有価証券届出書(新規公開時)
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
第4期連結会計年度(自 2019年7月1日 至 2020年6月30日)
当連結会計年度における事業環境について、世界経済は、米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題により景気の低迷感が強まる中、期後半には新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響で、景気は急速な後退に転じました。我が国経済におきましても、貿易摩擦や消費税増税による経済の低迷に加え、個人消費の減少や企業業績の落ち込みにより、景気は更に厳しい状況となりました。
ディスプレイ市場におきましては、パネル需給悪化に伴う調整局面にあったことに加え、中国での新型コロナウイルス感染症の影響もあり金額が大きく落ち込む結果となりましたが、足元の状況としましては、パネル需給の改善や、中国パネルメーカーの生産ライン立上げ再開などにより回復基調にあります。半導体関連市場におきましては、次世代通信規格(5G)対応に加えテレワークや巣ごもり需要の増大により半導体市場が堅調に推移していることから半導体製造装置の売上も伸びております。
当連結会計年度における当社グループの事業環境におきましては、新型コロナウイルス感染症対策の影響で、当社の主要顧客である中国パネルメーカーの生産停滞や、新たな生産ラインの立上げ時期延伸の影響を受けました。一方、半導体市場におきましては、次世代通信規格(5G)やIoT、AIに伴う情報通信技術の用途の広がりを背景とした投資が行われており、引き続き成長が見込まれております。
このような状況のもと、当社グループの当連結会計年度の受注金額は11,656百万円(前年同期比15.7%減)、受注残高は11,930百万円(前年同期比19.4%減)となりました。
当社グループの当連結会計年度の連結業績は、売上高14,521百万円(前年同期比28.3%減)、営業利益468百万円(前年同期比64.3%減)、経常利益396百万円(前年同期比68.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は291百万円(前年同期比63.2%減)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① IJPソリューション事業
新しいプロセスであります量子ドットディスプレイ製造ラインや、IJPを応用した新規デバイスの開発が進
んでおり試作機の導入が始まりました。また、医療機器分野におきましても、IJP技術を応用した試作機の導
入に向けた動きが進んでおります。この結果、次世代プレミアム・ディスプレイ向け製造装置並びにIJP技術
を応用した設備の投資が増加し、受注金額は2,066百万円(前年同期比243.8%増)となりました。
売上高につきましては、市場の需給バランス調整の影響を受け558百万円(前年同期比76.5%減)となりました。
また、本事業におきましては当連結会計年度に受注損失引当金183百万円を計上しております。今後量産が見込ま
れている新たな装置への取り組みに対し初期検討及び手直しなどの費用が嵩み損失が見込まれることから、将来
発生費用を見積もり損失に見合う引当金を計上しております。これらの結果、セグメント利益は139百万円の損失
となりました。
② 半導体関連事業
次世代通信規格(5G)対応のためのスマートフォン向け高性能プロセッサの需要増や基地局・データセンター
の増加に向けた投資が活発に行われており、半導体関連の市場は拡大基調にあります。またIoT、AIに伴う
情報通信技術の用途の広がりや、在宅勤務やオンライン授業の増加等による需要の高まりもあり、今後も成長が
見込まれております。
このような状況のもと、当社のはんだボールマウンタ装置の受注、売上とも大きく伸び、受注金額は3,481百万
円(前年同期比293.6%増)、売上高は1,657百万円(前年同期比158.2%増)、セグメント利益は353百万円(前年同期
比113.3%増)となりました。
③ LCD事業
新型コロナウイルス感染症対策による新たな生産ライン立上げ時期延伸の影響を受け、複数の大型投資案件の
立上げが翌期に先送りとなりました。また新規の投資案件に加えて、既存設備の性能向上や維持更新投資につい
ても投資時期の延期や投資を抑制する動きに影響を受けました。
このような状況のもと、受注金額は6,109百万円(前年同期比50.5%減)、売上高は12,304百万円(前年同期比
28.6%減)となりました。また、本事業におきましては当連結会計年度に受注損失引当金36百万円を計上しており
ます。コロナウイルス対策による渡航後の隔離制限期間費用並びに外部委託作業費の増加などにより損失が見込
まれることから、将来発生費用を見積もり損失に見合う引当金を計上しております。これらの結果、セグメント
利益は1,088百万円(対前期比25.7%減)となりました。
第5期第3四半期連結累計期間(自 2020年7月1日 至 2021年3月31日)
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、コロナ禍の中、足下においてワクチンの普及による景気回復の兆
しが見られるものの、変異株の流行や先進国と新興・途上国とのワクチン普及の格差等から未だ不透明な状況が続い
ております。日本国内におきましても、4月に3度目の緊急事態宣言が発令されるなど新型コロナウイルスの感染収
束が見えず、景気の下振れが懸念される状況にあります。
一方、当社グループの事業環境については、フラットパネル・ディスプレイ(FPD)市場、半導体関連市場とも
に回復基調が続いております。FPD市場においては巣ごもり需要によりパネル需給が改善し、半導体関連市場にお
いては次世代通信規格(5G)対応により需要が増加しています。
このような状況のもと、当第3四半期連結累計期間の当社グループの受注金額は10,924百万円、受注残高は11,615
百万円となりました。
当社グループの当第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高は11,239百万円、営業利益は193百万円、経常利益
は135百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は93百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① IJPソリューション事業
中国メーカーが10.5世代の大型LCD投資により競争力を強化する中、韓国や台湾のメーカーは次世代パネル
の開発やパネルの高付加価値化・高機能化による差別化を図っています。当社は微細塗布などの技術を活かした
インクジェット装置の開発により、有機ELディスプレイや量子ドットディスプレイなど次世代プレミアム・
ディスプレイの開発に顧客と協同で取り組んでおります。また、インクジェット技術によるローコスト・プロセ
ス実現を通じ、従来のFPDや半導体関連以外の分野への取り組みも行っております。
このような状況のもと、当セグメントの当第3四半期連結累計期間の売上高は2,011百万円と大幅な増収となり
ましたが、セグメント利益は新技術・新製品の開発により初期費用が嵩んだため、7百万円に止まりました。
② 半導体関連事業
5G対応のためのスマートフォン向け高性能プロセッサの需要増、基地局・データセンターの活発な投資、テ
レワークや巣ごもり需要の増加等から、半導体の需要は拡大基調にあります。米中対立や新型コロナウイルスの
感染等先行きに不透明感がありますが、半導体は今後も堅調な需要が続くものと思われます。
こうした中、当社のはんだボールマウンタ装置の売上は好調に推移し、当セグメントの当第3四半期連結累計
期間の売上高は1,586百万円、セグメント利益は325百万円となりました。
③ LCD事業
新型コロナウイルスの影響による巣ごもり需要で世界的にパネル需要は高まっており、韓国ではLCD製造ラ
インの停止が延期され、更に中国ではLCD製造ライン増設の動きも出て来ています。反面、この需給ひっ迫が
顧客の生産優先、設備の維持更新投資先送りへと繋がっており、当社LCS(既納製品の維持更新やメンテナン
ス)の売上が抑制される結果となりました。
このような状況のもと、当セグメントの当第3四半期連結累計期間の売上高は7,642百万円、セグメント利益は
491百万円となりました。
第4期連結会計年度(自 2019年7月1日 至 2020年6月30日)
当連結会計年度の流動資産は、前連結会計年度末に比べ545百万円減少し、17,883百万円となりました。主として、棚卸資産389百万円、未収入金276百万円の増加、現金及び預金517百万円、売上債権684百万円それぞれの減少によるものであります。
有形固定資産は、前連結会計年度末から468百万円増加し、1,855百万円となりました。
無形固定資産は、前連結会計年度末から34百万円減少し、84百万円となりました。
投資その他の資産は、前連結会計年度末から24百万円増加し、225百万円となりました。
これらの結果、総資産は、前連結会計年度末から87百万円減少し、20,049百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ356百万円減少し、12,673百万円となりました。主として、短期借入金2,500百万円の増加、並びに、仕入債務1,053百万円、未払法人税等175百万円、前受金1,563百万円それぞれの減少によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ6百万円増加し、649百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ262百万円増加し、6,727百万円となりました。主として、親会社株主に帰属する当期純利益291百万円を計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は33.5%となりました。
第5期第3四半期連結累計期間(自 2020年7月1日 至 2021年3月31日)
当第3四半期連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ3,147百万円減少し、14,736百万円となりまし
た。主な内容は、売上債権946百万円、棚卸資産1,758百万円それぞれの減少によるものであります。
有形固定資産は、前連結会計年度末から315百万円増加し、2,171百万円となりました。
無形固定資産は、前連結会計年度末から27百万円減少し、56百万円となりました。
投資その他の資産は、前連結会計年度末から27百万円減少し、198百万円となりました。
これらの結果、総資産は、前連結会計年度末から2,886百万円減少し、17,163百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ3,010百万円減少し、9,662百万円となりました。主として、仕入債務1,003百
万円、前受金1,533百万円それぞれの減少によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ6百万円減少し、642百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ131百万円増加し、6,858百万円となりました。主として、親会社株主に帰属す
る四半期純利益93百万円を計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は39.9%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
第4期連結会計年度(自 2019年7月1日 至 2020年6月30日)
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ517百万円減少し、2,471百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、2,389百万円(前年同期は2,246百万円の使用)となりました。資金の取得は、主に売上債権の減少682百万円によります。また資金の使用は、主に仕入債務の減少1,052百万円、前受金の減少1,563百万円、法人税等の支払額320百万円によります。
前連結会計年度並びに当連結会計年度における営業キャッシュ・フローのマイナス要因は、主として顧客の国や地域における契約慣行に起因するものです。売上債権の回収につきましては、当社グループの関係部署及び代理店等で連携し早期回収の実現に向け取り組んでまいります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、603百万円(前年同期は231百万円の使用)となりました。資金の使用は、主に有形固定資産の取得による支出603百万円によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果取得した資金は、2,489百万円(前年同期は1,289百万円の取得)となりました。資金の取得は、主に短期借入金の増加2,500百万円によります。
(3) 受注実績
第4期連結会計年度及び第5期第3四半期連結累計期間におけるセグメントごとの受注実績は、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引はありません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4) 販売実績
第4期連結会計年度及び第5期第3四半期連結累計期間におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引はありません。
2.最近2連結会計年度及び第5期第3四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
3.第3期連結会計年度のWuhan BOE Optoelectronics Technology Co.,Ltd.、Changsha HKC Optoelectronics Co.,Ltd.、TITAN-SEMI Co.,Ltd.、HannStar Display Corporation、InnoLux Corporationにつきましては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
第4期連結会計年度のChangsha HKC Optoelectronics Co.,Ltd.、TITAN-SEMI Co.,Ltd.、Chuzhou HKC Optoelectronics Technology Co.,Ltd.、株式会社 日立ハイテクにつきましても、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
第5期第3四半期連結累計期間のChuzhou HKC Optoelectronics Technology Co.,Ltd.、HannStar Display Corporation、SAKAI SIO International GuangZhou Co.,Ltd.、InnoLux Corporation、株式会社 日立ハイテクにつきましては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第4期連結会計年度(自 2019年7月1日 至 2020年6月30日)
新型コロナウイルス感染症対策の影響で、中国のパネルメーカーにおきましては、生産の一時停止及び生産ライン立ち上げ時期の延期や投資の抑制などが行われ、当社グループの業績に大きな影響がありました。一方、半導体市場におきましては、次世代通信規格(5G)を始めとする情報通信技術の広がりを背景とした投資が行われており、明るさが見えて来ております。これらの背景の中、当社グループの売上高は14,521百万円(前年同期比28.3%減)、となりました。営業利益率におきましては、3.2%(前年同期比3.3ポイント減)となりました。
事業を取り巻く環境につきましては、市場を牽引してきた中国における大型パネル向け10.5世代基板の投資が一段落し、有機ELディスプレイを始めとする次世代プレミアム・ディスプレイや既存設備への改造等の投資が見込まれております。当社グループにおきましては、「IJP技術を利用した新たなソリューションの提供」、「高性能化が進む半導体パッケージへの展開と対応範囲の拡大」、「LCS(ライフサイクルサポート)活動を通じた顧客のサポート」、更には「事業環境の変動に耐える強い体質作り」を重点課題として取り組み、更なる経営体質の強化を図ってまいります。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益に対応しております。
・IJPソリューション事業
当セグメントの当連結会計年度における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前年同期比76.5%減少の558百万円となりました。セグメント利益については、受注損失引当金183百万円の計上を主たる要因として、139百万円の損失となりました。当セグメントにおきましては、これから成長が見込まれる薄膜分野に向けて、IJP技術や、ナノインプリント(NIP)技術の研究開発並びにローコスト・プロセスによる薄膜形成システムの提案を行い、新たな分野の成長を積極的に図ってまいります。
・半導体関連事業
当セグメントの当連結会計年度における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前年同期比158.2%増加の1,657百万円となりました。セグメント利益については、前年同期比113.3%増加の353百万円、利益率については前連結会計年度から4.5ポイント低下し、21.3%となりました。これは、製品の大型化に伴う費用の増加によるものであります。
・LCD事業
当セグメントの当連結会計年度における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前年同期比28.6%減少の12,304百万円となりました。セグメント利益については、前年同期比25.7%減少の1,088百万円、利益率については前連結会計年度から0.3ポイント改善し、8.8%となりました。
第5期第3四半期連結累計期間(自 2020年7月1日 至 2021年3月31日)
新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中、テレワークや巣ごもり需要の増大によりFPD(フラットパネル・ディスプレイ)の需給改善やテレワークなどに必要な情報通信・コミュニケーションツールのニーズが高まっております。国内外の新型コロナウイルス感染拡大により景気の下振れが懸念されている状況下ではありますが、事業を取り巻く環境は、回復基調にあります。このような状況のもと、当社グループの売上高は11,239百万円となりました。営業利益率におきましては、1.7%となりました。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益に対応しております。
・IJPソリューション事業
当セグメントの当第3四半期連結累計期間における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。当セグメントの当第3四半期連結累計期間における売上高は2,011百万円となりました。セグメント利益は、今後量産が見込まれている新たな装置への取り組みにより初期費用が嵩んだため7百万円となりました。利益率については0.4%となりました。
・半導体関連事業
当セグメントの当第3四半期連結累計期間における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。今後も堅調な需要が見込まれている市場環境の中、当セグメントの当第3四半期連結累計期間における売上高は1,586百万円、セグメント利益は325百万円となりました。利益率については20.5%となりました。
・LCD事業
当セグメントの当第3四半期連結累計期間における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。FPD需給が改善の中、当セグメントの当第3四半期連結累計期間における売上高は7,642百万円、セグメント利益は491百万円となりました。利益率については6.4%となりました。
②資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの事業活動における主な資金需要は、部品の仕入代金、製品の製作代金、販売費及び一般管理費等の費用及び設備投資資金であります。上記運転資金につきましては、内部資金、銀行からの借入及び売上債権の回収により調達を行うことを基本としております。日常的な手元流動性は金利費用削減のため必要最小限の残高で運用しておりますが、取引銀行とコミットメントライン契約(極度額4,180百万円)、当座貸越契約(極度額5,400百万円)を締結しており、資金の流動性は確保されております。なお今後につきましては、安定的な内部留保の蓄積等により財政状態の健全化を図るとともに、資本効率を高めてまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計基準に基づき作成しております。
この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益、費用及びキャッシュ・フローの報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。
当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
イ.貸倒引当金の計上基準
当社グループは、債権の貸倒に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債
権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
顧客の財政状態が悪化し、支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性が
あります。
ロ.たな卸資産の評価基準
当社グループは、原材料は最終仕入原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算
定)、製品・仕掛品は個別法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により
算定)、半製品のうち保守部品は移動平均法による原価法、それ以外は個別法による原価法(貸借対照表価額は
収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)を採用しております。
将来における実際の需要または市況が見積りより悪化した場合には、評価損の追加計上が必要となる可能性が
あります。
ハ.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性について、課税所得の額を合理的に見積ることにより判断してお
ります。
将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、繰延税金資産及び法人税等調整
額の金額に影響を与える可能性があります。
ニ.固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グルー
プから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収
可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性があ
ります。
ホ.退職給付債務の算定
当社の退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率等
に基づき算定されております。
将来の不確実な経済条件の変動等により割引率及び期待運用収益率等の見直しが必要となった場合、退職給付
に係る負債及び退職給付費用の金額に影響を与える可能性があります。
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
第4期連結会計年度(自 2019年7月1日 至 2020年6月30日)
当連結会計年度における事業環境について、世界経済は、米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題により景気の低迷感が強まる中、期後半には新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響で、景気は急速な後退に転じました。我が国経済におきましても、貿易摩擦や消費税増税による経済の低迷に加え、個人消費の減少や企業業績の落ち込みにより、景気は更に厳しい状況となりました。
ディスプレイ市場におきましては、パネル需給悪化に伴う調整局面にあったことに加え、中国での新型コロナウイルス感染症の影響もあり金額が大きく落ち込む結果となりましたが、足元の状況としましては、パネル需給の改善や、中国パネルメーカーの生産ライン立上げ再開などにより回復基調にあります。半導体関連市場におきましては、次世代通信規格(5G)対応に加えテレワークや巣ごもり需要の増大により半導体市場が堅調に推移していることから半導体製造装置の売上も伸びております。
当連結会計年度における当社グループの事業環境におきましては、新型コロナウイルス感染症対策の影響で、当社の主要顧客である中国パネルメーカーの生産停滞や、新たな生産ラインの立上げ時期延伸の影響を受けました。一方、半導体市場におきましては、次世代通信規格(5G)やIoT、AIに伴う情報通信技術の用途の広がりを背景とした投資が行われており、引き続き成長が見込まれております。
このような状況のもと、当社グループの当連結会計年度の受注金額は11,656百万円(前年同期比15.7%減)、受注残高は11,930百万円(前年同期比19.4%減)となりました。
当社グループの当連結会計年度の連結業績は、売上高14,521百万円(前年同期比28.3%減)、営業利益468百万円(前年同期比64.3%減)、経常利益396百万円(前年同期比68.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は291百万円(前年同期比63.2%減)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① IJPソリューション事業
新しいプロセスであります量子ドットディスプレイ製造ラインや、IJPを応用した新規デバイスの開発が進
んでおり試作機の導入が始まりました。また、医療機器分野におきましても、IJP技術を応用した試作機の導
入に向けた動きが進んでおります。この結果、次世代プレミアム・ディスプレイ向け製造装置並びにIJP技術
を応用した設備の投資が増加し、受注金額は2,066百万円(前年同期比243.8%増)となりました。
売上高につきましては、市場の需給バランス調整の影響を受け558百万円(前年同期比76.5%減)となりました。
また、本事業におきましては当連結会計年度に受注損失引当金183百万円を計上しております。今後量産が見込ま
れている新たな装置への取り組みに対し初期検討及び手直しなどの費用が嵩み損失が見込まれることから、将来
発生費用を見積もり損失に見合う引当金を計上しております。これらの結果、セグメント利益は139百万円の損失
となりました。
② 半導体関連事業
次世代通信規格(5G)対応のためのスマートフォン向け高性能プロセッサの需要増や基地局・データセンター
の増加に向けた投資が活発に行われており、半導体関連の市場は拡大基調にあります。またIoT、AIに伴う
情報通信技術の用途の広がりや、在宅勤務やオンライン授業の増加等による需要の高まりもあり、今後も成長が
見込まれております。
このような状況のもと、当社のはんだボールマウンタ装置の受注、売上とも大きく伸び、受注金額は3,481百万
円(前年同期比293.6%増)、売上高は1,657百万円(前年同期比158.2%増)、セグメント利益は353百万円(前年同期
比113.3%増)となりました。
③ LCD事業
新型コロナウイルス感染症対策による新たな生産ライン立上げ時期延伸の影響を受け、複数の大型投資案件の
立上げが翌期に先送りとなりました。また新規の投資案件に加えて、既存設備の性能向上や維持更新投資につい
ても投資時期の延期や投資を抑制する動きに影響を受けました。
このような状況のもと、受注金額は6,109百万円(前年同期比50.5%減)、売上高は12,304百万円(前年同期比
28.6%減)となりました。また、本事業におきましては当連結会計年度に受注損失引当金36百万円を計上しており
ます。コロナウイルス対策による渡航後の隔離制限期間費用並びに外部委託作業費の増加などにより損失が見込
まれることから、将来発生費用を見積もり損失に見合う引当金を計上しております。これらの結果、セグメント
利益は1,088百万円(対前期比25.7%減)となりました。
第5期第3四半期連結累計期間(自 2020年7月1日 至 2021年3月31日)
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、コロナ禍の中、足下においてワクチンの普及による景気回復の兆
しが見られるものの、変異株の流行や先進国と新興・途上国とのワクチン普及の格差等から未だ不透明な状況が続い
ております。日本国内におきましても、4月に3度目の緊急事態宣言が発令されるなど新型コロナウイルスの感染収
束が見えず、景気の下振れが懸念される状況にあります。
一方、当社グループの事業環境については、フラットパネル・ディスプレイ(FPD)市場、半導体関連市場とも
に回復基調が続いております。FPD市場においては巣ごもり需要によりパネル需給が改善し、半導体関連市場にお
いては次世代通信規格(5G)対応により需要が増加しています。
このような状況のもと、当第3四半期連結累計期間の当社グループの受注金額は10,924百万円、受注残高は11,615
百万円となりました。
当社グループの当第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高は11,239百万円、営業利益は193百万円、経常利益
は135百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は93百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① IJPソリューション事業
中国メーカーが10.5世代の大型LCD投資により競争力を強化する中、韓国や台湾のメーカーは次世代パネル
の開発やパネルの高付加価値化・高機能化による差別化を図っています。当社は微細塗布などの技術を活かした
インクジェット装置の開発により、有機ELディスプレイや量子ドットディスプレイなど次世代プレミアム・
ディスプレイの開発に顧客と協同で取り組んでおります。また、インクジェット技術によるローコスト・プロセ
ス実現を通じ、従来のFPDや半導体関連以外の分野への取り組みも行っております。
このような状況のもと、当セグメントの当第3四半期連結累計期間の売上高は2,011百万円と大幅な増収となり
ましたが、セグメント利益は新技術・新製品の開発により初期費用が嵩んだため、7百万円に止まりました。
② 半導体関連事業
5G対応のためのスマートフォン向け高性能プロセッサの需要増、基地局・データセンターの活発な投資、テ
レワークや巣ごもり需要の増加等から、半導体の需要は拡大基調にあります。米中対立や新型コロナウイルスの
感染等先行きに不透明感がありますが、半導体は今後も堅調な需要が続くものと思われます。
こうした中、当社のはんだボールマウンタ装置の売上は好調に推移し、当セグメントの当第3四半期連結累計
期間の売上高は1,586百万円、セグメント利益は325百万円となりました。
③ LCD事業
新型コロナウイルスの影響による巣ごもり需要で世界的にパネル需要は高まっており、韓国ではLCD製造ラ
インの停止が延期され、更に中国ではLCD製造ライン増設の動きも出て来ています。反面、この需給ひっ迫が
顧客の生産優先、設備の維持更新投資先送りへと繋がっており、当社LCS(既納製品の維持更新やメンテナン
ス)の売上が抑制される結果となりました。
このような状況のもと、当セグメントの当第3四半期連結累計期間の売上高は7,642百万円、セグメント利益は
491百万円となりました。
第4期連結会計年度(自 2019年7月1日 至 2020年6月30日)
当連結会計年度の流動資産は、前連結会計年度末に比べ545百万円減少し、17,883百万円となりました。主として、棚卸資産389百万円、未収入金276百万円の増加、現金及び預金517百万円、売上債権684百万円それぞれの減少によるものであります。
有形固定資産は、前連結会計年度末から468百万円増加し、1,855百万円となりました。
無形固定資産は、前連結会計年度末から34百万円減少し、84百万円となりました。
投資その他の資産は、前連結会計年度末から24百万円増加し、225百万円となりました。
これらの結果、総資産は、前連結会計年度末から87百万円減少し、20,049百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ356百万円減少し、12,673百万円となりました。主として、短期借入金2,500百万円の増加、並びに、仕入債務1,053百万円、未払法人税等175百万円、前受金1,563百万円それぞれの減少によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ6百万円増加し、649百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ262百万円増加し、6,727百万円となりました。主として、親会社株主に帰属する当期純利益291百万円を計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は33.5%となりました。
第5期第3四半期連結累計期間(自 2020年7月1日 至 2021年3月31日)
当第3四半期連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ3,147百万円減少し、14,736百万円となりまし
た。主な内容は、売上債権946百万円、棚卸資産1,758百万円それぞれの減少によるものであります。
有形固定資産は、前連結会計年度末から315百万円増加し、2,171百万円となりました。
無形固定資産は、前連結会計年度末から27百万円減少し、56百万円となりました。
投資その他の資産は、前連結会計年度末から27百万円減少し、198百万円となりました。
これらの結果、総資産は、前連結会計年度末から2,886百万円減少し、17,163百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ3,010百万円減少し、9,662百万円となりました。主として、仕入債務1,003百
万円、前受金1,533百万円それぞれの減少によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ6百万円減少し、642百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ131百万円増加し、6,858百万円となりました。主として、親会社株主に帰属す
る四半期純利益93百万円を計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は39.9%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
第4期連結会計年度(自 2019年7月1日 至 2020年6月30日)
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ517百万円減少し、2,471百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、2,389百万円(前年同期は2,246百万円の使用)となりました。資金の取得は、主に売上債権の減少682百万円によります。また資金の使用は、主に仕入債務の減少1,052百万円、前受金の減少1,563百万円、法人税等の支払額320百万円によります。
前連結会計年度並びに当連結会計年度における営業キャッシュ・フローのマイナス要因は、主として顧客の国や地域における契約慣行に起因するものです。売上債権の回収につきましては、当社グループの関係部署及び代理店等で連携し早期回収の実現に向け取り組んでまいります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、603百万円(前年同期は231百万円の使用)となりました。資金の使用は、主に有形固定資産の取得による支出603百万円によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果取得した資金は、2,489百万円(前年同期は1,289百万円の取得)となりました。資金の取得は、主に短期借入金の増加2,500百万円によります。
(3) 受注実績
第4期連結会計年度及び第5期第3四半期連結累計期間におけるセグメントごとの受注実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 第4期連結会計年度 (自 2019年7月1日 至 2020年6月30日) | 第5期第3四半期連結累計期間 (自 2020年7月1日 至 2021年3月31日) | ||||
受注高 (千円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (千円) | 前年同期比 (%) | 受注高 (千円) | 受注残高 (千円) | |
IJPソリューション事業 | 2,066,378 | 243.8 | 2,024,924 | 291.3 | 1,551,458 | 1,565,254 |
半導体関連事業 | 3,481,046 | 293.6 | 2,491,212 | 273.0 | 3,309,062 | 4,213,878 |
LCD事業 | 6,109,237 | △50.5 | 7,414,025 | △45.5 | 6,064,027 | 5,835,877 |
合計 | 11,656,663 | △15.7 | 11,930,162 | △19.4 | 10,924,548 | 11,615,010 |
(注) 1.セグメント間取引はありません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4) 販売実績
第4期連結会計年度及び第5期第3四半期連結累計期間におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 第4期連結会計年度 (自 2019年7月1日 至 2020年6月30日) | 第5期第3四半期連結累計期間 (自 2020年7月1日 至 2021年3月31日) | |
金額(千円) | 前年同期比(%) | 金額(千円) | |
IJPソリューション事業 | 558,951 | △76.5 | 2,011,127 |
半導体関連事業 | 1,657,650 | 158.2 | 1,586,397 |
LCD事業 | 12,304,722 | △28.6 | 7,642,174 |
合計 | 14,521,324 | △28.3 | 11,239,700 |
(注) 1.セグメント間取引はありません。
2.最近2連結会計年度及び第5期第3四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 | 第3期連結会計年度 (自 2018年7月1日 至 2019年6月30日) | 第4期連結会計年度 (自 2019年7月1日 至 2020年6月30日) | 第5期第3四半期 連結累計期間 (自 2020年7月1日 至 2021年3月31日) | |||
金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
Wuhan BOE Optoelectronics Technology Co.,Ltd. | - | - | 2,985,500 | 20.6 | 3,085,500 | 27.5 |
Shenzhen China Star Optoelectronics Semiconductor Display Technology Co.,Ltd. | 3,053,650 | 15.1 | 1,546,800 | 10.7 | 1,546,800 | 13.8 |
Changsha HKC Optoelectronics Co.,Ltd. | - | - | - | - | 1,194,000 | 10.6 |
TITAN-SEMI Co.,Ltd. | - | - | - | - | 1,169,387 | 10.4 |
Chuzhou HKC Optoelectronics Technology Co.,Ltd. | 2,099,250 | 10.4 | - | - | - | - |
HannStar Display Corporation | - | - | 2,093,480 | 14.4 | - | - |
SAKAI SIO International GuangZhou Co.,Ltd. | 3,021,400 | 14.9 | 2,069,600 | 14.3 | - | - |
InnoLux Corporation | - | - | 1,976,527 | 13.6 | - | - |
株式会社 日立ハイテク | 2,809,881 | 13.9 | - | - | - | - |
3.第3期連結会計年度のWuhan BOE Optoelectronics Technology Co.,Ltd.、Changsha HKC Optoelectronics Co.,Ltd.、TITAN-SEMI Co.,Ltd.、HannStar Display Corporation、InnoLux Corporationにつきましては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
第4期連結会計年度のChangsha HKC Optoelectronics Co.,Ltd.、TITAN-SEMI Co.,Ltd.、Chuzhou HKC Optoelectronics Technology Co.,Ltd.、株式会社 日立ハイテクにつきましても、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
第5期第3四半期連結累計期間のChuzhou HKC Optoelectronics Technology Co.,Ltd.、HannStar Display Corporation、SAKAI SIO International GuangZhou Co.,Ltd.、InnoLux Corporation、株式会社 日立ハイテクにつきましては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第4期連結会計年度(自 2019年7月1日 至 2020年6月30日)
新型コロナウイルス感染症対策の影響で、中国のパネルメーカーにおきましては、生産の一時停止及び生産ライン立ち上げ時期の延期や投資の抑制などが行われ、当社グループの業績に大きな影響がありました。一方、半導体市場におきましては、次世代通信規格(5G)を始めとする情報通信技術の広がりを背景とした投資が行われており、明るさが見えて来ております。これらの背景の中、当社グループの売上高は14,521百万円(前年同期比28.3%減)、となりました。営業利益率におきましては、3.2%(前年同期比3.3ポイント減)となりました。
事業を取り巻く環境につきましては、市場を牽引してきた中国における大型パネル向け10.5世代基板の投資が一段落し、有機ELディスプレイを始めとする次世代プレミアム・ディスプレイや既存設備への改造等の投資が見込まれております。当社グループにおきましては、「IJP技術を利用した新たなソリューションの提供」、「高性能化が進む半導体パッケージへの展開と対応範囲の拡大」、「LCS(ライフサイクルサポート)活動を通じた顧客のサポート」、更には「事業環境の変動に耐える強い体質作り」を重点課題として取り組み、更なる経営体質の強化を図ってまいります。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益に対応しております。
・IJPソリューション事業
当セグメントの当連結会計年度における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前年同期比76.5%減少の558百万円となりました。セグメント利益については、受注損失引当金183百万円の計上を主たる要因として、139百万円の損失となりました。当セグメントにおきましては、これから成長が見込まれる薄膜分野に向けて、IJP技術や、ナノインプリント(NIP)技術の研究開発並びにローコスト・プロセスによる薄膜形成システムの提案を行い、新たな分野の成長を積極的に図ってまいります。
・半導体関連事業
当セグメントの当連結会計年度における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前年同期比158.2%増加の1,657百万円となりました。セグメント利益については、前年同期比113.3%増加の353百万円、利益率については前連結会計年度から4.5ポイント低下し、21.3%となりました。これは、製品の大型化に伴う費用の増加によるものであります。
・LCD事業
当セグメントの当連結会計年度における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前年同期比28.6%減少の12,304百万円となりました。セグメント利益については、前年同期比25.7%減少の1,088百万円、利益率については前連結会計年度から0.3ポイント改善し、8.8%となりました。
第5期第3四半期連結累計期間(自 2020年7月1日 至 2021年3月31日)
新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中、テレワークや巣ごもり需要の増大によりFPD(フラットパネル・ディスプレイ)の需給改善やテレワークなどに必要な情報通信・コミュニケーションツールのニーズが高まっております。国内外の新型コロナウイルス感染拡大により景気の下振れが懸念されている状況下ではありますが、事業を取り巻く環境は、回復基調にあります。このような状況のもと、当社グループの売上高は11,239百万円となりました。営業利益率におきましては、1.7%となりました。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益に対応しております。
・IJPソリューション事業
当セグメントの当第3四半期連結累計期間における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。当セグメントの当第3四半期連結累計期間における売上高は2,011百万円となりました。セグメント利益は、今後量産が見込まれている新たな装置への取り組みにより初期費用が嵩んだため7百万円となりました。利益率については0.4%となりました。
・半導体関連事業
当セグメントの当第3四半期連結累計期間における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。今後も堅調な需要が見込まれている市場環境の中、当セグメントの当第3四半期連結累計期間における売上高は1,586百万円、セグメント利益は325百万円となりました。利益率については20.5%となりました。
・LCD事業
当セグメントの当第3四半期連結累計期間における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。FPD需給が改善の中、当セグメントの当第3四半期連結累計期間における売上高は7,642百万円、セグメント利益は491百万円となりました。利益率については6.4%となりました。
②資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの事業活動における主な資金需要は、部品の仕入代金、製品の製作代金、販売費及び一般管理費等の費用及び設備投資資金であります。上記運転資金につきましては、内部資金、銀行からの借入及び売上債権の回収により調達を行うことを基本としております。日常的な手元流動性は金利費用削減のため必要最小限の残高で運用しておりますが、取引銀行とコミットメントライン契約(極度額4,180百万円)、当座貸越契約(極度額5,400百万円)を締結しており、資金の流動性は確保されております。なお今後につきましては、安定的な内部留保の蓄積等により財政状態の健全化を図るとともに、資本効率を高めてまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計基準に基づき作成しております。
この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益、費用及びキャッシュ・フローの報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。
当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
イ.貸倒引当金の計上基準
当社グループは、債権の貸倒に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債
権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
顧客の財政状態が悪化し、支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性が
あります。
ロ.たな卸資産の評価基準
当社グループは、原材料は最終仕入原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算
定)、製品・仕掛品は個別法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により
算定)、半製品のうち保守部品は移動平均法による原価法、それ以外は個別法による原価法(貸借対照表価額は
収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)を採用しております。
将来における実際の需要または市況が見積りより悪化した場合には、評価損の追加計上が必要となる可能性が
あります。
ハ.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性について、課税所得の額を合理的に見積ることにより判断してお
ります。
将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、繰延税金資産及び法人税等調整
額の金額に影響を与える可能性があります。
ニ.固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グルー
プから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収
可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性があ
ります。
ホ.退職給付債務の算定
当社の退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率等
に基づき算定されております。
将来の不確実な経済条件の変動等により割引率及び期待運用収益率等の見直しが必要となった場合、退職給付
に係る負債及び退職給付費用の金額に影響を与える可能性があります。