有価証券報告書-第85期(2022/04/01-2023/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は27,965百万円となり、前連結会計年度末に比べ65百万円増加いたしました。この主な要因は商品及び製品が937百万円、原材料及び貯蔵品が517百万円増加した一方で、現金及び預金が1,197百万円減少したことによるものであります。
固定資産は35,785百万円となり、前連結会計年度末に比べ170百万円増加いたしました。この主な要因は退職給付に係る資産が249百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、63,750百万円となり、前連結会計年度末に比べ236百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は25,381百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,716百万円減少いたしました。この主な要因は短期借入金が533百万円、未払金が381百万円増加した一方で、借り替え等により1年内返済予定の長期借入金が2,539百万円減少したことによるものであります。
固定負債は24,530百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,296百万円増加いたしました。この主な要因は社債が771百万円、長期借入金が1,717百万円増加した一方で、リース債務(固定)が337百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、49,911百万円となり、前連結会計年度末に比べ579百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は13,839百万円となり、前連結会計年度末に比べ342百万円減少いたしました。この主な要因は為替換算調整勘定が517百万円増加した一方で、退職給付に係る調整額が938百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は21.2%(前連結会計年度末は21.8%)となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による停滞から社会活動の平準化に向けた取組みが進む中で、地政学リスクの高まりや為替相場の急激な変動など、依然として先行不透明な状況が継続しました。
食品業界におきましては、一部で人流の再開に伴う回復基調が見られ、内食需要に加え簡便・即食や健康志向といった顕在化した消費者のし好変化への対応も求められました。しかし急激な原材料やエネルギーの価格上昇を要因としたコスト増が通年で影響を及ぼし、厳しい経営環境が続きました。
このような環境下において、当社グループは2021年4月よりスタートした中期経営計画2023のもと、収益性向上と財務体質改善による『持続的成長サイクルの確立』を目指した取組みを推進し、創造と改革により成長性と収益性のある企業グループを目指し活動しております。
当連結会計年度においては、「新しい生活様式」に適合した食に対する時短・簡便志向や健康志向、さらに賞味期限を延長したロングライフ需要にお応えする製品の開発と安定供給に努めるとともに、成長領域として捉えている海外食品事業での展開を強め売上拡大を図りました。一方で年間を通して原材料や資材、エネルギーなど事業運営上必要な価格が想定以上に上昇し続け、商品の価格改定などを行うとともに生産や業務の効率化に取り組み、原価率低減と利益改善に努めましたが、コスト上昇分を吸収するまでには至りませんでした。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高105,691百万円(前年同期比6.5%増)、営業利益2,022百万円(前年同期比46.9%減)、経常利益1,760百万円(前年同期比48.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は442百万円(前年同期比76.7%減)となりました。
(単位:百万円)
なお、当社グループの売上高・営業利益は、主力商品である水産練り製品・惣菜が秋季・冬季に需要が高まることと12月のおせち料理関連商品の売上により、第3四半期に集中する傾向にあります。前期及び当期における当社グループの各四半期における売上高及び通期の売上高に対する割合、営業利益は次のとおりであります。
(単位:百万円)
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(国内食品事業)
国内食品事業では、国内において食品の製造及び販売を行っております。
売上面では、主力である水産練り製品は、簡便・即食に対応した食材として、また家庭の冷蔵庫内の備蓄食材として、主に生竹輪やはんぺん、当社オリジナル製品であるチーちく®やカニカマが年間を通して好調に推移しました。当社独自の製法で作られたすみっコぐらしかまぼこ等のキャラクター蒲鉾も好評を得て、若年層などに向けた水産練り製品の認知及び消費拡大の一助となりました。さらに秋冬商戦を中心におでん商品や鍋だねなど季節性の高い商品カテゴリーや、正月商戦では盛り付けるだけの手軽なおせちセット商品が売上を伸ばしました。一方、前期に見られた特需的な内食需要増からの反動減もあり、惣菜商品の中華餃子が対前年比で売上減となりました。また、健康価値のニーズに適した糖質0g麺は、「糖質オフの麺状商品」という新しい食品カテゴリーを創出しましたが、消費者の健康に対する意識の多様化により影響を受け、対前年比で売上減となりました。販売促進として、年間を通して販売店様と一体となった売場展開や、SNSを通じて水産練り製品の健康価値や時短・簡便ニーズに適した食材である旨を訴求するプロモーション施策等を実施しました。なお、当社では2022年2月末に続き、2022年8月末より秋冬商品の、同年12月には正月商品の一部商品に対して価格改定を実施しましたが、価格改定後も全般的に売上数量・金額とも好調に推移いたしました。
利益面では、価格改定により利益率の改善、生産や業務効率の向上に向けた取組みを実施しているものの、想定を超える原材料やエネルギー価格の上昇が続き大きく影響を受けました。このため2023年2月末より春夏商品の一部商品に対して再度価格改定を実施しております。
この結果、当セグメントの売上高は75,420百万円(前年同期比6.5%増)となり、セグメント利益は40百万円(前年同期比98.0%減)となりました。
(単位:百万円)
(海外食品事業)
海外食品事業では、海外において食品の製造及び販売を行っております。
売上面では、米国、アジア・オセアニア、欧州の各市場での経済活動の回復に伴い、販売促進活動を強化いたしました。新規取引先の開拓や日系及び現地小売店への展開拡充、取引先のECサイトでの当社商品の取り扱い開始などの活動を行い、水産練り製品や仕入商材の販売が拡大しました。また、糖質オフ・低カロリー・グルテンフリーなど高い健康価値を食に求める消費者に受け入れられている商品「Healthy Noodle(糖質0g麺)」が、引き続き米国で安定した需要を獲得し好調に推移しました。海外拠点が展開するエリア別の売上実績でも、米国やシンガポールの市場では現地通貨ベースで対前年比2桁の伸びを達成しております。一方で年度後半には、中国での感染急拡大に伴う経済活動の停滞や、米国でのインフレ懸念と、消費者心理の悪化による在庫調整圧力の増加の影響が顕在化しています。
利益面では、利益率の高い水産練り製品をはじめとする自社製品の販売量増と、グローバルな調達ネットワークを生かした仕入商材の販売が、増益要因として奏功しました。
この結果、当セグメントの売上高は12,654百万円(前年同期比13.7%増)となり、セグメント利益は1,128百万円(前年同期比1.0%増)となりました。
(単位:百万円)
(食品関連事業)
食品関連事業では、国内において食品の運送、その他食品に関連した事業を行っております。
売上面では、当事業セグメントの中心である物流事業で、小売店・問屋向け日配系チルド物流の共同配送分の物量が通期で好調に推移するとともに、行動制限の緩和に伴い外食・百貨店・観光地土産物店向け等の物量が増加しました。また情報システム事業でも、システム機器販売として虹彩認証をベースとした入室管理システムを展開する等、新分野を開拓し着実な取組みを行っております。
利益面では、エネルギー価格の上昇により冷蔵倉庫の電力費が上昇したものの、売上増収効果と配送効率の向上により増益となりました。
この結果、当セグメントの売上高は17,616百万円(前年同期比2.2%増)となり、セグメント利益は891百万円(前年同期比10.5%増)となりました。
(単位:百万円)
③ キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ1,238百万円減少し、6,395百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業キャッシュ・フローは、921百万円の収入(前連結会計年度は155百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益1,652百万円、減価償却費1,929百万円、棚卸資産の増加額996百万円及び退職給付に係る資産及び負債の減少額1,608百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,422百万円の支出(前連結会計年度は871百万円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出1,379百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、755百万円の支出(前連結会計年度は4,044百万円の収入)となりました。これは、リース債務の返済による支出767百万円などによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)食品関連事業は、食品の配送等を主な事業とするセグメントであることから、生産に該当する事項がありませんので、記載しておりません。
b.受注実績
当社グループは、見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しており、連結財務諸表の作成に当たり、資産、負債、収益及び費用の報告に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。これらの見積り及び仮定に基づく会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、次の会計方針は、連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えております。
a.退職給付会計の基礎率
当社グループは、確定給付型を含む複数の退職給付制度を有しております。
確定給付制度の債務の現在価値及び関連する勤務費用等は、数理計算上の仮定に基づいて算定しております。数理計算上の仮定については、割引率、年金資産の長期期待運用収益率や予想昇給率等の変数についての見積り及び判断が求められます。
数理計算上の仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
b.固定資産の減損
当社グループは、減損損失の認識の判定及び測定を行う単位として資産のグルーピングを行い、減損の兆候の有無を判定しております。減損の兆候が存在する場合、当該資産又は資産グループから得られる将来キャッシュ・フローに基づき、減損損失の認識の要否を判定しております。
減損損失を認識すべきと判定された資産又は資産グループについては、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。回収可能価額は使用価値又は正味売却可能価額により算定しております。使用価値は、当該資産から得られる将来キャッシュ・フローに基づき算定しております。
将来キャッシュ・フローの算定には、翌期の事業計画の前提となった数値を基に、主原料価格の過去の推移も踏まえた将来の相場予測、当社グループ内で用いている将来の収益予測等の仮定を考慮して見積っております。
当該見積り及び仮定については、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果が異なった場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、固定資産の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
c.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できること、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産に計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りとなるため、事業環境等の変化により見積りが減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態及び経営成績の分析
当連結会計年度における財政状態及び経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要① 財政状態の状況及び② 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要は、主に水産練り製品・惣菜向けの製造設備に係る設備投資であります。これらの資金の源泉は、営業キャッシュ・フロー及び金融機関からの借入等により調達することとしております。調達した資金は、成長と経営効率改善のための投資を実施し、資本の充実と借入の返済を進めるとともに、株主還元の安定的拡大を目指してまいります。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
d.経営戦略の現状と見通し
当社グループは、経営理念である「革新と挑戦と夢」を企業行動の軸とし、「創造と改革により成長性と収益性のある企業グループ」となるよう、2021年4月から3カ年の中期経営計画2023を策定しました。活動の基軸は「成長の加速」、「経営効率の改善」、「経営基盤の整備」の3点とし、着実に企業価値向上に努めてまいります。
中期目標として、次期中期経営計画の最終年度である2026年度に、海外売上高比率を15%、営業利益率を5%、自己資本比率を40%と設定し、その第1ステップとして、今回の中期経営計画2023では、成長性と収益性の基盤づくりに取り組み、海外売上比率13%、営業利益率4.2%、自己資本比率30%を目標値としておりました。最終年度である2023年度の業績見通しでは、会計基準変更の影響分を加味した売上伸長率と、成長のドライバーとして示した海外売上比率は目標値を上回ります。一方、営業利益率及び自己資本比率は、新型コロナウイルス感染症の社会活動への影響の長期化や、地政学リスクに伴うコスト上昇など、策定時の事業環境とは異なるマクロ的な状況の変化による影響が大きく、今回中期目標値には未達となりますが、対前連結会計年度では上回る見通しです。当社グループは引き続き成長性と収益性の基盤づくりに取り組み、次期中期経営計画へ繋げる活動をしてまいります。
なお、中期経営計画の2年目にあたる2022年度の実績は、前述の「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
今後も成長と企業価値向上に向け、事業セグメント別に取組みを充実させてまいります。
国内食品事業では、市場ニーズとトレンドに合致した製品展開と需要創出、販路拡大を通じて、国内市場での更なるシェア拡大を図りながら、安定した成長を図ってまいります。また健康志向や、簡便性、たのしさ等のお客様のニーズに合致した水産練り製品や惣菜類の商品ラインアップを充実させるとともに、店頭演出の強化等によってお客様への訴求力向上に加え、SNSを活用したプロモーションの実施により若年層を中心とする次世代層への認知と消費の拡大につなげてまいります。同時に、生産効率の向上や生産能力の増強のための設備投資を通じて、成長性と収益性を高めてまいります。
海外食品事業は、当社グループの成長ドライバーとして注力する商品とエリアを定め、業容拡大に向けた取組みを実施いたします。グローバル戦略商品として、海外市場でも需要が右肩上がりのカニカマと、健康価値を求められるお客様ニーズに合致した糖質オフでグルテンフリーの商品「Healthy Noodle」を商品ラインアップの中心に据え、北米・中国・東南アジアの各エリアで重点的かつ積極的に販売拡大を図り、海外食品市場での存在感を高めつつ連続的な成長を実現してまいります。
食品関連事業では、当社グループの強みである高度な温度管理を求められるチルド物流事業において、環境負荷低減の観点からも注目されている共同配送事業の運営に一層注力してまいります。さらに物流と情報システムを連動させた配送網の拡充に取り組み、多様な物流サービスの選択肢をバランス良く提案しつつ、市場ポジションを高めてまいります。
また、食品製造業としてこれまで培ったノウハウを活かし、収益性の向上に向けて自働化・省人化の推進による生産効率向上への取組みや、高付加価値商品の生産能力増強等を行うとともに、「食の安全・安心」を最優先とした製造管理と品質衛生管理を強化してまいります。加えて「おいしさと健康」の視点から商品価値創造の基盤となる基礎研究を推進しつつ、新規原材料の開発や製造技術の革新に取り組みます。これらを通じて、中長期視点で原材料相場に左右されない経営体質の構築を図ります。
当社グループは、事業目標の達成と社会課題解決の実現は両立できるものであると考え、事業を通じて社会課題を解決するよう持続可能(サステナブル)な取組みを積極的に牽引する組織として設置したサステナビリティ委員会を中心に、サステナビリティ活動の基本方針と行動規範を定めつつ、重点的に取り組むべき5項目として「温室効果ガス排出量の削減」、「食品ロスの削減」、「持続可能な調達」、「プラスチック使用量の削減」、「人財育成」を設定し、それぞれ2030年度までの達成目標を掲げて活動してまいります。
e.経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は27,965百万円となり、前連結会計年度末に比べ65百万円増加いたしました。この主な要因は商品及び製品が937百万円、原材料及び貯蔵品が517百万円増加した一方で、現金及び預金が1,197百万円減少したことによるものであります。
固定資産は35,785百万円となり、前連結会計年度末に比べ170百万円増加いたしました。この主な要因は退職給付に係る資産が249百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、63,750百万円となり、前連結会計年度末に比べ236百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は25,381百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,716百万円減少いたしました。この主な要因は短期借入金が533百万円、未払金が381百万円増加した一方で、借り替え等により1年内返済予定の長期借入金が2,539百万円減少したことによるものであります。
固定負債は24,530百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,296百万円増加いたしました。この主な要因は社債が771百万円、長期借入金が1,717百万円増加した一方で、リース債務(固定)が337百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、49,911百万円となり、前連結会計年度末に比べ579百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は13,839百万円となり、前連結会計年度末に比べ342百万円減少いたしました。この主な要因は為替換算調整勘定が517百万円増加した一方で、退職給付に係る調整額が938百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は21.2%(前連結会計年度末は21.8%)となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による停滞から社会活動の平準化に向けた取組みが進む中で、地政学リスクの高まりや為替相場の急激な変動など、依然として先行不透明な状況が継続しました。
食品業界におきましては、一部で人流の再開に伴う回復基調が見られ、内食需要に加え簡便・即食や健康志向といった顕在化した消費者のし好変化への対応も求められました。しかし急激な原材料やエネルギーの価格上昇を要因としたコスト増が通年で影響を及ぼし、厳しい経営環境が続きました。
このような環境下において、当社グループは2021年4月よりスタートした中期経営計画2023のもと、収益性向上と財務体質改善による『持続的成長サイクルの確立』を目指した取組みを推進し、創造と改革により成長性と収益性のある企業グループを目指し活動しております。
当連結会計年度においては、「新しい生活様式」に適合した食に対する時短・簡便志向や健康志向、さらに賞味期限を延長したロングライフ需要にお応えする製品の開発と安定供給に努めるとともに、成長領域として捉えている海外食品事業での展開を強め売上拡大を図りました。一方で年間を通して原材料や資材、エネルギーなど事業運営上必要な価格が想定以上に上昇し続け、商品の価格改定などを行うとともに生産や業務の効率化に取り組み、原価率低減と利益改善に努めましたが、コスト上昇分を吸収するまでには至りませんでした。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高105,691百万円(前年同期比6.5%増)、営業利益2,022百万円(前年同期比46.9%減)、経常利益1,760百万円(前年同期比48.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は442百万円(前年同期比76.7%減)となりました。
(単位:百万円)
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に 帰属する当期純利益 | |
2023年3月期連結会計年度 | 105,691 | 2,022 | 1,760 | 442 |
2022年3月期連結会計年度 | 99,203 | 3,809 | 3,396 | 1,898 |
なお、当社グループの売上高・営業利益は、主力商品である水産練り製品・惣菜が秋季・冬季に需要が高まることと12月のおせち料理関連商品の売上により、第3四半期に集中する傾向にあります。前期及び当期における当社グループの各四半期における売上高及び通期の売上高に対する割合、営業利益は次のとおりであります。
(単位:百万円)
2022年3月期 前連結会計年度 | 2023年3月期 当連結会計年度 | |||||||
第1 四半期 | 第2 四半期 | 第3 四半期 | 第4 四半期 | 第1 四半期 | 第2 四半期 | 第3 四半期 | 第4 四半期 | |
売上高 | 20,833 | 21,713 | 31,719 | 24,936 | 22,848 | 23,940 | 34,982 | 23,921 |
(通期割合) | (21.0%) | (21.9%) | (32.0%) | (25.1%) | (21.6%) | (22.7%) | (33.1%) | (22.6%) |
営業利益又は 営業損失(△) | 140 | 42 | 3,059 | 567 | △70 | △715 | 2,371 | 437 |
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(国内食品事業)
国内食品事業では、国内において食品の製造及び販売を行っております。
売上面では、主力である水産練り製品は、簡便・即食に対応した食材として、また家庭の冷蔵庫内の備蓄食材として、主に生竹輪やはんぺん、当社オリジナル製品であるチーちく®やカニカマが年間を通して好調に推移しました。当社独自の製法で作られたすみっコぐらしかまぼこ等のキャラクター蒲鉾も好評を得て、若年層などに向けた水産練り製品の認知及び消費拡大の一助となりました。さらに秋冬商戦を中心におでん商品や鍋だねなど季節性の高い商品カテゴリーや、正月商戦では盛り付けるだけの手軽なおせちセット商品が売上を伸ばしました。一方、前期に見られた特需的な内食需要増からの反動減もあり、惣菜商品の中華餃子が対前年比で売上減となりました。また、健康価値のニーズに適した糖質0g麺は、「糖質オフの麺状商品」という新しい食品カテゴリーを創出しましたが、消費者の健康に対する意識の多様化により影響を受け、対前年比で売上減となりました。販売促進として、年間を通して販売店様と一体となった売場展開や、SNSを通じて水産練り製品の健康価値や時短・簡便ニーズに適した食材である旨を訴求するプロモーション施策等を実施しました。なお、当社では2022年2月末に続き、2022年8月末より秋冬商品の、同年12月には正月商品の一部商品に対して価格改定を実施しましたが、価格改定後も全般的に売上数量・金額とも好調に推移いたしました。
利益面では、価格改定により利益率の改善、生産や業務効率の向上に向けた取組みを実施しているものの、想定を超える原材料やエネルギー価格の上昇が続き大きく影響を受けました。このため2023年2月末より春夏商品の一部商品に対して再度価格改定を実施しております。
この結果、当セグメントの売上高は75,420百万円(前年同期比6.5%増)となり、セグメント利益は40百万円(前年同期比98.0%減)となりました。
(単位:百万円)
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
売上高 | セグメント利益 | 売上高 | セグメント利益 |
70,839 | 2,010 | 75,420 | 40 |
(海外食品事業)
海外食品事業では、海外において食品の製造及び販売を行っております。
売上面では、米国、アジア・オセアニア、欧州の各市場での経済活動の回復に伴い、販売促進活動を強化いたしました。新規取引先の開拓や日系及び現地小売店への展開拡充、取引先のECサイトでの当社商品の取り扱い開始などの活動を行い、水産練り製品や仕入商材の販売が拡大しました。また、糖質オフ・低カロリー・グルテンフリーなど高い健康価値を食に求める消費者に受け入れられている商品「Healthy Noodle(糖質0g麺)」が、引き続き米国で安定した需要を獲得し好調に推移しました。海外拠点が展開するエリア別の売上実績でも、米国やシンガポールの市場では現地通貨ベースで対前年比2桁の伸びを達成しております。一方で年度後半には、中国での感染急拡大に伴う経済活動の停滞や、米国でのインフレ懸念と、消費者心理の悪化による在庫調整圧力の増加の影響が顕在化しています。
利益面では、利益率の高い水産練り製品をはじめとする自社製品の販売量増と、グローバルな調達ネットワークを生かした仕入商材の販売が、増益要因として奏功しました。
この結果、当セグメントの売上高は12,654百万円(前年同期比13.7%増)となり、セグメント利益は1,128百万円(前年同期比1.0%増)となりました。
(単位:百万円)
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
売上高 | セグメント利益 | 売上高 | セグメント利益 |
11,134 | 1,117 | 12,654 | 1,128 |
(食品関連事業)
食品関連事業では、国内において食品の運送、その他食品に関連した事業を行っております。
売上面では、当事業セグメントの中心である物流事業で、小売店・問屋向け日配系チルド物流の共同配送分の物量が通期で好調に推移するとともに、行動制限の緩和に伴い外食・百貨店・観光地土産物店向け等の物量が増加しました。また情報システム事業でも、システム機器販売として虹彩認証をベースとした入室管理システムを展開する等、新分野を開拓し着実な取組みを行っております。
利益面では、エネルギー価格の上昇により冷蔵倉庫の電力費が上昇したものの、売上増収効果と配送効率の向上により増益となりました。
この結果、当セグメントの売上高は17,616百万円(前年同期比2.2%増)となり、セグメント利益は891百万円(前年同期比10.5%増)となりました。
(単位:百万円)
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
売上高 | セグメント利益 | 売上高 | セグメント利益 |
17,229 | 807 | 17,616 | 891 |
③ キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 155 | 921 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △871 | △1,422 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 4,044 | △755 |
現金及び現金同等物の増減額 | 3,368 | △1,238 |
現金及び現金同等物の期首残高 | 4,265 | 7,633 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 7,633 | 6,395 |
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ1,238百万円減少し、6,395百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業キャッシュ・フローは、921百万円の収入(前連結会計年度は155百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益1,652百万円、減価償却費1,929百万円、棚卸資産の増加額996百万円及び退職給付に係る資産及び負債の減少額1,608百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,422百万円の支出(前連結会計年度は871百万円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出1,379百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、755百万円の支出(前連結会計年度は4,044百万円の収入)となりました。これは、リース債務の返済による支出767百万円などによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | |
金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
国内食品事業 | 61,912 | 94.1 |
海外食品事業 | 6,561 | 98.6 |
食品関連事業 | - | - |
合計 | 68,473 | 94.5 |
(注)食品関連事業は、食品の配送等を主な事業とするセグメントであることから、生産に該当する事項がありませんので、記載しておりません。
b.受注実績
当社グループは、見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | |
金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
国内食品事業 | 75,420 | 106.5 |
海外食品事業 | 12,654 | 113.7 |
食品関連事業 | 17,616 | 102.2 |
合計 | 105,691 | 106.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しており、連結財務諸表の作成に当たり、資産、負債、収益及び費用の報告に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。これらの見積り及び仮定に基づく会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、次の会計方針は、連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えております。
a.退職給付会計の基礎率
当社グループは、確定給付型を含む複数の退職給付制度を有しております。
確定給付制度の債務の現在価値及び関連する勤務費用等は、数理計算上の仮定に基づいて算定しております。数理計算上の仮定については、割引率、年金資産の長期期待運用収益率や予想昇給率等の変数についての見積り及び判断が求められます。
数理計算上の仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
b.固定資産の減損
当社グループは、減損損失の認識の判定及び測定を行う単位として資産のグルーピングを行い、減損の兆候の有無を判定しております。減損の兆候が存在する場合、当該資産又は資産グループから得られる将来キャッシュ・フローに基づき、減損損失の認識の要否を判定しております。
減損損失を認識すべきと判定された資産又は資産グループについては、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。回収可能価額は使用価値又は正味売却可能価額により算定しております。使用価値は、当該資産から得られる将来キャッシュ・フローに基づき算定しております。
将来キャッシュ・フローの算定には、翌期の事業計画の前提となった数値を基に、主原料価格の過去の推移も踏まえた将来の相場予測、当社グループ内で用いている将来の収益予測等の仮定を考慮して見積っております。
当該見積り及び仮定については、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果が異なった場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、固定資産の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
c.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できること、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産に計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りとなるため、事業環境等の変化により見積りが減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態及び経営成績の分析
当連結会計年度における財政状態及び経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要① 財政状態の状況及び② 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要は、主に水産練り製品・惣菜向けの製造設備に係る設備投資であります。これらの資金の源泉は、営業キャッシュ・フロー及び金融機関からの借入等により調達することとしております。調達した資金は、成長と経営効率改善のための投資を実施し、資本の充実と借入の返済を進めるとともに、株主還元の安定的拡大を目指してまいります。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
d.経営戦略の現状と見通し
当社グループは、経営理念である「革新と挑戦と夢」を企業行動の軸とし、「創造と改革により成長性と収益性のある企業グループ」となるよう、2021年4月から3カ年の中期経営計画2023を策定しました。活動の基軸は「成長の加速」、「経営効率の改善」、「経営基盤の整備」の3点とし、着実に企業価値向上に努めてまいります。
中期目標として、次期中期経営計画の最終年度である2026年度に、海外売上高比率を15%、営業利益率を5%、自己資本比率を40%と設定し、その第1ステップとして、今回の中期経営計画2023では、成長性と収益性の基盤づくりに取り組み、海外売上比率13%、営業利益率4.2%、自己資本比率30%を目標値としておりました。最終年度である2023年度の業績見通しでは、会計基準変更の影響分を加味した売上伸長率と、成長のドライバーとして示した海外売上比率は目標値を上回ります。一方、営業利益率及び自己資本比率は、新型コロナウイルス感染症の社会活動への影響の長期化や、地政学リスクに伴うコスト上昇など、策定時の事業環境とは異なるマクロ的な状況の変化による影響が大きく、今回中期目標値には未達となりますが、対前連結会計年度では上回る見通しです。当社グループは引き続き成長性と収益性の基盤づくりに取り組み、次期中期経営計画へ繋げる活動をしてまいります。
なお、中期経営計画の2年目にあたる2022年度の実績は、前述の「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
今後も成長と企業価値向上に向け、事業セグメント別に取組みを充実させてまいります。
国内食品事業では、市場ニーズとトレンドに合致した製品展開と需要創出、販路拡大を通じて、国内市場での更なるシェア拡大を図りながら、安定した成長を図ってまいります。また健康志向や、簡便性、たのしさ等のお客様のニーズに合致した水産練り製品や惣菜類の商品ラインアップを充実させるとともに、店頭演出の強化等によってお客様への訴求力向上に加え、SNSを活用したプロモーションの実施により若年層を中心とする次世代層への認知と消費の拡大につなげてまいります。同時に、生産効率の向上や生産能力の増強のための設備投資を通じて、成長性と収益性を高めてまいります。
海外食品事業は、当社グループの成長ドライバーとして注力する商品とエリアを定め、業容拡大に向けた取組みを実施いたします。グローバル戦略商品として、海外市場でも需要が右肩上がりのカニカマと、健康価値を求められるお客様ニーズに合致した糖質オフでグルテンフリーの商品「Healthy Noodle」を商品ラインアップの中心に据え、北米・中国・東南アジアの各エリアで重点的かつ積極的に販売拡大を図り、海外食品市場での存在感を高めつつ連続的な成長を実現してまいります。
食品関連事業では、当社グループの強みである高度な温度管理を求められるチルド物流事業において、環境負荷低減の観点からも注目されている共同配送事業の運営に一層注力してまいります。さらに物流と情報システムを連動させた配送網の拡充に取り組み、多様な物流サービスの選択肢をバランス良く提案しつつ、市場ポジションを高めてまいります。
また、食品製造業としてこれまで培ったノウハウを活かし、収益性の向上に向けて自働化・省人化の推進による生産効率向上への取組みや、高付加価値商品の生産能力増強等を行うとともに、「食の安全・安心」を最優先とした製造管理と品質衛生管理を強化してまいります。加えて「おいしさと健康」の視点から商品価値創造の基盤となる基礎研究を推進しつつ、新規原材料の開発や製造技術の革新に取り組みます。これらを通じて、中長期視点で原材料相場に左右されない経営体質の構築を図ります。
当社グループは、事業目標の達成と社会課題解決の実現は両立できるものであると考え、事業を通じて社会課題を解決するよう持続可能(サステナブル)な取組みを積極的に牽引する組織として設置したサステナビリティ委員会を中心に、サステナビリティ活動の基本方針と行動規範を定めつつ、重点的に取り組むべき5項目として「温室効果ガス排出量の削減」、「食品ロスの削減」、「持続可能な調達」、「プラスチック使用量の削減」、「人財育成」を設定し、それぞれ2030年度までの達成目標を掲げて活動してまいります。
e.経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。