有価証券報告書-第20期(2022/01/01-2022/12/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下の通りです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、ウィズコロナの下で、感染症拡大防止への継続的な取り組み等各種政策の効果もあって景気に持ち直しの動きがみられます。一方で物価上昇や金融資本市場の変動等の影響もあり、先行きが不透明な状況は続いております。
当社グループの属する人材育成業界においては、感染拡大防止の観点から、多くの企業において在宅・テレワークが推進され、一か所に集合して行う集合研修だけでなくオンラインでの研修実施やeラーニングの利用が促進され、定着してきております。
このような環境の中、当連結会計年度においては、毎期大規模に実施している国内大手法人顧客向けの新人研修をオンライン・オフラインの手法にとらわれない形で実施することに注力しながら、eラーニングの拡大やetudesの機能強化等、事業基盤の強化に取り組んでまいりました。
当社グループは、人材育成事業の単一の報告セグメントでありますが、経営成績の概況についてはセグメントに代えてサービス別に記載しております。なお、eラーニング売上については、当社の事業展開の実態と合わせるために当連結会計年度の期初より法人向け教育の売上からetudes売上へ変更しており、以下の前期比較については前連結会計年度の数値を変更後の数値に組換え、前年同期比を算出しております。
1.法人向け教育
⦅教室型研修⦆
教室型研修の当連結会計年度における売上高は、研修のオンライン化が定着したことに加え、行動制限の解除に伴って集合研修の実施も増加しており、既存顧客に対する研修や新人研修が数多く実施されたことで順調に推移し、過去最高の売上高を計上することができました。
以上の結果、教室型研修の売上高は、2,079,885千円(前年同期比17.0%増)となりました。
⦅グローバル人材育成⦆
海外派遣型研修やビジネス英会話サービスの「ALUGO」を提供しているグローバル人材育成の当連結会計年度における売上高は、教室型研修と同様に研修のオンライン化が定着したことや、渡航制限の緩和により海外派遣研修が再開されたことで堅調に推移いたしました。
以上の結果、グローバル人材育成の売上高は、253,386千円(前年同期比0.1%増)となりました。
上記のとおり、法人向け教育は、研修のオンライン化が定着したことに加え、毎期大きく売上を計上している新人研修における集合研修の実施が回復してきたことや、既存顧客に対する売上が増加したことで、法人向け教育の当連結会計年度における売上高は2,333,271千円(前年同期比14.9%増)となりました。
2.etudes
⦅etudes⦆
クラウド型eラーニングシステム「etudes」の当連結会計年度における売上高は、人材育成におけるeラーニングの利用やラーニングマネジメントシステムの活用が注目度を増し導入を進める企業が増えていることから、ストック性の高いASP売上が堅調に積み上がりました。
以上の結果、etudesの売上高は、307,618千円(前年同期比16.6%増)となりました。
3.その他
⦅海外教室型研修⦆
当社の海外子会社が現地法人向けに提供している海外教室型研修の当連結会計年度における売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大による、渡航制限や現地での移動制限が緩和されつつある状況に伴い、順調に推移しました。
以上の結果、海外教室型研修の売上高は、131,294千円(前年同期比29.4%増)となりました。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度における売上高は、2,772,184千円(前年同期比15.7%増)と前年同期に比べ375,950千円増加いたしました。
当連結会計年度の利益面においては、前述のとおり教室型研修の売上高が過去最高となったこと等により、売上総利益が前年同期に比べ大きく伸長しました。
一方で、2021年12月23日に開示しております中期経営計画で発表しておりますとおり新規顧客の獲得強化やetudesへの事業投資などを重点投資項目として位置づけ、人材の獲得や販売促進活動の強化、次世代etudesの開発に注力してまいりました。
そのため、販売費及び一般管理費において人件費や採用費、広告宣伝費や販売促進費が増加する傍ら、eラーニングの受け放題を始めとするサービスをセットにした「etudes Plus」のリリースや営業・マーケティングに係る人員増強による体制強化を果たすことができました。
また、営業外損益では、当連結会計年度の為替相場の変動が大きかったために、想定よりも為替差損が増加いたしました。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度における営業利益は230,756千円(前年同期比17.1%減)と前年同期に比べ47,602千円の減少、経常利益は227,582千円(前年同期比18.8%減)と前年同期に比べ52,591千円の減少、親会社株主に帰属する当期純利益は、166,865千円(前年同期比9.0%減)と前年同期に比べ16,423千円の減少となりました。
なお、新型コロナウイルスに関連する感染症の事業への影響につきましては今後も注視してまいります。
財政状態については、当連結会計年度末では以下の通りとなりました。
(単位:千円)
| 前連結会計年度 (2021年12月31日) | 当連結会計年度 (2022年12月31日) | 増減 | |
| 流動資産 | 1,783,806 | 1,650,613 | △133,192 |
| 固定資産 | 233,910 | 205,210 | △28,699 |
| 資産合計 | 2,017,716 | 1,855,824 | △161,892 |
| 流動負債 | 579,505 | 436,007 | △143,497 |
| 固定負債 | 400,488 | 216,598 | △183,890 |
| 負債合計 | 979,993 | 652,605 | △327,387 |
| 純資産合計 | 1,037,723 | 1,203,218 | 165,495 |
| 負債純資産合計 | 2,017,716 | 1,855,824 | △161,892 |
主な変動理由は以下の通りです。
流動資産
当連結会計年度における流動資産残高は、1,650,613千円となり、前連結会計年度に比べて133,192千円の減少となりました。これは主に、現金及び預金が231,449千円減少し、売掛金が94,120千円増加したことによるものです。
固定資産
当連結会計年度における固定資産残高は、205,210千円となり、前連結会計年度に比べて28,699千円の減少となりました。これは主に、当連結会計年度において親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、税務上の繰越欠損金にかかる繰延税金資産等が28,800千円減少したことによるものです。
流動負債
当連結会計年度における流動負債残高は、436,007千円となり、前連結会計年度に比べて143,497千円の減少となりました。これは主に、返済により1年内返済予定の長期借入金が86,013千円減少したことによるものです。
固定負債
当連結会計年度における固定負債残高は、216,598千円となり、前連結会計年度に比べて183,890千円の減少となりました。これは主に、返済により長期借入金が183,468千円減少したことによるものです。
純資産
当連結会計年度における純資産残高は、1,203,218千円となり、前連結会計年度に比べ165,495千円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が147,047千円増加したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、1,051,288千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により獲得した資金は、90,020千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が227,582千円となった一方で、売上債権の増減額による支出が92,949千円となったこと、未払消費税等の増減額による支出が40,925千円となったこと及び法人税等の支払額又は還付額による支出が83,539千円になったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、48,207千円となりました。
これは主に、無形固定資産の取得による支出が45,019千円となったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により使用した資金は、286,182千円となりました。
これは主に、長期借入金の返済による支出が269,476千円となったこと等によるものです。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
④ 生産、受注及び販売の状況
イ.生産実績
当社グループは、人材育成事業の単一の報告セグメントであり、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載をしておりません。
ロ.受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりです。
| 区分 | 当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) | |||
| 受注高 (千円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (千円) | 前年同期比 (%) | |
| 教室型研修 | 2,080,117 | 107.0% | 521,796 | 100.0% |
| グローバル人材育成 | 264,533 | 111.7% | 47,636 | 130.6% |
| 海外教室型研修 | 134,210 | 111.3% | 40,531 | 107.8% |
| etudes | 295,452 | 132.6% | 14,765 | 54.8% |
| 合計 | 2,774,313 | 109.9% | 624,730 | 100.3% |
(注) 1.当社グループは単一の報告セグメントであるため、サービス別に記載しております。
2.当連結会計年度において、グローバル人材育成の受注実績に著しい変動がありました。これは、前
連結会計年度に新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けていたものの、当連結会計年度にお
いてオンライン移行による研修体制の変化を好材料に大きく売上を伸ばしたことによるものです。
ハ.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
| 区分 | 当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) | |
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 教室型研修 | 2,079,885 | 114.0% |
| グローバル人材育成 | 253,386 | 100.1% |
| 海外教室型研修 | 131,294 | 129.4% |
| etudes | 307,618 | 141.6% |
| 合計 | 2,772,184 | 115.7% |
(注) 1.当社グループは単一の報告セグメントであるため、サービス別に記載しております。
2.総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、主な相手先別の
販売実績等の記載は省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表及び財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載の通りであります。
また、当社の財務諸表作成で採用する重要な会計方針は、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載の通りです。
この連結財務諸表及び財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、不確実性が内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。
② 経営成績の分析
当連結会計年度における経営成績の分析につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態および経営成績の状況」に記載のとおりです。
③ 財政状態の分析、キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における財政状態の分析ならびに当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況、②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、運転資金に加え、オンライン研修導入企業増加の流れを確実にキャッチするために、若手・中堅社員向けの研修テーマに留まらず管理職・経営層向けの研修テーマやグローバルリーダー向けの研修テーマの拡充や、eラーニングコンテンツ数の拡大などへの投資、etudesサービスの機能追加及びUXの向上への投資など、当社デジタル教材の充実のための投資があります。これらの資金需要に対して、主に自己資金を充当し、必要に応じて金融機関からの借入により調達する方針としております。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1,051,288千円となっており、当社グループの事業活動を推進していくうえで十分な流動性を確保していると考えております。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが今後も持続的に成長していくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載した課題に対応していくことが必要であると認識しております。現在当社が置かれている環境を鑑み、経営者は外部環境の変化についての情報入手及び分析を継続的かつ迅速に行い、適切な対応策を策定し実施していく方針であります。
当社グループは、現状においては事業拡大フェーズにあると考えており、一定の収益性を確保しながら売上高を成長させていくことが重要であると考えています。したがって、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としては、売上高、売上高成長率、営業利益ならびに営業利益率を重視しています。当連結会計年度においては、新規顧客の獲得強化やetudesへの事業投資など、事業拡大のための投資活動を行うことで営業利益が前連結会計年度を下回る結果となったものの、eラーニングの受け放題を始めとするサービスをセットにした「etudes Plus」のリリースや人員増強による体制強化を果たすことができました。以上のことから、これら指標の当連結会計年度の実績および翌連結会計年度の計画は以下の通りとなっております。
| 前連結会計年度 (実績) | 当連結会計年度 (実績) | 翌連結会計年度 (計画) | ||
| 売上高 | (百万円) | 2,396 | 2,772 | 3,277 |
| 売上高成長率 | (%) | 31.7 | 15.7 | 18.2 |
| 営業利益 | (百万円) | 278 | 230 | 270 |
| 営業利益率 | (%) | 11.6 | 8.3 | 8.2 |