有価証券報告書-第111期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/23 14:26
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183項目

(1)経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、インバウンド需要の拡大や雇用・所得環境の改善などにより、緩やかな回復基調が継続した一方、地政学リスクや米国の関税政策に伴う景気の下振れリスク、物価上昇に伴う消費者の節約志向の高まりなど、依然として先行き不透明な状況が続いています。
世界経済(連結対象期間1-12月)については、欧米を中心に景気は底堅く推移したものの、地政学リスクの継続により先行き不透明な経済環境が続いています。
当社グループでは、2025年4月にスタートした「中期経営計画GOOD FOODS Recipe2」にて「海外事業の成長」「養殖事業の高度化」「不採算事業のターンアラウンド」を掲げ、事業ポートフォリオの強化を推進しています。
当連結会計年度においては、前期に苦戦した漁撈・養殖事業及び北米水産加工事業の改善が進むとともに、チルド事業が堅調に推移しました。
このような状況下、当連結会計年度の営業成績は、売上高は9,312億65百万円(前期比451億39百万円増)、営業利益は404億30百万円(前期比86億51百万円増)、経常利益は431億87百万円(前期比78億86百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は275億17百万円(前期比21億36百万円増)となり、売上高、各段階利益とも過去最高を更新しました。
(単位:百万円)
売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する
当期純利益
2026年
3月期
931,26540,43043,18727,517
2025年
3月期
886,12631,77935,30125,381
前期増減45,1398,6517,8862,136
前期比105.1%127.2%122.3%108.4%


セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
売上高前期増減前期比営業利益前期増減前期比
水産事業380,15116,093104.4%17,7709,351211.1%
食品事業500,98529,926106.4%29,632921103.2%
ファイン事業16,9821,137107.2%839△5294.1%
物流事業16,61579100.5%2,410△42784.9%
その他16,531△2,09788.7%499△42554.0%
全社経費---%△10,720△714107.1%
合計931,26545,139105.1%40,4308,651127.2%


①水産事業
水産事業につきましては、漁撈事業、養殖事業、加工・商事事業を営んでおります。
<当連結会計年度の概況>水産事業では売上高は3,801億51百万円(前期比160億93百万円増)となり、営業利益は177億70百万円(前期比93億51百万円増)となりました。
漁撈事業:前期比で増収、増益
〈日本〉
・ブリ・アジ・サバの漁獲が好調、かつ販売価格の上昇もあり増収・増益となりました。
〈南米〉
・2隻中1隻を減船したことにより漁獲量は減少しましたが、経費削減により赤字幅の縮小に努め減収・増益となりました。
養殖事業:前期比で増収、増益
〈日本〉
・短期養殖本まぐろの生産比率上昇による利益改善や、ブリの販売価格上昇に加え、ギンザケの増産が寄与し増収・増益となりました。
〈南米〉
・ギンザケの販売数量増加、北米向け販売の強化に加え、加工度を高めた付加価値品の生産比率上昇や市況影響などにより販売価格も上昇したうえ、生残率の向上などによる養殖コストの低減もあり増収・増益となりました。
加工・商事事業:前期比で増収、増益
〈日本〉
・魚油の販売数量増加や鮭鱒の価格改定の効果等により第3四半期から持ち直してきたものの、上期の影響が残り累計では増収・減益となりました。
〈北米〉
・加工事業は、スケソウダラのフィレ生産比率を向上させることで赤字幅の縮小に努めつつ、すりみの販売価格上昇の効果もありました。商事事業ではグループ品であるマダラ・鮭鱒・カニをはじめ販売が堅調に推移し、全体で増収・増益となりました。
〈欧州〉
・イタリア、ベネルクス、イギリスでの販売が堅調に推移したものの、EU諸制度対応による経費増加の影響もあり増収・減益となりました。

②食品事業
食品事業につきましては、加工事業及びチルド事業を営んでおります。
<当連結会計年度の概況>食品事業では売上高は5,009億85百万円(前期比299億26百万円増)となり、営業利益は296億32百万円(前期比9億21百万円増)となりました。
加工事業:前期比で増収、減益
〈日本〉
・販売は家庭用のちくわ・フィッシュソーセージが順調に推移し、業務用も外食・量販店惣菜向け冷凍食品が堅調に推移しました。利益面では、原料価格上昇などを受け価格改定を実施したものの、特に家庭用冷凍食品でタイムラグや価格改定後の販売数量の減少もあり減益となりました。
〈北米〉
・家庭用は販売が堅調に推移しシェアを拡大しましたが、業務用が外食需要減少や米国関税による原料価格上昇の影響を受け、全体では増収・減益となりました。
〈欧州〉
・チルド白身魚フライ向け原料価格上昇の影響を受けたものの、フランス、イギリス及びスペインでの販売が好調に推移したことにより増収・増益となりました。
チルド事業:前期比で増収、増益
・コンビニエンスストアの販売促進効果が大きく、弁当・惣菜などの販売が前期に引き続き好調に推移し増収・増益となりました。

③ファイン事業
ファイン事業につきましては、医薬品原料、機能性原料(注1)及び機能性食品(注2)などの生産・販売を行っております。
<当連結会計年度の概況>ファイン事業では売上高は169億82百万円(前期比11億37百万円増)となり、営業利益は8億39百万円(前期比52百万円減)となりました。
・医薬品原料の販売やサプリメント向け機能性原料の国内販売が堅調に推移したものの、原価高の影響もあり増収・減益となりました。
④物流事業
物流事業については、冷蔵倉庫事業、配送事業、通関事業を営んでおります。
<当連結会計年度の概況>物流事業では売上高は166億15百万円(前期比79百万円増)となり、営業利益は24億10百万円(前期比4億27百万円減)となりました。
・物流の2024年問題を背景とした人員増に伴う人件費増加や、燃料費の上昇により増収・減益となりました。
(注1) サプリメントの原料や乳児用粉ミルク等に添加する素材として使用されるEPA・DHAなど。
(注2) 主に通信販売している機能性表示食品「ごま豆乳仕立てのみんなのみかたDHA」、特定保健用食品「イマークS」などの健康食品。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
水産事業197,0314.3
食品事業441,71910.4
ファイン事業12,865△4.8
合計651,6168.1

(注) 1.金額は、販売価格によります。
②受注実績
受注生産は行っておりません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
水産事業380,1514.4
食品事業500,9856.4
ファイン事業16,9827.2
物流事業16,6150.5
その他16,531△11.3
合計931,2655.1

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
株式会社SCI103,83011.7123,18013.2


(2)財政状態
(単位:百万円)
2025年3月期2026年3月期増減
流動資産332,568376,08443,516
(うち 棚卸資産)195,008224,27829,270
固定資産302,309373,42571,115
資産合計634,878749,509114,631
流動負債226,179276,41650,236
固定負債122,758163,14940,390
負債合計348,938439,56690,627
純資産合計285,939309,94324,003

資産合計は前連結会計年度末に比べて1,146億31百万円増の7,495億9百万円(18.1%増)となりました。
流動資産は435億16百万円増の3,760億84百万円(13.1%増)となりました。売上増加などにより受取手形及び売掛金が82億68百万円増加したこと、棚卸資産が292億70百万円増加したことが主な要因です。
固定資産は711億15百万円増の3,734億25百万円(23.5%増)となりました。新規連結化や設備投資などにより有形固定資産が375億18百万円増加したこと、無形固定資産が209億35百万円増加したことが主な要因です。
負債合計は前連結会計年度末に比べて906億27百万円増の4,395億66百万円(26.0%増)となりました。
流動負債は502億36百万円増の2,764億16百万円(22.2%増)となりました。支払手形及び買掛金が220億41百万円増加したこと、短期借入金が138億98百万円増加したことが主な要因です。
固定負債は403億90百万円増の1,631億49百万円(32.9%増)となりました。社債が100億円増加したこと、長期借入金が251億1百万円増加したことが主な要因です。
純資産合計は前連結会計年度末に比べて240億3百万円増の3,099億43百万円(8.4%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益を275億17百万円計上したこと、剰余金の配当を92億37百万円行ったこと、円安の影響により為替換算調整勘定が72億86百万円増加したことなどによります。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
①キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
2025年3月期2026年3月期増減
営業活動によるキャッシュ・フロー40,37953,24212,862
投資活動によるキャッシュ・フロー△30,393△61,403△31,010
財務活動によるキャッシュ・フロー△11,45213,12924,582
現金及び現金同等物期末残高18,68624,2515,565

営業活動によるキャッシュ・フローは、532億42百万円の収入(前期比128億62百万円の収入増)となりました。税金等調整前当期純利益及び減価償却費の合計が697億14百万円となった一方で、棚卸資産の増加をはじめ運転資本の増加による資金の減少が79億12百万円、法人税等の支払額が79億24百万円あったことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、614億3百万円の支出(前期比310億10百万円の支出増)となりました。主に国内外の新工場建設を含む生産能力増強に向けた有形固定資産の取得による支出が430億76百万円、PESQUERA YADRAN S.A.等に係る連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が190億47百万円あったことが主な要因です。
財務活動によるキャッシュ・フローは、131億29百万円の収入(前期は114億52百万円の支出)となりました。社債の発行による収入が100億円、長期借入れによる収入が408億29百万円あった一方で、長期借入金の返済による支出が251億89百万円、配当金の支払額が92億26百万円あったことが主な要因です。
②資金調達方針
当社は、事業活動を円滑に行うため、コストを抑えた安定資金の調達を目指し、銀行借入等の間接金融に加え、コマーシャル・ペーパー及び社債の発行等の直接金融も活用することで、資金調達手段の多様化を推進しております。
資金調達については、スワップ等を利用した長期固定資金と変動の短期資金のバランスを概ね1:1を基本に、経済情勢等に応じ長期固定資金の比率を上げるなど、機動的に対応することで金利変動リスクを低減し安定資金を確保しています。調達通貨は円・米ドル・ユーロを基本に各国の事業規模に応じた調達とすることで為替リスクを軽減しています。また、複数の金融機関とコミットメントラインを設定しており、経済環境の急激な変化による資金調達難等の流動性リスクに備えております。
資金の効率性の側面では、国内はキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を活用、海外は各国の税制等を考慮のうえ、海外グループ間の資金融通等を本社で一元管理しています。なお、北米は日本同様、統括会社でCMSを導入し北米における資金を管理しています。
③調達方法
四半期ごとにグループの資金需要を予想し市場環境を考慮したうえで、最適な資金調達方法を策定、取締役会で審議しています。
長期資金については、毎期の償還額にも配慮しつつ、長期間に亘り構築してきた幅広くかつ良好な関係にある複数の金融機関からの借入に加え、社債の発行等の直接金融も活用することで、調達基盤の強化を図っております。また、シンジケート・ローンや社債(ブルー・ネイチャーボンド)、健康経営・環境対応などESG関連の格付けを活用した調達も行っています。短期資金については、従来の借入枠の活用に加え、コマーシャル・ペーパーの発行を通じて市場から資金需要に応じて直接調達を行っております。
今後もコストを抑えた安定資金を調達するため、信用格付「A」を活用した調達を含め、間接金融と直接金融のバランスを最適化しながら、資金調達手段の多様化を図ってまいります。
(4)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表を作成するにあたって、棚卸資産の評価、固定資産等の減損、繰延税金資産の回収可能性などの資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。過去の実績等を踏まえ合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。なお、特にIFRSを適用している在外子会社で保有する生物資産の評価(在池魚評価)については、生物資産を販売費用等の追加コスト控除後の公正価値で測定し、取得原価との差額の変動額を純損益として認識しており、その測定には生物資産の正味売却価額や生残率等を見積もる必要があることから、市場動向や養殖成績などによって公正価値評価額が大きく変動する可能性があります。海外及び国内養殖会社の仕掛魚の評価、国内養殖会社の固定資産の減損、PESQUERA YADRAN S.A.及びその子会社の海面使用権の評価に関する見積りや前提条件については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(5)今後の方針について
今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

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