有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/05/16 15:00
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【項目】
83項目
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
① 財政状態の分析
第17期事業年度(自 2017年10月1日 至 2018年9月30日)
当事業年度末における資産の部は1,318百万円、負債の部は457百万円、純資産の部は860百万円であり、自己資本比率は65.3%となりました。
イ 流動資産
当事業年度末における流動資産は1,176百万円となり、前事業年度末に比べて290百万円増加いたしました。これは主に電子記録債権が125百万円、現金及び預金が100百万円、売掛金が85百万円増加したことによるものであります。
ロ 固定資産
当事業年度末における固定資産は141百万円となり、前事業年度末に比べて7百万円減少いたしました。これは主にソフトウエアが8百万円増加し、敷金が9百万円、有形固定資産が5百万円減少したことによるものであります。
ハ 流動負債
当事業年度末における流動負債は379百万円となり、前事業年度末に比べて45百万円減少いたしました。これは主に未払金が42百万円、買掛金が25百万円減少し、未払法人税等が30百万円増加したことによるものであります。
ニ 固定負債
当事業年度末における固定負債は78百万円となり、前事業年度末に比べて21百万円増加いたしました。これは長期借入金が21百万円増加したことによるものであります。
ホ 純資産
当事業年度末における純資産合計は860百万円となり、前事業年度末に比べて306百万円増加いたしました。これは、第三者割当増資の実施により資本金及び資本準備金がそれぞれ20百万円増加したこと、当期純利益を266百万円計上したことにより利益剰余金が266百万円増加したことによるものであります。
第18期第2四半期累計期間(自 2018年10月1日 至 2019年3月31日)
イ 流動資産
当第2四半期会計期間末における流動資産は、1,445百万円となり、前事業年度末に比べ269百万円増加いたしました。これは、主に売掛金が315百万円増加したものの、現金及び預金が45百万円減少したことによるものであります。
ロ 固定資産
当第2四半期会計期間末における固定資産は、151百万円となり、前事業年度末に比べ9百万円増加いたしました。これは、主に投資その他の資産が6百万円増加したことによるものであります。
ハ 流動負債
当第2四半期会計期間末における流動負債は、458百万円となり、前事業年度末に比べ79百万円増加いたしました。これは、主に買掛金が65百万円増加、未払法人税等が25百万円増加したものの、1年内返済予定の長期借入金が8百万円減少したことによるものであります。
ニ 固定負債
当第2四半期会計期間末における固定負債は、59百万円となり、前事業年度末に比べ18百万円減少いたしました。これは、長期借入金が18百万円減少したことによるものであります。
ホ 純資産
当第2四半期会計期間末における純資産は、1,078百万円となり、前事業年度末に比べ217百万円増加いたしました。これは、四半期純利益217百万円を計上したことにより利益剰余金が217百万円増加したことによるものであります。
② 経営成績の分析
第17期事業年度(自 2017年10月1日 至 2018年9月30日)
当事業年度における我が国の経済は、政府・日銀による財政・金融政策の効果により、企業業績、雇用及び所得環境の改善が続き、全体として緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、米国の保護主義的な通商政策による貿易摩擦リスクや地政学的リスクが懸念されるなど海外景気動向の不確実性を受け、先行きは不透明な状況が続いております。
日本の通信業界におきましては、2020年の5G(次世代無線通信システム)実用化を見据え、AI(Artificial Intelligence:人工知能)やIoT(Internet of Things:あらゆるモノがインターネットに接続され、情報交換することにより相互に把握や制御する仕組み)及びドローン(無人航空機)などに代表される新しい技術の台頭により、業界を取り巻く環境も目まぐるしく変化しております。
このような市場環境の下、当社は「“無意味な常識”に囚われず“意味のある非常識”を追求し、価値ある社会活動を行う」という企業理念のもとに、主要取引先である通信キャリアやキャリアショップ(通信キャリアのブランドを冠した販売店)を運営する販売代理店に対し、目まぐるしく変化する制度や新しい商材・サービスに柔軟に対応し、コンサルティング事業を中心に展開してまいりました。
キャリアショップや家電量販店に対して、当社の業界知見や販売経験を有するコンサルタントが各店舗ごとで異なる運営課題や販売課題の解決に向けてオリジナルの研修プログラムを提案することで、アドバイザーとしての教育サポートをコンサルティングする案件の受注が増加してまいりました。また、通信キャリアにおいても、我々と同じ立ち位置で、販売代理店に対して支援やサポートを行う担当者向けに、当社のノウハウやナレッジを共有する育成機能の構築についてのニーズが高く、通信キャリアからの受注が増加しております。また、業界における慢性的な人材不足から、販売促進のヘルパーの要望やプロモーションイベント人材の支援といった、セールスプロモーションニーズに基づく受注も堅調に増加しております。これらの課題に対し、一時的な人材リソースのニーズだけでなく創業から培った販売ノウハウを活かし、新たな雇用創出として外国人人材の教育支援も手がけ、ますます高まりつつあるインバウンド需要に対応するための、バイリンガル人材の人材ニーズも増加してまいりました。
通信キャリアの提供する商材やサービスの多様化に対応し、当社が有するセールススキルやノウハウを動画コンテンツやアプリケーションとして提供することで、サービスの価値も高まってまいりました。当期から、本社を東京へ移し、高まる首都圏におけるニーズに対応するため、人材の配置を本社へ集中し、強化を行ってまいりました。その結果、当期末をもって一時的に東北支社及び北陸支社を閉鎖し、2018年9月末日において支社数を5支社にすることとなりました。
これらの結果、当事業年度の業績は、売上高1,994百万円(前年同期比6.5%増)、営業利益406百万円(前年同期比32.7%増)、経常利益413百万円(前年同期比36.6%増)となり、当期純利益は266百万円(前年同期比31.1%増)となりました。
また、売上高経常利益率は前事業年度より、4.6ポイント向上し、20.8%となりました。
なお、当社はコンサルティング事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
第18期第2四半期累計期間(自 2018年10月1日 至 2019年3月31日)
当第2四半期累計期間における我が国の経済は、企業活動が自然災害による影響から持ち直し、雇用・所得環境ともに改善傾向は継続し、景気としては緩やかな回復基調となりました。しかしながら、海外においては米中の貿易摩擦による世界景気の減速が我が国の景気にも影響を与えつつあり、先行きが不透明な状況となっています。
当社の主な事業領域であります携帯電話等販売市場は、総務省の競争促進政策等により通信事業者間のサービスが多様化する中で、大手通信事業者各社から分離プラン(端末価格とサービス使用料を分離した料金プラン)が出揃う等、分かりやすい料金プランへの移行に向けた方向性が示されました。
このような経済状況のもとで、当社は「“無意味な常識”に囚われず“意味のある非常識”を追求し、価値ある社会活動を行う」という企業理念をもとに、主要取引先である通信キャリアやキャリアショップ(通信キャリアのブランドを冠した販売店)を運営する販売代理店を中心に、コンサルティング事業を中心に展開してまいりました。
行政の要請への対応に向けて、通信事業者間のサービスが変化する中で、業界の適正化に向けたコンサルティングニーズと共に、通信キャリアのサービスラインナップの増加により、高い提案力を持つヘルパーニーズが高まりセールスプロモーションサービスが大幅に増加いたしました。また、業務の煩雑化により、キャリアショップで働く人材の獲得・定着が困難になり、店舗運営に課題を抱えている販売代理店に対しての組織活性化研修のニーズも増加いたしました。
これらの結果、当第2四半期累計期間の業績は、売上高1,456百万円、営業利益337百万円、経常利益334百万円となり、四半期純利益は217百万円となりました。
なお、当社はコンサルティング事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
第17期事業年度(自 2017年10月1日 至 2018年9月30日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末より102百万円増加し、716百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
イ 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は46百万円(前年同期比83.8%減)となりました。資金増加・減少の主な要因は、税引前当期純利益が413百万円、売上債権の増加額が211百万円、法人税等の支払額が114百万円等によるものであります。
ロ 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は21百万円(前事業年度は112百万円の収入)となりました。資金増加・減少の主な要因は、敷金の回収による収入11百万円、有形固定資産の取得による支出15百万円、無形固定資産の取得による支出13百万円等によるものであります。
ハ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果得られた資金は77百万円(前事業年度は55百万円の支出)となりました。資金増加・減少の主な要因は、長期借入れによる収入100百万円、株式の発行による収入39百万円、長期借入金の返済による支出62百万円等によるものであります。
第18期第2四半期累計期間(自 2018年10月1日 至 2019年3月31日)
当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末より45百万円減少し、670百万円となりました。
当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
イ 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果使用した資金は11百万円となりました。資金増加・減少の主な要因は、税引前四半期純利益334百万円、売上債権の増加額318百万円、法人税等の支払額96百万円等によるものであります。
ロ 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は6百万円となりました。資金増加・減少の主な要因は、敷金の回収による収入1百万円、保険積立金の積立による支出3百万円、有形固定資産の取得による支出2百万円等によるものであります。
ハ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は26百万円となりました。資金減少の要因は、長期借入金の返済による支出26百万円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社で行う事業は、概ね受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。
c.販売実績
第17期事業年度及び第18期第2四半期累計期間の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社はコンサルティング事業の単一セグメントとしております。
セグメントの名称第17期事業年度
(自 2017年10月1日
至 2018年9月30日)
前年同期比(%)第18期第2四半期累計期間
(自 2018年10月1日
至 2019年3月31日)
コンサルティング事業(千円)1,994,606106.51,456,605
合計(千円)1,994,606106.51,456,605

(注)1.最近2事業年度及び第18期第2四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先第16期事業年度
(自 2016年10月1日
至 2017年9月30日)
第17期事業年度
(自 2017年10月1日
至 2018年9月30日)
第18期第2四半期累計期間
(自 2018年10月1日
至 2019年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社NTTドコモ1,307,66269.81,197,57460.0796,43954.7
株式会社セレブリックス305,00516.3283,44714.2161,53211.1
シャープ株式会社5,4940.3222,10211.1175,49912.1

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.相手先別の売上高は、同一の企業集団に属する顧客への売上高を集約して記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
文中の将来に関する事項につきましては、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表を作成するにあたって採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 資本の財源及び資金の流動性
資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追及しながら、会社の将来の成長のための内部留保の充実と、株主への利益還元との最適なバランスを考え実施してまいります。短期運転資金については、自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達については、金融機関からの長期借入を検討した上で調達しております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は716百万円となっております。
将来の成長のための内部留保については、人材の育成・獲得、システム強化等の将来の事業展開の財源のための投資に資源を優先的に充当いたします。