有価証券報告書-第103期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概況並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りである。
(1)経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢の改善など緩やかな回復基調で推移し、個人消費も海外経済や金融資本市場の先行きが不透明な中緩やかな持ち直しの動きが続いた。
世界経済(連結対象期間1-12月)については、米国では雇用・所得環境の底堅さにより個人消費が着実に回復するなど、景気に力強さがみられた。欧州では雇用環境の改善を背景とした個人消費の増加により緩やかな景気の回復が持続した。アジアでは中国において、政府の政策効果により景気は下支えされた。
当社および当社グループにおいては、水産事業では南米の鮭鱒養殖事業が好調に推移した。一方、食品事業では原材料や物流費の上昇など事業環境に変化の兆しが見られ、ファイン事業では先行投資による費用が増加した。
このような状況下で当連結会計年度の営業成績は、売上高は6,830億8百万円(前期比470億54百万円増)、営業利益は234億89百万円(前期比8億42百万円増)、経常利益は248億40百万円(前期比44百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は173億34百万円(前期比31億18百万円増)となった。
当連結会計年度は、中期経営計画「MVIP2017」(平成27年度~29年度)の最終年度であり、中期経営計画「MVIP2017」の目標(以下、KPIという。)である「連結売上高6,800億円以上 連結営業利益230億円以上」を達成した。
(単位:百万円)
セグメント別の経営成績は次のとおりである。
(単位:百万円)
(注)水産事業の営業利益には、南米の鮭鱒養殖事業における在池魚評価損133百万円(前期在池魚評価益560百万円)が含まれている。
① 水産事業
水産事業については、漁撈事業、養殖事業、加工・商事事業を営んでいる。
<当連結会計年度の概況>水産事業では売上高は2,869億91百万円(前期比211億22百万円増)となり、営業利益は102億89百万円(前期比23億39百万円増)となった。
漁撈事業:前期比で減収、減益
<日本>・さばやあじ等の漁獲減に加え、修繕費や新船の償却費の増加などもあり減収・減益となった。
<南米>・ほきなどの漁獲が低調となり、減収・減益となった。
養殖事業:前期比で増収、増益
<日本>・主力のまぐろ、ぶり、鮭鱒の販売数量の拡大により増収となった。価格においては、まぐろは下落したものの、ぶりや鮭鱒では上昇し増益となった。
<南米>・鮭鱒は、販売価格の上昇に加え養殖成績も良好であったことから大幅な増収・増益となった。
加工・商事事業:前期比で増収、減益
<日本>・ぶりの販売は好調に推移したものの、飼料油飼のコスト増加や鮭鱒の仕入価格の上昇などにより減益となっ た。
<北米>・助子の増収に加え、労務コスト削減効果もあり増益となった。
<ヨーロッパ>・新規ビジネスへの取り組みや販売エリアの拡大などで販売が順調に推移したことに加え、為替の影響もあり増収・増益となった。
② 食品事業
食品事業については、加工事業およびチルド事業を営んでいる。
<当連結会計年度の概況>食品事業では売上高は3,277億4百万円(前期比232億16百万円増)となり、営業利益は107億35百万円(前期比3億76百万円減)となった。
加工事業:前期比で増収、減益
<日本>・冷凍食品の米飯商品や冷凍野菜の販売が順調に推移したが、一部の商品では水産原料の不足による影響があった。一方、コストについては販売経費や物流費の増加に加え原料高騰もあり、減益となった。
<北米>・業務用冷凍食品は主原料コストが上昇したが、家庭用冷凍食品の販管費の見直しなどもあり、増益となった。<ヨーロッパ>・原材料費の上昇があったが、既存カテゴリーの順調な販売に加え、成長カテゴリーへの取り組みが寄与し、増収・増益となった。
チルド事業:前期比で増収、減益
<日本>・コンビニエンスストア業界再編などにより、惣菜類・調理麺を中心に販売が伸長したが、生産コストの増加による影響もあり前期並みの利益となった。
③ ファイン事業
ファイン事業については、医薬原料、機能性原料(注1)、機能性食品(注2)、および医薬品、診断薬の生産・販売を行っている。
<当連結会計年度の概況>ファイン事業では売上高は258億66百万円(前期比69百万円増)となり、営業利益は20億86百万円(前期比18億90百万円減)となった。
<医薬原料、機能性原料、機能性食品>・医薬原料の鹿島医薬品工場新設に関連する減価償却費などのコスト増加や、機能性食品の販売拡大に向けた広告宣伝費の投入などもあり減益となった。
<臨床診断薬、産業検査薬、医薬品、化粧品>・診断薬などにおいて販売が順調に推移したものの、製造原価などのコストが上昇し減益となった。
④ 物流事業
物流事業については、冷蔵倉庫事業、配送事業、通関事業を営んでいる。
<当連結会計年度の概況>物流事業では売上高は163億61百万円(前期比3億79百万円増)となり、営業利益は19億31百万円(前期比1億32百万円増)となった。
・大阪舞洲物流センターの増収に加え、既存冷蔵庫も入庫量が前年を上回るなど堅調に推移し増収・増益となった。
(注1)主に食品素材や化粧品素材向けとなるEPA・DHA、コレステロール、オレンジラフィー油など。
(注2)特定保健用食品「イマークS」やEPA・DHAなどのサプリメント。
その他
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は前期比409億24百万円増の5,422億96百万円となった。販売費及び一般管理費は、発送費が16億78百万円、広告宣伝費が12億59百万円増加したため、前期比52億87百万円増の1,172億22百万円となった。
(営業外収益・営業外費用)
営業外収益は前期比23億38百万円減の36億30百万円となった。これは主として持分法による投資利益が16億35百万円減少、投資有価証券売却益が8億32百万円減少したことなどによるものである。
営業外費用は前期14億51百万円減の22億78百万円となった。これは主として投資有価証券売却損が8億80百万円減少、支払利息が1億59百万円減少したことなどによるものである。
(特別利益・特別損失)
特別利益は前期比43億76百万円増の53億30百万円となった。これは主として投資有価証券売却益が43億36百万円増加したことなどによるものである。
特別損失は前期比25億70百万円増の38億80百万円となった。これは主として減損損失が19億65百万円増加し、災害による損失が2億91百万円増加したことなどによるものである。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は前期比31億18百万円増の173億34百万円となり、前期の1株当たり当期純利益48円02銭に対し、55円65銭になった。
生産、受注及び販売の実績は、次の通りである。
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次の通りである。
(注) 1 金額は、販売価格による。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていない
②受注実績
受注生産は行っていない。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次の通りである。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去している。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2)財政状態
流動資産は前期比240億51百万円増の2,571億38百万円、固定資産は86億94百万円増の2,274億83百万円、総資産は前期比327億45百万円増の4,846億22百万円となった。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて10.3%増加し、2,571億38百万円となった。これは受取手形及び売掛金が94億74百万円増加し、商品及び製品が72億93百万円増加したことなどによる。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて4.0%増加し、2,274億83百万円となった。これは有形固定資産が91億52百万円増加したことなどによる。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて7.2%増加し、4,846億22百万円となった。
流動負債は前期比33億67百万円減の2,128億69百万円、固定負債は202億12百万円増の1,146億46百万円、負債は前期比168億44百万円増の3,275億15百万円となった。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて1.6%減少し、2,128億69百万円となった。これは短期借入金が233億82百万円減少し、支払手形及び買掛金が100億46百万円増加したことなどによる。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて21.4%増加し、1,146億46百万円となった。これは長期借入金が194億97百万円増加し、退職給付に係る負債が25億1百万円減少したことなどによる。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて5.4%増加し3,275億15百万円となった。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて159億円増加し、1,571億6百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益を173億34百万円計上したこと、為替換算調整勘定が17億9百万円増加したことなどによる。
以上により当連結会計年度末のROAは4.0%、自己資本比率は28.4%になり、中期経営計画「MVIP2017」のKPIである「ROA 3.5%以上、自己資本比率 25.0%以上」を達成した。
(3)キャッシュ・フロー
現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比8億62百万円減少し、243億18百万円となった。
営業活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益262億90百万円(前期比17億61百万円増)、減価償却費176億97百万円(前期比13億42百万円増)、売上債権の増加76億3百万円(前期比18億58百万円増)、たな卸資産の増加106億42百万円(前期比93億42百万円増)、仕入債務の増加84億63百万円(前期比65億16百万円増)、未払費用の増加38億45百万円(前期比11億42百万円増)などの結果、285億4百万円の収入(前期比16億74百万円収入減)となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、日本クッカリー㈱における製造設備の取得及び当社の鹿島医薬品工場への投資などの有形固定資産の取得による支出269億76百万円(前期比35億28百万円増)、投資有価証券の売却による収入66億62百万円(前期比88億74百万円減)などにより、217億42百万円の支出(前期比142億96百万円支出増)となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入352億19百万円(前期比224億19百万円増)、長期借入金の返済による支出379億78百万円(前期比46億82百万円増)などにより、79億50百万円の支出(前期比35億67百万円支出減)となった。
(資本の財源及び資金の流動性についての分析)
中期経営計画MVIP2017では、当該3年間で営業キャッシュフローを850億円創出し、設備投資670億円、株主還元24億円、有利子負債の返済等に156億円を充てることを計画していた。
当連結会計年度を含む3年間で営業キャッシュフローを960億円創出したことに加え、平成28年度に公募増資139億円を実施し、設備投資727億円、株主還元53億円、有利子負債の返済等318億円に充当した。
(4) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りを行っており、貸倒引当金、たな卸資産、有価証券、退職給付に係る負債、法人税等などに関する見積り及び判断に対して継続的に評価を行っている。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの結果と異なる可能性がある。
(5) 今後の方針について
当社は、平成30年度より、新たに策定した新中期経営計画「MVIP+(プラス)2020」を推進する。取組みの詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載している。なお、新中期経営計画「MVIP+(プラス)2020」は有価証券報告書提出日現在において入手可能な情報に基づき作成したものである。
(1)経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢の改善など緩やかな回復基調で推移し、個人消費も海外経済や金融資本市場の先行きが不透明な中緩やかな持ち直しの動きが続いた。
世界経済(連結対象期間1-12月)については、米国では雇用・所得環境の底堅さにより個人消費が着実に回復するなど、景気に力強さがみられた。欧州では雇用環境の改善を背景とした個人消費の増加により緩やかな景気の回復が持続した。アジアでは中国において、政府の政策効果により景気は下支えされた。
当社および当社グループにおいては、水産事業では南米の鮭鱒養殖事業が好調に推移した。一方、食品事業では原材料や物流費の上昇など事業環境に変化の兆しが見られ、ファイン事業では先行投資による費用が増加した。
このような状況下で当連結会計年度の営業成績は、売上高は6,830億8百万円(前期比470億54百万円増)、営業利益は234億89百万円(前期比8億42百万円増)、経常利益は248億40百万円(前期比44百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は173億34百万円(前期比31億18百万円増)となった。
当連結会計年度は、中期経営計画「MVIP2017」(平成27年度~29年度)の最終年度であり、中期経営計画「MVIP2017」の目標(以下、KPIという。)である「連結売上高6,800億円以上 連結営業利益230億円以上」を達成した。
(単位:百万円)
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する 当期純利益 | |||||
平成30年 3月期 | 683,008 | 23,489 | 24,840 | 17,334 | ||||
平成29年 3月期 | 635,953 | 22,646 | 24,884 | 14,216 | ||||
前期増減 | 47,054 | 842 | △44 | 3,118 | ||||
前期比 | 107.4 | % | 103.7 | % | 99.8 | % | 121.9 | % |
セグメント別の経営成績は次のとおりである。
(単位:百万円)
売上高 | 前期増減 | 前期比 | 営業利益 | 前期増減 | 前期比 | |||
水産事業 | 286,991 | 21,122 | 107.9 | % | 10,289 | 2,339 | 129.4 | % |
食品事業 | 327,704 | 23,216 | 107.6 | % | 10,735 | △376 | 96.6 | % |
ファイン事業 | 25,866 | 69 | 100.3 | % | 2,086 | △1,890 | 52.5 | % |
物流事業 | 16,361 | 379 | 102.4 | % | 1,931 | 132 | 107.4 | % |
その他 | 26,084 | 2,266 | 109.5 | % | 1,263 | 628 | 198.9 | % |
全社経費 | - | - | - | % | △2,817 | 9 | 99.7 | % |
合計 | 683,008 | 47,054 | 107.4 | % | 23,489 | 842 | 103.7 | % |
(注)水産事業の営業利益には、南米の鮭鱒養殖事業における在池魚評価損133百万円(前期在池魚評価益560百万円)が含まれている。
① 水産事業
水産事業については、漁撈事業、養殖事業、加工・商事事業を営んでいる。
<当連結会計年度の概況>水産事業では売上高は2,869億91百万円(前期比211億22百万円増)となり、営業利益は102億89百万円(前期比23億39百万円増)となった。
漁撈事業:前期比で減収、減益
<日本>・さばやあじ等の漁獲減に加え、修繕費や新船の償却費の増加などもあり減収・減益となった。
<南米>・ほきなどの漁獲が低調となり、減収・減益となった。
養殖事業:前期比で増収、増益
<日本>・主力のまぐろ、ぶり、鮭鱒の販売数量の拡大により増収となった。価格においては、まぐろは下落したものの、ぶりや鮭鱒では上昇し増益となった。
<南米>・鮭鱒は、販売価格の上昇に加え養殖成績も良好であったことから大幅な増収・増益となった。
加工・商事事業:前期比で増収、減益
<日本>・ぶりの販売は好調に推移したものの、飼料油飼のコスト増加や鮭鱒の仕入価格の上昇などにより減益となっ た。
<北米>・助子の増収に加え、労務コスト削減効果もあり増益となった。
<ヨーロッパ>・新規ビジネスへの取り組みや販売エリアの拡大などで販売が順調に推移したことに加え、為替の影響もあり増収・増益となった。
② 食品事業
食品事業については、加工事業およびチルド事業を営んでいる。
<当連結会計年度の概況>食品事業では売上高は3,277億4百万円(前期比232億16百万円増)となり、営業利益は107億35百万円(前期比3億76百万円減)となった。
加工事業:前期比で増収、減益
<日本>・冷凍食品の米飯商品や冷凍野菜の販売が順調に推移したが、一部の商品では水産原料の不足による影響があった。一方、コストについては販売経費や物流費の増加に加え原料高騰もあり、減益となった。
<北米>・業務用冷凍食品は主原料コストが上昇したが、家庭用冷凍食品の販管費の見直しなどもあり、増益となった。<ヨーロッパ>・原材料費の上昇があったが、既存カテゴリーの順調な販売に加え、成長カテゴリーへの取り組みが寄与し、増収・増益となった。
チルド事業:前期比で増収、減益
<日本>・コンビニエンスストア業界再編などにより、惣菜類・調理麺を中心に販売が伸長したが、生産コストの増加による影響もあり前期並みの利益となった。
③ ファイン事業
ファイン事業については、医薬原料、機能性原料(注1)、機能性食品(注2)、および医薬品、診断薬の生産・販売を行っている。
<当連結会計年度の概況>ファイン事業では売上高は258億66百万円(前期比69百万円増)となり、営業利益は20億86百万円(前期比18億90百万円減)となった。
<医薬原料、機能性原料、機能性食品>・医薬原料の鹿島医薬品工場新設に関連する減価償却費などのコスト増加や、機能性食品の販売拡大に向けた広告宣伝費の投入などもあり減益となった。
<臨床診断薬、産業検査薬、医薬品、化粧品>・診断薬などにおいて販売が順調に推移したものの、製造原価などのコストが上昇し減益となった。
④ 物流事業
物流事業については、冷蔵倉庫事業、配送事業、通関事業を営んでいる。
<当連結会計年度の概況>物流事業では売上高は163億61百万円(前期比3億79百万円増)となり、営業利益は19億31百万円(前期比1億32百万円増)となった。
・大阪舞洲物流センターの増収に加え、既存冷蔵庫も入庫量が前年を上回るなど堅調に推移し増収・増益となった。
(注1)主に食品素材や化粧品素材向けとなるEPA・DHA、コレステロール、オレンジラフィー油など。
(注2)特定保健用食品「イマークS」やEPA・DHAなどのサプリメント。
その他
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は前期比409億24百万円増の5,422億96百万円となった。販売費及び一般管理費は、発送費が16億78百万円、広告宣伝費が12億59百万円増加したため、前期比52億87百万円増の1,172億22百万円となった。
(営業外収益・営業外費用)
営業外収益は前期比23億38百万円減の36億30百万円となった。これは主として持分法による投資利益が16億35百万円減少、投資有価証券売却益が8億32百万円減少したことなどによるものである。
営業外費用は前期14億51百万円減の22億78百万円となった。これは主として投資有価証券売却損が8億80百万円減少、支払利息が1億59百万円減少したことなどによるものである。
(特別利益・特別損失)
特別利益は前期比43億76百万円増の53億30百万円となった。これは主として投資有価証券売却益が43億36百万円増加したことなどによるものである。
特別損失は前期比25億70百万円増の38億80百万円となった。これは主として減損損失が19億65百万円増加し、災害による損失が2億91百万円増加したことなどによるものである。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は前期比31億18百万円増の173億34百万円となり、前期の1株当たり当期純利益48円02銭に対し、55円65銭になった。
生産、受注及び販売の実績は、次の通りである。
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次の通りである。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
水産事業 | 106,823 | 1.9 |
食品事業 | 286,290 | 6.0 |
ファイン事業 | 19,689 | △5.1 |
合計 | 412,803 | 4.3 |
(注) 1 金額は、販売価格による。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていない
②受注実績
受注生産は行っていない。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次の通りである。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
水産事業 | 286,991 | 7.9 |
食品事業 | 327,704 | 7.6 |
ファイン事業 | 25,866 | 0.3 |
物流事業 | 16,361 | 2.4 |
その他 | 26,084 | 9.5 |
合計 | 683,008 | 7.4 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去している。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
三菱食品株式会社 | 75,452 | 11.9 | 80,998 | 11.9 |
(2)財政状態
流動資産は前期比240億51百万円増の2,571億38百万円、固定資産は86億94百万円増の2,274億83百万円、総資産は前期比327億45百万円増の4,846億22百万円となった。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて10.3%増加し、2,571億38百万円となった。これは受取手形及び売掛金が94億74百万円増加し、商品及び製品が72億93百万円増加したことなどによる。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて4.0%増加し、2,274億83百万円となった。これは有形固定資産が91億52百万円増加したことなどによる。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて7.2%増加し、4,846億22百万円となった。
流動負債は前期比33億67百万円減の2,128億69百万円、固定負債は202億12百万円増の1,146億46百万円、負債は前期比168億44百万円増の3,275億15百万円となった。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて1.6%減少し、2,128億69百万円となった。これは短期借入金が233億82百万円減少し、支払手形及び買掛金が100億46百万円増加したことなどによる。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて21.4%増加し、1,146億46百万円となった。これは長期借入金が194億97百万円増加し、退職給付に係る負債が25億1百万円減少したことなどによる。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて5.4%増加し3,275億15百万円となった。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて159億円増加し、1,571億6百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益を173億34百万円計上したこと、為替換算調整勘定が17億9百万円増加したことなどによる。
以上により当連結会計年度末のROAは4.0%、自己資本比率は28.4%になり、中期経営計画「MVIP2017」のKPIである「ROA 3.5%以上、自己資本比率 25.0%以上」を達成した。
(3)キャッシュ・フロー
現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比8億62百万円減少し、243億18百万円となった。
営業活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益262億90百万円(前期比17億61百万円増)、減価償却費176億97百万円(前期比13億42百万円増)、売上債権の増加76億3百万円(前期比18億58百万円増)、たな卸資産の増加106億42百万円(前期比93億42百万円増)、仕入債務の増加84億63百万円(前期比65億16百万円増)、未払費用の増加38億45百万円(前期比11億42百万円増)などの結果、285億4百万円の収入(前期比16億74百万円収入減)となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、日本クッカリー㈱における製造設備の取得及び当社の鹿島医薬品工場への投資などの有形固定資産の取得による支出269億76百万円(前期比35億28百万円増)、投資有価証券の売却による収入66億62百万円(前期比88億74百万円減)などにより、217億42百万円の支出(前期比142億96百万円支出増)となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入352億19百万円(前期比224億19百万円増)、長期借入金の返済による支出379億78百万円(前期比46億82百万円増)などにより、79億50百万円の支出(前期比35億67百万円支出減)となった。
(資本の財源及び資金の流動性についての分析)
中期経営計画MVIP2017では、当該3年間で営業キャッシュフローを850億円創出し、設備投資670億円、株主還元24億円、有利子負債の返済等に156億円を充てることを計画していた。
当連結会計年度を含む3年間で営業キャッシュフローを960億円創出したことに加え、平成28年度に公募増資139億円を実施し、設備投資727億円、株主還元53億円、有利子負債の返済等318億円に充当した。
(4) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りを行っており、貸倒引当金、たな卸資産、有価証券、退職給付に係る負債、法人税等などに関する見積り及び判断に対して継続的に評価を行っている。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの結果と異なる可能性がある。
(5) 今後の方針について
当社は、平成30年度より、新たに策定した新中期経営計画「MVIP+(プラス)2020」を推進する。取組みの詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載している。なお、新中期経営計画「MVIP+(プラス)2020」は有価証券報告書提出日現在において入手可能な情報に基づき作成したものである。