四半期報告書-第88期第1四半期(平成31年4月1日-令和1年6月30日)

【提出】
2019/07/31 15:21
【資料】
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【項目】
37項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態および経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2019年4月1日~2019年6月30日、以下、当四半期累計期間)のわが国経済は、通商問題の動向やそれに伴う金融資本市場の変動など楽観視できない状況が継続し、輸出や生産には弱さがあったものの、雇用や所得環境が改善するなかで緩やかな回復が続きました。
このような経済環境下、当社の事業領域であるICT(※1)市場においては、各分野が概ね堅調に推移いたしました。
企業においては、働き方改革などの企業の経営強化・競争力強化を目指した投資や、インバウンド需要の高まりを受けた活発な設備投資が継続いたしました。また、クラウドやAI、IoT、RPAといったDX(※2)などの最先端技術領域への関心も引き続き高い状況です。通信事業者における通信品質改善に向けた設備投資や、官庁・自治体、公益関連における消防・防災や放送・CATV分野などの都市基盤高度化に向けた投資はそれぞれ継続いたしました。
こうした市場環境のなか、当社グループでは、働き方改革分野や、外国人旅行客増加に伴うホテルの新築や建て替えに伴う通信インフラ整備、消防・防災、放送・CATV等のプロジェクトなどの活発な投資に積極的に対応いたしました。
また、当社は、10年先の環境変化を見据え、中長期の成長実現に向けて、2019年5月に中期経営計画「Beyond Borders 2021」を発表いたしました。当社グループの強みを活かし、パートナー企業と共に新しい社会価値を生み出す「コミュニケーションサービス・オーケストレーター」を目指し、社会課題の解決、技術変革の波を事業拡大のチャンスと捉え、「デジタル」と「5G」を軸に、新しい事業モデルへのシフト、新事業創出を加速していく計画です。
この考えのもと、2019年4月には、注力事業領域に合わせ、技術の専門性や、競争力の発揮を目的に事業本部を再編するとともに、先端技術・新ビジネス創出機能を集約し、新たにビジネスデザイン統括本部を設置するなど、今後の成長に向けた組織力の強化を図りました。加えて、働き方改革ソリューション「EmpoweredOffice(※3)」とDX技術を組み合わせた新たなサービスの開発や自社実践を積極的に行うとともに、さらなる先端ソリューション・サービスの発掘にむけ、米国のベンチャーファンドへの出資や、グローバル・ベンチャーキャピタル/アクセラレーター(※4)とのパートナーシップを推進するなど、パートナー企業との共創を加速させました。
これらの結果、当四半期累計期間における連結業績は、
売上高605億37百万円(前年同期比 50億82百万円増加)
営業損益△1億78百万円(前年同期比 1億50百万円増加)
経常損益△2億51百万円(前年同期比 89百万円増加)
親会社株主に帰属する四半期純利益21百万円(前年同期比 2億27百万円増加)

<参考>
受注高741億15百万円(前年同期比 79億 2百万円増加)

となりました。
売上高は、前年同期比9.2%の増加の605億37百万円となりました。これは、特に働き方改革関連分野や、ホテル等のサービス業向けネットワーク構築を中心にデジタルソリューション事業が大きく拡大したことによるものです。受注高は、売上高と同様に、働き方改革関連分野やサービス業向けネットワーク構築が拡大したことに加え、消防・防災や放送・CATV分野も拡大するなど全セグメントで拡大し、前年同期比11.9%増加の741億15百万円となりました。
収益面では、メガソーラー事業において不採算が発生したことによりエンジニアリング&サポートサービス事業が減益となったものの、売上高の増加や継続的な原価低減活動などによりデジタルソリューション事業とネットワークインフラ事業で増益となり、営業損益は前年同期比1億50百万円改善の△1億78百万円、経常損益は89百万円改善の△2億51百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、研修施設閉鎖の決定に伴い減損損失を計上したことや、連結子会社において繰延税金資産の回収可能性を見直したことなどにより、2億27百万円改善の21百万円となりました。
セグメント別の状況は以下のとおりであります。
<セグメント別売上高>(単位:百万円)

デジタルソリュ
ーション事業
ネットワーク
インフラ事業
エンジニアリ
ング&サポート
サービス事業
その他


当第1四半期
連結累計期間
23,47015,35518,4683,24360,537
前第1四半期
連結累計期間
20,79114,83118,0281,80355,455
増減額2,6795244391,4395,082
増減率(%)12.93.52.479.89.2

<参考:セグメント別受注高>(単位:百万円)

デジタルソリュ
ーション事業
ネットワーク
インフラ事業
エンジニアリ
ング&サポート
サービス事業
その他


当第1四半期
連結累計期間
25,94622,99322,9862,18874,115
前第1四半期
連結累計期間
24,76521,20217,6862,55866,213
増減額1,1801,7915,299△3697,902
増減率(%)4.88.430.0△14.411.9

1.デジタルソリューション事業(234億70百万円:前年同期比12.9%増):
働き方改革関連分野や、ホテル等のサービス業向けネットワーク構築が伸長したことにより、売上高は前年同期比12.9%増加の234億70百万円となりました。
2.ネットワークインフラ事業(153億55百万円:前年同期比3.5%増):
連結子会社における製品売上の貢献により通信事業者向けが増加するとともに、社会公共インフラ向けも増加し、売上高は前年同期比3.5%増加の153億55百万円となりました。
3.エンジニアリング&サポートサービス事業(184億68百万円:前年同期比2.4%増):
大型のメガソーラー関連売上が減少したものの、オフィス設備エンジニアリングやサービス事業が拡大し、前年同期比2.4%増加の184億68百万円となりました。
※1 ICT:
Information and Communication Technology(情報通信技術)の略。
※2 DX:
Digital transformationの略。AI・IoT・RPA(Robotic Process Automation)等の最先端技術を用いて、企
業・産業の事業活動や都市運営などを大きく変革すること。
※3 EmpoweredOffice(エンパワードオフィス):
当社の強みであるICTとファシリティ施工力を融合し、より知的で創造的なワークスタイルへ業務プロセス改革を提案する働き方改革ソリューション。
※4 アクセラレーター:
ベンチャーやスタートアップの成長を加速させるために支援を行う組織・企業。
<セグメントの概要>
セグメント主な事業内容
デジタルソリューション事業主に企業などの業務系ICTプラットフォームに関するシステムインテグレー
ションおよびこれらに関するアウトソーシング/クラウドサービスや、最先端/デジタル技術を活用し、お客様のビジネス変革に資するソリュー
ション、サービスの提供、ならびにコンタクトセンターサービスの提供
ネットワークインフラ事業主に通信事業者や官庁・自治体、社会インフラを提供する事業者向けを
中心に、信頼性が要求される公共性の高いネットワークインフラに関する
システムインテグレーション、サービスの提供、ならびにネットワーク機
器などの製造開発、販売およびシステムインテグレーションの提供
エンジニアリング&サポート
サービス事業
国内・海外における施工事業、および当社が提供する各種ICTシステム、サービスに関する保守、運用・監視ならびに全社サービス基盤の運用とそれらを活用したテクニカルサービスなどのサポートサービスの提供
その他情報通信機器等の仕入販売

当社の組織再編を2019年4月1日付で実施したことに伴い、「企業ネットワーク事業」「キャリアネットワーク事業」および「社会インフラ事業」としていた報告セグメントを当第1四半期連結会計期間より「デジタルソリューション事業」「ネットワークインフラ事業」および「エンジニアリング&サポートサービス事業」に変更しております。
なお、前第1四半期連結累計期間に係る報告セグメントに関する情報につきましても、当該事象による変更を反映したものに組替えて開示しております。
(2)資本の財源および資金の流動性
(資産)
当第1四半期連結会計期間の総資産は、前年度末に比べ147億62百万円減少し、2,014億8百万円となりました。流動資産は、前年度末に比べ160億1百万円減少し、1,650億34百万円となりました。これは主に、前年度末の売上債権の回収などにより、受取手形及び売掛金が332億71百万円減少した一方、たな卸資産が24億28百万円増加したほか、現金及び預金が135億94百万円増加したことなどによるものであります。固定資産は、前年度末に比べ12億38百万円増加し、363億73百万円となりました。これは主に、連結子会社において繰延税金資産の回収可能性を見直したことなどにより、繰延税金資産が25億17百万円増加した一方、研修施設閉鎖の決定に伴い減損損失を計上したことなどにより、有形固定資産が19億円減少したことなどによるものであります。
(負債)
当第1四半期連結会計期間の負債は、前年度末に比べ129億42百万円減少し、956億20百万円となりました。これは主に、前年度末の仕入債務の支払などにより、支払手形及び買掛金が99億72百万円減少したほか、法人税等の支払により未払法人税等が28億12百万円減少した一方、受注損失引当金が7億10百万円増加したことなどによるものであります。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間の純資産は、前年度末に比べ18億20百万円減少し、1,057億87百万円となりました。これは主に、期末配当金の支払などにより、利益剰余金が19億63百万円減少したことなどによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
当第1四半期連結累計期間の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年度末に比べ135億94百万円増加し、679億48百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、168億81百万円となりました。これは主に、売上債権の減少、たな卸資産の増加、仕入債務の減少、法人税等の支払などによるものであります。前年同期と比べると34億52百万円の資金の減少となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、14億77百万円となりました。これは主に、米国のベンチャーファンドへの出資などによるもので、前年同期と比べると1億47百万円の資金の減少となっております。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは、154億4百万円の資金の増加となりました。前年同期と比べると36億円の資金の減少となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、18億10百万円となりました。これは主に、短期借入金の借入や配当金の支払などによるもので、前年同期と比べると6億87百万円の資金の増加となっております。なお、利益配当金につきましては、前年度末の1株当たり配当金を40円にしたことにより、前年同期と比べると1億48百万円増加し、19億73百万円の支払となっております。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上および財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(6)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は65百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)従業員数
当第1四半期連結累計期間において、連結会社または提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(8)生産、受注および販売の実績
当第1四半期連結累計期間において、生産、受注および販売実績の著しい変動はありません。
(9)主要な設備
当第1四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動および主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変動はありません。