負債の額は、前事業年度末に比べ64,702千円減少し178,599千円となりました。
これは主に、未払法人税等の減少67,230千円があったこと等によるものであります。
(純資産の部)
当事業年度末における純資産の額は、前事業年度末に比べ474,479千円増加し、1,979,310千円となりました。
これは主に、資本金の増加89,000千円、資本剰余金の増加88,585千円、利益剰余金の増加296,709千円があったこと等によるものであります。
(3)経営成績の分析
① 売上高
当事業年度の売上高は、1,377,281千円(前年同期比19.2%増)となりました。これは主に、スマートフォン向けアプリ「将棋ウォーズ」やAI(BtoB)サービス等が牽引したことによります。
② 売上原価、売上総利益
当事業年度における売上原価は、679,357千円(前年同期比5.1%増)となり、この結果、当事業年度の売上総利益は、697,924千円(前年同期比37.1%増)となりました。
③ 販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益
当事業年度における販売費及び一般管理費は、277,586千円(前年同期比79.4%増)となりました。
なお、営業外損益の主な内容は出資分配金77千円、投資事業組合運用損5,319千円などであります。
この結果、当事業年度の営業利益は、420,337千円(前年同期比18.7%増)、経常利益は、415,055千円(前年同期比22.6%増)となりました。
これらの結果を受け、当事業年度の当期純利益は、296,709千円(前年同期比20.1%増)となりました。なお、法人税等調整額を含む法人税等合計は、118,345千円(前年同期比29.2%増)であります。
(4)キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「Ⅰ 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
「2 事業等のリスク」に記載した通り、事業内容、事業運営・組織体制等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は常に市場動向や業界動向を注視しつつ、優秀な人材の確保と適切な教育を実施するとともに、事業運営体制の強化と整備を進めることで、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に適切な対応を図ってまいります。
(6)経営戦略の現状と見通し
AIは日進月歩の高度な技術でありますが、当社には本分野の最先端の知見を有する者が多数所属しております。当社では、将棋AI研究で培った最先端の機械学習ノウハウを蓄積した「HEROZ Kishin」によるAIサービスをBtoB領域で開始しております。今後の方針としても引き続き、当社では自社の強みが活き、かつ今後の拡大が見込まれるAI関連市場に経営資源を投入していく所存です。具体的には、①AIを活用したBtoC領域で引き続き安定的な収益を伸ばす、②「HEROZ Kishin」によるAIサービスをBtoB領域で伸ばす、③パートナーシップ戦略、④知財戦略、⑤人材採用、の5点に注力することで競争優位性を保ち、持続的な成長を目指します。
(7)資本の財源及び資金の流動性
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金や自社サーバ購入等を目的とした資金需要は自己資金によることを基本としておりますが、必要に応じて多様な調達手段を検討してまいります。 なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,494,001千円となっており、有利子負債の残高はありません。