有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/02/13 15:00
【資料】
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【項目】
97項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
第12期連結会計年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益の改善を背景に、雇用情勢や個人の所得環境に改善が見られ、緩やかな回復基調が続いております。一方で、欧州、中近東及び東アジア地域等での情勢不安に起因する地政学リスクの高まりを受けて、世界経済全体としては不透明な状況が継続しております。
人材派遣業界においては、日本全体として労働人口が減少しており、多くの業界が人材不足に陥っているため、需要は活況となりました。当社グループの主要顧客が属する建設業界では、高齢化及び若手不足が顕著であり、人材不足は深刻となっております。
このような事業環境のもと、新規2支店(4月より大宮支店、10月より神戸支店)の開設、配属人員数の増加、及び派遣先へのチャージアップ(派遣技術社員一人当たりの売上単価の向上)の交渉を推進いたしました。また、当社グループの成長の礎となる付加価値の高いエンジニアとなり得る人材の確保のため、派遣技術社員による知人紹介の推進、有料媒体での募集等、採用強化を推進するとともに、今後の事業拡大と将来を担う人材確保を図るべく新卒採用にも力を入れた結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高8,962,680千円(前年同期比16.4%増)、営業利益894,845千円(同1.6%減)、経常利益884,753千円(同1.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益608,197千円(同12.4%増)となりました。
なお、当社グループは建設技術者派遣事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
第13期第3四半期連結累計期間(自 平成30年4月1日 至 平成30年12月31日)
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、世界経済の緩やかな回復基調を背景に、雇用情勢や個人の所得環境に改善がみられ、企業の生産活動や個人消費において拡大、回復傾向が続いております。一方で、米国の金融政策や中国の経済動向等による影響により、海外経済の不確実性や為替変動など懸念される事項も多く、依然として先行きが不透明な状況となっております。
人材派遣業界においては、国内の労働人口が減少しており、多くの業界が人材不足に陥っているため、需要は活況となりました。当社グループの主要顧客が属する建設業界においては、高齢化及び若手不足が顕著であり、人材不足は深刻となっております。
このような事業環境のもと、新規2支店(4月より金沢支店、10月より名古屋第二支店)の開設、配属人員数の増加、及び前連結会計年度に引き続き派遣先へのチャージアップ(派遣技術社員一人当たりの売上単価の向上)の交渉を推進いたしました。また、当社グループの成長の礎となる付加価値の高いエンジニアとなり得る人材の確保のため、派遣技術社員による知人紹介の推進、有料媒体での募集等、採用強化を推進するとともに、今後の事業拡大と将来を担う人材確保を図るべく新卒採用にも力を入れた結果、当第3四半期連結累計期間における当社グループの業績は、売上高7,898,722千円、営業利益1,009,389千円、経常利益1,004,705千円、親会社株主に帰属する四半期純利益661,377千円となりました。
なお、当社グループは建設技術者派遣事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
②財政状態の状況
第12期連結会計年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて237,091千円増加し、5,400,725千円となりました。
これは主に、借入金の返済及び社債の償還により現金及び預金が232,131千円減少した一方で、売掛金が208,130千円増加したことや、子会社支店の開設及び移転に伴う内装工事による建物及び構築物が124,663千円増加したことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて276,805千円減少し、2,696,691千円となりました。
これは主に、未払金が254,550千円増加した一方で、短期借入金が300,000千円、社債が308,000千円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて513,897千円増加し、2,704,034千円となりました。
これは主に、剰余金の配当により94,300千円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益608,197千円の計上により利益剰余金が513,897千円増加したことによるものであります。
第13期第3四半期連結累計期間(自 平成30年4月1日 至 平成30年12月31日)
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度末との比較・分析を行っております。
(資産の部)
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて477,604千円増加し、5,871,992千円となりました。
これは主に、繰延税金資産が56,558千円減少した一方で、派遣契約の新規受注や契約条件の見直し等の営業活動の結果売上が増加したことに伴い、現金及び預金が518,919千円、売掛金が64,495千円増加したことによるものであります。
(負債の部)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて60,773千円減少し、2,629,580千円となりました。
これは主に、未払金が46,904千円増加した一方で、償還により社債が122,000千円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて538,377千円増加し、3,242,411千円となりました。
これは主に、剰余金の配当123,000千円を実施した一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益661,377千円を計上したことにより利益剰余金が538,377千円増加したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
第12期連結会計年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、2,895,164千円(前年同期比2.4%増)となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得た資金は752,990千円(前年同期は67,853千円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益880,730千円、減価償却費68,434千円、売上債権の増加額208,130千円、未払金の増加額251,414千円及び法人税等の支払額390,973千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得た資金は45,504千円(前年同期は232,236千円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入336,000千円、有形固定資産の取得による支出172,208千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は730,630千円(前年同期は896,809千円の収入)となりました。これは主に短期借入金の純減少額300,000千円、社債の償還による支出308,000千円、リース債務の返済による支出20,630千円及び配当金の支払額94,300千円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループは、建設技術者派遣事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しておりますが、派遣先の業種別に示すと次のとおりであります。
a.生産実績
当社グループは、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
第12期連結会計年度及び第13期第3四半期連結累計期間の販売実績を派遣先の業種別に示すと、次のとおりであります。
派遣先業種第12期連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
第13期第3四半期連結累計期間
(自 平成30年4月1日
至 平成30年12月31日)
金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)
建築3,266,649106.62,697,361
土木1,691,704110.21,445,558
設備2,053,875104.01,957,021
プラント638,053376.6772,180
CAD1,022,113133.2787,775
その他290,283152.9238,824
合計8,962,680116.47,898,722

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に固定資産の減損、繰延税金資産の回収可能性、貸倒引当金であり、継続的な評価を行っております。
なお、見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
②経営成績の分析
第12期連結会計年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、8,962,680千円(前年同期比16.4%増)となりました。内容としては、前期から引き続き派遣契約数が順調に推移したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、6,137,848千円(前年同期比16.2%増)となりました。これは主に売上拡大に伴う派遣技術社員にかかる人件費の増加によるものであります。この結果、売上総利益は、2,824,832千円(同16.8%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、1,929,986千円(前年同期比27.9%増)となりました。これは主に役員報酬、給料、地代家賃等の計上によるものであります。この結果、営業利益は894,845千円(同1.6%減)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
営業外収益は4,922千円(前年同期比77.6%減)、営業外費用は支払利息5,075千円等により15,014千円(同50.0%減)となり、この結果、経常利益は884,753千円(同1.8%減)となりました。
(特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損失として固定資産除却損2,838千円等を計上した結果、税金等調整前当期純利益は880,730千円(前年同期比7.8%増)となりました。
また、法人税等合計を272,533千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は608,197千円(同12.4%増)となりました。
第13期第3四半期連結累計期間(自 平成30年4月1日 至 平成30年12月31日)
(売上高)
当第3四半期連結累計期間の売上高は、7,898,722千円となりました。内容としては、前期から引き続き派遣契約数が順調に推移したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、5,279,346千円となりました。これは主に売上拡大に伴う派遣技術社員にかかる人件費の増加によるものであります。この結果、売上総利益は、2,619,375千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、1,609,986千円となりました。これは主に役員報酬、給料、地代家賃、採用費等の計上によるものであります。この結果、営業利益は1,009,389千円となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
営業外収益は1,551千円、営業外費用は支払保証料2,774千円等により6,234千円となり、この結果、経常利益は1,004,705千円となりました。
(特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する四半期純利益)
特別損失として固定資産除却損983千円を計上した結果、税金等調整前四半期純利益は1,003,722千円となりました。
また、法人税等合計を342,344千円計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は661,377千円となりました。
③財政状態の分析
財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要の主なものは、事業規模拡大に伴い必要となる運転資金、及び当社グループが将来に向けた更なる付加価値向上を図るための設備投資であります。これらの資金需要は手元資金で賄うことを基本とし、一部の運転資金を社債により調達しております。余裕資金の運用は定期預金を中心とした安全で流動性の高い金融資産であり、流動性を確保しております。
⑤目標とする管理指標の状況
当連結会計年度の売上高経常利益率は9.9%となり、目標とする10%に対し0.1ポイントのマイナスとなりました。これは今後の事業拡大に向け、一層の社内体制強化を図るための人員増員などによるものであります。
⑥経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境に由来するリスク、事業内容に由来するリスク等様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。これらの経営成績に重要な影響を与えるリスクに対応するため、組織体制の更なる強化等を行ってまいります。
⑦経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、現在の経営環境及び予測や取得可能な情報に基づき、企業価値を最大限に向上させるよう経営戦略の見直し及び再検討を随時行っております。
また、関連法規制の遵守は経営上最も重要な課題と位置付けており、法令遵守に対する一層の意識向上と体制強化を図るため、社内教育や継続的な施策を実施し、社会的信用をより一層得ることに努めてまいります。