有価証券報告書-第14期(令和1年11月1日-令和2年10月31日)
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。
(1) 経営成績の状況
新型コロナウイルス感染拡大に対応した「新しい生活様式」の浸透・定着が進む中、都市部を中心にテレワークへの移行が進みました。テレワーク業務では電話が欠かせず、電話の必要性が改めて認識されたことに加え、企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を目指した業務改革を進めたことにより、業務効率化を図るICTツール等の関心が高まりました。
一方、スマートフォン利用者を標的にした電話・SMSを用いた特殊詐欺事案については、2020年も認知件数・被害額はともに依然として高い水準で推移しており、最近では新型コロナウイルス感染症に伴う詐欺が急増するなど、人々の不安につけ込み安心安全な生活を脅かす犯罪は後を絶ちません。これらの多発化・巧妙化する特殊詐欺犯罪から大切な家族や友人を守り、安心安全な環境で家族・友人と通信したいというニーズは高まる一方であり、当社が提供するスマートフォン利用者を狙った犯罪抑止に効果的なセキュリティ商品・サービスへの期待は増しています。
こうした社会情勢のなか、当社は、企業理念の「私たちの生活 私たちの世界を よりよい未来につなぐトビラになる」を目指し、前期に引き続き、収益の中心となる迷惑情報フィルタ事業では、事業拡大に向けてアライアンスパートナー網の拡大及び協力関係の深耕、並びに、月間利用者数(※)の増加を図りました。また、2020年3月末に、テレワーク業務に利用できるクラウド型ビジネスフォンサービス「トビラフォン Cloud」を発売し、テレワークニーズの取込みに向けた事業を開始しました。
コスト面では、広告宣伝費の増加、人員の増加、東京証券取引所市場第一部への上場市場変更に伴う手数料等の発生により、前事業年度と比べ増加することとなりました。
以上の結果、当事業年度における売上高は1,234,315千円(前期比25.7%増)、営業利益は498,654千円(前期比22.8%増)、経常利益は471,215千円(前期比20.0%増)、当期純利益は322,344千円(前期比29.6%増)となりました。
※ 月間利用者数は、当社製品・サービスを利用しているユーザーのうち、電話番号リストの自動更新又はアプリの起動等により、当月に1回以上、当社サーバへアクセスが行われたユーザー数です。なお、1ユーザーが複数の携帯端末等を所有しそれぞれで当社サービスの利用契約を行い、各端末等から当社サーバへのアクセスがなされた場合には、複数ユーザーとして重複カウントしております。
また、月間利用者数は、当社が事業を通じて特殊詐欺被害の撲滅に貢献する上で重要なKPIの一つとしておりますが、主要な取引先である通信キャリアとの契約条件は様々であり、必ずしも月間利用者数の増減が直接的に収益に影響を与えるものではありません。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
なお、当事業年度より報告セグメント区分の変更を行っております。詳細は「注記事項 セグメント情報等 セグメント情報 1 報告セグメントの概要」をご参照下さい。
前事業年度比較については、前事業年度の数値を変更後のセグメント区分にて組替えた数値で比較をしております。
(迷惑情報フィルタ事業)
迷惑情報フィルタ事業におきましては、主力サービスであるモバイル向けフィルタサービス、固定電話向けフィルタサービス及び「トビラフォン Cloud」を含むビジネスフォン向けフィルタサービスにおいて、引き続きサービス基盤の強化・拡大に注力してまいりました。
その一方で、迷惑情報フィルタ事業に含まれる広告フィルタサービスについては、主力サービスへ資源を集中する方針の下、将来に向けて拡大投資を行う見込みがないことを踏まえ、当該サービスに関連する固定資産につき減損損失を6,059千円計上いたしました。
その結果、当事業年度における迷惑情報フィルタ事業の売上高は1,141,560千円(前期比31.9%増)となり、セグメント利益は752,603千円(前期比23.6%増)となりました。
(その他)
ホームページの制作運営支援システム「HP4U」や受託開発事業等を「その他」に含めております。これらの事業については、積極的には展開しない方針であり、当事業年度においては、前事業年度に受注した受託事業における新規システム開発案件の納品を行なったことから、当事業年度におけるその他の売上高は92,754千円(前期比20.3%減)となり、セグメント利益は51,724千円(前期比14.1%減)となりました。
なお、全社営業利益は、各セグメント利益の合計から、報告セグメントに配賦していない全社費用を差し引いた数値となっております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない販売費及び一般管理費であり、管理部門の人員増強や企業規模の拡大に伴う管理コストの増加等により、305,674千円(前期比16.3%増)となりました。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における総資産は1,647,964千円となり、前事業年度末に比べ337,836千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が219,883千円増加したこと、売掛金が40,900千円増加したこと、有形固定資産が21,391千円増加したこと及び無形固定資産が28,803千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は300,855千円となり、前事業年度末に比べ8,319千円減少いたしました。これは主に、未払金が26,250千円増加したこと及び未払法人税等が39,725千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は1,347,109千円となり、前事業年度末に比べ346,156千円増加いたしました。これは、新株予約権の権利行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ11,951千円増加したこと及び当期純利益を322,344千円計上したことによるものであります。
なお、自己資本比率は81.7%(前事業年度末は76.4%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べて219,883千円増加し、1,218,358千円となりました。各キャッシュ・フローの主な状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動の結果、前事業年度末に比べ358,831千円資金が増加いたしました。これは主に、法人税等の支払額が189,352千円及び売上債権の増加が40,900千円あったものの、税引前当期純利益を464,475千円、減価償却費を53,897千円計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動の結果、前事業年度末に比べ123,829千円資金が減少いたしました。これは主に、有形固定資産及び無形固定資産の取得等による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動の結果、前事業年度末に比べ15,117千円資金が減少いたしました。これは、新株予約権の権利行使による収入23,582千円があったものの、長期借入金13,008千円の返済及び上場関連費用の支出25,601千円があったことによるものであります。
(4) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。
② 受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。
③ 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当事業年度より報告セグメント区分の変更を行っており、前事業年度比較については、前事業年度の数値を変更後のセグメント区分にて組替えた数値で比較をしております。
(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績や現状等を勘案し合理的に見積り、計上しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金需要のうち主なものは、人件費、通信費等の費用であります。投資を目的とした資金需要はサーバ等インフラ設備、機器や本社移転に伴う敷金の差入等によるものであります。
運転資金は自己資金を基本としており、投資資金は自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当事業年度末における借入金残高は24,892千円となっております。また、当事業年度末の現金及び現金同等物は1,218,358千円であり、流動性を確保しております。
③ 経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1(経営方針、経営環境及び対処すべき課題等)」をご参照ください。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2(事業等のリスク)」をご参照ください。
⑤ 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の経営成績については、主力事業である迷惑情報フィルタ事業のモバイル向けフィルタサービスについて、大手通信キャリアとの新たな契約の締結ができたことや、一部の通信キャリアのみに提供していた「迷惑メールフィルタ」の他の通信キャリアへの展開の実現等から、迷惑情報フィルタ事業における月間利用者数は前事業年度対比で約3倍に増加したことにより、売上高は1,234,315千円(前期比25.7%増)、営業利益は498,654千円(前期比22.8%増)、経常利益は471,215千円(前期比20.0%増)、当期純利益は322,344千円(前期比29.6%増)となりました。
一方で、「第2 事業の状況 1(経営方針、経営環境及び対処すべき課題等)」に記載のとおり、当社の迷惑情報フィルタ事業は、通信キャリアのオプション契約に組み込まれるサービス運営を中心とするビジネスモデルに依存している状況にあり、新規・周辺ビジネスの立ち上げが課題であると認識しております。
そのため、中長期的な経営戦略において、当事業年度は通信キャリアに販路を依存しない、ビジネスフォン向けフィルタサービスの拡大を目指し、2020年3月末よりクラウド型ビジネスフォンサービスの「トビラフォン Cloud」の販売を開始しました。
当社は、「トビラフォン Cloud」による新たな顧客層への販売を通じた収益の源泉を獲得することで、一層の収益力強化を図ってまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。
(1) 経営成績の状況
新型コロナウイルス感染拡大に対応した「新しい生活様式」の浸透・定着が進む中、都市部を中心にテレワークへの移行が進みました。テレワーク業務では電話が欠かせず、電話の必要性が改めて認識されたことに加え、企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を目指した業務改革を進めたことにより、業務効率化を図るICTツール等の関心が高まりました。
一方、スマートフォン利用者を標的にした電話・SMSを用いた特殊詐欺事案については、2020年も認知件数・被害額はともに依然として高い水準で推移しており、最近では新型コロナウイルス感染症に伴う詐欺が急増するなど、人々の不安につけ込み安心安全な生活を脅かす犯罪は後を絶ちません。これらの多発化・巧妙化する特殊詐欺犯罪から大切な家族や友人を守り、安心安全な環境で家族・友人と通信したいというニーズは高まる一方であり、当社が提供するスマートフォン利用者を狙った犯罪抑止に効果的なセキュリティ商品・サービスへの期待は増しています。
こうした社会情勢のなか、当社は、企業理念の「私たちの生活 私たちの世界を よりよい未来につなぐトビラになる」を目指し、前期に引き続き、収益の中心となる迷惑情報フィルタ事業では、事業拡大に向けてアライアンスパートナー網の拡大及び協力関係の深耕、並びに、月間利用者数(※)の増加を図りました。また、2020年3月末に、テレワーク業務に利用できるクラウド型ビジネスフォンサービス「トビラフォン Cloud」を発売し、テレワークニーズの取込みに向けた事業を開始しました。
コスト面では、広告宣伝費の増加、人員の増加、東京証券取引所市場第一部への上場市場変更に伴う手数料等の発生により、前事業年度と比べ増加することとなりました。
以上の結果、当事業年度における売上高は1,234,315千円(前期比25.7%増)、営業利益は498,654千円(前期比22.8%増)、経常利益は471,215千円(前期比20.0%増)、当期純利益は322,344千円(前期比29.6%増)となりました。
※ 月間利用者数は、当社製品・サービスを利用しているユーザーのうち、電話番号リストの自動更新又はアプリの起動等により、当月に1回以上、当社サーバへアクセスが行われたユーザー数です。なお、1ユーザーが複数の携帯端末等を所有しそれぞれで当社サービスの利用契約を行い、各端末等から当社サーバへのアクセスがなされた場合には、複数ユーザーとして重複カウントしております。
また、月間利用者数は、当社が事業を通じて特殊詐欺被害の撲滅に貢献する上で重要なKPIの一つとしておりますが、主要な取引先である通信キャリアとの契約条件は様々であり、必ずしも月間利用者数の増減が直接的に収益に影響を与えるものではありません。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
なお、当事業年度より報告セグメント区分の変更を行っております。詳細は「注記事項 セグメント情報等 セグメント情報 1 報告セグメントの概要」をご参照下さい。
前事業年度比較については、前事業年度の数値を変更後のセグメント区分にて組替えた数値で比較をしております。
(迷惑情報フィルタ事業)
迷惑情報フィルタ事業におきましては、主力サービスであるモバイル向けフィルタサービス、固定電話向けフィルタサービス及び「トビラフォン Cloud」を含むビジネスフォン向けフィルタサービスにおいて、引き続きサービス基盤の強化・拡大に注力してまいりました。
その一方で、迷惑情報フィルタ事業に含まれる広告フィルタサービスについては、主力サービスへ資源を集中する方針の下、将来に向けて拡大投資を行う見込みがないことを踏まえ、当該サービスに関連する固定資産につき減損損失を6,059千円計上いたしました。
その結果、当事業年度における迷惑情報フィルタ事業の売上高は1,141,560千円(前期比31.9%増)となり、セグメント利益は752,603千円(前期比23.6%増)となりました。
(その他)
ホームページの制作運営支援システム「HP4U」や受託開発事業等を「その他」に含めております。これらの事業については、積極的には展開しない方針であり、当事業年度においては、前事業年度に受注した受託事業における新規システム開発案件の納品を行なったことから、当事業年度におけるその他の売上高は92,754千円(前期比20.3%減)となり、セグメント利益は51,724千円(前期比14.1%減)となりました。
なお、全社営業利益は、各セグメント利益の合計から、報告セグメントに配賦していない全社費用を差し引いた数値となっております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない販売費及び一般管理費であり、管理部門の人員増強や企業規模の拡大に伴う管理コストの増加等により、305,674千円(前期比16.3%増)となりました。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における総資産は1,647,964千円となり、前事業年度末に比べ337,836千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が219,883千円増加したこと、売掛金が40,900千円増加したこと、有形固定資産が21,391千円増加したこと及び無形固定資産が28,803千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は300,855千円となり、前事業年度末に比べ8,319千円減少いたしました。これは主に、未払金が26,250千円増加したこと及び未払法人税等が39,725千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は1,347,109千円となり、前事業年度末に比べ346,156千円増加いたしました。これは、新株予約権の権利行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ11,951千円増加したこと及び当期純利益を322,344千円計上したことによるものであります。
なお、自己資本比率は81.7%(前事業年度末は76.4%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べて219,883千円増加し、1,218,358千円となりました。各キャッシュ・フローの主な状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動の結果、前事業年度末に比べ358,831千円資金が増加いたしました。これは主に、法人税等の支払額が189,352千円及び売上債権の増加が40,900千円あったものの、税引前当期純利益を464,475千円、減価償却費を53,897千円計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動の結果、前事業年度末に比べ123,829千円資金が減少いたしました。これは主に、有形固定資産及び無形固定資産の取得等による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動の結果、前事業年度末に比べ15,117千円資金が減少いたしました。これは、新株予約権の権利行使による収入23,582千円があったものの、長期借入金13,008千円の返済及び上場関連費用の支出25,601千円があったことによるものであります。
(4) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。
② 受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。
③ 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前期比(%) |
迷惑情報フィルタ事業 | 1,141,560 | 131.9 |
その他 | 92,754 | 79.7 |
合計 | 1,234,315 | 125.7 |
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前事業年度 (自 2018年11月1日 至 2019年10月31日) | 当事業年度 (自 2019年11月1日 至 2020年10月31日) | ||
販売高 (千円) | 割合 (%) | 販売高 (千円) | 割合 (%) | |
ソフトバンク株式会社 | 476,678 | 48.6 | 476,480 | 38.6 |
KDDI株式会社 | 125,868 | 12.8 | 318,700 | 25.8 |
株式会社NTTドコモ | 148,333 | 15.1 | 167,130 | 13.5 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当事業年度より報告セグメント区分の変更を行っており、前事業年度比較については、前事業年度の数値を変更後のセグメント区分にて組替えた数値で比較をしております。
(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績や現状等を勘案し合理的に見積り、計上しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金需要のうち主なものは、人件費、通信費等の費用であります。投資を目的とした資金需要はサーバ等インフラ設備、機器や本社移転に伴う敷金の差入等によるものであります。
運転資金は自己資金を基本としており、投資資金は自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当事業年度末における借入金残高は24,892千円となっております。また、当事業年度末の現金及び現金同等物は1,218,358千円であり、流動性を確保しております。
③ 経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1(経営方針、経営環境及び対処すべき課題等)」をご参照ください。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2(事業等のリスク)」をご参照ください。
⑤ 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の経営成績については、主力事業である迷惑情報フィルタ事業のモバイル向けフィルタサービスについて、大手通信キャリアとの新たな契約の締結ができたことや、一部の通信キャリアのみに提供していた「迷惑メールフィルタ」の他の通信キャリアへの展開の実現等から、迷惑情報フィルタ事業における月間利用者数は前事業年度対比で約3倍に増加したことにより、売上高は1,234,315千円(前期比25.7%増)、営業利益は498,654千円(前期比22.8%増)、経常利益は471,215千円(前期比20.0%増)、当期純利益は322,344千円(前期比29.6%増)となりました。
一方で、「第2 事業の状況 1(経営方針、経営環境及び対処すべき課題等)」に記載のとおり、当社の迷惑情報フィルタ事業は、通信キャリアのオプション契約に組み込まれるサービス運営を中心とするビジネスモデルに依存している状況にあり、新規・周辺ビジネスの立ち上げが課題であると認識しております。
そのため、中長期的な経営戦略において、当事業年度は通信キャリアに販路を依存しない、ビジネスフォン向けフィルタサービスの拡大を目指し、2020年3月末よりクラウド型ビジネスフォンサービスの「トビラフォン Cloud」の販売を開始しました。
当社は、「トビラフォン Cloud」による新たな顧客層への販売を通じた収益の源泉を獲得することで、一層の収益力強化を図ってまいります。