四半期報告書-第104期第1四半期(平成30年4月1日-平成30年6月30日)

【提出】
2018/08/13 9:36
【資料】
PDFをみる
【項目】
34項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものである。
(1)経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、堅調な企業収益を背景に設備投資の緩やかな増加や、雇用情勢や所得環境の改善が見られた。
世界経済(連結対象期間1-3月)については、米国の保護主義的な政策の影響等が懸念される中、米国では個人消費や設備投資が増加するなど景気回復が継続した。また、欧州では失業率の低下や個人消費の増加傾向が続くなど、景気は緩やかに回復した。
当社および当社グループについては、食品事業では海外事業やチルド事業が好調に推移し、ファイン事業ではコスト削減に取り組んだ。
このような状況下で当第1四半期連結累計期間の営業成績は、売上高は1,747億円(前年同期比117億81百万円増)、営業利益は74億81百万円(前年同期比7億40百万円増)、経常利益は82億19百万円(前年同期比12億25百万円増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は52億34百万円(前年同期比70百万円増)となった。
なお、当第1四半期連結会計期間より、在外子会社等の収益及び費用については、各社の決算日の直物為替相場により円貨に換算する方法から、期中平均為替相場により円貨に換算する方法に変更したため、遡及適用後の数値で前四半期連結累計期間との比較を行っている。また、第1四半期連結会計期間より、セグメント別の経営成績をより適切に把握するため、セグメントに帰属する販売費及び一般管理費の配賦基準を見直している。
(単位:百万円)
売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属
する四半期純利益
平成31年3月期
第1四半期
174,7007,4818,2195,234
平成30年3月期
第1四半期
162,9186,7406,9935,164
前年同期増減11,7817401,22570
前年同期比107.2%111.0%117.5%101.4%

セグメント別の概況は次の通りである。
(単位:百万円)
売上高前年同期増減前年同期比営業利益前年同期増減前年同期比
水産事業69,8703,327105.0%3,4902100.1%
食品事業86,8165,702107.0%4,064126103.2%
ファイン事業6,169177103.0%614343227.0%
物流事業4,114104102.6%421△5388.8%
その他7,7292,469146.9%347159185.0%
全社経費---%△1,45616090.1%
合計174,70011,781107.2%7,481740111.0%

(注)水産事業の営業利益には、南米の鮭鱒養殖事業における在池魚評価損251百万円(前年同期在池魚評価益698百万円)が含まれている。
(注)営業利益の前年同期の増減は、セグメントに帰属する販売費及び一般管理費の配賦基準見直しによる組み替え後の数値に基づき算出している。
事業の概況は次の通りである。
①水産事業
水産事業については、漁撈事業、養殖事業、加工・商事事業を営んでいる。
<当第1四半期連結累計期間の概況>水産事業では売上高は698億70百万円(前年同期比33億27百万円増)となり、営業利益は34億90百万円(前年同期比2百万円増)となった。
漁撈事業:前年同期比で増収、増益
<日本>・かつおなどの漁獲が好調だったことにより増収・増益となった。
養殖事業:前年同期比で減収、減益
<日本>・ぶりは販売尾数の増加や販売価格の上昇により好調に推移したものの、まぐろの販売価格下落による影響や、鮭鱒の魚病による生産コストの上昇により減収・減益となった。
<南米>・鮭鱒は販売数量が増加したが、販売価格の下落により減収・減益となった。
加工・商事事業:前年同期比で増収、増益
<日本>・ぶりの販売は好調に推移したものの、鮭鱒などの仕入価格の上昇やえびの販売価格下落により減益となった。
<北米>・為替の影響による減収もあったが、すりみや助子の販売単価上昇や労務コスト削減効果もあり増益となった。
<ヨーロッパ>・新規ビジネスへの取り組みや販売エリアの拡大などで販売が順調に推移したことに加え、為替の影響もあり増収・増益となった。
②食品事業
食品事業については、加工事業およびチルド事業を営んでいる。
<当第1四半期連結累計期間の概況>食品事業では売上高は868億16百万円(前年同期比57億2百万円増)となり、営業利益は40億64百万円(前年同期比1億26百万円増)となった。
加工事業:前年同期比で増収、増益
<日本>・冷凍食品は米飯や野菜の販売が順調に推移したが、魚肉ソーセージの苦戦等により減益となった。
<北米>・家庭用冷凍食品では為替の影響等により減収となったが、コスト削減効果もあり増益となった。
<ヨーロッパ>・マーケットの拡大を目指した生産体制の整備が進み、チルド商品を中心に大幅な増収となった。
チルド事業:前年同期比で増収、増益
<日本>・コンビニエンスストア業界の再編による供給店舗の増加に加え、米飯類や調理麺の販売が伸長したことにより、増収・増益となった。
③ファイン事業
ファイン事業については、医薬原料、機能性原料(注1)、機能性食品(注2)、および医薬品、診断薬などの生産・販売を行っている。
<当第1四半期連結累計期間の概況>ファイン事業では売上高は61億69百万円(前年同期比1億77百万円増)となり、営業利益は6億14百万円(前年同期比3億43百万円増)となった。
<医薬原料、機能性原料、機能性食品>・機能性原料の海外販売の増加に加え、機能性食品の広告宣伝費の削減などもあり増益となった。
<臨床診断薬、産業検査薬、医薬品>・事業の見直し(化粧品事業の売却)の影響などにより、減収・減益となった。
④物流事業
物流事業については、冷蔵倉庫事業、配送事業、通関事業を営んでいる。
<当第1四半期連結累計期間の概況>物流事業では売上高は41億14百万円(前年同期比1億4百万円増)となり、営業利益は4億21百万円(前年同期比53百万円減)となった。
・ 冷蔵庫の営業再開により売上は増加したものの、労務費や電力料などのコストが増加し、前年同期並みの利益となった。
(注1) サプリメントの原料や乳児用粉ミルク等に添加する素材として使用されるEPA・DHAなど。
(注2) 主に通信販売している特定保健用食品「イマークS」やEPA・DHAなどのサプリメント。
(2)財政状態の分析
「『税効果会計に係る会計基準」の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態に関する説明については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っている。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて0.5%増加し、2,543億30百万円となった。これは現金及び預金が37億94百万円減少したこと、受取手形及び売掛金が48億53百万円増加したことなどによる。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて1.2%減少し、2,263億6百万円となった。これは有形固定資産が29億97百万円減少したこと、投資有価証券が15億34百万円増加したことなどによる。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて0.3%減少し、4,806億36百万円となり、ROAは4.6%となった。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて0.9%増加し、2,146億80百万円となった。これは支払手形及び買掛金が28億48百万円増加したこと、短期借入金が74億68百万円増加したことなどによる。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて5.1%減少し、1,065億66百万円となった。これは長期借入金が63億33百万円減少したこと、退職給付に係る負債が6億51百万円減少したことなどによる。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて1.2%減少し、3,212億46百万円となった。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて22億83百万円増加し、1,593億89百万円となった。これは親会社株主に帰属する四半期純利益を52億34百万円計上したこと、為替換算調整勘定が36億73百万円減少したことなどによる。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はない。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は11億51百万円である。
なお、当第1四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はない。