有価証券報告書-第56期(2023/10/01-2024/09/30)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(以下「当期」という。)におけるわが国経済は、個人消費の回復やインバウンド需要の拡大、雇用や所得環境の改善がなされる一方、物価の高騰や金利の上昇、不安定な為替相場など引き続き先行き不透明な状況が継続しております。
そのような環境下における、当社事業エリアである九州・山口の不動産市況におきましては、円安に伴う資材の高騰に加え、熊本の半導体工場や大阪万博の会場等の建設ラッシュにおける資材の不足や高騰、更には働き方改革関連法に伴う「2024年問題」による人件費の高騰や建設工期の長期化等、建築原価は依然高止まりの状況にあります。また、円安による物価高の影響は続いており、実質賃金は低下している状況です。
不動産販売におきましては、立地条件の良い不動産は高価格帯でも販売が好調である一方、住宅価格の高騰による買い控えが起こるなど、住宅購入層は2極化しております。また、新築相場の高騰に伴い中古住宅相場も高騰し、売り手市場にある中古住宅の販売におきましては、高騰している販売希望価格と購入希望価格との乖離が大きいものの、新築住宅価格との乖離から需要は大幅に高まっており、成約戸数が大きく伸びている状況にあります。
このような事業環境下、当社は分譲マンション、分譲住宅など、不動産商品の販売を中心に事業を展開してまいりました。
当期におきましては、上記記載のとおり半導体不足や資材高騰により、当社分譲商品の建築原価が高騰しており、販売単価におきましては、高騰を続けた前年対比において、分譲マンション、分譲住宅共に、更に販売単価が3~4%程度上昇しております。このような事業環境の変化に耐えうる事業体制を構築すべく、利益率の向上及び財務体質改善を図るため、戸建事業及び不動産流通事業を中心に完成在庫の販売に注力してまいりました。
戸建事業におきましては、売上高は前年対比で概ね横ばい、中古物件の買取再販におきましては、新築相場の価格高騰により、低価格帯での住宅購入の需要が伸びたことから、売上高が前年対比126%と大幅に上回りました。しかしながら、高騰した建築原価を一部販売価格へ転嫁できていなかったことに加え、仕掛及び販売用物件の回転日数短縮における保有戸数の適正化を図るため、完成在庫の販売強化を行うことにより、価格の改定を行いながらの販売となり、利益率は大幅に減少するかたちとなりました。また、当期上半期におきましては概ね順調に販売が推移しておりましたが、第3四半期後半より、円安の影響に加え、金利上昇リスクなどの懸念材料も加わり、住宅購入マインドの低下へと繋がり、受注ペースが鈍化してきたことも売上低迷の要因であります。
一方、分譲住宅、中古物件の買取再販事業におきまして、仕掛及び販売用不動産の戸数が圧縮され、一部次期への在庫の持越しはあるものの、有利子負債額は減少し、今後事業回転日数を圧縮させる体制が整いつつあります。また、中期経営計画で掲げておりました、事業部制からエリア制への移行に伴う「ワンストップ体制の構築」を行うため、「住まいと暮らしのONESTOP イオンタウン黒崎店」を新たにオープンし、新築住宅、中古住宅、リフォーム、住宅オプション、保険など、様々な商材を取扱うことによる集客や販売体制の効率化におきましても、その体制構築の準備が整ってきております。
2024年9月9日に「2024年9月期通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」として、下方修正した業績予想を公表いたしました。当期最終月である9月に、売上計上が集中した分譲マンションの売上総利益率が上昇したこと、販売費及び一般管理費の抑制により、修正した業績目標を上回る数値となっております。
これらの結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高37,097百万円(前期比3.7%増)、営業利益901百万円(同11.8%減)、経常利益647百万円(同19.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は413百万円(同21.8%減)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(マンション事業)
マンション事業におきましては、ファミリータイプとコンパクトタイプの分譲マンションを展開してまいりました。当期期初時点での完成在庫は完売、また、当期には「サンパーク浅川ザ・タワー(福岡県北九州市、総戸数74戸)」、「サンパーク別府駅前レジデンス(大分県別府市、総戸数56戸)」、「サンパーク久留米城南レジデンス(福岡県久留米市、総戸数45棟)」など全10棟483戸が竣工し、当期期初段階で完成済みであった完成在庫を含め488戸の引渡しが完了いたしました。当期竣工物件においては、駅徒歩圏内の利便性の高い立地における土地仕入や、需要を捉えた販売価格の設定により、迅速に販売が進み、且つ高い利益率での販売ができております。
また、当期は新たに「サンパーク博多那珂グラッセ(福岡県福岡市、総戸数55戸)」、「サンパーク二日市グラッセ(福岡県筑紫野市、総戸数52戸)」など、福岡県内での供給8棟を含む全10棟506戸の新規分譲を開始しております。建築原価の高騰により、販売単価が上昇する中、直近数年における人口減少はおこっているものの、世帯数は未だ増加傾向にあり、経済活動の中心でもある福岡県を中心に供給を行うことで、販売の促進と集客の効率化を図ってまいります。商品企画におきましては、年間の消費エネルギー量「ゼロ」を目指したZEH-M(ゼッチマンション)Orientedを導入するなど、マンションの付加価値向上にも取り組んでまいりました。
連結子会社である、マンション総合管理会社「大英リビングサポート株式会社」は、親会社の分譲マンション供給増加に伴い、分譲マンション等の管理戸数は4,463戸となっております。
これらの結果、マンション事業セグメントの売上高は16,080百万円(前期比1.7%増)、セグメント利益は1,498百万円(同6.6%増)となりました。
(住宅事業)
住宅事業セグメントでは、分譲住宅や中古物件の買取再販事業、土地分譲、投資用の戸建賃貸住宅などを計上しております。
当期におきましては、「ONESTOPイオンタウン黒崎店」として、戸建住宅、中古住宅、土地情報など、当社が扱う商品をワンストップで供給できる店舗をオープンいたしました。住まい商品のバリエーションを増やし、選択の幅の拡大や、住み替えや世代の違うご家族への提案が可能になることに加え、リフォームや相続の相談など、暮らしにまつわるサービスの提供を行うことにより、一人のお客様と生涯に渡り関係を持ち続けられることが本店舗開設の目的であります。
主力商品である分譲住宅におきましては、コンセプト分けされた5つのシリーズを展開しており、お客様の動向、志向を見ながら商品ラインナップを決定し、建築しております。当期は利益率の向上に向けた施策として、完成在庫及び仕掛物件の事業回転日数の短縮に伴った適正在庫数の圧縮への取組みを行ってまいりました。期初時点における、完成物件及び仕掛用物件数が増幅していたため、当期上半期には土地仕入れ数を絞りながら、完成在庫においては価格の改定により販売を強化してまいりました。契約件数としましては前年を上回り、順調に販売が推移しておりましたが、依然続く物価上昇や金利上昇リスクなどにより、住宅購入マインドの低下にもつながり、当期後半頃より集客が減少してきたことで、販売が鈍化、価格を下げて販売した上半期の利益を補うことができず、通期の利益を大きく落とすこととなりました。
また、土地分譲におきましても、事業回転日数の短縮に伴った適正在庫にするため、在庫の圧縮を図ってまいりました。展開エリアにおける戸建需要が当社のみならず低下したことにより、戸建て用地の販売が鈍化し、分譲住宅同様価格を下げた販売を行ったことで利益が低下いたしました。しかしながら、熊本県下において事業用の大型の土地分譲を行うなど、新たな顧客に向けた商品と販路を見出すことができております。
中古住宅の買取再販を行う不動産流通事業におきましては、新築価格の相場上昇に伴い、中古市場の相場が大幅に上昇しております。現在の新築住宅の相場観から販売希望顧客は増加傾向にあり、売り手市場が続いている中、新築住宅よりも安価で購入できる中古物件の購入希望者も増加しており、販売件数は前年同期比126%と当社の中古物件の販売件数では過去最高の件数となりました。しかしながら、販売価格におきましては購入希望者の希望価格は上昇せず、価格を下げた販売をせざるを得ない状況となり利益率は大幅に低下いたしました。低価格帯での販売を行うため、原価を抑制した仕入れが大きな課題となっております。引渡数におきましては、分譲住宅事業が489戸、不動産流通事業が226戸、土地分譲事業が189区画となりました。
住宅事業セグメントにおいては、上記分譲住宅や中古物件等の販売に加え、街づくり事業における投資用戸建賃貸住宅やタウンハウス、リフォームなどを売上計上しております。
これらの結果、住宅事業セグメントにおきましては、売上高20,938百万円(前期比5.4%増)、セグメント利益は398百万円(同44.1%減)となりました。
(その他事業)
鹿児島県鹿児島市における水道供給事業や自社保有不動産の不動産賃貸事業につきましては、売上高は78百万円(前期比7.3%増)、セグメント利益は8百万円(同71.8%減)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は41,675百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,846百万円増加いたしました。これら要因は、現金及び預金が前連結会計年度末に比べ、3,506百万円増加し11,332百万円に、仕掛物件の増加により、仕掛販売用不動産が1,622百万円増加し20,401百万円に、一方で竣工在庫の減少により販売用不動産が3,298百万円減少し6,971百万円になったことなどによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は33,419百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,499百万円増加いたしました。これは、支払手形及び買掛金が1,298百万円増加し5,609百万円に、短期借入金が1,983百万円減少し9,619百万円に、1年内返済予定の長期借入金が2,020百万円増加し7,679百万円になったことなどによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は8,255百万円となり、前連結会計年度末に比べ346百万円増加いたしました。これは前連結会計年度末に比べ、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益413百万円の計上及び配当金の支払い75百万円により減少し、総額で337百万円増加したことが主な変動要因であります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,548百万円増加し、10,858百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動による資金の増加は、4,028百万円(前期は3,669百万円の減少)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益644百万円、棚卸資産の減少額1,547百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動による資金の減少は、352百万円(前期は704百万円の減少)となりました。これは主に定期預金の預入による支出137百万円、有形固定資産の取得による支出334百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動による資金の減少は、128百万円(前期は1,315百万円の増加)となりました。これは主に短期借入れによる収入21,714百万円及び短期借入金の返済による支出23,723百万円、長期借入れによる収入9,085百万円及び長期借入金の返済による支出7,137百万円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが営むマンション事業、住宅事業及びその他事業では生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。
b.契約実績
前連結会計年度及び当連結会計年度の契約実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
c.販売実績
前連結会計年度及び当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
当社グループの経営成績の分析は次のとおりです。
(売上高・売上総利益)
当連結会計年度の売上高は、37,097百万円(前期比3.7%増)、売上総利益は6,368百万円(前期比4.2%減)となりました。
主力商品である、分譲マンション及び分譲住宅の売上高は前年比概ね横ばいとなりましたが、新築住宅の価格高騰による中古物件の需要が拡大し、中古物件買取再販事業の販売件数が増加したことにより、全体の売上高は増加いたしました。
しかしながら、売上総利益につきましては、分譲住宅や土地分譲、中古物件の買取再販において、建築原価の高騰分を販売価格に一部転嫁できなかったことに加え、事業回転日数の短縮に向けた、保有戸数の適正化のため、価格の改定等を行い、完成在庫の販売強化を行ったことにより、売上総利益率が大幅に低下、前年を下回る結果となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費につきまして、分譲マンションの大型物件の新規分譲がなかったことや、WEB集客の強化などに伴い、広告宣伝費が抑制できたこと、当社グループ会社の販売割合が増加したことにより販売手数料が抑制できたことなど、全体での経費の圧縮ができ、5,467百万円(前期比2.9%減)となりましたが、売上総利益率の低下に伴い、営業利益は901百万円(同11.8%減)となり、前期を大きく下回る結果となりました。
(営業外損益及び経常利益)
当連結会計年度の営業外収益につきましては、受取手数料等により、202百万円(前期比6.2%増)となりました。営業外費用につきましては、支払利息等により、456百万円(同13.1%増)となり、経常利益は647百万円(同19.9%減)となりました。
(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は0百万円(前期比54.4%減)、特別損失は3百万円(同247.7%増)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は413百万円(同21.8%減)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの主要事業は全て土地に関連する事業のため、土地価格の上昇や土地需要の高まりによる各プロジェクト用地の確保が困難になった場合には、経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。そのため、地場不動産会社や金融機関との連携した土地情報収集力を更に強化し、立地条件等良質な土地収集に努めております。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要の主なものは、土地及び物件仕入に加え、各種プロジェクト建設費用等があります。いずれも、金利コスト等を勘案しながら、自己資金又は金融機関からの借入金により調達しております。
⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社は、「地域愛着経営」の経営方針の下、地元に愛され必要とされる企業となるため、安定した収益を確保することが重要であるという認識により、売上高経常利益率を重要視しております。また、総資産から効率的な利益を生み出す指標として、総資産利益率(ROA)も重要視しております。売上高経常利益率は5%を目標とし、総資産利益率は5%以上※の達成を目標としております。
しかしながら、当期経常利益率は1.7%と目標数値を大きく下回っております。当社事業は約97%の売上を分譲業にて計上しており、外部環境の影響を非常に受けやすい業態です。外部環境の影響を受けにくい商材を確保するための新規事業、ストック事業の強化、全社的な販売費および一般管理費の抑制を図り経常利益を確保すること、更に滞留資金の長期化を避け資金の回転率を高めることにより、資金の有効的且つ効率化を鑑み、目標達成に努めてまいります。
※当社はROA算出の基準として、当期純利益ではなく経常利益にて算出を行っております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(以下「当期」という。)におけるわが国経済は、個人消費の回復やインバウンド需要の拡大、雇用や所得環境の改善がなされる一方、物価の高騰や金利の上昇、不安定な為替相場など引き続き先行き不透明な状況が継続しております。
そのような環境下における、当社事業エリアである九州・山口の不動産市況におきましては、円安に伴う資材の高騰に加え、熊本の半導体工場や大阪万博の会場等の建設ラッシュにおける資材の不足や高騰、更には働き方改革関連法に伴う「2024年問題」による人件費の高騰や建設工期の長期化等、建築原価は依然高止まりの状況にあります。また、円安による物価高の影響は続いており、実質賃金は低下している状況です。
不動産販売におきましては、立地条件の良い不動産は高価格帯でも販売が好調である一方、住宅価格の高騰による買い控えが起こるなど、住宅購入層は2極化しております。また、新築相場の高騰に伴い中古住宅相場も高騰し、売り手市場にある中古住宅の販売におきましては、高騰している販売希望価格と購入希望価格との乖離が大きいものの、新築住宅価格との乖離から需要は大幅に高まっており、成約戸数が大きく伸びている状況にあります。
このような事業環境下、当社は分譲マンション、分譲住宅など、不動産商品の販売を中心に事業を展開してまいりました。
当期におきましては、上記記載のとおり半導体不足や資材高騰により、当社分譲商品の建築原価が高騰しており、販売単価におきましては、高騰を続けた前年対比において、分譲マンション、分譲住宅共に、更に販売単価が3~4%程度上昇しております。このような事業環境の変化に耐えうる事業体制を構築すべく、利益率の向上及び財務体質改善を図るため、戸建事業及び不動産流通事業を中心に完成在庫の販売に注力してまいりました。
戸建事業におきましては、売上高は前年対比で概ね横ばい、中古物件の買取再販におきましては、新築相場の価格高騰により、低価格帯での住宅購入の需要が伸びたことから、売上高が前年対比126%と大幅に上回りました。しかしながら、高騰した建築原価を一部販売価格へ転嫁できていなかったことに加え、仕掛及び販売用物件の回転日数短縮における保有戸数の適正化を図るため、完成在庫の販売強化を行うことにより、価格の改定を行いながらの販売となり、利益率は大幅に減少するかたちとなりました。また、当期上半期におきましては概ね順調に販売が推移しておりましたが、第3四半期後半より、円安の影響に加え、金利上昇リスクなどの懸念材料も加わり、住宅購入マインドの低下へと繋がり、受注ペースが鈍化してきたことも売上低迷の要因であります。
一方、分譲住宅、中古物件の買取再販事業におきまして、仕掛及び販売用不動産の戸数が圧縮され、一部次期への在庫の持越しはあるものの、有利子負債額は減少し、今後事業回転日数を圧縮させる体制が整いつつあります。また、中期経営計画で掲げておりました、事業部制からエリア制への移行に伴う「ワンストップ体制の構築」を行うため、「住まいと暮らしのONESTOP イオンタウン黒崎店」を新たにオープンし、新築住宅、中古住宅、リフォーム、住宅オプション、保険など、様々な商材を取扱うことによる集客や販売体制の効率化におきましても、その体制構築の準備が整ってきております。
2024年9月9日に「2024年9月期通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」として、下方修正した業績予想を公表いたしました。当期最終月である9月に、売上計上が集中した分譲マンションの売上総利益率が上昇したこと、販売費及び一般管理費の抑制により、修正した業績目標を上回る数値となっております。
これらの結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高37,097百万円(前期比3.7%増)、営業利益901百万円(同11.8%減)、経常利益647百万円(同19.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は413百万円(同21.8%減)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(マンション事業)
マンション事業におきましては、ファミリータイプとコンパクトタイプの分譲マンションを展開してまいりました。当期期初時点での完成在庫は完売、また、当期には「サンパーク浅川ザ・タワー(福岡県北九州市、総戸数74戸)」、「サンパーク別府駅前レジデンス(大分県別府市、総戸数56戸)」、「サンパーク久留米城南レジデンス(福岡県久留米市、総戸数45棟)」など全10棟483戸が竣工し、当期期初段階で完成済みであった完成在庫を含め488戸の引渡しが完了いたしました。当期竣工物件においては、駅徒歩圏内の利便性の高い立地における土地仕入や、需要を捉えた販売価格の設定により、迅速に販売が進み、且つ高い利益率での販売ができております。
また、当期は新たに「サンパーク博多那珂グラッセ(福岡県福岡市、総戸数55戸)」、「サンパーク二日市グラッセ(福岡県筑紫野市、総戸数52戸)」など、福岡県内での供給8棟を含む全10棟506戸の新規分譲を開始しております。建築原価の高騰により、販売単価が上昇する中、直近数年における人口減少はおこっているものの、世帯数は未だ増加傾向にあり、経済活動の中心でもある福岡県を中心に供給を行うことで、販売の促進と集客の効率化を図ってまいります。商品企画におきましては、年間の消費エネルギー量「ゼロ」を目指したZEH-M(ゼッチマンション)Orientedを導入するなど、マンションの付加価値向上にも取り組んでまいりました。
連結子会社である、マンション総合管理会社「大英リビングサポート株式会社」は、親会社の分譲マンション供給増加に伴い、分譲マンション等の管理戸数は4,463戸となっております。
これらの結果、マンション事業セグメントの売上高は16,080百万円(前期比1.7%増)、セグメント利益は1,498百万円(同6.6%増)となりました。
(住宅事業)
住宅事業セグメントでは、分譲住宅や中古物件の買取再販事業、土地分譲、投資用の戸建賃貸住宅などを計上しております。
当期におきましては、「ONESTOPイオンタウン黒崎店」として、戸建住宅、中古住宅、土地情報など、当社が扱う商品をワンストップで供給できる店舗をオープンいたしました。住まい商品のバリエーションを増やし、選択の幅の拡大や、住み替えや世代の違うご家族への提案が可能になることに加え、リフォームや相続の相談など、暮らしにまつわるサービスの提供を行うことにより、一人のお客様と生涯に渡り関係を持ち続けられることが本店舗開設の目的であります。
主力商品である分譲住宅におきましては、コンセプト分けされた5つのシリーズを展開しており、お客様の動向、志向を見ながら商品ラインナップを決定し、建築しております。当期は利益率の向上に向けた施策として、完成在庫及び仕掛物件の事業回転日数の短縮に伴った適正在庫数の圧縮への取組みを行ってまいりました。期初時点における、完成物件及び仕掛用物件数が増幅していたため、当期上半期には土地仕入れ数を絞りながら、完成在庫においては価格の改定により販売を強化してまいりました。契約件数としましては前年を上回り、順調に販売が推移しておりましたが、依然続く物価上昇や金利上昇リスクなどにより、住宅購入マインドの低下にもつながり、当期後半頃より集客が減少してきたことで、販売が鈍化、価格を下げて販売した上半期の利益を補うことができず、通期の利益を大きく落とすこととなりました。
また、土地分譲におきましても、事業回転日数の短縮に伴った適正在庫にするため、在庫の圧縮を図ってまいりました。展開エリアにおける戸建需要が当社のみならず低下したことにより、戸建て用地の販売が鈍化し、分譲住宅同様価格を下げた販売を行ったことで利益が低下いたしました。しかしながら、熊本県下において事業用の大型の土地分譲を行うなど、新たな顧客に向けた商品と販路を見出すことができております。
中古住宅の買取再販を行う不動産流通事業におきましては、新築価格の相場上昇に伴い、中古市場の相場が大幅に上昇しております。現在の新築住宅の相場観から販売希望顧客は増加傾向にあり、売り手市場が続いている中、新築住宅よりも安価で購入できる中古物件の購入希望者も増加しており、販売件数は前年同期比126%と当社の中古物件の販売件数では過去最高の件数となりました。しかしながら、販売価格におきましては購入希望者の希望価格は上昇せず、価格を下げた販売をせざるを得ない状況となり利益率は大幅に低下いたしました。低価格帯での販売を行うため、原価を抑制した仕入れが大きな課題となっております。引渡数におきましては、分譲住宅事業が489戸、不動産流通事業が226戸、土地分譲事業が189区画となりました。
住宅事業セグメントにおいては、上記分譲住宅や中古物件等の販売に加え、街づくり事業における投資用戸建賃貸住宅やタウンハウス、リフォームなどを売上計上しております。
これらの結果、住宅事業セグメントにおきましては、売上高20,938百万円(前期比5.4%増)、セグメント利益は398百万円(同44.1%減)となりました。
(その他事業)
鹿児島県鹿児島市における水道供給事業や自社保有不動産の不動産賃貸事業につきましては、売上高は78百万円(前期比7.3%増)、セグメント利益は8百万円(同71.8%減)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は41,675百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,846百万円増加いたしました。これら要因は、現金及び預金が前連結会計年度末に比べ、3,506百万円増加し11,332百万円に、仕掛物件の増加により、仕掛販売用不動産が1,622百万円増加し20,401百万円に、一方で竣工在庫の減少により販売用不動産が3,298百万円減少し6,971百万円になったことなどによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は33,419百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,499百万円増加いたしました。これは、支払手形及び買掛金が1,298百万円増加し5,609百万円に、短期借入金が1,983百万円減少し9,619百万円に、1年内返済予定の長期借入金が2,020百万円増加し7,679百万円になったことなどによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は8,255百万円となり、前連結会計年度末に比べ346百万円増加いたしました。これは前連結会計年度末に比べ、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益413百万円の計上及び配当金の支払い75百万円により減少し、総額で337百万円増加したことが主な変動要因であります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,548百万円増加し、10,858百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動による資金の増加は、4,028百万円(前期は3,669百万円の減少)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益644百万円、棚卸資産の減少額1,547百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動による資金の減少は、352百万円(前期は704百万円の減少)となりました。これは主に定期預金の預入による支出137百万円、有形固定資産の取得による支出334百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動による資金の減少は、128百万円(前期は1,315百万円の増加)となりました。これは主に短期借入れによる収入21,714百万円及び短期借入金の返済による支出23,723百万円、長期借入れによる収入9,085百万円及び長期借入金の返済による支出7,137百万円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが営むマンション事業、住宅事業及びその他事業では生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。
b.契約実績
前連結会計年度及び当連結会計年度の契約実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) | 当連結会計年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) | ||
| 件数 | 金額(千円) | 件数 | 金額(千円) | |
| マンション事業 | 542 | 17,790,234 | 425 | 14,578,569 |
| 住宅事業 | 779 | 17,824,706 | 897 | 20,632,776 |
| 合計 | 1,321 | 35,614,940 | 1,322 | 35,211,344 |
c.販売実績
前連結会計年度及び当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) | 当連結会計年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) | ||
| 件数 | 金額(千円) | 件数 | 金額(千円) | |
| マンション事業 | 480 | 15,815,527 | 488 | 16,080,571 |
| 住宅事業 | 836 | 19,870,008 | 943 | 20,938,197 |
| その他 | - | 73,522 | - | 78,911 |
| 合計 | 1,316 | 35,759,058 | 1,431 | 37,097,680 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
当社グループの経営成績の分析は次のとおりです。
| 前連結会計年度 (自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) | 当連結会計年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) | 差額 | |
| 金額(千円) | 金額(千円) | 金額(千円) | |
| 売上高 | 35,759,058 | 37,097,680 | 1,338,622( 3.7%増) |
| 売上総利益 | 6,651,600 | 6,368,930 | △282,670( 4.2%減) |
| 営業利益 | 1,021,567 | 901,210 | △120,356(11.8%減) |
| 経常利益 | 808,857 | 647,575 | △161,282(19.9%減) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 528,186 | 413,127 | △115,059(21.8%減) |
(売上高・売上総利益)
当連結会計年度の売上高は、37,097百万円(前期比3.7%増)、売上総利益は6,368百万円(前期比4.2%減)となりました。
主力商品である、分譲マンション及び分譲住宅の売上高は前年比概ね横ばいとなりましたが、新築住宅の価格高騰による中古物件の需要が拡大し、中古物件買取再販事業の販売件数が増加したことにより、全体の売上高は増加いたしました。
しかしながら、売上総利益につきましては、分譲住宅や土地分譲、中古物件の買取再販において、建築原価の高騰分を販売価格に一部転嫁できなかったことに加え、事業回転日数の短縮に向けた、保有戸数の適正化のため、価格の改定等を行い、完成在庫の販売強化を行ったことにより、売上総利益率が大幅に低下、前年を下回る結果となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費につきまして、分譲マンションの大型物件の新規分譲がなかったことや、WEB集客の強化などに伴い、広告宣伝費が抑制できたこと、当社グループ会社の販売割合が増加したことにより販売手数料が抑制できたことなど、全体での経費の圧縮ができ、5,467百万円(前期比2.9%減)となりましたが、売上総利益率の低下に伴い、営業利益は901百万円(同11.8%減)となり、前期を大きく下回る結果となりました。
(営業外損益及び経常利益)
当連結会計年度の営業外収益につきましては、受取手数料等により、202百万円(前期比6.2%増)となりました。営業外費用につきましては、支払利息等により、456百万円(同13.1%増)となり、経常利益は647百万円(同19.9%減)となりました。
(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は0百万円(前期比54.4%減)、特別損失は3百万円(同247.7%増)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は413百万円(同21.8%減)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの主要事業は全て土地に関連する事業のため、土地価格の上昇や土地需要の高まりによる各プロジェクト用地の確保が困難になった場合には、経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。そのため、地場不動産会社や金融機関との連携した土地情報収集力を更に強化し、立地条件等良質な土地収集に努めております。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要の主なものは、土地及び物件仕入に加え、各種プロジェクト建設費用等があります。いずれも、金利コスト等を勘案しながら、自己資金又は金融機関からの借入金により調達しております。
⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社は、「地域愛着経営」の経営方針の下、地元に愛され必要とされる企業となるため、安定した収益を確保することが重要であるという認識により、売上高経常利益率を重要視しております。また、総資産から効率的な利益を生み出す指標として、総資産利益率(ROA)も重要視しております。売上高経常利益率は5%を目標とし、総資産利益率は5%以上※の達成を目標としております。
しかしながら、当期経常利益率は1.7%と目標数値を大きく下回っております。当社事業は約97%の売上を分譲業にて計上しており、外部環境の影響を非常に受けやすい業態です。外部環境の影響を受けにくい商材を確保するための新規事業、ストック事業の強化、全社的な販売費および一般管理費の抑制を図り経常利益を確保すること、更に滞留資金の長期化を避け資金の回転率を高めることにより、資金の有効的且つ効率化を鑑み、目標達成に努めてまいります。
※当社はROA算出の基準として、当期純利益ではなく経常利益にて算出を行っております。