有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/10/28 14:00
【資料】
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【項目】
76項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
第4期事業年度(自 2017年10月1日 至 2018年9月30日)
(資産の部)
当事業年度末における流動資産の残高は、前事業年度末に比べ7,980千円減少し、147,179千円となりました。これは、主として繰延税金資産が8,623千円、売掛金が10,152千円減少したものの、未収入金が8,614千円、現金及び預金が2,402千円、前払費用が1,495千円増加したことによるものであります。
当事業年度末における固定資産の残高は、前事業年度末に比べ42,092千円増加し、64,629千円となりました。これは、主として差入保証金が27,448千円、ソフトウエアが5,170千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は211,808千円となり、前事業年度末に比べ34,112千円の増加となりました。
(負債の部)
当事業年度末における流動負債の残高は、前事業年度末に比べ10,526千円増加し、44,179千円となりました。これは、主として未払法人税等が4,088千円減少したものの、未払費用が13,917千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は44,692千円となり、前事業年度末に比べ10,726千円の増加となりました。
(純資産の部)
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ23,385千円増加し、167,116千円となりました。これは、主として利益剰余金が22,993千円増加したことによるものであります。
第5期第3四半期累計期間(自 2018年10月1日 至 2019年6月30日)
(資産の部)
当第3四半期会計期間末における流動資産の残高は、前事業年度末に比べ338,888千円増加し、486,067千円となりました。これは主として現金及び預金が349,336千円増加したことによるものであります。
当第3四半期会計期間末における固定資産の残高は、前事業年度末に比べ42,776千円増加し、107,405千円となりました。これは主として、繰延税金資産が32,921千円、有形固定資産が6,796千円、及び差入保証金が3,919千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は593,473千円となり、前事業年度末に比べ381,665千円の増加となりました。
(負債の部)
当第3四半期会計期間末における流動負債の残高は、前事業年度末に比べ211,785千円増加し、255,965千円となりました。これは、主として未払法人税等が113,085千円、賞与引当金が40,724千円、及び未払費用が31,121千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は255,965千円となり、前事業年度末に比べ211,272千円の増加となりました。
(純資産の部)
当第3四半期会計期間末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ170,392千円増加し、337,508千円となりました。これは、主として利益剰余金が171,010千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
第4期事業年度(自 2017年10月1日 至 2018年9月30日)
当事業年度における我が国経済は、堅調な企業収益や雇用環境等を背景に緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で世界経済は、米国の新政権による大幅な政策の変更に加え、中東・朝鮮半島情勢の地政学リスクの高まり等、先行き不透明な状況が続きました。
当社の事業領域である中堅中小企業のM&Aにおきましては、中堅中小企業の後継者問題がますます深刻化する中で、事業承継手段としてのM&Aニーズ(譲渡ニーズ)が一段と増加いたしました。また、少子高齢化や国内人口の減少に伴い、多くの業界で国内マーケットが縮小する中で、シェア拡大、新規事業進出、海外進出等の事業拡大手段としてのM&Aニーズ(買収ニーズ)も一段と増加いたしました。譲渡ニーズと買収ニーズの双方が増加する中で、当業界のマーケットは引続き拡大傾向にあります。
このような情勢のなか、当社は東海地方を中心に提携先の地方銀行及び信用金庫等との一層の関係強化に取り組むとともに、日本経済新聞社主催の大規模セミナーを名古屋において3回企画する等、広告宣伝活動を強化し、M&Aニーズの獲得を図りました。合わせて、受託案件の増加に対応するため、当事業年度においてM&Aアドバイザーを5名増員し、20名といたしました。
この結果、当事業年度においては計34件の案件が成約し、売上高は469,260千円(前期比3.0%増)営業利益は33,333千円(前期比35.5%減)、経常利益は33,903千円(前期比30.2%減)、当期純利益は22,993千円(前期比29.6%減)となりました。
なお、当社はM&A仲介事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。
(売上高)
当事業年度の売上高は469,260千円と、前事業年度に比べ13,878千円の増加(前期比3.0%増)となりました。これは、主としてアドバイザリー契約の増加、及び1社あたりの成功報酬が大きくなったことによるものであります。
(売上総利益)
当事業年度の売上原価は266,801千円と、前事業年度に比べ9,156千円の減少(前期比3.3%減)となりました。これは、主として案件紹介料が63,390千円減少(前期比35.3%減)したものの、人件費が48,516千円増加(前期比55.5%増)したことによるものであります。
この結果、当事業年度の売上総利益は202,459千円と、前事業年度と比べ23,035千円の増加(前期比12.8%増)となりました。
(営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は169,125千円と、前事業年度に比べ41,352千円の増加(前期比32.4%増)となりました。これは、主として、地代家賃が15,005千円、役員報酬が8,750千円、広告宣伝費が5,098千円増加したことによるものであります。
この結果、当事業年度の営業利益は33,333千円と、前事業年度と比べ18,316千円の減少(前期比35.5%減)となりました。
(経常利益)
当事業年度の営業外収益は569千円と、前事業年度に比べ312千円の増加(前期比121.3%増)となりました。これは、主として雑収入が299千円増加したことによるものであります。
この結果、当事業年度の経常利益は33,903千円と、前事業年度と比べ14,636千円の減少(前期比30.2%減)となりました。
(当期純利益)
当事業年度の特別損失は、固定資産除却損が493千円発生しました。法人税等合計は10,416千円となり、前事業年度に比べ5,470千円の減少(前期比34.4%減)となりました。
この結果、当事業年度の当期純利益は22,993千円と、前事業年度と比べ9,659千円の減少(前期比29.6%減)となりました。
第5期第3四半期累計期間(自 2018年10月1日 至 2019年6月30日)
当第3四半期累計期間における我が国経済は、政府や日銀による経済政策を背景に企業収益の緩やかな回復基調とともに雇用や所得も改善の動きが見られました。一方で、新興国経済の成長懸念や先進国の保護主義政策による世界経済の減速懸念等に加えて、我が国経済の先行きに対する不安定要素もあり、楽観視できない状況が続きました。
当社の事業領域である中堅中小企業のM&Aにおきましては、事業承継手段としての譲渡ニーズと事業拡大手段としての買収ニーズが増加しており、マーケットは引続き拡大傾向にあります。
このような環境下で、当社では出向者の受入れ等、提携先金融機関との一層の関係強化に努めるとともに、潜在マーケットである関西の地方金融機関との提携、大阪市西区に大阪オフィスを開設する等、営業基盤の拡充に取り組んでまいりました。また、ダイレクトメールやメールマガジンにて情報発信を行うダイレクトアプローチを強化いたしました。
人員面では今後の事業拡大に備え、情報開発部門を2名、経営管理部門を1名増員し、組織体制の強化に取組みました。
以上の結果、当第3四半期累計期間においては計35件の案件が成約し、売上高は727,896千円、営業利益は260,309千円、経常利益は260,436千円、四半期純利益は171,010千円となりました。
なお、当社はM&A仲介事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。
(売上高)
当第3四半期累計期間の売上高は727,896千円となりました。これは計35社の案件が成約したことによるものであります。
(売上総利益)
当第3四半期累計期間の売上原価は322,018千円となりました。これは主に、業務提携先に対する案件紹介料及び、M&Aアドバイザーの給与によるものであります。この結果、当第3四半期累計期間の売上総利益は405,877千円となりました。
(営業利益)
当第3四半期累計期間の販売費及び一般管理費は145,568千円となりました。これは主に、役員報酬31,617千円、地代家賃28,108千円、及び管理諸費12,252千円等によるものであります。この結果、当第3四半期累計期間の営業利益は260,309千円となりました。
(経常利益)
当第3四半期累計期間の営業外収益は130千円、営業外費用は3千円となりました。この結果、当第3四半期累計期間の経常利益は260,436千円となりました。
(四半期純利益)
当第3四半期累計期間の法人税等合計は89,426千円となりました。この結果、当第3四半期累計期間の四半期純利益は171,010千円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
第4期事業年度(自 2017年10月1日 至 2018年9月30日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前事業年度末に比べ2,402千円増加し、125,361千円となりました
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は48,436千円(前事業年度は1,572千円の支出)となりました。これは主に税引前当期純利益33,410千円、及び法人税等の支払額12,532千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は46,034千円(前事業年度は18,927千円の支出)となりました。これは主に差入保証金の差入による支出27,448千円、及び有形固定資産の取得による支出8,355千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増減はありませんでした。
④ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
第4期事業年度及び第5期第3四半期累計期間における販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称第4期事業年度
(自 2017年10月1日
至 2018年9月30日)
第5期第3四半期累計期間
(自 2018年10月1日
至 2019年6月30日)
販売高(千円)前年同期比(%)販売高(千円)
M&A仲介事業469,260103.0727,896
合計469,260103.0727,896

(注)1.当社は、M&A仲介事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
2.最近2事業年度及び第5期第3四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10を超える相手先が存在しないため、記載を省略しております。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
4.第4期事業年度、第5期第3四半期累計期間におけるM&A成約件数の実績は次のとおりであります。
分類の名称第4期事業年度
(自 2017年10月1日
至 2018年9月30日)
第5期第3四半期累計期間
(自 2018年10月1日
至 2019年6月30日)
M&A成約件数(件)34件35件

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりましては、資産・負債及び収益・費用に影響を与える見積り及び判断を必要としております。
当社は、財務諸表の基礎となる見積りを過去の実績を参考に合理的と考えられる判断を行ったうえで計上しておりますが、これらの見積りは不確実性を伴うため、実際の結果とは異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成において採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
当社の経営成績等については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、資金需要のうち主なものは、効果的に事業拡大していくための採用費、人件費等であります。また、資金の源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フローによって確保しております。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等についての分析
当社が今後事業を拡大し、継続的な成長を遂げるために、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境及び事業上の対処すべき課題」に記載しております課題に対処していく必要があると認識しております。それらの課題に対応するために、営業基盤を拡充するために必要な人材の採用と育成、内部管理体制の強化を進めることにより、企業価値の持続的な向上に取り組んでまいります。
また、当社ではアドバイザー数と成約件数が業績判断上の重要な指標と捉えており、引続きアドバイザーの計画的な増員と成約件数増加に取り組んでまいります。目標とする客観的な指標等についての分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載のとおりであります。