有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/11/18 15:00
【資料】
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【項目】
126項目
文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 業績等の概要
第5期事業年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
当社は、「働く世代に豊かさを」というミッションを掲げ、全自動で国際分散投資ができるロボアドバイザー「WealthNavi(ウェルスナビ)」を通じて、誰もが安心して利用できる金融インフラとなり、働く世代のより豊かな人生をサポートできるよう事業活動を展開しております。
当事業年度においては、継続的な事業成長の実現に向けて、お客様基盤の拡大に向けたテレビコマーシャル等の広告宣伝活動、組織体制整備のための人材採用、お客様のニーズに合わせた新機能追加等に取り組みました。
長期投資に挫折しそうなケースにおいてAIを活用してアドバイスを行う「AIによる資産運用アドバイス機能」、お客様一人ひとりにとっての必要な老後資金を試算し、退職時までに目標を達成するための投資計画を提案し、その進捗状況を管理する「ライフプラン機能」を実装するなど、多方面からお客様の「長期・積立・分散」の資産運用の実現に向けた取り組みを進めております。
さらに、提携先の拡大を推進しており、新たに株式会社じぶん銀行、東京海上日動火災保険株式会社、株式会社北國銀行、小田急電鉄株式会社との提携により、「WealthNavi for じぶん銀行」「WealthNavi for 東京海上日動」「北國おまかせNavi」「WealthNavi for ODAKYU」の提供を開始しております。
このような環境下、当事業年度の業績は、営業収益が15億52百万円(前事業年度比 176.2%)と増加し、営業収益より金融費用19百万円を控除した純営業収益も、15億33百万円(同 178.4%)と増加しました。また、継続的な事業成長の実現に向けた、お客様基盤の拡大に向けたテレビコマーシャル等の広告宣伝活動、組織体制整備のための人材採用、お客様のニーズに合わせた新機能追加等の取り組みにより、販売費・一般管理費は35億95百万円(同 139.3%)となり、その結果、営業損失は20億61百万円(前事業年度実績営業損失17億21百万円)、経常損失は20億57百万円(同経常損失17億18百万円)、当期純損失は20億60百万円(同当期純損失17億21百万円)となりました。当事業年度末時点での預かり資産額(時価)は、2,033億円(前事業年度実績 1,089億円)となっております。
なお、当社はロボアドバイザー事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。
第6期第3四半期累計期間(自 2020年1月1日 至 2020年9月30日)
当第3四半期累計期間においては、継続的な事業成長の実現に向けて、テレビコマーシャルを中心とした広告宣伝活動によるお客様の獲得、事業基盤強化のための人材採用、提供サービスにおける機能拡充等に取り組みました。
当社では、お客様の「長期・積立・分散」の資産運用の実現に向けた取り組みを継続して進めております。新型コロナウイルス等の影響もあり、相場が大きく動く昨今の市場動向を受け「長期・積立・分散」の資産運用、「WealthNavi(ウェルスナビ)」のサービスについて知りたいという声を多く頂いており、こうした声にお応えするため、2020年4月よりライブ配信にてセミナーを実施し、4月から9月までの半年間で約3.5万人のお客様にご視聴頂いております。
機能面においては、1月に「WealthNavi for SBI証券」において、新たに「資金移動サービス」の提供を開始しております。このサービスは、資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)に基づき、SBI証券総合口座と「WealthNavi for SBI証券」口座間で資金を直接振り替えることを可能にし、お客様の利便性を高めるものであります。5月にはオンラインで本人確認が完結する新機能「クイック本人確認機能」を追加しております。本機能により、顔写真と本人確認書類の撮影により本人確認を行うことで、郵便物の受領を行うことなくオンラインで口座開設が完結し、最短で申込みの翌営業日から「WealthNavi(ウェルスナビ)」での資産運用を開始できるようになっております。なお、複数の国内金融機関にて、電子決済サービスを悪用した不正アクセスにより資金の流出が発生するなど、オンライン取引サービスを手掛ける金融機関においてはシステムの管理体制の一層の強化が求められております。「WealthNavi(ウェルスナビ)」を安全にお使い頂くため、2段階認証の利用促進や出金先口座変更時の本人確認など、セキュリティ対策にも継続的に取り組んでおります。
また、提携先の拡大を継続推進しており、4月に株式会社東京スター銀行との提携により「WealthNavi for 東京スター銀行」、9月に岡三証券株式会社との提携により「岡三Naviハイブリッド」の提供をそれぞれ開始しております。
以上の結果、当第3四半期累計期間の業績は、営業収益が17億64百万円、営業収益より金融費用14百万円を控除した純営業収益は17億50百万円となりました。また、継続的な事業成長の実現に向けた、お客様基盤の拡大に向けたテレビコマーシャル等の広告宣伝活動、組織体制整備のための人材採用、お客様のニーズに合わせた新機能追加等の取り組みにより、販売費・一般管理費は25億16百万円となり、その結果、営業損失は7億66百万円、経常損失は7億65百万円、四半期純損失は7億67百万円となりました。当第3四半期会計期間末時点での預かり資産額(時価)は、2,892億円となっております。
なお、当社はロボアドバイザー事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。
② 財政状態の状況
第5期事業年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
(資産)
当事業年度末における資産合計は、126億97百万円となり、前事業年度末に比べ51億8百万円増加いたしました。これは主に、2019年9月及び11月に実施した資金調達(第三者割当増資)等による現金・預金の増加34億54百万円、お客様からの入金額の増加に伴う外国証券(ETF)取引のための証券会社への預け金の増加15億38百万円によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、74億37百万円となり、前事業年度末に比べ30億36百万円増加いたしました。これは主に、お客様からの入金額の増加に伴う預り金の増加29億98百万円によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、52億60百万円となり、前事業年度末に比べ20億72百万円増加いたしました。これは、2019年9月及び11月に実施した資金調達(第三者割当増資)等による資本金の増加20億66百万円及び資本剰余金の増加20億66百万円、当期純損失の計上による利益剰余金の減少20億60百万円によるものであります。なお、2019年3月26日開催の定時株主総会及び2019年11月22日開催の臨時株主総会決議に基づき、それぞれ資本金19億75百万円、20億66百万円を減少し、それぞれ19億75百万円、5億22百万円を利益剰余金に振り替え、欠損填補を行っております。
第6期第3四半期累計期間(自 2020年1月1日 至 2020年9月30日)
(資産)
当第3四半期会計期間末における資産合計は、前事業年度末と比較して11億68百万円減少し、115億29百万円となりました。これは主に、お客様からの入金額の減少に伴う外国証券(ETF)取引のための証券会社への預け金の減少14億71百万円、顧客分別金信託の増加12億円、現金・預金の減少8億9百万円によるものであります。
(負債)
当第3四半期会計期間末における負債合計は、前事業年度末と比較して4億円減少し、70億36百万円となりました。これは主に、お客様からの入金額の減少に伴う預り金の減少4億2百万円によるものであります。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産合計は、前事業年度末と比較して7億67百万円減少し、44億92百万円となりました。これは、四半期純損失の計上に伴う利益剰余金の減少7億67百万円によるものであります。なお、2020年3月27日開催の定時株主総会決議に基づき、その他資本剰余金20億60百万円を利益剰余金に振り替え欠損填補を行っております。
③ キャッシュ・フローの状況
第5期事業年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、84億75百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、9億92百万円(前事業年度に使用した資金は26億58百万円)となりました。これは主に、税引前当期純損失20億57百万円(前事業年度は税引前当期純損失17億18百万円)、テレビコマーシャル等の広告宣伝活動の結果、運用者数が前事業年度末11.3万人から当事業年度末17.3万人に増加したこと等によるお客様からの入金額の増加に伴う預り金の増加29億98百万円(前事業年度は10億47百万円の増加)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、1億13百万円(前事業年度に使用した資金は23百万円)となりました。これは主に、本社オフィス移転に伴う敷金及び保証金の差入による支出97百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は、41億3百万円(前事業年度に得られた資金は37億31百万円)となりました。これは、株式の発行による収入41億33百万円(前事業年度は32億1百万円の収入)、短期借入金の返済による支出30百万円(前事業年度は短期借入金の借入による収入30百万円)によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当社が営む事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社が営む事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当社が営む事業は、提供するサービスの性格上、販売実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。
当社の財務諸表作成にあたり採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
財務諸表の作成にあたり用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(固定資産の減損)
当社は、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損の要否を検討しております。将来の事業計画や市場環境の変化により、減損の兆候が発生した場合、減損損失を計上する可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の会計上の見積りに対する影響につきましては、「第5 経理の状況1 財務諸表等(1) 財務諸表注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
② 経営成績の分析
第5期事業年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
(営業収益)
当事業年度における営業収益は、15億52百万円(前事業年度比6億71百万円の増加)となりました。これは主に、預かり資産の増加に伴う受入手数料の増加6億63百万円によるものであります。当事業年度末時点での預かり資産額(時価)は、2,033億円(前事業年度比943億円の増加)となっております。
(金融費用)
金融費用は、支払利息19百万円(前事業年度比1百万円の減少)となりました。この結果、純営業収益は15億33百万円(前事業年度比6億73百万円の増加)となりました。
(販売費・一般管理費)
販売費・一般管理費は35億95百万円(前事業年度比10億13百万円の増加)となりました。これは主に、事業拡大に伴う広告宣伝費及び支払手数料等の取引関係費の増加7億16百万円、人件費の増加2億28百万円によるものであります。この結果、営業損失は20億61百万円(前事業年度実績 営業損失17億21百万円)となりました。
(営業外損益)
営業外収益は5百万円(前事業年度比2百万円の増加)となりました。また、営業外費用は1百万円(前事業年度比1百万円の増加)となりました。この結果、経常損失は20億57百万円(前事業年度実績 経常損失17億18百万円)となりました。
(特別損益及び法人税等)
法人税等は3百万円(前事業年度比増減なし)となりました。この結果、当期純損失は20億60百万円(前事業年度実績 当期純損失17億21百万円)となりました。
第6期第3四半期累計期間(自 2020年1月1日 至 2020年9月30日)
(営業収益)
当第3四半期累計期間における営業収益は、17億64百万円となりました。主な内訳は、受入手数料17億21百万円であります。当第3四半期会計期間末時点での預かり資産額(時価)は、2,892億円となっております。
(金融費用)
金融費用は、14百万円となりました。内訳は、支払利息14百万円であります。この結果、純営業収益は17億50百万円となりました。
(販売費・一般管理費)
販売費・一般管理費は25億16百万円となりました。主な内訳は、広告宣伝費及び支払手数料等の取引関係費14億43百万円、人件費6億21百万円であります。この結果、営業損失は7億66百万円となりました。
(営業外損益)
営業外収益は3百万円となりました。内訳は、雑収入3百万円であります。営業外費用は1百万円となりました。内訳は、雑支出1百万円であります。この結果、経常損失は7億65百万円となりました。
(特別損益及び法人税等)
法人税等は2百万円となりました。この結果、四半期純損失は7億67百万円となりました。
③ 財政状態の分析
第5期事業年度及び第6期第3四半期累計期間の財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
第5期事業年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社における主な資金需要は、業容拡大に伴う人件費や、認知度向上のための広告宣伝費です。これらの資金需要に対しては、自己資金を基本とし、必要に応じて社債を発行することでまかなっております。また、短期的な運転資金は銀行借入により調達しております。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。