有価証券報告書-第106期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
a 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善による個人消費の持ち直し等を背景に緩やかな回復を続けてきたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、足下で大幅に下押しされており、景気は厳しい状況となった。
建設業界においては、公共投資は底堅く推移し、民間設備投資は高水準の企業収益を背景に増加基調で推移したものの、受注競争の激化やオリンピック需要の増加などによる労務費・資材費の上昇傾向が続いた。
このような状況のもと、当社は、中期経営方針に基づき、関東圏での収益拡大、リニューアル営業の強化、海外事業の強化を柱に事業を展開してきた。
具体的に、関東圏においては、営業・施工体制の強化などにより、電気設備・空調管設備工事の一括受注に取り組み、品質の確保、生産性向上等による収益の拡大をはかってきた。
リニューアル工事については、施工物件の履歴情報活用などにより、時宜を得たお客さまへの提案、ワンストップでのサービス提供などによる受注拡大に注力してきた。
海外事業においては、ベトナム事業の再強化として現地社員の育成に注力するとともに、ベトナム周辺国へ事業を展開するなど、事業基盤の拡大に取り組んだほか、セネガル共和国において、政府開発援助(ODA)による送配電工事を施工している。
また、再生可能エネルギーについては、メガソーラー関連工事とともに、今後増加する東北地域における風力発電工事への積極的な営業活動展開で、受注の拡大に取り組んでいる。
こうした収益力の強化に向けた取り組みに加え、働き方改革の一環としてIT環境整備や業務見直し等による生産性向上をはかるなど、業務負荷低減と効率的な業務運営を両立させる基盤づくりに取り組んでいる。
さらに、地震や台風等の自然災害発生時には、速やかに社内体制を整え、電力並びにお客さま設備の迅速な復旧にあたった。
この結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、受注工事高は201,744百万円(個別ベース)と前連結会計年度に比べ8,453百万円(4.4%)の増加となった一方で、売上高は202,760百万円と前連結会計年度に比べ1,294百万円(△0.6%)の減収となった。
利益面については、営業利益は6,762百万円となり、前連結会計年度に比べ2,632百万円(△28.0%)の減益、経常利益は7,338百万円となり、前連結会計年度に比べ2,838百万円(△27.9%)の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は4,470百万円となり、前連結会計年度に比べ2,161百万円(△32.6%)の減益となった。
セグメント別の業績は、次のとおりである。
(設備工事業)
当社グループの中核をなす設備工事業の業績は、売上高は199,103百万円と前連結会計年度に比べ1,113百万円(△0.6%)の減収、営業利益は6,235百万円と前連結会計年度に比べ2,507百万円(△28.7%)の減益となった。
(その他)
その他の事業においては、車両・事務用機器・工事用機械等のリース事業、警備業並びにミネラルウォーターの製造業等を中心に、売上高は3,656百万円と前連結会計年度に比べ181百万円(△4.7%)の減収、営業利益は772百万円と前連結会計年度に比べ14百万円(1.9%)の増益となった。
なお、第2四半期連結会計期間より「リース事業」として記載していた報告セグメントについては、量的な重要性が乏しくなったことに伴い、「その他」の区分に含めている。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等) セグメント情報」の「1 報告セグメントの概要」に記載している。
b 財政状態
(資産の部)
資産合計は197,050百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,606百万円増加した。これは、受取手形・完成工事未収入金等が4,133百万円減少したほか、仕組債の早期償還等により投資有価証券が1,212百万円減少した一方、現金預金が3,336百万円増加したこと、及びグループファイナンスへの資金の預け入れにより預け金が3,800百万円増加したことなどによるものである。
(負債の部)
負債合計は78,316百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,518百万円減少した。これは、前連結会計年度末日が金融機関の休業日であったため、決済が当連結会計年度の扱いとなったことなどにより電子記録債務が1,566百万円減少したことなどによるものである。
(純資産の部)
純資産合計は118,734百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,125百万円増加した。これは、親会社株主に帰属する当期純利益4,470百万円の計上による増加及び配当金の支払1,430百万円による減少などによるものである。
なお、自己資本比率は、前連結会計年度末から1.1ポイント上昇し、60.2%となった。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益が6,768百万円、減価償却費が4,365百万円となったことに加え、受取手形・完成工事未収入金等の売上債権が1,285百万円減少したことなどにより、全体では13,202百万円の収入(前連結会計年度は14,442百万円の収入)となった。前連結会計年度に比べ1,239百万円の収入減少となったが、その主な要因は税金等調整前当期純利益が3,220百万円減少したことなどによるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、定期預金の預入による支出(純額)が838百万円、グループファイナンスへの預け金の預入による支出(純額)が1,300百万円、事業用の土地、建物及び機械装置等の有形固定資産の取得による支出が4,852百万円、投資有価証券の取得による支出が2,484百万円となった一方、コマーシャルペーパー等の有価証券の償還による収入が2,999百万円、期限前償還条項付仕組債等の投資有価証券の償還による収入が3,606百万円となったことなどにより、全体では2,469百万円の支出(前連結会計年度は13,876百万円の支出)となった。前連結会計年度に比べ11,407百万円の支出減少となったが、その主な要因は前連結会計年度において取得した有価証券2,999百万円が当連結会計年度に償還されたことに加え、投資有価証券の償還による収入が3,542百万円増加したことなどによるものである。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、連結子会社によるリース用資産取得のための長期借入による収入が2,740百万円となった一方で、長期借入金の返済による支出が3,828百万円、配当金の支払額が1,430百万円となったことなどにより、全体では2,507百万円の支出(前連結会計年度は1,857百万円の支出)となった。前連結会計年度に比べ650百万円の支出増加となったが、その主な要因はM&A後の連結子会社について、財務状況改善のため外部借入金の返済を行ったことなどによるものである。
以上の項目に換算差額を調整した結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ8,178百万円増加し、残高は45,301百万円となった。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算している。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により計算している。
3 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている負債(リース債務を
除く。)を対象としている。
4 営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動
によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を使用している。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループが営んでいる事業においては生産実績を定義することが困難であるため、「生産の実績」は記載
していない。
また、事業の大部分を占める設備工事業においては請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそ
ぐわない。加えて、設備工事業以外においては受注生産形態をとっていないことから、「受注及び販売の実績」
については「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」において記載している。
なお、参考のため提出会社個別の事業の実績は次のとおりである。
設備工事業における受注工事高及び完成工事高の実績
a 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高に
その増減額を含む。したがって、当期完成工事高にも係る増減額が含まれる。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)である。
b 受注工事高
c 完成工事高
(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
前事業年度
当事業年度
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりで
ある。
前事業年度
当事業年度
d 次期繰越工事高(2020年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりである。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、受注工事高が201,744百万円(個別ベース)と前連結会計年度に比べ8,453百万円(4.4%)の増加となった。これは、配電などの電力工事が減少したものの、再生可能エネルギー関連工事や電気設備などの官公庁工事が増加したことなどによるものである。
また、売上高は202,760百万円と前連結会計年度に比べ1,294百万円(△0.6%)の減収となった。これは、海外工事や空調管などの一般工事が増加したものの、配電などの電力工事や再生可能エネルギー関連工事が減少したことなどによるものである。
利益面については、売上高の減少に加え、IT環境の整備に向けた情報システム関連費用が増加したことなどにより、営業利益は6,762百万円となり、前連結会計年度に比べ2,632百万円(△28.0%)の減益、経常利益は7,338百万円となり、前連結会計年度に比べ2,838百万円(△27.9%)の減益となった。
さらに、令和元年東日本台風の影響により、被災した事業所の復旧費用及びリース用資産の処分損等が発生したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は4,470百万円となり、前連結会計年度に比べ2,161百万円(△32.6%)の減益となった。
財政状態については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 b 財政状態」に記載しているとおりである。
b 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、2 事業等のリスク及び 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」に記載しているとおりである。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループのキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しているとおりである。
また、当社グループの主要な資金需要は、設備工事に要する材料費・外注費等の工事費用、一般管理費やリース事業におけるリース用資産の取得費用などの運転資金のほか、工事用の機械装置や事業用の土地、建物等への設備投資資金などであり、リース事業を営む連結子会社で銀行借入を行っている以外は、自己資金によりまかなっている。
資金の流動性については、営業債権の回収、営業債務の支払ともに概ね4ヶ月以内に滞りなく処理されており、営業活動に伴う資金収入を安定的に確保している。
なお、営業活動等によって得られた資金は、安定的な配当を通じて株主の皆さまへ還元していく。
また、今般、新たに策定した中期経営方針において、積極的に事業基盤の強化をはかっていくため、5年間で300億円の成長投資枠を設定した。具体的には施工能力強化のためのM&Aや、既存太陽光発電所の取得、並びに工事受注を目的とした風力発電所への出資など、成長分野への展開加速による企業価値の向上に活用していく。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いているが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性がある。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりである。
なお、新型コロナウィルス感染症による影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しているとおりである。
a 工事進行基準による収益認識
当社グループは、完成工事高の計上において、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準を適用しており、工事進捗度の見積りは原価比例法を採用している。
完成工事高の算定に用いる見積工事原価総額は、当該工事に関連する工事原価について、当連結会計年度末における最新の状況が全て反映されているという仮定で見積られている。また、工事に追加、変更等があった場合の工事収益総額は、最新の状況の見積工事原価総額を反映し、見直している。
当該見積り及び当該仮定について、将来における実績との乖離があった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において算定される完成工事高の金額に影響を及ぼす可能性がある。
なお、当連結会計年度における工事進行基準による完成工事高は、83,514百万円である。
b 工事損失引当金
当社グループは、受注工事に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における手持工事のうち、損失発生の可能性が高く、かつ金額を合理的に見積ることができる場合に、その損失見込額を計上しており、当該工事の工事収益総額から見積工事原価総額を差し引いた金額としている。
損失見込額の算定に用いる見積工事原価総額は、当該工事に関連する工事原価について、当連結会計年度末における最新の状況が全て反映されているという仮定で見積られている。
当該見積り及び当該仮定について、将来における実績との乖離があった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に影響を及ぼす可能性がある。
なお、当連結会計年度における工事損失引当金の計上額は、96百万円である。
① 財政状態及び経営成績の状況
a 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善による個人消費の持ち直し等を背景に緩やかな回復を続けてきたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、足下で大幅に下押しされており、景気は厳しい状況となった。
建設業界においては、公共投資は底堅く推移し、民間設備投資は高水準の企業収益を背景に増加基調で推移したものの、受注競争の激化やオリンピック需要の増加などによる労務費・資材費の上昇傾向が続いた。
このような状況のもと、当社は、中期経営方針に基づき、関東圏での収益拡大、リニューアル営業の強化、海外事業の強化を柱に事業を展開してきた。
具体的に、関東圏においては、営業・施工体制の強化などにより、電気設備・空調管設備工事の一括受注に取り組み、品質の確保、生産性向上等による収益の拡大をはかってきた。
リニューアル工事については、施工物件の履歴情報活用などにより、時宜を得たお客さまへの提案、ワンストップでのサービス提供などによる受注拡大に注力してきた。
海外事業においては、ベトナム事業の再強化として現地社員の育成に注力するとともに、ベトナム周辺国へ事業を展開するなど、事業基盤の拡大に取り組んだほか、セネガル共和国において、政府開発援助(ODA)による送配電工事を施工している。
また、再生可能エネルギーについては、メガソーラー関連工事とともに、今後増加する東北地域における風力発電工事への積極的な営業活動展開で、受注の拡大に取り組んでいる。
こうした収益力の強化に向けた取り組みに加え、働き方改革の一環としてIT環境整備や業務見直し等による生産性向上をはかるなど、業務負荷低減と効率的な業務運営を両立させる基盤づくりに取り組んでいる。
さらに、地震や台風等の自然災害発生時には、速やかに社内体制を整え、電力並びにお客さま設備の迅速な復旧にあたった。
この結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、受注工事高は201,744百万円(個別ベース)と前連結会計年度に比べ8,453百万円(4.4%)の増加となった一方で、売上高は202,760百万円と前連結会計年度に比べ1,294百万円(△0.6%)の減収となった。
利益面については、営業利益は6,762百万円となり、前連結会計年度に比べ2,632百万円(△28.0%)の減益、経常利益は7,338百万円となり、前連結会計年度に比べ2,838百万円(△27.9%)の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は4,470百万円となり、前連結会計年度に比べ2,161百万円(△32.6%)の減益となった。
セグメント別の業績は、次のとおりである。
(設備工事業)
当社グループの中核をなす設備工事業の業績は、売上高は199,103百万円と前連結会計年度に比べ1,113百万円(△0.6%)の減収、営業利益は6,235百万円と前連結会計年度に比べ2,507百万円(△28.7%)の減益となった。
(その他)
その他の事業においては、車両・事務用機器・工事用機械等のリース事業、警備業並びにミネラルウォーターの製造業等を中心に、売上高は3,656百万円と前連結会計年度に比べ181百万円(△4.7%)の減収、営業利益は772百万円と前連結会計年度に比べ14百万円(1.9%)の増益となった。
なお、第2四半期連結会計期間より「リース事業」として記載していた報告セグメントについては、量的な重要性が乏しくなったことに伴い、「その他」の区分に含めている。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等) セグメント情報」の「1 報告セグメントの概要」に記載している。
b 財政状態
(資産の部)
資産合計は197,050百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,606百万円増加した。これは、受取手形・完成工事未収入金等が4,133百万円減少したほか、仕組債の早期償還等により投資有価証券が1,212百万円減少した一方、現金預金が3,336百万円増加したこと、及びグループファイナンスへの資金の預け入れにより預け金が3,800百万円増加したことなどによるものである。
(負債の部)
負債合計は78,316百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,518百万円減少した。これは、前連結会計年度末日が金融機関の休業日であったため、決済が当連結会計年度の扱いとなったことなどにより電子記録債務が1,566百万円減少したことなどによるものである。
(純資産の部)
純資産合計は118,734百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,125百万円増加した。これは、親会社株主に帰属する当期純利益4,470百万円の計上による増加及び配当金の支払1,430百万円による減少などによるものである。
なお、自己資本比率は、前連結会計年度末から1.1ポイント上昇し、60.2%となった。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益が6,768百万円、減価償却費が4,365百万円となったことに加え、受取手形・完成工事未収入金等の売上債権が1,285百万円減少したことなどにより、全体では13,202百万円の収入(前連結会計年度は14,442百万円の収入)となった。前連結会計年度に比べ1,239百万円の収入減少となったが、その主な要因は税金等調整前当期純利益が3,220百万円減少したことなどによるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、定期預金の預入による支出(純額)が838百万円、グループファイナンスへの預け金の預入による支出(純額)が1,300百万円、事業用の土地、建物及び機械装置等の有形固定資産の取得による支出が4,852百万円、投資有価証券の取得による支出が2,484百万円となった一方、コマーシャルペーパー等の有価証券の償還による収入が2,999百万円、期限前償還条項付仕組債等の投資有価証券の償還による収入が3,606百万円となったことなどにより、全体では2,469百万円の支出(前連結会計年度は13,876百万円の支出)となった。前連結会計年度に比べ11,407百万円の支出減少となったが、その主な要因は前連結会計年度において取得した有価証券2,999百万円が当連結会計年度に償還されたことに加え、投資有価証券の償還による収入が3,542百万円増加したことなどによるものである。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、連結子会社によるリース用資産取得のための長期借入による収入が2,740百万円となった一方で、長期借入金の返済による支出が3,828百万円、配当金の支払額が1,430百万円となったことなどにより、全体では2,507百万円の支出(前連結会計年度は1,857百万円の支出)となった。前連結会計年度に比べ650百万円の支出増加となったが、その主な要因はM&A後の連結子会社について、財務状況改善のため外部借入金の返済を行ったことなどによるものである。
以上の項目に換算差額を調整した結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ8,178百万円増加し、残高は45,301百万円となった。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
| 2016年 3月期 | 2017年 3月期 | 2018年 3月期 | 2019年 3月期 | 2020年 3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 53.2 | 57.6 | 57.8 | 59.1 | 60.2 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 39.9 | 32.0 | 31.6 | 29.6 | 22.3 |
| キャッシュ・フロー 対有利子負債比率(年) | △33.7 | 0.6 | 0.8 | 0.7 | 0.6 |
| インタレスト・カバレッジ・ レシオ(倍) | △18.4 | 1,555.4 | 1,403.5 | 1,596.8 | 1,481.7 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算している。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により計算している。
3 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている負債(リース債務を
除く。)を対象としている。
4 営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動
によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を使用している。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループが営んでいる事業においては生産実績を定義することが困難であるため、「生産の実績」は記載
していない。
また、事業の大部分を占める設備工事業においては請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそ
ぐわない。加えて、設備工事業以外においては受注生産形態をとっていないことから、「受注及び販売の実績」
については「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」において記載している。
なお、参考のため提出会社個別の事業の実績は次のとおりである。
設備工事業における受注工事高及び完成工事高の実績
a 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
| 期別 | 工事別 | 前期繰越 工事高 (百万円) | 当期受注 工事高 (百万円) | 計 (百万円) | 当期完成 工事高 (百万円) | 次期繰越 工事高 (百万円) |
| 前事業年度 (自2018年 4月1日 至2019年 3月31日) | 屋内配線工事 | 46,929 | 66,544 | 113,473 | 68,805 | 44,668 |
| 配電線工事 | 16,129 | 51,992 | 68,122 | 52,929 | 15,192 | |
| 送電・発変電・土木建築・情報通信工事 | 23,922 | 52,159 | 76,081 | 51,209 | 24,871 | |
| 空調管工事 | 10,632 | 22,594 | 33,226 | 20,657 | 12,569 | |
| 計 | 97,613 | 193,290 | 290,904 | 193,601 | 97,302 | |
| 当事業年度 (自2019年 4月1日 至2020年 3月31日) | 屋内配線工事 | 44,668 | 69,444 | 114,112 | 67,668 | 46,444 |
| 配電線工事 | 15,192 | 48,157 | 63,349 | 49,037 | 14,312 | |
| 送電・発変電・土木建築・情報通信工事 | 24,871 | 58,663 | 83,535 | 49,792 | 33,742 | |
| 空調管工事 | 12,569 | 25,479 | 38,049 | 23,705 | 14,343 | |
| 計 | 97,302 | 201,744 | 299,047 | 190,203 | 108,843 |
(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高に
その増減額を含む。したがって、当期完成工事高にも係る増減額が含まれる。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)である。
b 受注工事高
| 期別 | 区分 | 東北電力㈱ (百万円) | 一般民間 (百万円) | 計 (百万円) |
| 前事業年度 (自2018年4月1日 至2019年3月31日) | 屋内配線工事 | 1,102 | 65,441 | 66,544 |
| 配電線工事 | 48,601 | 3,391 | 51,992 | |
| 送電・発変電・土木建築・情報通信工事 | 37,488 | 14,670 | 52,159 | |
| 空調管工事 | 1,392 | 21,202 | 22,594 | |
| 計 | 88,585 | 104,705 | 193,290 | |
| 当事業年度 (自2019年4月1日 至2020年3月31日) | 屋内配線工事 | 1,231 | 68,212 | 69,444 |
| 配電線工事 | 44,802 | 3,354 | 48,157 | |
| 送電・発変電・土木建築・情報通信工事 | 33,962 | 24,701 | 58,663 | |
| 空調管工事 | 2,130 | 23,349 | 25,479 | |
| 計 | 82,126 | 119,618 | 201,744 |
c 完成工事高
| 期別 | 区分 | 東北電力㈱ (百万円) | 一般民間 (百万円) | 計 (百万円) |
| 前事業年度 (自2018年4月1日 至2019年3月31日) | 屋内配線工事 | 1,001 | 67,803 | 68,805 |
| 配電線工事 | 49,728 | 3,201 | 52,929 | |
| 送電・発変電・土木建築・情報通信工事 | 34,356 | 16,853 | 51,209 | |
| 空調管工事 | 1,953 | 18,703 | 20,657 | |
| 計 | 87,039 | 106,562 | 193,601 | |
| 当事業年度 (自2019年4月1日 至2020年3月31日) | 屋内配線工事 | 1,230 | 66,438 | 67,668 |
| 配電線工事 | 45,807 | 3,229 | 49,037 | |
| 送電・発変電・土木建築・情報通信工事 | 34,437 | 15,354 | 49,792 | |
| 空調管工事 | 1,005 | 22,700 | 23,705 | |
| 計 | 82,480 | 107,723 | 190,203 |
(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
前事業年度
| 東北地方整備局 | ・釜石地区外トンネル照明設備工事 |
| ㈱福田組 | ・(仮称)イオン仙台卸町ショッピングセンター新築工事 (電気・機械設備) |
| トヨタT&S建設㈱ | ・PEVE株式会社宮城第4工場新築工事(電気設備) |
| 東京都財務局 | ・東京都現代美術館(28)改修電気設備工事 |
| 前田建設工業㈱ | ・八峰風力発電所電気工事 |
当事業年度
| 山佐㈱ | ・亘理太陽光発電所建設工事 |
| キオクシア㈱ | ・東芝メモリ岩手株式会社K1棟用第1期特高受変電設備工事 |
| 三井住友建設㈱ | ・(仮称)三井アウトレットパーク横浜ベイサイド建替計画 (電気・機械設備) |
| SGET新郷ウインドファーム(同) | ・新郷村風力発電所送電線路建設工事 |
| (学)岩手医科大学 | ・岩手医科大学総合移転整備計画 附属病院移転事業 附属病院新築工事(電気設備工事) |
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりで
ある。
前事業年度
| 東北電力㈱ | 87,039百万円 | 45.0% |
当事業年度
| 東北電力㈱ | 82,480百万円 | 43.4% |
d 次期繰越工事高(2020年3月31日現在)
| 区分 | 東北電力㈱ (百万円) | 一般民間 (百万円) | 計 (百万円) |
| 屋内配線工事 | 253 | 46,190 | 46,444 |
| 配電線工事 | 13,357 | 955 | 14,312 |
| 送電・発変電・土木建築・情報通信工事 | 16,835 | 16,906 | 33,742 |
| 空調管工事 | 1,150 | 13,192 | 14,343 |
| 計 | 31,597 | 77,245 | 108,843 |
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりである。
| 山佐㈱ | ・宮城川崎太陽光発電所建設工事 | 2022年1月完成予定 |
| ㈱福田組 | ・(仮称)イオンタウンふじみ野新築工事 (電気・機械設備) | 2020年6月完成予定 |
| 大成建設㈱ | ・日本通運㈱東日本医薬品センター新築工事 | 2021年3月完成予定 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、受注工事高が201,744百万円(個別ベース)と前連結会計年度に比べ8,453百万円(4.4%)の増加となった。これは、配電などの電力工事が減少したものの、再生可能エネルギー関連工事や電気設備などの官公庁工事が増加したことなどによるものである。
また、売上高は202,760百万円と前連結会計年度に比べ1,294百万円(△0.6%)の減収となった。これは、海外工事や空調管などの一般工事が増加したものの、配電などの電力工事や再生可能エネルギー関連工事が減少したことなどによるものである。
利益面については、売上高の減少に加え、IT環境の整備に向けた情報システム関連費用が増加したことなどにより、営業利益は6,762百万円となり、前連結会計年度に比べ2,632百万円(△28.0%)の減益、経常利益は7,338百万円となり、前連結会計年度に比べ2,838百万円(△27.9%)の減益となった。
さらに、令和元年東日本台風の影響により、被災した事業所の復旧費用及びリース用資産の処分損等が発生したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は4,470百万円となり、前連結会計年度に比べ2,161百万円(△32.6%)の減益となった。
財政状態については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 b 財政状態」に記載しているとおりである。
b 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、2 事業等のリスク及び 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」に記載しているとおりである。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループのキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しているとおりである。
また、当社グループの主要な資金需要は、設備工事に要する材料費・外注費等の工事費用、一般管理費やリース事業におけるリース用資産の取得費用などの運転資金のほか、工事用の機械装置や事業用の土地、建物等への設備投資資金などであり、リース事業を営む連結子会社で銀行借入を行っている以外は、自己資金によりまかなっている。
資金の流動性については、営業債権の回収、営業債務の支払ともに概ね4ヶ月以内に滞りなく処理されており、営業活動に伴う資金収入を安定的に確保している。
なお、営業活動等によって得られた資金は、安定的な配当を通じて株主の皆さまへ還元していく。
また、今般、新たに策定した中期経営方針において、積極的に事業基盤の強化をはかっていくため、5年間で300億円の成長投資枠を設定した。具体的には施工能力強化のためのM&Aや、既存太陽光発電所の取得、並びに工事受注を目的とした風力発電所への出資など、成長分野への展開加速による企業価値の向上に活用していく。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いているが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性がある。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりである。
なお、新型コロナウィルス感染症による影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しているとおりである。
a 工事進行基準による収益認識
当社グループは、完成工事高の計上において、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準を適用しており、工事進捗度の見積りは原価比例法を採用している。
完成工事高の算定に用いる見積工事原価総額は、当該工事に関連する工事原価について、当連結会計年度末における最新の状況が全て反映されているという仮定で見積られている。また、工事に追加、変更等があった場合の工事収益総額は、最新の状況の見積工事原価総額を反映し、見直している。
当該見積り及び当該仮定について、将来における実績との乖離があった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において算定される完成工事高の金額に影響を及ぼす可能性がある。
なお、当連結会計年度における工事進行基準による完成工事高は、83,514百万円である。
b 工事損失引当金
当社グループは、受注工事に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における手持工事のうち、損失発生の可能性が高く、かつ金額を合理的に見積ることができる場合に、その損失見込額を計上しており、当該工事の工事収益総額から見積工事原価総額を差し引いた金額としている。
損失見込額の算定に用いる見積工事原価総額は、当該工事に関連する工事原価について、当連結会計年度末における最新の状況が全て反映されているという仮定で見積られている。
当該見積り及び当該仮定について、将来における実績との乖離があった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に影響を及ぼす可能性がある。
なお、当連結会計年度における工事損失引当金の計上額は、96百万円である。