有価証券報告書-第11期(2022/03/01-2023/02/28)

【提出】
2023/05/31 16:24
【資料】
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【項目】
118項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、アフターコロナへの対応が進展し、経済環境には持ち直しの兆候も見受けられます。ただし、欧米を中心に金融引き締めの傾向が継続しており、これによる我が国の資本市場などへの影響には注意が必要な状況です。
このような状況の下、当連結会計年度における知見プラットフォーム事業は、コンサルティングファーム等との取扱高拡大や法人口座当たり取扱高及び法人口座数の増加により全般的に好調な成長を継続しております。
グローバルENS(グローバルなコンサルティングファーム、金融機関等を主要顧客層とする事業領域)においては、米国においては、金利政策などに起因する株式市場の混乱などが原因となって事業環境の不安定さが継続している一方で、国内のクライアントにおいて特に好調な業況感が継続しております。
国内事業会社向けプラットフォームにおいては、マーケティング施策の推進に伴う法人クライアント口座数の拡大基調の継続と、顧客内での利用度の高まり、また、複数商材の展開が顧客のニーズに合致していることなどにより、事業の成長が継続しております。
また、前期に買収したColeman Research Group, Inc.の業績を当期より通期で連結しております。同社が有する顧客網、知見データベースや組織、システムを活用して、国内外のクライアントの開拓、取引ニーズの発掘を推進しております。国内のクライアントには、海外の先進事例などにアクセスできる機会を創出でき、また、海外のクライアントには、日本における事業環境、業界慣行、技術創出などに関する知見にアクセスできる機会を創出できております。このように、Coleman社との事業統合を通じた中長期的な競争優位性の確立を通じて、当社グループの事業の潜在的な成長性は飛躍的に高まっております。米国における厳しい事業環境が継続している中においても、環境への柔軟な対応や組織効率化などの施策によるグループとしての収益及び効率を追求し、企業価値の向上を目指します。
以上の結果、当連結会計年度末時点で登録者数は56万人超、取扱高12,383百万円となりました。
また、当連結結会計年度における営業収益は8,380,515千円(前年同期比126.4%増)、営業利益4,406千円(前年同期は112,430千円の営業損失)、経常損失51,169千円(前年同期は389,762千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益75,857千円(前年同期は475,557千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、当社グループは知見プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は5,989,570千円となり、前連結会計年度末に比べ913,305千円増加いたしました。これは主に事業規模の拡大により現金及び預金並びに売掛金及び契約資産が増加したこと等により流動資産が増加したことによるものであります。
また、当連結会計年度末における固定資産は14,894,787千円となり、前連結会計年度末に比べ1,220,297千円増加いたしました。これは主に、米ドルに対する円の為替相場が円安に推移したことによりColeman ResearchGroup, Inc.に属する無形資産の円換算額が前期に比べて増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、20,884,357千円となり、前連結会計年度末に比べ2,133,602千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は3,521,973千円となり、前連結会計年度末に比べ525,667千円増加いたしました。これは主に、事業規模の拡大により法人クライアントから収受する契約負債が445,813千円増加したこと及び未払法人税等が222,284千円増加した一方、Coleman Research Group, Inc.の買収対価のうち前連結会計年度末時点で未払金に計上されていた額を支払ったこと等による未払金の減少額175,324千円等によるものであります。
また、当連結会計年度末における固定負債は5,283,852千円であり、前連結会計年度末に比べ422,176千円減少いたしました。これは主に、長期借入金が325,437千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、8,805,825千円となり、前連結会計年度末に比べ103,491千円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は12,078,532千円となり、前連結会計年度末に比べ2,030,112千円増加いたしました。これは主に、在外子会社に属する資産及び負債の換算替えに伴い、為替換算調整勘定が1,932,760千円増加したこと、また、親会社株主に帰属する当期純利益75,857千円を計上したことに伴う利益剰余金の増加等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は3,875,390千円となり、前連結会計年度末と比べ751,596千円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果による収入は1,518,665千円(前連結会計年度は230,970千円の収入)となりました。収入の主な内容は、税金等調整前当期純損失の計上51,169千円、減価償却費及びのれん償却額の計上額の合計額1,125,975千円、未払消費税等の増加額164,504千円、契約負債の増加額376,924千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果による支出は433,928千円(前連結会計年度は11,123,020千円の支出)となりました。これは主に、人員増加に伴い備品等を取得したことに伴う有形固定資産の取得による支出43,004千円、無形固定資産の取得による支出194,852千円、Coleman Research Group, Inc.の買収対価のうち前連結会計年度末で未払の金額を支払ったことによる支出197,837千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果による支出は468,756千円(前連結会計年度は12,644,660千円の収入)となりました。これは、主に長期借入金の返済による支出490,250千円によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの行う事業は提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略いたします。
b.受注実績
当社グループの行う事業は提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略いたします。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2022年3月1日
至 2023年2月28日)
金額(千円)前年同期比(%)
知見プラットフォーム事業8,380,515226.4
合計8,380,515226.4

(注)1.当社グループの事業セグメントは、知見プラットフォーム事業の単一セグメントであります。
2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、業績の伸長のほか、2021年11月にColeman Research Group, Inc.を買収し、同社の2022年1月から2022年12月における12か月間の業績を連結することとなったことによるものであります。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2021年3月1日
至 2022年2月28日)
当連結会計年度
(自 2022年3月1日
至 2023年2月28日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
マッキンゼー・アンド・カンパニー・インコーポレイテッド・ジャパン--1,138,52913.6
ボストン・コンサルティング・グループ合同会社403,71310.91,118,34313.3

4.主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成において、会計方針の選択・適用及び損益又は資産の状況に影響を与える見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において、過去の実績や判断時点で入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りです。
② 経営成績等に関する認識及び分析・検討内容
(営業収益)
当連結会計年度における営業収益は、8,380,515千円となりました。主な要因は、2021年11月に買収したColeman Research Group, Inc.の2022年1月から12月における業績を連結したこと、また、当社のメインサービスであるフルサポート形式「ビザスク」のスポットコンサル設営サービス「ビザスクinterview」や「ビザスクexpert survey」などが大きく成長したことにより、取扱高が増加したことによるものであります。その背景には、プロフェッショナルファームや事業法人の既存クライアントを中心とした平均的な取扱高の増加や、法人クライアント口座数の増加があります。
(営業費用)
当連結会計年度における営業費用は、8,376,108千円となりました。主な要因は、2021年11月に買収したColeman Research Group, Inc.の2022年1月から12月における業績を連結したこと、また、事業の拡大に伴う積極的な採用活動による人件費の増加や、これによる採用費の増加、及びマーケティング活動の拡大による広告宣伝費及び関連ツールの利用料による支払手数料等の増加によるものであります。
(営業外損益)
当連結会計年度における営業外費用は、74,057千円となりました。主な要因は、借入金による支払利息が46,105千円発生したことによるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、75,857千円となりました。これは主に、経常損失が51,169千円であったこと、法人税、住民税及び事業税が316,790千円発生し、また、繰延税金負債が減少したことにより法人税等調整額△443,817千円を計上したことによるものであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、アドバイザーへの謝礼のほか、人件費、採用費、広告費及び支払報酬などの営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、基本的には業務に利用する情報関連機器です。
運転資金及び投資資金は、自己資金のほか、増資、金融機関からの借り入れにより調達しております。当連結会計年度末の借入金の合計残高は3,624,687千円となっており、このうち、1年内返済予定の長期借入金は325,437千円であります。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は3,875,390千円であり、十分な短期流動性を確保しております。