有価証券報告書-第57期(2024/10/01-2025/09/30)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(以下「当期」という。)におけるわが国経済は、個人消費や企業の設備投資は持ち直しの動きがみられ、景気は緩やかに回復しております。一方で、消費者物価の上昇、資材価格の高止まり、金融政策の動向の変化、主要国の通商政策動向の影響などにより、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社の事業エリアである九州・山口の住宅・不動産市場は、国土交通省発表の一戸建て住宅の新設住宅着工戸数は2024年10月から2025年9月まで前期比で96%と市場規模の縮小が緩やかに進んでおります。加えて、少子高齢化・人口減少と都市部への集中、所得格差の拡大、建築コストや住宅ローン金利の上昇を背景に、需要や価格動向の二極化が顕著となっております。具体的には、都市部や交通利便性の高いエリアにおける新築物件・高価格帯物件への需要が引き続き堅調である一方、地方や郊外、築年数の経過した中古物件に対する需要は伸び悩んでおります。この結果、住宅価格や供給量においても、地域や物件特性による格差が拡大しております。顧客層においても価格の高止まりと金利上昇を背景に実需層の購入意欲は慎重である一方、法人や富裕層向けの需要は堅調です。
このような事業環境下で当社グループは、利益率の向上に向け、多様な住宅・不動産の事業ポートフォリオを活かしながら、各事業において仕入の厳選・商品力の強化・事業回転日数の短縮に取り組んでまいりました。
当期の業績は、分譲住宅事業や不動産流通事業の販売戸数が、市場環境の変化を受けて大幅に減少したものの、分譲マンション事業の大型物件の引渡しや街づくり事業の法人や富裕層向けの投資用戸建賃貸住宅、大型の事業用地、事業用不動産の販売が伸長したことにより、売上高は前期比で増収となりました。
売上総利益は、原価上昇の影響を受けつつも、街づくり事業や分譲マンション事業の伸長により、売上総利益率の高い商品の販売割合が増加いたしました。さらに、分譲住宅事業において厳選した土地仕入れと顧客ニーズに対応した建物商品を展開したことにより、売上単価が向上し、前期比で増益となりました。
また、販売費及び一般管理費については、販売件数の減少により販売手数料等の変動費が減少し、また、DX推進による業務プロセスの自動化・効率化や人員配置の最適化など、全社的なコスト削減に取り組みました。その結果、金額はほぼ横ばいとなりましたが、売上に対する比率は低下いたしました。
売上や売上総利益の増加と、販管費率の低下が寄与し、営業利益は前期比で大幅に増加いたしました。さらに、固定資産売却益を特別利益として計上したこともあり、当期純利益も前期を上回りました。
当期は、第55期から第57期(2023年9月期~2025年9月期)における中期経営計画の最終年度でしたが、事業環境の変化に伴い戦略を見直し、2024年10月18日に「中期経営計画における業績目標の下方修正に関するお知らせ」を公表いたしました。建築コストの高止まりや住宅ローン金利の上昇、仕入・販売における競争激化により進捗が遅れ、分譲住宅及び中古住宅の買取再販の販売戸数が伸び悩んだことが、計画を下回った主な要因です。
これらの結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高39,093百万円(前期比5.4%増)、営業利益1,305百万円(同44.9%増)、経常利益901百万円(同39.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は639百万円(同54.8%増)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(マンション事業)
マンション事業セグメントでは、都心・駅近の利便性の良い物件への選択的投資と事業回転日数の平準化を目指し、分譲マンションの企画・販売・管理を行っております。
当期は「サンパーク博多那珂グラッセ(福岡県福岡市、総戸数55戸)」「サンパーク柳川駅レジデンス(福岡県柳川市、総戸数59戸)」「ザ・サンパーク小倉駅タワーレジデンス(福岡県北九州市、総戸数150戸)」を含む8物件が竣工し、前期に竣工した物件と合わせて463戸の引渡しが完了いたしました。加えて、熊本県での1棟売り物件も計上いたしました。なお、総戸数150戸のザ・サンパーク小倉駅タワーレジデンスは、九州北部の主要ターミナルであるJR小倉駅から徒歩4分という高い交通利便性を背景に販売が想定以上に進捗し、業績を牽引いたしました。
また、前期に竣工した「サンパーク朝倉街道駅グラッセ(福岡県筑紫野市、総戸数40戸)」「サンパーク延岡グラッセ(宮崎県延岡市、総戸数44戸)」「サンパーク佐伯駅前レジデンス(大分県佐伯市、総戸数44戸)」の3物件が完売し、当期に竣工した「サンパーク黒崎駅レジデンス(福岡県北九州市、総戸数56戸)」は竣工前完売となり引渡しまで完了いたしました。
当期は新たに福岡市内で「サンパークシティ香椎(福岡県福岡市、総戸数90戸)」「ザ・サンパーク西新(福岡県福岡市、総戸数24戸)」「ザ・サンパーク姪浜(福岡県福岡市、総戸数42戸)」の3棟、北九州市内で1棟、熊本市内で3棟、その他福岡県内で7棟の合計14棟639戸の分譲を開始いたしました。
連結子会社であるマンション総合管理会社「大英リビングサポート株式会社」は、親会社の分譲マンション
供給数の増加に伴い、管理戸数は4,886戸(前期比10.6%増)となりました。
これらの結果、マンション事業セグメントの売上高は20,420百万円(前期比27.0%増)、セグメント利益は1,671百万円(同11.5%増)となりました。
(住宅事業)
住宅事業セグメントでは、分譲住宅、中古物件の買取再販、土地分譲、投資用戸建賃貸住宅、事業用不動産、タウンハウス、リフォーム、宿泊施設事業などを計上しております。前述のとおり、当セグメントにおいても、需要の二極化の影響が顕著に現れました。実需中心の分譲住宅・中古住宅の買取再販は売上戸数が伸び悩んだ一方、個人や法人による収益不動産の需要は底堅く推移し、投資用の戸建賃貸住宅や事業用不動産の販売が好調となりました。こうした環境下、在庫の適正化・厳選した仕入れ・商品の改善・販売費及び一般管理費の選択と集中を進め、利益率の改善に取り組みました。
分譲住宅は、売上戸数及び売上高が前期比で大幅に減少しましたが、在庫数を適正に保ちつつ、厳選した土地の仕入れや顧客ニーズに対応した建物の建築・販売を進めた結果、売上総利益率は向上いたしました。
また、新築戸建てと中古住宅の両方を取り扱う「住まいのワンストップサービス」によりお客様のニーズに応じた提案を行い、集客効率を向上させるとともに、DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務効率化を推進いたしました。この結果、販売費及び一般管理費を抑制し、営業利益及び営業利益率も前期比で向上いたしました。
中古住宅の買取再販は、市場環境の変化に対応し、事業規模を縮小したことで販売件数が減少し、売上高は前期比で大幅に減少いたしました。一方で、事業展開エリアを北九州市を中心とした福岡県、熊本県に絞り込んだことに加え、販売費及び一般管理費の削減、さらに厳選した仕入れの推進により在庫の適正化が進み、営業利益は前期並みを維持しました。
土地分譲は、分譲住宅需要の低下により、戸建用地の販売は鈍化傾向が継続している一方で、法人向けの大型事業用地の需要は依然として高く推移しております。この結果、土地分譲の販売件数は前期比で減少したものの、大型案件の増加により売上高は増加いたしました。
投資用戸建賃貸住宅は、北九州市を中心に「サンラプロ」シリーズを展開しております。戸建賃貸住宅は、都市部近郊で自家用車利用のファミリー層からの入居需要が底堅いため、投資用商品としての需要が高く、高い利益率で販売が進捗いたしました。この結果、街づくり事業の営業利益率は前期の1.3%から7.8%と大幅に向上いたしました。
宿泊施設事業は、引き続きインバウンド需要が活況です。当期は福岡市や北九州市で新たに6棟の宿泊施設
を供給いたしました。特に、福岡市博多区の当社宿泊施設では、利用者の約7割が外国人であり、平均稼働率
は96%を超えました。
今後も各事業分野において、市場や顧客ニーズを的確に捉え、事業ポートフォリオの変革に取り組んでまい
ります。
なお、当連結会計年度より2024年11月に設立した子会社「株式会社DAIEIアーキテクツ」を連結の範囲に含め
ており、住宅事業セグメントにて計上いたしました。
引渡数におきましては、分譲住宅が386戸、中古住宅の買取再販が112戸、土地分譲が112区画、投資用戸建
賃貸住宅が26戸、タウンハウスなどが9戸となりました。
これらの結果、住宅事業セグメントにおきましては、売上高18,561百万円(前期比11.3%減)、セグメント利益は753百万円(同89.0%増)となりました。
(その他事業)
鹿児島県鹿児島市における水道供給事業や自社保有不動産の不動産賃貸事業につきましては、売上高は110百万円(前期比40.6%増)、セグメント利益は25百万円(同205.3%増)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は47,264百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,588百万円増加いたしました。これら要因は、現金及び預金が前連結会計年度末に比べ、1,399百万円減少し9,933百万円に、仕掛物件の増加により、仕掛販売用不動産が2,598百万円増加し22,999百万円に、竣工在庫の増加により販売用不動産が1,720百万円増加し8,691百万円に、建物及び構築物が1,039百万円増加し1,862百万円に、土地が952百万円増加し1,819百万円になったことなどによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は38,441百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,022百万円増加いたしました。これは、支払手形及び買掛金が1,776百万円減少し3,832百万円に、短期借入金が3,746百万円増加し13,366百万円に、長期借入金が1,916百万円増加し9,373百万円になったことなどによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は8,822百万円となり、前連結会計年度末に比べ566百万円増加いたしました。これは前連結会計年度末に比べ、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益639百万円を計上及び配当金の支払いにより79百万円減少し、利益剰余金が総額で559百万円の増加が主な変動要因であります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,525百万円減少し、9,333百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動による資金の減少は、4,649百万円(前期は4,028百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益992百万円、棚卸資産の増加額4,316百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動による資金の減少は、2,138百万円(前期は352百万円の減少)となりました。これは主に定期預金の預入による支出157百万円、有形固定資産の取得による支出2,255百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動による資金の増加は、5,262百万円(前期は128百万円の減少)となりました。これは主に短期借入れによる収入32,255百万円及び短期借入金の返済による支出28,508百万円、長期借入れによる収入14,110百万円及び長期借入金の返済による支出12,517百万円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが営むマンション事業、住宅事業及びその他事業では生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。
b.契約実績
前連結会計年度及び当連結会計年度の契約実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
c.販売実績
前連結会計年度及び当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
当社グループの経営成績の分析は次のとおりです。
(売上高・売上総利益)
当連結会計年度の売上高は、39,093百万円(前期比5.4%増)、売上総利益は6,776百万円(前期比6.4%増)となりました。
分譲住宅事業や不動産流通事業の販売戸数が大幅に減少したものの、分譲マンション事業の大型物件の引渡しや街づくり事業の法人や富裕層向けの投資用戸建賃貸住宅、大型の事業用地、事業用不動産の販売が伸長したことにより、売上高は前期比で増収となりました。
売上総利益は、原価上昇の影響を受けつつも、街づくり事業や分譲マンション事業の伸長により、売上総利益
率の高い商品の販売割合が増加いたしました。さらに、分譲住宅事業において売上単価が向上し、前期比で増益となりました。
(営業利益)
販売費及び一般管理費は5,470百万円(前期比0.1%増)、営業利益は1,305百万円(同44.9%増)となりました。
販売費及び一般管理費については、販売件数の減少により販売手数料等の変動費が減少し、また、全社的なコスト削減に取り組みました。その結果、金額はほぼ横ばいとなりましたが、売上に対する比率は低下いたしました。営業利益は、売上や売上総利益の増加と、販管費率の低下が寄与し、前期比で増加いたしました。
(営業外損益及び経常利益)
当連結会計年度の営業外収益につきましては、受取手数料等により、188百万円(前期比7.2%減)となりました。営業外費用につきましては、支払利息等により、592百万円(同29.7%増)となり、経常利益は901百万円(同39.2%増)となりました。
(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は91百万円(前期比15,339.1%増)、特別損失は0百万円(同97.0%減)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は639百万円(同54.8%増)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの主要事業は、すべて土地に関連する事業で構成されています。近年の住宅・不動産市場においては、需要や価格動向の二極化が顕著となっており、都市部や交通利便性の高いエリアでは新築・高価格帯物件への需要が堅調である一方、地方や郊外の物件、築年数の経過した中古物件に対する需要は伸び悩んでいます。
このような市場環境下において、用地の取得競争の激化や土地価格の上昇により、良質なプロジェクト用地の確保が困難になる場合、経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、供給過多や市場ニーズに合致しない商品展開による販売不振も、業績に大きな影響を与えます。
当社グループでは、こうしたリスクを踏まえ、地場不動産会社や金融機関との連携強化による土地情報の収集力向上や、顧客ニーズを的確に捉えた商品開発・事業ポートフォリオの見直しを進めることで、安定的な用地確保と販売力の強化に努めております。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要は、土地および物件の仕入に加え、各種プロジェクトの建設費用等が中心です。これらの資金は、金利コスト等を勘案しつつ、自己資金および金融機関からの借入金により調達しています。2025年9月期末時点では、仕掛販売用不動産や販売用不動産の増加に伴い短期・長期借入金が増加したほか、賃貸物件や宿泊施設等の安定収益を生む固定資産の取得により、固定資産が増加しました。これらにより、資産全体が拡大する中でも、安定した財務基盤の維持に努めております。
今後も、仕入の厳選や販売力の強化、事業回転日数の短縮などによる在庫の適正化と早期資金回収に加え、安定収益を生む固定資産の積極的な取得・運用を通じて、資金の有効活用・効率化に努めてまいります。
⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社は、「地域愛着経営」の経営方針の下、地元に愛され必要とされる企業となるため、安定した収益を確保することが重要であるという認識により、売上高経常利益率を重要視しております。2025年9月期の経常利益率は2.3%と、前期比で0.6ポイント改善しましたが、さらなる向上が必要と認識しています。
当社グループの商品別の売上高構成比率では、分譲マンションが47.2%、分譲住宅(戸建)が29.5%を占めており、外部環境の影響を受けやすい構造です。今後は、既存の事業モデルの見直しに加えて、法人・富裕層向けの事業拡大やストック型事業(賃貸・管理・宿泊施設等)の強化による事業ポートフォリオの多角化、DX推進による生産性向上、全社的な販売費及び一般管理費の抑制などにより、利益率の向上と安定した財務基盤の構築を図ります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(以下「当期」という。)におけるわが国経済は、個人消費や企業の設備投資は持ち直しの動きがみられ、景気は緩やかに回復しております。一方で、消費者物価の上昇、資材価格の高止まり、金融政策の動向の変化、主要国の通商政策動向の影響などにより、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社の事業エリアである九州・山口の住宅・不動産市場は、国土交通省発表の一戸建て住宅の新設住宅着工戸数は2024年10月から2025年9月まで前期比で96%と市場規模の縮小が緩やかに進んでおります。加えて、少子高齢化・人口減少と都市部への集中、所得格差の拡大、建築コストや住宅ローン金利の上昇を背景に、需要や価格動向の二極化が顕著となっております。具体的には、都市部や交通利便性の高いエリアにおける新築物件・高価格帯物件への需要が引き続き堅調である一方、地方や郊外、築年数の経過した中古物件に対する需要は伸び悩んでおります。この結果、住宅価格や供給量においても、地域や物件特性による格差が拡大しております。顧客層においても価格の高止まりと金利上昇を背景に実需層の購入意欲は慎重である一方、法人や富裕層向けの需要は堅調です。
このような事業環境下で当社グループは、利益率の向上に向け、多様な住宅・不動産の事業ポートフォリオを活かしながら、各事業において仕入の厳選・商品力の強化・事業回転日数の短縮に取り組んでまいりました。
当期の業績は、分譲住宅事業や不動産流通事業の販売戸数が、市場環境の変化を受けて大幅に減少したものの、分譲マンション事業の大型物件の引渡しや街づくり事業の法人や富裕層向けの投資用戸建賃貸住宅、大型の事業用地、事業用不動産の販売が伸長したことにより、売上高は前期比で増収となりました。
売上総利益は、原価上昇の影響を受けつつも、街づくり事業や分譲マンション事業の伸長により、売上総利益率の高い商品の販売割合が増加いたしました。さらに、分譲住宅事業において厳選した土地仕入れと顧客ニーズに対応した建物商品を展開したことにより、売上単価が向上し、前期比で増益となりました。
また、販売費及び一般管理費については、販売件数の減少により販売手数料等の変動費が減少し、また、DX推進による業務プロセスの自動化・効率化や人員配置の最適化など、全社的なコスト削減に取り組みました。その結果、金額はほぼ横ばいとなりましたが、売上に対する比率は低下いたしました。
売上や売上総利益の増加と、販管費率の低下が寄与し、営業利益は前期比で大幅に増加いたしました。さらに、固定資産売却益を特別利益として計上したこともあり、当期純利益も前期を上回りました。
当期は、第55期から第57期(2023年9月期~2025年9月期)における中期経営計画の最終年度でしたが、事業環境の変化に伴い戦略を見直し、2024年10月18日に「中期経営計画における業績目標の下方修正に関するお知らせ」を公表いたしました。建築コストの高止まりや住宅ローン金利の上昇、仕入・販売における競争激化により進捗が遅れ、分譲住宅及び中古住宅の買取再販の販売戸数が伸び悩んだことが、計画を下回った主な要因です。
これらの結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高39,093百万円(前期比5.4%増)、営業利益1,305百万円(同44.9%増)、経常利益901百万円(同39.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は639百万円(同54.8%増)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(マンション事業)
マンション事業セグメントでは、都心・駅近の利便性の良い物件への選択的投資と事業回転日数の平準化を目指し、分譲マンションの企画・販売・管理を行っております。
当期は「サンパーク博多那珂グラッセ(福岡県福岡市、総戸数55戸)」「サンパーク柳川駅レジデンス(福岡県柳川市、総戸数59戸)」「ザ・サンパーク小倉駅タワーレジデンス(福岡県北九州市、総戸数150戸)」を含む8物件が竣工し、前期に竣工した物件と合わせて463戸の引渡しが完了いたしました。加えて、熊本県での1棟売り物件も計上いたしました。なお、総戸数150戸のザ・サンパーク小倉駅タワーレジデンスは、九州北部の主要ターミナルであるJR小倉駅から徒歩4分という高い交通利便性を背景に販売が想定以上に進捗し、業績を牽引いたしました。
また、前期に竣工した「サンパーク朝倉街道駅グラッセ(福岡県筑紫野市、総戸数40戸)」「サンパーク延岡グラッセ(宮崎県延岡市、総戸数44戸)」「サンパーク佐伯駅前レジデンス(大分県佐伯市、総戸数44戸)」の3物件が完売し、当期に竣工した「サンパーク黒崎駅レジデンス(福岡県北九州市、総戸数56戸)」は竣工前完売となり引渡しまで完了いたしました。
当期は新たに福岡市内で「サンパークシティ香椎(福岡県福岡市、総戸数90戸)」「ザ・サンパーク西新(福岡県福岡市、総戸数24戸)」「ザ・サンパーク姪浜(福岡県福岡市、総戸数42戸)」の3棟、北九州市内で1棟、熊本市内で3棟、その他福岡県内で7棟の合計14棟639戸の分譲を開始いたしました。
連結子会社であるマンション総合管理会社「大英リビングサポート株式会社」は、親会社の分譲マンション
供給数の増加に伴い、管理戸数は4,886戸(前期比10.6%増)となりました。
これらの結果、マンション事業セグメントの売上高は20,420百万円(前期比27.0%増)、セグメント利益は1,671百万円(同11.5%増)となりました。
(住宅事業)
住宅事業セグメントでは、分譲住宅、中古物件の買取再販、土地分譲、投資用戸建賃貸住宅、事業用不動産、タウンハウス、リフォーム、宿泊施設事業などを計上しております。前述のとおり、当セグメントにおいても、需要の二極化の影響が顕著に現れました。実需中心の分譲住宅・中古住宅の買取再販は売上戸数が伸び悩んだ一方、個人や法人による収益不動産の需要は底堅く推移し、投資用の戸建賃貸住宅や事業用不動産の販売が好調となりました。こうした環境下、在庫の適正化・厳選した仕入れ・商品の改善・販売費及び一般管理費の選択と集中を進め、利益率の改善に取り組みました。
分譲住宅は、売上戸数及び売上高が前期比で大幅に減少しましたが、在庫数を適正に保ちつつ、厳選した土地の仕入れや顧客ニーズに対応した建物の建築・販売を進めた結果、売上総利益率は向上いたしました。
また、新築戸建てと中古住宅の両方を取り扱う「住まいのワンストップサービス」によりお客様のニーズに応じた提案を行い、集客効率を向上させるとともに、DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務効率化を推進いたしました。この結果、販売費及び一般管理費を抑制し、営業利益及び営業利益率も前期比で向上いたしました。
中古住宅の買取再販は、市場環境の変化に対応し、事業規模を縮小したことで販売件数が減少し、売上高は前期比で大幅に減少いたしました。一方で、事業展開エリアを北九州市を中心とした福岡県、熊本県に絞り込んだことに加え、販売費及び一般管理費の削減、さらに厳選した仕入れの推進により在庫の適正化が進み、営業利益は前期並みを維持しました。
土地分譲は、分譲住宅需要の低下により、戸建用地の販売は鈍化傾向が継続している一方で、法人向けの大型事業用地の需要は依然として高く推移しております。この結果、土地分譲の販売件数は前期比で減少したものの、大型案件の増加により売上高は増加いたしました。
投資用戸建賃貸住宅は、北九州市を中心に「サンラプロ」シリーズを展開しております。戸建賃貸住宅は、都市部近郊で自家用車利用のファミリー層からの入居需要が底堅いため、投資用商品としての需要が高く、高い利益率で販売が進捗いたしました。この結果、街づくり事業の営業利益率は前期の1.3%から7.8%と大幅に向上いたしました。
宿泊施設事業は、引き続きインバウンド需要が活況です。当期は福岡市や北九州市で新たに6棟の宿泊施設
を供給いたしました。特に、福岡市博多区の当社宿泊施設では、利用者の約7割が外国人であり、平均稼働率
は96%を超えました。
今後も各事業分野において、市場や顧客ニーズを的確に捉え、事業ポートフォリオの変革に取り組んでまい
ります。
なお、当連結会計年度より2024年11月に設立した子会社「株式会社DAIEIアーキテクツ」を連結の範囲に含め
ており、住宅事業セグメントにて計上いたしました。
引渡数におきましては、分譲住宅が386戸、中古住宅の買取再販が112戸、土地分譲が112区画、投資用戸建
賃貸住宅が26戸、タウンハウスなどが9戸となりました。
これらの結果、住宅事業セグメントにおきましては、売上高18,561百万円(前期比11.3%減)、セグメント利益は753百万円(同89.0%増)となりました。
(その他事業)
鹿児島県鹿児島市における水道供給事業や自社保有不動産の不動産賃貸事業につきましては、売上高は110百万円(前期比40.6%増)、セグメント利益は25百万円(同205.3%増)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は47,264百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,588百万円増加いたしました。これら要因は、現金及び預金が前連結会計年度末に比べ、1,399百万円減少し9,933百万円に、仕掛物件の増加により、仕掛販売用不動産が2,598百万円増加し22,999百万円に、竣工在庫の増加により販売用不動産が1,720百万円増加し8,691百万円に、建物及び構築物が1,039百万円増加し1,862百万円に、土地が952百万円増加し1,819百万円になったことなどによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は38,441百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,022百万円増加いたしました。これは、支払手形及び買掛金が1,776百万円減少し3,832百万円に、短期借入金が3,746百万円増加し13,366百万円に、長期借入金が1,916百万円増加し9,373百万円になったことなどによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は8,822百万円となり、前連結会計年度末に比べ566百万円増加いたしました。これは前連結会計年度末に比べ、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益639百万円を計上及び配当金の支払いにより79百万円減少し、利益剰余金が総額で559百万円の増加が主な変動要因であります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,525百万円減少し、9,333百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動による資金の減少は、4,649百万円(前期は4,028百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益992百万円、棚卸資産の増加額4,316百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動による資金の減少は、2,138百万円(前期は352百万円の減少)となりました。これは主に定期預金の預入による支出157百万円、有形固定資産の取得による支出2,255百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動による資金の増加は、5,262百万円(前期は128百万円の減少)となりました。これは主に短期借入れによる収入32,255百万円及び短期借入金の返済による支出28,508百万円、長期借入れによる収入14,110百万円及び長期借入金の返済による支出12,517百万円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが営むマンション事業、住宅事業及びその他事業では生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。
b.契約実績
前連結会計年度及び当連結会計年度の契約実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) | 当連結会計年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) | ||
| 件数 | 金額(千円) | 件数 | 金額(千円) | |
| マンション事業 | 425 | 14,578,569 | 468 | 18,502,707 |
| 住宅事業 | 897 | 20,632,776 | 671 | 17,462,087 |
| 合計 | 1,322 | 35,211,344 | 1,139 | 35,964,795 |
c.販売実績
前連結会計年度及び当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) | 当連結会計年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) | ||
| 件数 | 金額(千円) | 件数 | 金額(千円) | |
| マンション事業 | 488 | 16,080,571 | 463 | 20,420,339 |
| 住宅事業 | 943 | 20,938,197 | 645 | 18,561,867 |
| その他 | - | 78,911 | - | 110,922 |
| 合計 | 1,431 | 37,097,680 | 1,108 | 39,093,129 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
当社グループの経営成績の分析は次のとおりです。
| 前連結会計年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) | 当連結会計年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) | 差額 | |
| 金額(千円) | 金額(千円) | 金額(千円) | |
| 売上高 | 37,097,680 | 39,093,129 | 1,995,448( 5.4%増) |
| 売上総利益 | 6,368,930 | 6,776,170 | 407,239( 6.4%増) |
| 営業利益 | 901,210 | 1,305,541 | 404,330(44.9%増) |
| 経常利益 | 647,575 | 901,424 | 253,848(39.2%増) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 413,127 | 639,370 | 226,242(54.8%増) |
(売上高・売上総利益)
当連結会計年度の売上高は、39,093百万円(前期比5.4%増)、売上総利益は6,776百万円(前期比6.4%増)となりました。
分譲住宅事業や不動産流通事業の販売戸数が大幅に減少したものの、分譲マンション事業の大型物件の引渡しや街づくり事業の法人や富裕層向けの投資用戸建賃貸住宅、大型の事業用地、事業用不動産の販売が伸長したことにより、売上高は前期比で増収となりました。
売上総利益は、原価上昇の影響を受けつつも、街づくり事業や分譲マンション事業の伸長により、売上総利益
率の高い商品の販売割合が増加いたしました。さらに、分譲住宅事業において売上単価が向上し、前期比で増益となりました。
(営業利益)
販売費及び一般管理費は5,470百万円(前期比0.1%増)、営業利益は1,305百万円(同44.9%増)となりました。
販売費及び一般管理費については、販売件数の減少により販売手数料等の変動費が減少し、また、全社的なコスト削減に取り組みました。その結果、金額はほぼ横ばいとなりましたが、売上に対する比率は低下いたしました。営業利益は、売上や売上総利益の増加と、販管費率の低下が寄与し、前期比で増加いたしました。
(営業外損益及び経常利益)
当連結会計年度の営業外収益につきましては、受取手数料等により、188百万円(前期比7.2%減)となりました。営業外費用につきましては、支払利息等により、592百万円(同29.7%増)となり、経常利益は901百万円(同39.2%増)となりました。
(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は91百万円(前期比15,339.1%増)、特別損失は0百万円(同97.0%減)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は639百万円(同54.8%増)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの主要事業は、すべて土地に関連する事業で構成されています。近年の住宅・不動産市場においては、需要や価格動向の二極化が顕著となっており、都市部や交通利便性の高いエリアでは新築・高価格帯物件への需要が堅調である一方、地方や郊外の物件、築年数の経過した中古物件に対する需要は伸び悩んでいます。
このような市場環境下において、用地の取得競争の激化や土地価格の上昇により、良質なプロジェクト用地の確保が困難になる場合、経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、供給過多や市場ニーズに合致しない商品展開による販売不振も、業績に大きな影響を与えます。
当社グループでは、こうしたリスクを踏まえ、地場不動産会社や金融機関との連携強化による土地情報の収集力向上や、顧客ニーズを的確に捉えた商品開発・事業ポートフォリオの見直しを進めることで、安定的な用地確保と販売力の強化に努めております。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要は、土地および物件の仕入に加え、各種プロジェクトの建設費用等が中心です。これらの資金は、金利コスト等を勘案しつつ、自己資金および金融機関からの借入金により調達しています。2025年9月期末時点では、仕掛販売用不動産や販売用不動産の増加に伴い短期・長期借入金が増加したほか、賃貸物件や宿泊施設等の安定収益を生む固定資産の取得により、固定資産が増加しました。これらにより、資産全体が拡大する中でも、安定した財務基盤の維持に努めております。
今後も、仕入の厳選や販売力の強化、事業回転日数の短縮などによる在庫の適正化と早期資金回収に加え、安定収益を生む固定資産の積極的な取得・運用を通じて、資金の有効活用・効率化に努めてまいります。
⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社は、「地域愛着経営」の経営方針の下、地元に愛され必要とされる企業となるため、安定した収益を確保することが重要であるという認識により、売上高経常利益率を重要視しております。2025年9月期の経常利益率は2.3%と、前期比で0.6ポイント改善しましたが、さらなる向上が必要と認識しています。
当社グループの商品別の売上高構成比率では、分譲マンションが47.2%、分譲住宅(戸建)が29.5%を占めており、外部環境の影響を受けやすい構造です。今後は、既存の事業モデルの見直しに加えて、法人・富裕層向けの事業拡大やストック型事業(賃貸・管理・宿泊施設等)の強化による事業ポートフォリオの多角化、DX推進による生産性向上、全社的な販売費及び一般管理費の抑制などにより、利益率の向上と安定した財務基盤の構築を図ります。