有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/02/03 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
78項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
第7期事業年度(自 2018年3月1日 至 2019年2月28日)
(資産)
当事業年度末における流動資産は412,868千円となり、前事業年度末に比べ67,383千円増加いたしました。これは主に事業規模の拡大に伴い売掛金が70,244千円増加したことによるものであります。
また、当事業年度末における固定資産は67,760千円となり、前事業年度末に比べ43,927千円増加いたしました。これは主に、本社移転に伴い敷金及び保証金が24,730千円増加したこと、及び本社の内装工事等により建物附属設備等の有形固定資産が15,583千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、480,628千円となり、前事業年度末に比べ111,310千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は233,349千円となり、前事業年度末に比べ100,490千円増加いたしました。これは主に事業規模の拡大に伴い法人クライアントから収受する前受金が46,569千円増加したこと、及び買掛金が22,810千円増加したことによるものであります。なお、法人クライアントから収受する前受金は、事前購入制としている当社サービスの利用に用いるチケットの購入代金のうち、未利用の金額となります。
また、当事業年度末における固定負債は201,108千円となり、前事業年度末に比べ16,668千円減少いたしました。これは、借入金の約定弁済によるものです。
この結果、負債合計は、434,457千円となり、前事業年度末に比べ83,822千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は46,170千円となり、前事業年度末に比べ27,488千円増加いたしました。これは、当事業年度において当期純利益27,488千円を計上したことに伴う利益剰余金の増加によるものであります。
第8期第3四半期累計期間(自 2019年3月1日 至 2019年11月30日)
(資産)
当第3四半期会計期間末における資産合計は596,670千円となり、前事業年度末より116,042千円増加しました。これは主に、事業規模の拡大により現金及び預金等が増加したことにより流動資産合計が118,317千円増加したことによるものです。
(負債)
当第3四半期会計期間末における負債合計は494,875千円となり、前事業年度末より60,418千円増加しました。これは主に、事業規模の拡大により法人クライアントから収受する前受金が増加したことにより流動負債合計が71,526千円増加したことによるものです。一方、借入金の約定弁済により固定負債は11,108千円減少しました。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産合計は101,795千円となり、前事業年度末より55,625千円増加しました。これは当第3四半期累計期間に四半期純利益54,995千円を計上したことのほか、新株予約権を発行したことによる新株予約権の増加629千円によるものであります。
② 経営成績の状況
第7期事業年度(自 2018年3月1日 至 2019年2月28日)
当事業年度における我が国経済は、本年夏に相次いだ自然災害の影響により、個人消費及び輸出を中心に一時的に弱含みとなりましたが、その後、その影響は収束し、企業収益は底堅く推移しております。こうした環境の中、企業の設備投資は高い水準で推移するとともに、雇用環境及び所得水準の改善により個人消費の持ち直しも継続しております。
当社を取り巻く環境としては、好調な企業業績並びにこれを背景とした堅調な設備・研究開発投資水準のもと、ビジネス知見に対する強い需要が継続しております。
かかる状況の下、当事業年度においては、当社のサービスは順調に拡大を続けております。
フルサポート形式のスポットコンサル設営サービス「ビザスクinterview」においては、継続的な法人クライアント基盤の拡大に注力しております。また、その他サービスについては、2018年1月にリリースした「ビザスクexpert survey」が拡大したほか、UI/UXの改善や、アドバイザー検索機能の向上等の様々な施策を継続しております。
以上の結果、当事業年度末時点で国内登録者数は約7.2万人となり、また、当事業年度における当社のアレンジしたフルサポート形式のスポットコンサルによる知見提供取引の件数(「ビザスクinterview」のみ)は約8.6千件、取扱高は知見プラットフォーム事業全体で1,000百万円となり、営業収益は614,204千円(前期比132.6%増)、営業利益25,221千円(前事業年度は営業損失57,480千円)、経常利益24,075千円(前事業年度は経常損失58,049千円)、当期純利益27,488千円(前事業年度は当期純損失58,579千円)となりました。
なお、当社は知見プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
第8期第3四半期累計期間(自 2019年3月1日 至 2019年11月30日)
当第3四半期累計期間における我が国経済は、米中間の貿易摩擦が継続しているものの、国内の企業収益は非製造業を中心として高い水準を維持し、また、雇用情勢は引き続き着実に改善しております。
当社が属する情報・サービス系の産業においても、好調な企業業績と益々高まる情報の重要性に支えられ、概ね良好な事業環境が継続しました。BtoB情報プラットフォーム市場の売上高規模は、2019年1月~10月の合計で2,498億円(前年同期比2.2%増加)となり、着実に成長しております(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査(2019年12月公表)」)。
このような状況の下、当第3四半期累計期間における知見プラットフォーム事業は、順調に成長を続けております。特に、フルサポート形式のスポットコンサル設営サービス「ビザスクinterview」においては、継続的な法人クライアント基盤の拡大に注力しており、その他サービスでは、UI/UXの継続的な改善・向上等の様々な施策を継続しております。
以上の結果、当第3四半期会計期間末時点で国内登録者数は約8.6万人を超え、また、当第3四半期累計期間における当社のアレンジしたフルサポート形式のスポットコンサルによる知見提供取引の件数(「ビザスクinterview」のみ)は約9千件、取扱高は知見プラットフォーム事業全体で1,120百万円となり、当第3四半期累計期間における営業収益は697,872千円、営業利益61,299千円、経常利益57,580千円、四半期純利益54,995千円となりました。
なお、当社は知見プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
第7期事業年度(自 2018年3月1日 至 2019年2月28日)
当事業年度末における現金及び現金同等物は240,764千円となり、前事業年度末と比べ17,110千円の減少となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果による収入は、46,678千円(前事業年度は39,543千円の支出)となりました。主なキャッシュ・フローの増加要因は、税引前当期純利益の計上24,075千円、減価償却費の計上9,319千円、仕入債務の増加額22,810千円、未払金の増加額13,959千円、前受金の増加額46,569千円、未払消費税等の増加額6,270千円であります。一方で、主な減少要因は、売上債権の増加額71,636千円、前払費用の増加額10,333千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果による支出は47,257千円(前事業年度は6,358千円の支出)となりました。キャッシュ・フローの減少要因は、本社の移転に伴う内装工事の実施並びに人員増加に伴い備品等を取得したことに伴う有形固定資産の取得による支出22,527千円、及び本社移転に伴う敷金及び保証金の差入による支出24,730千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果による支出は、16,668千円(前事業年度は194,444千円の収入)となりました。キャッシュ・フローの減少要因は、長期借入金の返済による支出16,668千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の行う事業は提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略いたします。
b.受注実績
当社の行う事業は提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略いたします。
c.販売実績
第7期事業年度及び第8期第3四半期累計期間の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称第7期事業年度
(自 2018年3月1日
至 2019年2月28日)
第8期第3四半期累計期間
(自 2019年3月1日
至 2019年11月30日)
金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)
知見プラットフォーム事業614,204232.6697,872
合計614,204232.6697,872

(注)1.当社の事業セグメントは、知見プラットフォーム事業の単一セグメントであります。
2.最近2事業年度及び第8期第3四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先第6期事業年度
(自 2017年3月1日
至 2018年2月28日)
第7期事業年度
(自 2018年3月1日
至 2019年2月28日)
第8期第3四半期累計期間
(自 2019年3月1日
至 2019年11月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社ボストン・コンサルティング・グループ58,58022.2123,53820.1104,83415.0

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成において、会計方針の選択・適用及び損益又は資産の状況に影響を与える見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において、過去の実績や判断時点で入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。
② 経営成績等に関する認識及び分析・検討内容
第7期事業年度(自 2018年3月1日 至 2019年2月28日)
(営業収益)
当事業年度における営業収益は、前事業年度と比べて132.6%増の614,204千円となりました。主な要因は、当社のメインサービスであるフルサポート形式「ビザスク」のスポットコンサル設営サービス「ビザスクinterview」が大きく成長したことのほか、オンラインのアンケート形式でアドバイザーの知見を収集するサービス「ビザスクexpert survey」や、事業法人向けの新規事業創出を支援するサービス「ビザスクproject」等の成長により、取扱高が前事業年度と比べて109.5%増の1,000百万円となったことによるものであります。 特に、「ビザスクinterview」の成長の背景には、プロフェッショナルファームや事業法人の既存クライアントを中心とした平均的な取扱高の増加や、法人クライアント口座数の増加があります。
(営業費用)
当事業年度における営業費用は、前事業年度と比べて83.2%増の588,982千円となりました。主な要因は、事業の拡大に伴う積極的な採用活動による人件費の増加や、これによる採用費の増加、及び内部管理体制の整備のためのコンサルティング・フィー等の発生による支払報酬の増加によるものであります。
(営業外損益)
当事業年度における営業外費用は、前事業年度と比べて67.6%増の1,500千円となりました。主な要因は、支払利息の増加によるものであります。
(当期純利益)
当事業年度の当期純利益は、27,488千円(前事業年度は58,579千円の当期純損失)となりました。これは主に、経常利益を24,075千円計上したことのほか、当事業年度に繰延税金資産3,614千円を計上したことによるものであります。
第8期第3四半期累計期間(自 2019年3月1日 至 2019年11月30日)
(営業収益)
当第3四半期累計期間における営業収益は、697,872千円となりました。主な要因は、当社のメインサービスであるフルサポート形式「ビザスク」のスポットコンサル設営サービス「ビザスクinterview」やオンラインのアンケート形式でアドバイザーの知見を収集する「ビザスクexpert survey」等の成長により、取扱高が1,120百万円となったことによるものであります。
「ビザスクinterview」が成長した背景は、既存クライアントを中心とした1口座あたりスポットコンサル取扱高の平均的な増加や、積極的な営業活動の展開による法人クライアント口座数の増加によるものであります。また、「ビザスクexpert survey」が成長した背景は、2018年1月にサービスを開始して以来、継続して行ってきたオペレーションの改善とシステム開発投資によるサービスクオリティの向上と、これに基づく取引数の増加によるものであります。
(営業費用)
当第3四半期累計期間における営業費用は、636,573千円となりました。事業の拡大に伴う積極的な採用活動による人件費の増加や、これによる採用費等を計上しております。
(営業外損益)
当第3四半期累計期間における営業外費用は、3,794千円となりました。主に、支払利息、為替差損及び上場関連費用を計上しております。
(四半期純利益)
当第3四半期累計期間の四半期純利益は、54,995千円となりました。これは主に、税引前四半期純利益を53,513千円計上したことのほか、法人税等調整額を△1,632千円計上したことによるものであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、アドバイザーへの謝礼のほか、人件費、採用費、広告費及び支払報酬などの営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、基本的には業務に利用する情報関連機器ですが、2019年2月期においては本社の移転に伴う内装工事や什器類の取得がありました。
運転資金及び投資資金は自己資金のほか、金融機関からの長期借入により調達しております。なお、当事業年度末の借入金の合計残高は217,776千円となっております。また、当事業年度末の現金及び預金は234,520千円であり、十分な短期流動性を確保しております。