有価証券報告書-第22期(2024/01/01-2024/12/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下の通りです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、インバウンド需要、物価上昇に後押しされた企業環境の好転や雇用・所得環境の改善により景気は緩やかに持ち直しています。一方で地政学的緊張の高まりや原材料価格の高騰による影響、及び米国政治・経済状況の予測の困難さを受け先行きが不透明な状況が続いております。
当社グループの属する人材育成業界においては、雇用環境の改善による教育への注目度が上がってきている一方、働き方の多様化などを受け、従来の一か所に集合して行う集合研修に加えオンラインでの研修実施やeラーニングの利用をハイブリッドで行うなど、新たな教育研修の形が定着してきております。
このような環境の中、当社グループでは、国内大手法人顧客向け研修の受注の拡大や、M&Aによる事業規模の拡大に取り組み、「夢が溢れる世界のために、人のあらゆる可能性を切り拓きます。- all the possibilities -」というMissionのもと、事業運営に注力してまいりました。
なお、当社グループは、人材育成事業の単一の報告セグメントでありますが、経営成績の概況についてはセグメントに代えてサービス別に記載しております。
1.法人向け教育
⦅教室型研修/グローバル人材育成⦆
法人向け教育の当連結会計年度における売上高は、株式会社エナジースイッチやクインテグラル株式会社を子会社化したことにより、グループ全体では売上高の増加があった一方で、前連結会計年度と比べグローバル人材育成や教室型研修において大型案件の剥落があったことに加え、顧客単価の低下が影響し低調に推移しました。
以上の結果、法人向け教育の売上高は連結相殺消去前では2,538,617千円(前年同期比2.0%増)、連結相殺消去後は2,537,125千円(前年同期比1.9%増)となりました。
2.etudes
⦅etudes⦆
クラウド型eラーニングシステム「etudes」の当連結会計年度における売上高は、ラーニングマネジメントシステムの活用への注目度が高まっているものの、取引先の拡大により1社当たりの売上高が想定よりも低く推移いたしました。当連結会計年度後半より最低利用単価を導入するなどの取り組みを進め、改善の傾向が見られたものの、当連結会計年度への影響は限定的であったため売上高は微減となりました。
以上の結果、etudesの売上高は、367,279千円(前年同期比2.0%減)となりました。
3.その他
⦅海外教室型研修⦆
当社の海外子会社が現地法人向けに提供している海外教室型研修の当連結会計年度における売上高は、案件実施の制限がなくなりこれまでどおりの研修が実施可能となったことに加え、大型案件の受注等の影響により順調に推移しました。
以上の結果、海外教室型研修の売上高は、184,615千円(前年同期比11.6%増)となりました。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度における売上高は、連結相殺消去前では3,090,512千円(前年同期比2.0%増)と前年同期に比べ61,616千円増加、連結相殺消去後は3,089,020千円(前年同期比2.0%増)と前年同期に比べ60,124千円増加いたしました。
当連結会計年度の利益面においては、法人向け教育において、人員増加によるコストの上昇があった結果売上原価率が増加し、売上総利益率が低下したことで、売上総利益は1,833,521千円(前年同期比1.6%減)と前年同期に比べ28,924千円低下しました。
また、子会社2社(株式会社エナジースイッチ、クインテグラル株式会社)の新規連結による販売費及び一般管理費の増加、主に人件費の増加の影響により販売費及び一般管理費は1,898,079千円(前年同期比6.8%増)となり、前年同期に比べ120,650千円増加いたしました。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度における営業損失は64,557千円(前年同期は85,017千円の営業利益)、経常損失は67,210千円と(前年同期は84,847千円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は、73,706千円(前年同期は56,851千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
財政状態については、当連結会計年度末では以下のとおりとなりました。
(単位:千円)
| 前連結会計年度 (2023年12月31日) | 当連結会計年度 (2024年12月31日) | 増減 | |
| 流動資産 | 1,526,928 | 1,367,037 | △159,890 |
| 固定資産 | 195,357 | 534,698 | 339,341 |
| 資産合計 | 1,722,285 | 1,901,736 | 179,450 |
| 流動負債 | 409,053 | 548,330 | 139,277 |
| 固定負債 | 54,984 | 168,562 | 113,578 |
| 負債合計 | 464,038 | 716,892 | 252,854 |
| 純資産合計 | 1,258,247 | 1,184,843 | △73,404 |
| 負債純資産合計 | 1,722,285 | 1,901,736 | 179,450 |
主な変動理由は以下の通りです。
流動資産
当連結会計年度における流動資産残高は、1,367,037千円となり、前連結会計年度に比べて159,890千円の減少となりました。これは主に、現金及び預金が164,215千円減少し、売掛金が49,136千円減少したことによるものです。
固定資産
当連結会計年度における固定資産残高は、534,698千円となり、前連結会計年度に比べて339,341千円の増加となりました。これは主に、当連結会計年度において親会社株主に帰属する当期純損失の計上に伴い、税務上の繰越欠損金が発生したことにより繰延税金資産が22,957千円増加し、株式会社エナジースイッチ及びクインテグラル株式会社を新規に連結し、のれんを新たに計上した結果、のれんの金額が222,517千円増加したことによるものです。
流動負債
当連結会計年度における流動負債残高は、548,330千円となり、前連結会計年度に比べて139,277千円の増加となりました。これは主に、運転資金の新規借り入れにより、短期借入金が200,000千円増加したこと等によるものです。
固定負債
当連結会計年度における固定負債残高は、168,562千円となり、前連結会計年度に比べて113,578千円の増加となりました。これは運転資金の新規借り入れにより、長期借入金が113,578千円増加したことによるものです。
純資産
当連結会計年度における純資産残高は、1,184,843千円となり、前連結会計年度に比べ73,404千円の減少となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失73,706千円を計上したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、771,868千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により使用した資金は、37,304千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失が69,643千円となったこと、売上債権の増減額による収入が119,260千円となったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、218,844千円となりました。
これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が165,590千円、無形固定資産の取得による支出が40,782千円となったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により獲得した資金は、76,013千円となりました。
これは主に、短期借入金による収入が200,000千円、長期借入金による収入が150,000千円となったこと、および、短期借入金の返済による支出が81,018千円、長期借入金の返済による支出が175,196千円となったこと等によるものです。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
④ 生産、受注及び販売の状況
イ.生産実績
当社グループは、人材育成事業の単一の報告セグメントであり、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載をしておりません。
ロ.受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりです。
| 区分 | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | |||
| 受注高 (千円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (千円) | 前年同期比 (%) | |
| 法人向け教育 | 2,574,849 | 98.2% | 900,632 | 128.3% |
| etudes | 370,958 | 102.0% | 7,326 | 200.9% |
| 海外教室型研修 | 182,828 | 107.9% | 42,784 | 96.0% |
| 合計 | 3,128,636 | 99.2% | 950,743 | 126.7% |
(注) 1.当社グループは単一の報告セグメントであるため、サービス別に記載しております。
2.当連結会計年度より、従来は教室型研修及びグローバル人材育成で分離表示していたものを法人向け教育
に集約して表示しております。
3.当連結会計年度法人向け教育において、受注実績に著しい変動がありました。これは、当連結会計年度より株式会社エナジースイッチおよびクインテグラル株式会社を新規連結子会社とした影響により、株式会社エナジースイッチ61,260千円、クインテグラル株式会社25,930千円の受注残高が増加となったものです。
ハ.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
| 区分 | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | |
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 法人向け教育 | 2,537,125 | 101.9% |
| etudes | 367,279 | 98.0% |
| 海外教室型研修 | 184,615 | 111.6% |
| 合計 | 3,089,020 | 102.0% |
(注) 1.当社グループは単一の報告セグメントであるため、サービス別に記載しております。
2.総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、主な相手先別の販売実
績等の記載は省略しております。
3.当連結会計年度より、従来は教室型研修及びグローバル人材育成で分離表示していたものを法人向け教育
に集約して表示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表及び財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載の通りであります。
また、当社の財務諸表作成で採用する重要な会計方針は、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載の通りです。
この連結財務諸表及び財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、不確実性が内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。
② 経営成績の分析
当連結会計年度における経営成績の分析につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
③ 財政状態の分析、キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における財政状態の分析ならびに当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況、②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、運転資金に加え、若手・中堅社員向けの研修テーマや管理職・経営層向けの研修テーマ、グローバルリーダー向けの研修テーマの拡充のための投資があります。また、eラーニングコンテンツ数の拡大などへの投資、etudesサービスの機能追加及びUXの向上への投資など、当社デジタル教材の充実のための投資についても経営環境を見極めながら行っていく方針です。これらの資金需要に対して、主に自己資金を充当し、必要に応じて金融機関からの借入により調達する方針としております。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は771,868千円となっており、当社グループの事業活動を推進していくうえで十分な流動性を確保していると考えております。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが今後も持続的に成長していくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載した課題に対応していくことが必要であると認識しております。現在当社が置かれている環境を鑑み、経営者は外部環境の変化についての情報入手及び分析を継続的かつ迅速に行い、適切な対応策を策定し実施していく方針であります。
当社グループは、現状においては事業拡大フェーズにあると考えており、一定の収益性を確保しながら売上高を成長させていくことが重要であると考えています。したがって、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としては、売上高、売上高成長率、営業利益ならびに営業利益率を重視しています。当連結会計年度においては、新規顧客の獲得強化やetudesへの事業投資など、事業拡大のための投資活動の結果が想定を下回ったことで、営業利益が前連結会計年度を下回る結果となりました。一方、当社グループは2024年12月期において、株式会社エナジースイッチ及びクインテグラル株式会社の2社を連結子会社化しグループ全体での事業規模の拡大に取り組んでまいりました。前述いたしました連結子会社2社の通期売上高が、グループ全体での売上高の増加に寄与することが想定されることに加え、これまで取り組んできております、etudes事業での最低価格導入による取引単価の改善や、法人向け教育研修の営業活動の強化により売上高の成長を見込んでおります。
以上のことから、これら指標の当連結会計年度の実績および翌連結会計年度の計画は以下の通りとなっております。
| 前連結会計年度 (実績) | 当連結会計年度 (実績) | 翌連結会計年度 (計画) | ||
| 売上高 | (百万円) | 3,028 | 3,089 | 3,417 |
| 売上高成長率 | (%) | 9.3 | 2.0 | 10.6 |
| 営業利益 | (百万円) | 85 | △64 | 91 |
| 営業利益率 | (%) | 2.8 | ― | 2.6 |