有価証券報告書-第34期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,140百万円増加し19,263百万円(前期末比6.3%増)となりました。これは主に、売上債権の増加78百万円、棚卸資産の増加626百万円、有形固定資産の増加249百万円及び前渡金の増加98百万円によるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ540百万円増加し10,587百万円(前期末比5.4%増)となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加82百万円、未払費用の増加276百万円、前受金の増加194百万円及び長期借入金の減少38百万円によるものであります。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ600百万円増加し8,676百万円(前期末比7.4%増)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益897百万円及び配当金の支払い254百万円に伴う利益剰余金の増加643百万円によるものであります。この結果、自己資本比率は45.0%(前連結会計年度末は44.6%)となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)における我が国経済は、高い水準の賃上げによる雇用・所得環境の改善や、政府の物価高対策などの各種政策の効果を背景に、個人消費や設備投資といった内需の増加が牽引し、緩やかな景気回復が続きました。一方で、中東情勢の緊張をはじめとする地政学的リスクの高まり、資源価格の上昇や一部重要資源に対する輸出規制による供給制約懸念など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
こうした経済情勢のなか当社グループを取り巻く事業環境は、製造業においては、米国の通商政策に対する輸出企業の順応が着実に進む中で底堅さを増しているものの、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギーコストの上昇や、資源の輸出規制問題などによる供給制約が懸念される状況となっております。建設業においては、補正予算の効果などにより底支えされている一方で、深刻な人手不足や建設コストの高止まりなど、引き続き注視が必要な状況となっております。IT業界においては、人手不足が深刻化する中、省力化やデジタル関連投資を中心に企業の設備投資意欲は堅調であり、AI関連需要なども含め旺盛な状況が継続しております。しかしながら、国内市場における採用競争の激化や人材確保の課題など、予断を許さない状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループでは、グループ長期ビジョン「Future Vision 2035」の達成による継続的な企業成長及び企業価値向上を目指し、事業ポートフォリオの見直しを推進するとともに、各事業における意思決定の迅速化や経営管理の効率化を図ることで、経営成績の確保に努めてまいりました。
その結果、当連結会計年度における売上高は45,936百万円(前期比3.0%増)、営業利益は1,330百万円(同26.8%増)、経常利益は1,463百万円(同20.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は897百万円(同26.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績(内部売上を含む)は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントを変更しております。当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
[人財系フィールド]
当セグメントにおいては、製造請負・派遣事業及び技術者派遣事業を営んでおります。
当連結会計年度における売上高は26,649百万円(前期比3.8%増)となり、セグメント利益は1,167百万円(同17.2%増)となりました。連結売上高に占める当セグメントの売上高(内部売上を除く)の比率は58.0%となり、前期と比べ0.4ポイント上昇いたしました。
当セグメントにおける事業ごとの経営成績(内部売上を含む)は、次のとおりであります。
製造請負・派遣事業
製造請負・派遣事業においては、製造派遣契約を通じて新規顧客の開拓を進め、当事業の強みである「改善の風土」を活かして製造請負契約へと発展させることで、顧客企業の製品ロス低減や生産効率の向上に寄与してまいります。
当事業においては、半導体・電子部品分野においては在庫調整局面が底を打ったものの、自動車関連分野においてイラン情勢の影響による中東向け輸出の停滞や部品調達の不安を背景に人材需要は低調に推移いたしました。一方で、情報通信機器分野における主要取引先の生産回復もあり、徐々に回復の兆しが見えてきております。このような状況の下、人材の採用と定着を図るとともに、契約単価の見直しによる利益確保に努めました。
その結果、売上高は12,366百万円(前期比1.9%増)となり、セグメント利益は477百万円(同6.4%増)となりました。連結売上高に占める当事業の売上高(内部売上を除く)の比率は26.9%となり、前期と比べ0.3ポイント低下いたしました。
技術者派遣事業
技術者派遣事業においては、機電・建設・ITといった専門性の高い領域において、当事業の技術者を派遣し、顧客企業の技術開発やDX推進を強力に支援するとともに、充実した教育体制を通じて持続的な高付加価値を提供してまいります。
機電領域においては、中東情勢の混乱等により電機業界や自動車業界でやや厳しい状況が見られた一方で、半導体関連が徐々に回復基調となり、通信インフラやデータセンター関連も堅調に推移いたしました。また、物価上昇に伴う派遣単価の改善提案を積極的に進めることで利益率の改善を図るとともに、請負・受託契約への切り替えや外国人採用の拡大等に努めました。
建設領域においては、大型再開発やインフラ更新を中心に需要は堅調に推移いたしました。関西エリアでは大阪・関西万博関連プロジェクトの収束に伴う一時的な人員配置の停滞が見られましたが、IR事業等を見据えた再配置により稼働率の改善を図りました。また、賃上げを実施する一方で派遣契約単価の引き上げを段階的に獲得し収益性を維持するとともに、eラーニングプラットフォームや建設DXを中核とした生産性向上ソリューションへの事業転換を進めました。
IT領域においては、DXやAI関連を中心にIT投資が拡大する一方で、高度なスキルが求められ未経験者向けの案件が狭まる傾向にあります。このような状況の中、ビジネスパートナーの適切な活用に加え、未経験者や外国籍人材の育成強化に注力し早期配属に努めました。今後は、大手SIerとの直接契約やAI・DX関連案件、受託案件の獲得を目指すとともに、外国籍人材の配属推進や技術社員のリスキリングに向けた研修拡充に注力してまいります。
その結果、売上高は14,283百万円(前期比5.5%増)となり、セグメント利益は689百万円(同26.1%増)となりました。連結売上高に占める当事業の売上高(内部売上を除く)の比率は31.1%となり、前期と比べ0.7ポイント上昇いたしました。
[モノ・コトづくりフィールド]
当セグメントにおいては、EMS事業及び社会サポート事業を営んでおります。
当連結会計年度における売上高は19,278百万円(前期比2.1%増)となり、セグメント利益は405百万円(同55.2%増)となりました。連結売上高に占める当セグメントの売上高(内部売上を除く)の比率は41.8%となり、前期と比べ0.4ポイント低下いたしました。
当セグメントにおける事業ごとの経営成績(内部売上を含む)は、次のとおりであります。
EMS事業
EMS事業においては、製品の「設計」から「保守」に至るまでの全工程を「国内一気通貫」で担うEMS体制を構築するとともに、生産体制を大きく強化し、高品質な国内製造サービスを提供してまいります。
電子部品の製造・販売においては、工場機能の再編に伴い稼働率が低下したことから、一時的に収益を圧迫する状況となりました。しかしながら、主力である産業用設備やインフラ関連の一部取引先では需要が伸長したほか、来年度以降の受注案件も増加しており、今後の回復が期待される状況となっております。
照明器具の製造・販売においては、業界的な蛍光ランプの生産終了に伴うLED照明への移行の動きが活発化しており、住宅用LED照明器具が堅調に推移したことに加え、非住宅用LED照明においてもベースライトや直管型LED照明が好調に推移いたしました。また、空港向けの航空機着陸誘導閃光装置をはじめとする特殊照明の販売が大幅に伸長いたしました。
その結果、売上高は17,056百万円(前期比1.0%増)となり、セグメント利益は394百万円(同0.1%増)となりました。連結売上高に占める当事業の売上高(内部売上を除く)の比率は37.1%となり、前期と比べ0.7ポイント低下いたしました。
社会サポート事業
社会サポート事業においては、世の中の社会課題を事業機会と捉え、当社グループが持つ強みを生かせる、社会インフラ、雇用サポート及びサーキュラーエコノミーの3つの分野で事業を展開し、これまでの安定的なサービス提供に加え、社会のニーズに応える新規事業の創出・育成を通じてサポート領域を拡大してまいります。
社会インフラ分野においては、再生可能エネルギー関連の保守・メンテナンスサービスを提供しており、原油高騰による再エネルギー導入の加速やデータセンター向けの蓄電池需要の増加等を背景に、新規受注案件が増加いたしました。
雇用サポート分野においては、これまで派遣事業で培ったノウハウを活かしたサービスを展開しており、サーキュラーエコノミー分野においては、資源の効率的な利用とロスの削減を目指し、持続可能な社会の実現に寄与するサービスを展開しております。
当事業においては、社会環境の変化に合わせて、新たなサービス価値の創出及び最大化を図り、事業領域の拡大に注力してまいります。
その結果、売上高は2,221百万円(前期比10.8%増)となり、セグメント利益は11百万円(前期は132百万円のセグメント損失)となりました。連結売上高に占める当事業の売上高(内部売上を除く)の比率は4.7%となり、前期と比べ0.4ポイント上昇いたしました。
[その他]
報告セグメントに含まれない事業として、障がい者支援事業及び海外事業を営んでおります。当連結会計年度における売上高は340百万円(前期比11.4%減)となり、セグメント損失は35百万円(前期は2百万円のセグメント損失)となりました。連結売上高に占める当事業の売上高(内部売上を除く)の比率は0.2%となり、前期と比べ0.1ポイント低下いたしました。
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、障がい者支援事業及び海外事業を含んでおります。
2.調整額は、セグメント間取引であります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ408百万円増加し4,905百万円(前期末比9.1%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は943百万円(前期は1,197百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,340百万円、減価償却費275百万円、のれん償却額45百万円、仕入債務の増加額96百万円及び未払費用の増加額276百万円の増加要因があった一方で、売上債権の増加額70百万円、棚卸資産の増加額626百万円、退職給付に係る負債の減少額196百万円、及び法人税等の支払額339百万円の減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は206百万円(前期は864百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の増加額432百万円、有形固定資産の取得による支出482百万円、無形固定資産の取得による支出150百万円の減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は329百万円(前期は63百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入300百万円の増加要因があった一方で、自己株式の取得による支出109百万円、長期借入金の返済による支出280百万円及び配当金の支払額254百万円の減少要因があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
ロ.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.財政状態の分析
当連結会計年度における財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
ロ.経営成績の分析
売上高
当連結会計年度における売上高は45,936百万円となり、前連結会計年度比で1,358百万円増加いたしました。セグメントごとの売上高の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
売上原価
当連結会計年度における売上原価は36,801百万円となり、前連結会計年度比で691百万円増加いたしました。売上原価の売上高に対する比率は80.1%と前連結会計年度比で0.9ポイント低下しております。
なお、売上総利益は9,134百万円となり、前連結会計年度比で666百万円増加いたしました。
販売費及び一般管理費
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は7,804百万円となり、前連結会計年度比で384百万円増加いたしました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は16.9%と前連結会計年度比で0.3ポイント上昇しております。
なお、営業利益は1,330百万円となり、前連結会計年度比で281百万円増加いたしました。
営業外損益
当連結会計年度における営業外収益は198百万円となり、助成金収入により前連結会計年度比で13百万円増加いたしました。営業外費用は64百万円となり、主に為替差損が前連結会計年度比で35百万円増加いたしました。
なお、経常利益は1,463百万円となり、前連結会計年度比で249百万円増加いたしました。
特別損失
当連結会計年度における特別損失は123百万円となり、製品自主回収関連損失により前連結会計年度比で57百万円増加いたしました。
売上高経常利益率
当連結会計年度における売上高経常利益率は3.2%となり、主に待機社員の削減や顧客に対する契約単価の改善提案を積極的に実施した結果、利益率が改善し、前連結会計年度比で0.5ポイント上昇いたしました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析・検討内容につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金及び設備資金は内部資金又は借入により資金調達することとしております。短期運転資金の調達につきましては自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては金融機関からの長期借入を基本としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。重要な会計方針は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(のれん)
当社グループは、企業結合等により発生したのれんについては、対象となる子会社の将来の超過収益力等に基づき認識し、その効果が発現されると見込まれる期間で均等償却するとともに、継続して減損の兆候の有無を検討しております。当該検討にあたっては、被取得企業の取得時点及び当連結会計年度末の事業計画等を基礎に、回収可能性について合理的に判断をしております。
株式会社パートナーの取得にあたり発生したのれんの評価は、同社及び当社の経営者による理解や予測に基づいて作成した事業計画を基礎としております。
見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、被取得企業の業績が悪化した場合等には当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、繰延税金資産が減額され評価性引当額を設定した場合等には当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,140百万円増加し19,263百万円(前期末比6.3%増)となりました。これは主に、売上債権の増加78百万円、棚卸資産の増加626百万円、有形固定資産の増加249百万円及び前渡金の増加98百万円によるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ540百万円増加し10,587百万円(前期末比5.4%増)となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加82百万円、未払費用の増加276百万円、前受金の増加194百万円及び長期借入金の減少38百万円によるものであります。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ600百万円増加し8,676百万円(前期末比7.4%増)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益897百万円及び配当金の支払い254百万円に伴う利益剰余金の増加643百万円によるものであります。この結果、自己資本比率は45.0%(前連結会計年度末は44.6%)となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)における我が国経済は、高い水準の賃上げによる雇用・所得環境の改善や、政府の物価高対策などの各種政策の効果を背景に、個人消費や設備投資といった内需の増加が牽引し、緩やかな景気回復が続きました。一方で、中東情勢の緊張をはじめとする地政学的リスクの高まり、資源価格の上昇や一部重要資源に対する輸出規制による供給制約懸念など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
こうした経済情勢のなか当社グループを取り巻く事業環境は、製造業においては、米国の通商政策に対する輸出企業の順応が着実に進む中で底堅さを増しているものの、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギーコストの上昇や、資源の輸出規制問題などによる供給制約が懸念される状況となっております。建設業においては、補正予算の効果などにより底支えされている一方で、深刻な人手不足や建設コストの高止まりなど、引き続き注視が必要な状況となっております。IT業界においては、人手不足が深刻化する中、省力化やデジタル関連投資を中心に企業の設備投資意欲は堅調であり、AI関連需要なども含め旺盛な状況が継続しております。しかしながら、国内市場における採用競争の激化や人材確保の課題など、予断を許さない状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループでは、グループ長期ビジョン「Future Vision 2035」の達成による継続的な企業成長及び企業価値向上を目指し、事業ポートフォリオの見直しを推進するとともに、各事業における意思決定の迅速化や経営管理の効率化を図ることで、経営成績の確保に努めてまいりました。
その結果、当連結会計年度における売上高は45,936百万円(前期比3.0%増)、営業利益は1,330百万円(同26.8%増)、経常利益は1,463百万円(同20.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は897百万円(同26.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績(内部売上を含む)は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントを変更しております。当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
[人財系フィールド]
当セグメントにおいては、製造請負・派遣事業及び技術者派遣事業を営んでおります。
当連結会計年度における売上高は26,649百万円(前期比3.8%増)となり、セグメント利益は1,167百万円(同17.2%増)となりました。連結売上高に占める当セグメントの売上高(内部売上を除く)の比率は58.0%となり、前期と比べ0.4ポイント上昇いたしました。
当セグメントにおける事業ごとの経営成績(内部売上を含む)は、次のとおりであります。
製造請負・派遣事業
製造請負・派遣事業においては、製造派遣契約を通じて新規顧客の開拓を進め、当事業の強みである「改善の風土」を活かして製造請負契約へと発展させることで、顧客企業の製品ロス低減や生産効率の向上に寄与してまいります。
当事業においては、半導体・電子部品分野においては在庫調整局面が底を打ったものの、自動車関連分野においてイラン情勢の影響による中東向け輸出の停滞や部品調達の不安を背景に人材需要は低調に推移いたしました。一方で、情報通信機器分野における主要取引先の生産回復もあり、徐々に回復の兆しが見えてきております。このような状況の下、人材の採用と定着を図るとともに、契約単価の見直しによる利益確保に努めました。
その結果、売上高は12,366百万円(前期比1.9%増)となり、セグメント利益は477百万円(同6.4%増)となりました。連結売上高に占める当事業の売上高(内部売上を除く)の比率は26.9%となり、前期と比べ0.3ポイント低下いたしました。
技術者派遣事業
技術者派遣事業においては、機電・建設・ITといった専門性の高い領域において、当事業の技術者を派遣し、顧客企業の技術開発やDX推進を強力に支援するとともに、充実した教育体制を通じて持続的な高付加価値を提供してまいります。
機電領域においては、中東情勢の混乱等により電機業界や自動車業界でやや厳しい状況が見られた一方で、半導体関連が徐々に回復基調となり、通信インフラやデータセンター関連も堅調に推移いたしました。また、物価上昇に伴う派遣単価の改善提案を積極的に進めることで利益率の改善を図るとともに、請負・受託契約への切り替えや外国人採用の拡大等に努めました。
建設領域においては、大型再開発やインフラ更新を中心に需要は堅調に推移いたしました。関西エリアでは大阪・関西万博関連プロジェクトの収束に伴う一時的な人員配置の停滞が見られましたが、IR事業等を見据えた再配置により稼働率の改善を図りました。また、賃上げを実施する一方で派遣契約単価の引き上げを段階的に獲得し収益性を維持するとともに、eラーニングプラットフォームや建設DXを中核とした生産性向上ソリューションへの事業転換を進めました。
IT領域においては、DXやAI関連を中心にIT投資が拡大する一方で、高度なスキルが求められ未経験者向けの案件が狭まる傾向にあります。このような状況の中、ビジネスパートナーの適切な活用に加え、未経験者や外国籍人材の育成強化に注力し早期配属に努めました。今後は、大手SIerとの直接契約やAI・DX関連案件、受託案件の獲得を目指すとともに、外国籍人材の配属推進や技術社員のリスキリングに向けた研修拡充に注力してまいります。
その結果、売上高は14,283百万円(前期比5.5%増)となり、セグメント利益は689百万円(同26.1%増)となりました。連結売上高に占める当事業の売上高(内部売上を除く)の比率は31.1%となり、前期と比べ0.7ポイント上昇いたしました。
[モノ・コトづくりフィールド]
当セグメントにおいては、EMS事業及び社会サポート事業を営んでおります。
当連結会計年度における売上高は19,278百万円(前期比2.1%増)となり、セグメント利益は405百万円(同55.2%増)となりました。連結売上高に占める当セグメントの売上高(内部売上を除く)の比率は41.8%となり、前期と比べ0.4ポイント低下いたしました。
当セグメントにおける事業ごとの経営成績(内部売上を含む)は、次のとおりであります。
EMS事業
EMS事業においては、製品の「設計」から「保守」に至るまでの全工程を「国内一気通貫」で担うEMS体制を構築するとともに、生産体制を大きく強化し、高品質な国内製造サービスを提供してまいります。
電子部品の製造・販売においては、工場機能の再編に伴い稼働率が低下したことから、一時的に収益を圧迫する状況となりました。しかしながら、主力である産業用設備やインフラ関連の一部取引先では需要が伸長したほか、来年度以降の受注案件も増加しており、今後の回復が期待される状況となっております。
照明器具の製造・販売においては、業界的な蛍光ランプの生産終了に伴うLED照明への移行の動きが活発化しており、住宅用LED照明器具が堅調に推移したことに加え、非住宅用LED照明においてもベースライトや直管型LED照明が好調に推移いたしました。また、空港向けの航空機着陸誘導閃光装置をはじめとする特殊照明の販売が大幅に伸長いたしました。
その結果、売上高は17,056百万円(前期比1.0%増)となり、セグメント利益は394百万円(同0.1%増)となりました。連結売上高に占める当事業の売上高(内部売上を除く)の比率は37.1%となり、前期と比べ0.7ポイント低下いたしました。
社会サポート事業
社会サポート事業においては、世の中の社会課題を事業機会と捉え、当社グループが持つ強みを生かせる、社会インフラ、雇用サポート及びサーキュラーエコノミーの3つの分野で事業を展開し、これまでの安定的なサービス提供に加え、社会のニーズに応える新規事業の創出・育成を通じてサポート領域を拡大してまいります。
社会インフラ分野においては、再生可能エネルギー関連の保守・メンテナンスサービスを提供しており、原油高騰による再エネルギー導入の加速やデータセンター向けの蓄電池需要の増加等を背景に、新規受注案件が増加いたしました。
雇用サポート分野においては、これまで派遣事業で培ったノウハウを活かしたサービスを展開しており、サーキュラーエコノミー分野においては、資源の効率的な利用とロスの削減を目指し、持続可能な社会の実現に寄与するサービスを展開しております。
当事業においては、社会環境の変化に合わせて、新たなサービス価値の創出及び最大化を図り、事業領域の拡大に注力してまいります。
その結果、売上高は2,221百万円(前期比10.8%増)となり、セグメント利益は11百万円(前期は132百万円のセグメント損失)となりました。連結売上高に占める当事業の売上高(内部売上を除く)の比率は4.7%となり、前期と比べ0.4ポイント上昇いたしました。
[その他]
報告セグメントに含まれない事業として、障がい者支援事業及び海外事業を営んでおります。当連結会計年度における売上高は340百万円(前期比11.4%減)となり、セグメント損失は35百万円(前期は2百万円のセグメント損失)となりました。連結売上高に占める当事業の売上高(内部売上を除く)の比率は0.2%となり、前期と比べ0.1ポイント低下いたしました。
| セグメント | 売上高 | 前期比増減 | ||
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 金額 | 増減率 | |
| 人財系フィールド | 百万円 25,668 | 百万円 26,649 | 百万円 981 | % 3.8 |
| 製造請負・派遣事業 | 12,130 | 12,366 | 235 | 1.9 |
| 技術者派遣事業 | 13,538 | 14,283 | 745 | 5.5 |
| モノ・コトづくりフィールド | 18,884 | 19,278 | 393 | 2.1 |
| EMS事業 | 16,880 | 17,056 | 176 | 1.0 |
| 社会サポート事業 | 2,004 | 2,221 | 216 | 10.8 |
| その他(注)1 | 384 | 340 | △43 | △11.4 |
| 調整額(注)2 | △358 | △332 | 26 | △7.4 |
| 計 | 44,578 | 45,936 | 1,358 | 3.0 |
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、障がい者支援事業及び海外事業を含んでおります。
2.調整額は、セグメント間取引であります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ408百万円増加し4,905百万円(前期末比9.1%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は943百万円(前期は1,197百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,340百万円、減価償却費275百万円、のれん償却額45百万円、仕入債務の増加額96百万円及び未払費用の増加額276百万円の増加要因があった一方で、売上債権の増加額70百万円、棚卸資産の増加額626百万円、退職給付に係る負債の減少額196百万円、及び法人税等の支払額339百万円の減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は206百万円(前期は864百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の増加額432百万円、有形固定資産の取得による支出482百万円、無形固定資産の取得による支出150百万円の減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は329百万円(前期は63百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入300百万円の増加要因があった一方で、自己株式の取得による支出109百万円、長期借入金の返済による支出280百万円及び配当金の支払額254百万円の減少要因があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |
| 金額(百万円) | 前期比(%) | |
| EMS事業 | 10,602 | 110.2 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
ロ.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |||
| 受注高 (百万円) | 前期比(%) | 受注残高 (百万円) | 前期比(%) | |
| EMS事業 | 6,163 | 141.5 | 2,139 | 73.8 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |
| 金額(百万円) | 前期比(%) | |
| 人財系フィールド | 26,630 | 3.8 |
| 製造請負・派遣事業 | 12,366 | 1.9 |
| 技術者派遣事業 | 14,264 | 5.5 |
| モノ・コトづくりフィールド | 19,223 | 2.1 |
| EMS事業 | 17,056 | 1.0 |
| 社会サポート事業 | 2,166 | 11.5 |
| 報告セグメント計 | 45,853 | 3.1 |
| その他・調整 | 82 | △27.7 |
| 合計 | 45,936 | 3.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.財政状態の分析
当連結会計年度における財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
ロ.経営成績の分析
売上高
当連結会計年度における売上高は45,936百万円となり、前連結会計年度比で1,358百万円増加いたしました。セグメントごとの売上高の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
売上原価
当連結会計年度における売上原価は36,801百万円となり、前連結会計年度比で691百万円増加いたしました。売上原価の売上高に対する比率は80.1%と前連結会計年度比で0.9ポイント低下しております。
なお、売上総利益は9,134百万円となり、前連結会計年度比で666百万円増加いたしました。
販売費及び一般管理費
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は7,804百万円となり、前連結会計年度比で384百万円増加いたしました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は16.9%と前連結会計年度比で0.3ポイント上昇しております。
なお、営業利益は1,330百万円となり、前連結会計年度比で281百万円増加いたしました。
営業外損益
当連結会計年度における営業外収益は198百万円となり、助成金収入により前連結会計年度比で13百万円増加いたしました。営業外費用は64百万円となり、主に為替差損が前連結会計年度比で35百万円増加いたしました。
なお、経常利益は1,463百万円となり、前連結会計年度比で249百万円増加いたしました。
特別損失
当連結会計年度における特別損失は123百万円となり、製品自主回収関連損失により前連結会計年度比で57百万円増加いたしました。
売上高経常利益率
当連結会計年度における売上高経常利益率は3.2%となり、主に待機社員の削減や顧客に対する契約単価の改善提案を積極的に実施した結果、利益率が改善し、前連結会計年度比で0.5ポイント上昇いたしました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析・検討内容につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金及び設備資金は内部資金又は借入により資金調達することとしております。短期運転資金の調達につきましては自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては金融機関からの長期借入を基本としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。重要な会計方針は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(のれん)
当社グループは、企業結合等により発生したのれんについては、対象となる子会社の将来の超過収益力等に基づき認識し、その効果が発現されると見込まれる期間で均等償却するとともに、継続して減損の兆候の有無を検討しております。当該検討にあたっては、被取得企業の取得時点及び当連結会計年度末の事業計画等を基礎に、回収可能性について合理的に判断をしております。
株式会社パートナーの取得にあたり発生したのれんの評価は、同社及び当社の経営者による理解や予測に基づいて作成した事業計画を基礎としております。
見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、被取得企業の業績が悪化した場合等には当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、繰延税金資産が減額され評価性引当額を設定した場合等には当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。