四半期報告書-第104期第2四半期(平成30年7月1日-平成30年9月30日)

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2018/11/13 9:01
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【項目】
36項目
(1)経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、堅調な企業収益を背景に設備投資の緩やかな増加に加え、雇用情勢や所得環境の改善が見られた。世界経済(連結対象期間1-6月)については、米国の保護主義的な政策の影響等が懸念される中、米国では個人消費や設備投資が増加するなど良好に推移した。また、欧州では失業率の低下や個人消費の増加傾向が続くなど、景気は緩やかに回復した。
当社および当社グループにおいては、北米や欧州は順調に推移したが、水産事業の南米鮭鱒養殖事業において前年の稚魚の斃死の影響に加え、一部主要魚種の販売価格の下落などもあり厳しい事業環境となった。
このような状況下で当第2四半期連結累計期間の営業成績は、売上高は3,504億83百万円(前年同期比193億66百万円増)、営業利益は105億60百万円(前年同期比24億8百万円減)、経常利益は119億52百万円(前年同期比13億6百万円減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は69億19百万円(前年同期比23億76百万円減)となった。
なお、第1四半期連結会計期間より、在外子会社等の収益及び費用については、各社の決算日の直物為替相場により円貨に換算する方法から、期中平均為替相場により円貨に換算する方法に変更したため、遡及適用後の数値で前四半期連結累計期間との比較を行っている。また、第1四半期連結会計期間より、セグメント別の経営成績をより適切に把握するため、セグメントに帰属する販売費及び一般管理費の配賦基準を見直している。
(単位:百万円)
売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属
する四半期純利益
平成31年3月期
第2四半期
350,48310,56011,9526,919
平成30年3月期
第2四半期
331,11712,96913,2589,296
前年同期増減19,366△2,408△1,306△2,376
前年同期比105.8%81.4%90.1%74.4%

セグメント別の概況は次の通りである。
(単位:百万円)
売上高前年同期増減前年同期比営業利益前年同期増減前年同期比
水産事業139,7743,350102.5%3,765△2,67558.5%
食品事業172,98810,317106.3%7,246△5199.3%
ファイン事業12,853148101.2%1,165197120.4%
物流事業8,365157101.9%925△6593.4%
その他16,5005,392148.5%61624104.1%
全社経費---△3,15816195.1%
合計350,48319,366105.8%10,560△2,40881.4%

事業の概況は次の通りである。
①水産事業
水産事業については、漁撈事業、養殖事業、加工・商事事業を営んでいる。
<当第2四半期連結累計期間の概況>水産事業では売上高は1,397億74百万円(前年同期比33億50百万円増)となり、営業利益は37億65百万円(前年同期比26億75百万円減)となった。
漁撈事業:前年同期比で増収、増益
<日本>・かつおやさばなどの漁獲が好調だったことにより増収・増益となった。
養殖事業:前年同期比で減収、減益
<日本>・ぶりは、夏場でも品質の良い「若ぶり」(注1)の販売尾数の増加や販売価格の上昇により好調に推移したものの、まぐろの販売価格低迷に加え赤潮の被害などによる斃死の影響や、鮭鱒の生産コストの上昇などもあり減収・減益となった。
<南米>・鮭鱒は、前年の稚魚の斃死の影響により販売数量が大幅に減少したことに加え、販売価格の下落もあり減収・減益となった。
加工・商事事業:前年同期比で増収、減益
<日本>・ぶりや飼料油飼の販売は好調に推移したものの、鮭鱒の販売数量の減少や仕入価格の上昇、えびの販売価格下落などにより減益となった。
<北米>・かにの取扱い量の減少による減収もあったが、すりみや助子の販売単価上昇や労務コスト削減効果もあり増益となった。
<ヨーロッパ>・販売エリアの拡大など順調に推移したことに加え、為替の影響もあり増収・増益となった。
②食品事業
食品事業については、加工事業およびチルド事業を営んでいる。
<当第2四半期連結累計期間の概況>食品事業では売上高は1,729億88百万円(前年同期比103億17百万円増)となり、営業利益は72億46百万円(前年同期比51百万円減)となった。
加工事業:前年同期比で増収、減益
<日本>・冷凍食品は米飯や野菜の販売が順調に推移したが、魚肉ソーセージの苦戦に加え、原料価格の上昇もあり減益となった。
<北米>・為替の影響などにより減収となったが、家庭用冷凍食品のコスト削減効果もあり増益となった。
<ヨーロッパ>・マーケットの拡大を目指した生産体制の整備が進み、チルド商品を中心に大幅な増収となった。
チルド事業:前年同期比で増収、増益
<日本>・コンビニエンスストア業界の再編による供給店舗の増加に加え、米飯類や調理麺、チルド弁当の販売が伸長したことにより、増収・増益となった。
③ファイン事業
ファイン事業については、医薬原料、機能性原料(注2)、機能性食品(注3)、および医薬品、診断薬などの生産・販売を行っている。
<当第2四半期連結累計期間の概況>ファイン事業では売上高は128億53百万円(前年同期比1億48百万円増)となり、営業利益は11億65百万円(前年同期比1億97百万円増)となった。
<医薬原料、機能性原料、機能性食品>・医薬原料は、後発品使用促進策の影響があり苦戦したが、乳児用粉ミルクに添加するDHAなどの機能性原料の販売が国内外とも堅調に推移したことに加え、特定保健用食品「イマークS」など通信販売の広告宣伝費削減もあり増収・増益となった。
<臨床診断薬、産業検査薬、医薬品>・診断薬事業において海外市場での販売が好調に推移し増収となったが、事業の見直し(化粧品事業の売却)の影響などにより減益となった。
④物流事業
物流事業については、冷蔵倉庫事業、配送事業、通関事業を営んでいる。
<当第2四半期連結累計期間の概況>物流事業では売上高は83億65百万円(前年同期比1億57百万円増)となり、営業利益は9億25百万円(前年同期比65百万円減)となった。
・営業再開した冷蔵庫の効果もあり売上は増加したものの、労務費や電力料などのコストが増加し、前年同期並みの利益となった。
(注1) 産卵時期を早めることで春から夏に旬を向かえる養殖ぶり。夏場でも品質の良いぶりの出荷が可能となっている。(「黒瀬の若ぶり」は当社が保有するブランド名。)
(注2)サプリメントの原料や乳児用粉ミルク等に添加する素材として使用されるEPA・DHAなど。
(注3)主に通信販売している特定保健用食品「イマークS」やEPA・DHAなどのサプリメント。
(2)財政状態の分析
「『税効果会計に係る会計基準」の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態に関する説明については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っている。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて2.5%増加し、2,593億81百万円となった。これは現金及び預金が78億53百万円減少したこと、受取手形及び売掛金が58億34百万円増加したこと、商品及び製品が50億75百万円増加したことなどによる。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて1.9%増加し、2,334億39百万円となった。これは有形固定資産が13億25百万円減少したこと、投資有価証券が68億4百万円増加したことなどによる。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて2.2%増加し、4,928億20百万円となり、ROAは3.1%となった。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて2.6%増加し、2,183億10百万円となった。これは支払手形及び買掛金が69億50百万円増加したこと、短期借入金が49億40百万円増加したことなどによる。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて1.8%減少し、1,102億41百万円となった。これは長期借入金が40億12百万円減少したこと、退職給付に係る負債が5億73百万円減少したことなどによる。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて1.1%増加し、3,285億51百万円となった。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて71億62百万円増加し、1,642億69百万円となった。これは親会社株主に帰属する四半期純利益を69億19百万円計上したこと、その他有価証券評価差額金が42億4百万円増加したこと、為替換算調整勘定が29億54百万円減少したことなどによる。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比8億13百万円減少し、235億4百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前四半期純利益120億71百万円(前年同期比22億56百万円減)、減価償却費86億96百万円(前年同期比4億68百万円増)、売上債権の増加67億87百万円(前年同期比32億6百万円減)、たな卸資産の増加85億51百万円(前年同期比29億25百万円減)、仕入債務の増加75億42百万円(前年同期比8億35百万円減)などの結果、42億17百万円の収入(前年同期比2億52百万円収入増)となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得による支出87億36百万円(前年同期比29億5百万円減)、投資有価証券の取得による支出25億26百万円(前年同期比25億8百万円増)、短期貸付金の減少50億80百万円(前年同期比61億91百万円減)などにより、47億61百万円の支出(前年同期比61億52百万円支出減)となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは短期借入金の増加59億72百万円(前年同期比162億91百万円減)、長期借入れによる収入59億32百万円(前年同期比33億43百万円増)などにより1億13百万円の支出(前年同期比126億82百万円支出増)となった。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はない。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は23億30百万円である。
なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はない。