有価証券報告書-第61期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、堅調な企業収益に支えられ、雇用及び所得環境の改善が続くなど、緩やかな回復基調が続いたものの、年度後半には、新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外の経済活動が抑制され、足下で大幅に下振れが懸念される状況となりました。
建設業界におきましては、公共投資は、補正予算の効果もあり、総じて底堅い環境が続きました。また、民間設備投資は、首都圏の再開発やソフトウェア投資などを中心に緩やかな増加が続きました。
このような状況下にあって当社は、空調計装関連事業の新設工事においては、「既設工事に繋がる物件の受注」、空調計装関連事業の既設工事においては、「提案型営業および地域特性に応じた事業戦略推進」、産業計装関連事業においては、「顧客別戦略強化および業容拡充による受注拡大」を対処すべき課題として掲げ、事業展開してまいりました。
その結果、受注高につきましては、空調計装関連事業及び産業計装関連事業ともに微減の30,821百万円(前年同期比2.4%減)となりました。
売上高につきましては、空調計装関連事業及び産業計装関連事業ともに増加し、31,298百万円(同10.6%増)となりました。
利益面につきましては、売上高の増加及び利益率の向上により、営業利益が4,425百万円(同39.4%増)、経常利益が4,464百万円(同38.1%増)、当期純利益は3,184百万円(同42.6%増)となりました。
なお、当事業年度における新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う業績への影響は軽微であります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
[空調計装関連事業]
空調計装関連事業につきましては、受注工事高は、新設工事において工場及び商業施設向け物件等が減少、また、既設工事において、放送施設及び事務所向け物件等が減少したことなどにより、26,171百万円(前年同期比2.2%減)となりました。内訳は、新設工事が8,010百万円(同2.1%減)、既設工事が18,160百万円(同2.3%減)でした。
完成工事高は、新設工事において商業施設及び公共施設向け物件、並びに工場向け物件等が増加、また、既設工事において、工場及び医療施設向け物件等が増加したことなどにより、26,187百万円(同8.1%増)となりました。 内訳は、新設工事が8,390百万円(同20.4%増)、既設工事が17,797百万円(同3.2%増)でした。
次期繰越工事高は、新設工事の減少により、14,865百万円(同0.1%減)となりました。
また、制御機器類販売の受注高及び売上高は、280百万円(同10.9%減)となりました。
総じて、空調計装関連事業の受注高は26,451百万円(同2.3%減)、売上高は26,467百万円(同7.9%増)となりました。
[産業計装関連事業]
主に工場や各種搬送ライン向けの計装工事及び各種自動制御工事等を行う産業計装関連事業につきましては、受注工事高は、地域冷暖房関連設備の計装工事等の減少などにより、4,007百万円(前年同期比2.2%減)となりました。
完成工事高につきましては、電気工事及び地域冷暖房関連設備の計装工事等の増加などにより、4,467百万円(同31.8%増)となりました。
次期繰越工事高は、電気工事及び地域冷暖房関連設備の計装工事等が減少し、2,047百万円(同18.4%減)となりました。
また、制御機器類販売の受注高及び売上高は、363百万円(同5.8%減)となりました。
総じて、産業計装関連事業の受注高は4,370百万円(同2.5%減)、売上高は4,830百万円(同28.0%増)となりました。
(注)消費税等の会計処理は税抜方式によっておりますので、「第2 事業の状況」の各記載金額については
消費税等抜きで表示しております。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ1,258百万円減少し8,538百万円(前期比12.8%減)となりました。当事業年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は4,164百万円(同39.3%増)となりました。
これは、主に未成工事支出金等の増加1,437百万円に対して税引前当期純利益の計上4,461百万円及び未成工事受入金の増加1,882百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は4,629百万円(同196.7%増)となりました。
これは、主に有価証券の取得による支出2,799百万円及び投資有価証券の取得による支出2,714百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は794百万円(同22.9%増)となりました。
これは、主に配当金の支払750百万円があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
当社が営んでおります空調計装関連事業及び産業計装関連事業では、生産実績を定義することが困難であります。また、請負形態をとっているため販売実績という定義は実態に即しておりません。
よって、「受注工事高及び完成工事高等の状況」として次に記載しております。
受注工事高及び完成工事高等の状況
イ.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事
高にその増減高が含まれております。したがって、当期完成工事高にも同様の増減高が含まれております。
2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致しております。
3.当期受注高及び当期売上高としては、上記当期受注工事高及び当期完成工事高のほかに、制御機器類の販売に係る当期受注高及び当期売上高が以下のとおりであります。
(前事業年度)
空調計装関連事業314,306千円、産業計装関連事業385,571千円
(当事業年度)
空調計装関連事業280,125千円、産業計装関連事業363,343千円
ロ.受注の方法
当社の工事の受注方法は、そのほとんどが特命によっております。
ハ.販売実績
(a)完成工事高
(注)1.完成工事高のうち、請負金額が1億円以上の主なものは次のとおりであります。
(前事業年度)
(当事業年度)
2.最近2事業年度の完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
(前事業年度)
(当事業年度)
(b)商品売上高
ニ.繰越工事高(2020年3月31日現在)
(注)繰越工事高のうち、請負金額が1億円以上の主なものは次のとおりであります。
なお、参考のため、空調計装関連事業の「受注工事高及び完成工事高等の状況」を、新設工事と既設工事とに区分して示しますと、次のとおりであります。
ホ.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
[空調計装関連事業]
(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高にその増減高が含まれております。したがって、当期完成工事高にも同様の増減高が含まれております。
2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致しております。
ヘ.完成工事高
[空調計装関連事業]
ト.繰越工事高(2020年3月31日現在)
[空調計装関連事業]
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.受注高
受注高は、前事業年度に比べ743百万円減少し30,821百万円となりました。
空調計装関連事業における新設工事の受注高は、工場及び商業施設向け物件等が減少したことにより175百万円減少しました。既設工事の受注高は、放送施設及び事務所向け物件等が減少したことにより421百万円減少しました。制御機器類の受注高については、新設向け、既設向け共に減少し34百万円減少となりました。
産業計装関連事業における受注高は、地域冷暖房関連設備の計装工事等の減少により90百万円減少しました。制御機器類の受注高については、22百万円減少しました。
また、当社は受注高を重要な経営指標としておりますが、当事業年度の達成状況は以下のとおりであります。
空調計装関連事業の新設工事においては、「既設工事に繋がる物件の受注」を対処すべき課題として掲げておりましたが、実績が前事業年度より減少したものの計画値を上回っており一定量を確保できたものと認識しております。既設工事においては、「提案型営業および地域特性に応じた事業戦略推進」を対処すべき課題として掲げておりましたが、提案型営業が定着基調であったことが寄与し達成しております。
産業計装関連事業においては、「顧客別戦略強化および業容拡充による受注拡大」を対処すべき課題として掲げておりました。これに対し、事業単位をより細分化して顧客別に特化した事業展開を推進してまいりました。しかし、食品製造業に対する事業展開の遅れ及び地域冷暖房関連設備における期ずれの発生により、計画値を下回る結果となりました。
ロ.売上高
売上高は、前事業年度に比べ2,989百万円増加し31,298百万円となりました。
空調計装関連事業における新設工事の完成工事高は、商業施設及び公共施設向け物件等が増加したことにより1,423百万円増加しました。既設工事の完成工事は、工場及び医療施設向け物件等が増加したことにより545百万円増加しました。制御機器類の販売については、新設向け、既設向け共に減少し34百万円減少となりました。
産業計装関連事業における完成工事高は、電気工事及び地域冷暖房関連設備の計装工事等の増加により1,077百万円増加しました。制御機器類の販売については、22百万円減少しました。
なお、計画比較に関しましては計画値29,500百万円に対し1,798百万円増加しました。
ハ.売上総利益
売上総利益は、前事業年度に比べ1,532百万円増加し、10,874百万円となりました。
空調計装関連事業においては、新設工事及び既設工事の売上高の増加等により、前事業年度に比べ1,190百万円増加しました。
産業計装関連事業においては、電気工事及び地域冷暖房関連設備の計装工事等の増加により、前事業年度に比べ341百万円増加しました。
売上総利益率については、主に空調計装関連事業の新設工事において低利益工事の減少等により採算性が向上したことで、全体で1.7ポイント上昇し34.7%となりました。
ニ.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、主に従業員給料手当、租税公課及び地代家賃の増加により前事業年度に比べ281百万円増加し6,448百万円となりました。
ホ.営業利益
営業利益は、前事業年度に比べ1,250百万円増加し4,425百万円となりました。
売上高営業利益率については、2.9ポイント上昇し14.1%となりました。工事種類別では空調計装関連事業においては、2.0ポイント上昇し、産業計装関連事業においては、5.1ポイント上昇しました。
なお、計画比較に関しましては計画値3,250百万円に対し1,175百万円増加しました。
ヘ.営業外収益及び営業外費用、特別利益及び特別損失
営業外収益及び営業外費用は、主に保険解約損の増加により前事業年度の59百万円の収益(純額)に対し、39百万円の収益(純額)となりました。
特別利益及び特別損失は、主に固定資産売却益の増加及び賃貸借契約解約損の減少により前事業年度の4百万円の損失(純額)に対し、3百万円の損失(純額)となりました。
ト.税引前当期純利益
税引前当期純利益は、前事業年度に比べ1,232百万円増加し4,461百万円となりました。
チ.法人税等
法人税等は、税引前当期純利益の増加に伴う課税所得の増加等により、前事業年度に比べ281百万円増加し1,277百万円となりました。税効果会計適用後の法人税等の負担率は、前事業年度の30.8%から28.6%に低下しておりますが、これは法人税額の特別控除の増加があったことによるものです。
リ.当期純利益
当期純利益は、前事業年度に比べ951百万円増加し3,184百万円となりました。これにより1株当たり当期純利益は、前事業年度の278.99円から397.82円に増加しております。
なお、計画比較に関しましては計画値2,260百万円に対し924百万円増加しました。
ヌ.自己資本当期純利益率(ROE)
当社は、自己資本当期純利益率(ROE)を重要な指標として位置づけております。当事業年度の自己資本当期純利益率(ROE)は、前事業年度に比べ3.2ポイント上昇し14.0%となりました。今後も、引き続き資産効率の向上及び株主資本の有効利用等の施策を検討し、10%程度の達成の継続に取り組んでまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ.キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローでは、前事業年度より1,175百万円多い4,164百万円の資金を得ました。これは主に仕入債務の減少や未成工事支出金の増加等の減少要因はあったものの、税引前当期純利益の増加や未成工事受入金の増加等の増加要因がそれを上回りキャッシュが増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、前事業年度より3,069百万円多い4,629百万円の資金を使用しました。これは主に有価証券の償還による収入が増加したものの、有価証券及び投資有価証券の取得による支出が増加したことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、前事業年度より148百万円多い794百万円の資金を使用しました。これは主に配当金の支払額が増加したことによるものであります。
なお、当事業年度における新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う資金繰りへの影響は軽微であります。
ロ.資金調達
当社は、転リース取引等個別の条件によるもの以外については、内部資金により資金調達しております。
ハ.資金需要
当社の資金需要のうち主なものは運転資金であります。その主たる内容は各種工事のための原材料購入及び外注工事費の支払、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、営業費用の主なものは人件費であります。また、その他の資金需要として、成長投資や株主還元があります。
運転資金については、営業活動より得られるキャッシュ・フローを基本とした流動性資金(預金及び取得日から3か月以内に償還期限が到来する短期投資)にて十分に補完できているものと考えております。また、急激な環境変化にも備え流動性を維持するための流動性補完資金については、流通市場が形成されている公社債等の中期投資で確保しております。
成長投資については、原則的に流動性資金を充当しており、研究開発や生産性向上を目的とした基幹システム再構築等の設備投資及び採用・研修等の人的投資を行っております。また、成長投資の一環として業務上関係を有する企業の株式や社債等の金融商品に投資することで、投資先企業との円滑かつ良好な関係維持、取引及び事業領域拡大を図っております。
株主還元については、業績に多大な影響を及ぼす事象や新規設備投資計画が無い限り、配当性向を一定に保ち、業績に応じた配当を実施することを基本とします。具体的には、配当性向を30%程度とすることを目標としております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表作成に当たりまして、期末時点の資産・負債及び期中の収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや仮定が必要とされます。当社は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の計上についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。また、当事業年度における新型コロナウイルス感染症拡大による影響は、国内の一部地域において事業活動の停滞を余儀なくされたものの、当社の業績に与える影響は限定的でありました。しかし、緊急事態宣言下での活動自粛要請に伴い一部工事の中断や延期が生じる等、足下の受注に影響が出始めており、今後の景気悪化に伴う設備投資の減少が予想されることから、特に既設工事や工場向け物件の受注・売上額の減少及び収益率の悪化が想定されるため、業績への影響を注視する必要があります。
このような状況は一定期間続くと想定しております。当社は、国内での感染拡大の収束時期については2020年度第2四半期から年度末程度であると予測しておりますが、その業績への影響は1年以上に亘るものと仮定した上で、繰延税金資産の回収可能性や固定資産の減損の判断などの会計上の見積りを会計処理に反映しております。なお、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は不確定要素が多く、上記の仮定に状況変化が生じた場合は、翌事業年度の当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、次の重要な会計方針の適用における見積りや仮定は財務諸表に重要な影響を与えると考えております。
イ.収益の認識
完成工事高の計上は、当事業年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。
工事進行基準を適用する場合は、工事収益総額、工事原価総額及び期末における工事進捗度を合理的に見積り、これに応じて完成工事高を計上しております。なお、工事収益総額の見積りは、お客様からの注文書に基づいた請負金額によっており、工事原価総額及び工事進捗度の見積りは、適時・適切に見直した実行予算等により算出しております。
工事完成基準を適用する場合は、お客様からの注文書に基づいた請負金額により完成工事高を計上しております。また、計上時期は目的物の引き渡しが実質的に行われた時点としております。目的物の引き渡しが実質的に行われた時点の判断は、「竣工検査終了後、検査に基づく手直し工事及び試運転、調整が完了した時点」を原則としております。
ロ.完成工事補償引当金
当社は完成工事に係る瑕疵担保、アフターサービス等の費用の支出に備え、完成工事補償引当金を計上しております。
完成工事補償引当金の計上にあたっては、過去の補修費支出の実績を基準にした金額及び特定の物件については補償工事費用の個別見積額を計上しております。そのため、実際の結果が、見積の前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合において、完成工事補償引当金が増減し業績に影響を及ぼす可能性があります。
ハ.投資の減損
当社は、特定のお客様や金融機関等の取引先に対する株式を所有しております。これら株式には価格変動性が高い上場株式と、株価の決定が困難である非上場株式が含まれております。
上場株式については、期末時点で市場価格が取得価額に対して著しく下落している場合、非上場株式及び関係会社株式については、投資先の純資産価額の当社持分が当社の帳簿価額に対して著しく下落している場合につき、将来の回復の可能性を検討し、評価損を計上することとしております。
二.固定資産の減損
当社は、「固定資産の減損に係る会計基準(企業会計審議会 平成14年8月9日)」及び企業会計基準適用指針第6号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針(企業会計基準委員会 平成15年10月31日)」を適用しております。
経済環境の著しい悪化等により営業収益が大幅に低下する場合等には、減損損失が発生する可能性があります。
ホ.繰延税金資産
当社は、財務諸表と税務上の資産・負債との間に生じる一時的な差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して、繰延税金資産・負債を計上しております。
繰延税金資産の計上にあたっては、将来の課税所得と実現可能なタックス・プランニングを考慮して一時差異の解消に係るスケジューリングを行い、回収可能と判断される繰延税金資産を計上しております。回収可能性の判断には、実績情報とともに将来に関するあらゆる入手可能な情報が考慮されております。
当社は、繰延税金資産の回収可能性の判断は合理的なものと考えておりますが、スケジューリング期間における課税所得の見積りの変動及びタックス・プランニングの変更等により、将来において繰延税金資産の増減が生じる可能性があり、将来の財務諸表に重要な影響を及ぼすことも考えられます。
ヘ.退職給付費用
当社は、従業員の退職給付費用及び年金債務について、年金数理計算に使用される前提条件に基づいて算定しております。
年金数理計算の前提には、割引率及び年金資産の長期期待運用収益率等の重要な見積りが含まれております。これらの前提条件の決定にあたっては、金利変動等の市場動向を含め、入手可能なあらゆる情報を総合的に判断し決定しております。
当社は、これらの前提条件の決定は合理的に行われたと判断しておりますが、前提条件と実際の結果が異なる場合は、将来の退職給付費用及び退職給付債務に影響を及ぼす可能性があり、将来の財務諸表に重要な影響を及ぼすことも考えられます。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、堅調な企業収益に支えられ、雇用及び所得環境の改善が続くなど、緩やかな回復基調が続いたものの、年度後半には、新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外の経済活動が抑制され、足下で大幅に下振れが懸念される状況となりました。
建設業界におきましては、公共投資は、補正予算の効果もあり、総じて底堅い環境が続きました。また、民間設備投資は、首都圏の再開発やソフトウェア投資などを中心に緩やかな増加が続きました。
このような状況下にあって当社は、空調計装関連事業の新設工事においては、「既設工事に繋がる物件の受注」、空調計装関連事業の既設工事においては、「提案型営業および地域特性に応じた事業戦略推進」、産業計装関連事業においては、「顧客別戦略強化および業容拡充による受注拡大」を対処すべき課題として掲げ、事業展開してまいりました。
その結果、受注高につきましては、空調計装関連事業及び産業計装関連事業ともに微減の30,821百万円(前年同期比2.4%減)となりました。
売上高につきましては、空調計装関連事業及び産業計装関連事業ともに増加し、31,298百万円(同10.6%増)となりました。
利益面につきましては、売上高の増加及び利益率の向上により、営業利益が4,425百万円(同39.4%増)、経常利益が4,464百万円(同38.1%増)、当期純利益は3,184百万円(同42.6%増)となりました。
なお、当事業年度における新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う業績への影響は軽微であります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
[空調計装関連事業]
空調計装関連事業につきましては、受注工事高は、新設工事において工場及び商業施設向け物件等が減少、また、既設工事において、放送施設及び事務所向け物件等が減少したことなどにより、26,171百万円(前年同期比2.2%減)となりました。内訳は、新設工事が8,010百万円(同2.1%減)、既設工事が18,160百万円(同2.3%減)でした。
完成工事高は、新設工事において商業施設及び公共施設向け物件、並びに工場向け物件等が増加、また、既設工事において、工場及び医療施設向け物件等が増加したことなどにより、26,187百万円(同8.1%増)となりました。 内訳は、新設工事が8,390百万円(同20.4%増)、既設工事が17,797百万円(同3.2%増)でした。
次期繰越工事高は、新設工事の減少により、14,865百万円(同0.1%減)となりました。
また、制御機器類販売の受注高及び売上高は、280百万円(同10.9%減)となりました。
総じて、空調計装関連事業の受注高は26,451百万円(同2.3%減)、売上高は26,467百万円(同7.9%増)となりました。
[産業計装関連事業]
主に工場や各種搬送ライン向けの計装工事及び各種自動制御工事等を行う産業計装関連事業につきましては、受注工事高は、地域冷暖房関連設備の計装工事等の減少などにより、4,007百万円(前年同期比2.2%減)となりました。
完成工事高につきましては、電気工事及び地域冷暖房関連設備の計装工事等の増加などにより、4,467百万円(同31.8%増)となりました。
次期繰越工事高は、電気工事及び地域冷暖房関連設備の計装工事等が減少し、2,047百万円(同18.4%減)となりました。
また、制御機器類販売の受注高及び売上高は、363百万円(同5.8%減)となりました。
総じて、産業計装関連事業の受注高は4,370百万円(同2.5%減)、売上高は4,830百万円(同28.0%増)となりました。
(注)消費税等の会計処理は税抜方式によっておりますので、「第2 事業の状況」の各記載金額については
消費税等抜きで表示しております。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ1,258百万円減少し8,538百万円(前期比12.8%減)となりました。当事業年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は4,164百万円(同39.3%増)となりました。
これは、主に未成工事支出金等の増加1,437百万円に対して税引前当期純利益の計上4,461百万円及び未成工事受入金の増加1,882百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は4,629百万円(同196.7%増)となりました。
これは、主に有価証券の取得による支出2,799百万円及び投資有価証券の取得による支出2,714百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は794百万円(同22.9%増)となりました。
これは、主に配当金の支払750百万円があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
当社が営んでおります空調計装関連事業及び産業計装関連事業では、生産実績を定義することが困難であります。また、請負形態をとっているため販売実績という定義は実態に即しておりません。
よって、「受注工事高及び完成工事高等の状況」として次に記載しております。
受注工事高及び完成工事高等の状況
イ.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
| 期別 | セグメントの名称 | 前期繰越工事高 (千円) | 当期受注工事高 (千円) | 計 (千円) | 当期完成工事高 (千円) | 次期繰越工事高 (千円) |
| 前事業年度 (自2018年4月1日 至2019年3月31日) | 空調計装関連事業 | 12,334,386 | 26,767,278 | 39,101,665 | 24,219,142 | 14,882,522 |
| 産業計装関連事業 | 1,799,581 | 4,098,151 | 5,897,732 | 3,389,837 | 2,507,894 | |
| 合計 | 14,133,968 | 30,865,430 | 44,999,398 | 27,608,980 | 17,390,417 | |
| 当事業年度 (自2019年4月1日 至2020年3月31日) | 空調計装関連事業 | 14,882,522 | 26,171,055 | 41,053,578 | 26,187,642 | 14,865,935 |
| 産業計装関連事業 | 2,507,894 | 4,007,212 | 6,515,107 | 4,467,604 | 2,047,503 | |
| 合計 | 17,390,417 | 30,178,268 | 47,568,685 | 30,655,246 | 16,913,438 |
(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事
高にその増減高が含まれております。したがって、当期完成工事高にも同様の増減高が含まれております。
2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致しております。
3.当期受注高及び当期売上高としては、上記当期受注工事高及び当期完成工事高のほかに、制御機器類の販売に係る当期受注高及び当期売上高が以下のとおりであります。
(前事業年度)
空調計装関連事業314,306千円、産業計装関連事業385,571千円
(当事業年度)
空調計装関連事業280,125千円、産業計装関連事業363,343千円
ロ.受注の方法
当社の工事の受注方法は、そのほとんどが特命によっております。
ハ.販売実績
(a)完成工事高
| 期別 | セグメントの名称 | 官公庁(千円) | 民間(千円) | 合計(千円) |
| 前事業年度 (自2018年4月1日 至2019年3月31日) | 空調計装関連事業 | 7,051,561 | 17,167,581 | 24,219,142 |
| 産業計装関連事業 | 139,146 | 3,250,691 | 3,389,837 | |
| 合計 | 7,190,707 | 20,418,272 | 27,608,980 | |
| 当事業年度 (自2019年4月1日 至2020年3月31日) | 空調計装関連事業 | 7,283,485 | 18,904,157 | 26,187,642 |
| 産業計装関連事業 | 585,716 | 3,881,887 | 4,467,604 | |
| 合計 | 7,869,202 | 22,786,044 | 30,655,246 |
(注)1.完成工事高のうち、請負金額が1億円以上の主なものは次のとおりであります。
(前事業年度)
| 高砂熱学工業㈱ | ・(仮称)浜松町駅前プロジェクト 計装工事 |
| 新日本空調㈱ | ・㈱ロッテ浦和第7工場新築工事 自動制御工事 |
| 三機工業㈱ | ・日本橋高島屋 中央監視工事 計装工事 |
| ㈱大気社 | ・(仮称)京都センチュリーホテル 自動制御工事 |
| 高梨乳業㈱ | ・高梨乳業㈱北海道工場 受乳能力増強工事に伴う二次側電気計装工事 |
(当事業年度)
| 高砂熱学工業㈱ | ・虎ノ門一丁目地区地域冷暖房施設 計装工事 |
| 大成設備㈱ | ・国立国会図書館 関西館新館 自動制御工事 |
| ㈱中電工 | ・鳥取市新本庁舎建築(空調)工事 計装工事 |
| ㈱テクノ菱和 | ・東京消防庁消防学校第一校舎ほか1か所(29) 空調設備改修工事 |
| 三機工業㈱ | ・サントリープロダクツ㈱榛名工場 Fライン増設に伴うユーティリティ設備工事 |
2.最近2事業年度の完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
(前事業年度)
| 高砂熱学工業㈱ | 3,481,882 | 千円 | 12.6 | % |
(当事業年度)
| 高砂熱学工業㈱ | 3,217,181 | 千円 | 10.5 | % |
(b)商品売上高
| 期別 | セグメントの名称 | 金額(千円) |
| 前事業年度 (自2018年4月1日 至2019年3月31日) | 空調計装関連事業 | 314,306 |
| 産業計装関連事業 | 385,571 | |
| 合計 | 699,878 | |
| 当事業年度 (自2019年4月1日 至2020年3月31日) | 空調計装関連事業 | 280,125 |
| 産業計装関連事業 | 363,343 | |
| 合計 | 643,468 |
ニ.繰越工事高(2020年3月31日現在)
| セグメントの名称 | 官公庁(千円) | 民間(千円) | 合計(千円) |
| 空調計装関連事業 | 4,498,193 | 10,367,742 | 14,865,935 |
| 産業計装関連事業 | 243,421 | 1,804,082 | 2,047,503 |
| 合計 | 4,741,614 | 12,171,824 | 16,913,438 |
(注)繰越工事高のうち、請負金額が1億円以上の主なものは次のとおりであります。
| 東洋熱工業㈱ 高砂熱学工業㈱ | ・千葉県がんセンター新棟 自動制御工事 ・TGMM芝浦プロジェクト B棟Ⅱ期新築 自動制御工事 | 2020年7月完成予定 2020年7月完成予定 |
| ㈱きんでん | ・ダイハツ工業㈱京都工場 自動制御及び動力二次側工事 | 2020年11月完成予定 |
| ダイダン㈱ | ・北里大学医薬衛生学部新A号館新築 自動制御工事 | 2020年12月完成予定 |
| 高砂熱学工業㈱ | ・日本テレビタワー 空調自動制御機器更新工事 | 2022年3月完成予定 |
なお、参考のため、空調計装関連事業の「受注工事高及び完成工事高等の状況」を、新設工事と既設工事とに区分して示しますと、次のとおりであります。
ホ.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
[空調計装関連事業]
| 期別 | 区分 | 前期繰越工事高 (千円) | 当期受注工事高 (千円) | 計 (千円) | 当期完成工事高 (千円) | 次期繰越工事高 (千円) |
| 前事業年度 (自2018年4月1日 至2019年3月31日) | 新設工事 | 7,903,774 | 8,185,560 | 16,089,334 | 6,966,847 | 9,122,487 |
| 既設工事 | 4,430,612 | 18,581,718 | 23,012,331 | 17,252,295 | 5,760,035 | |
| 合計 | 12,334,386 | 26,767,278 | 39,101,665 | 24,219,142 | 14,882,522 | |
| 当事業年度 (自2019年4月1日 至2020年3月31日) | 新設工事 | 9,122,487 | 8,010,481 | 17,132,968 | 8,390,179 | 8,742,788 |
| 既設工事 | 5,760,035 | 18,160,574 | 23,920,610 | 17,797,463 | 6,123,147 | |
| 合計 | 14,882,522 | 26,171,055 | 41,053,578 | 26,187,642 | 14,865,935 |
(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高にその増減高が含まれております。したがって、当期完成工事高にも同様の増減高が含まれております。
2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致しております。
ヘ.完成工事高
[空調計装関連事業]
| 期別 | 区分 | 官公庁(千円) | 民間(千円) | 合計(千円) |
| 前事業年度 (自2018年4月1日 至2019年3月31日) | 新設工事 | 1,430,293 | 5,536,553 | 6,966,847 |
| 既設工事 | 5,621,268 | 11,631,027 | 17,252,295 | |
| 合計 | 7,051,561 | 17,167,581 | 24,219,142 | |
| 当事業年度 (自2019年4月1日 至2020年3月31日) | 新設工事 | 1,580,587 | 6,809,592 | 8,390,179 |
| 既設工事 | 5,702,898 | 12,094,564 | 17,797,463 | |
| 合計 | 7,283,485 | 18,904,157 | 26,187,642 |
ト.繰越工事高(2020年3月31日現在)
[空調計装関連事業]
| 区分 | 官公庁(千円) | 民間(千円) | 合計(千円) |
| 新設工事 | 3,041,170 | 5,701,618 | 8,742,788 |
| 既設工事 | 1,457,023 | 4,666,123 | 6,123,147 |
| 合計 | 4,498,193 | 10,367,742 | 14,865,935 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.受注高
受注高は、前事業年度に比べ743百万円減少し30,821百万円となりました。
空調計装関連事業における新設工事の受注高は、工場及び商業施設向け物件等が減少したことにより175百万円減少しました。既設工事の受注高は、放送施設及び事務所向け物件等が減少したことにより421百万円減少しました。制御機器類の受注高については、新設向け、既設向け共に減少し34百万円減少となりました。
産業計装関連事業における受注高は、地域冷暖房関連設備の計装工事等の減少により90百万円減少しました。制御機器類の受注高については、22百万円減少しました。
また、当社は受注高を重要な経営指標としておりますが、当事業年度の達成状況は以下のとおりであります。
| 報告セグメント | 区分 | 2019年度計画(百万円) | 2019年度実績(百万円) | 計画比 | |
| 空調計装 関連事業 | 空調計装工事 | 新設工事 | 7,000 | 8,010 | 1,010百万円増(14.4%増) |
| 既設工事 | 16,900 | 18,160 | 1,260百万円増(7.5%増) | ||
| 計 | 23,900 | 26,171 | 2,271百万円増(9.5%増) | ||
| 制御機器類販売 | 300 | 280 | 19百万円減(6.6%減) | ||
| 計 | 24,200 | 26,451 | 2,251百万円増(9.3%増) | ||
| 産業計装 関連事業 | 産業計装工事 | 4,470 | 4,007 | 462百万円減(10.4%減) | |
| 制御機器類販売 | 330 | 363 | 33百万円増(10.1%増) | ||
| 計 | 4,800 | 4,370 | 429百万円減(9.0%減) | ||
| 合計 | 29,000 | 30,821 | 1,821百万円増(6.3%増) | ||
空調計装関連事業の新設工事においては、「既設工事に繋がる物件の受注」を対処すべき課題として掲げておりましたが、実績が前事業年度より減少したものの計画値を上回っており一定量を確保できたものと認識しております。既設工事においては、「提案型営業および地域特性に応じた事業戦略推進」を対処すべき課題として掲げておりましたが、提案型営業が定着基調であったことが寄与し達成しております。
産業計装関連事業においては、「顧客別戦略強化および業容拡充による受注拡大」を対処すべき課題として掲げておりました。これに対し、事業単位をより細分化して顧客別に特化した事業展開を推進してまいりました。しかし、食品製造業に対する事業展開の遅れ及び地域冷暖房関連設備における期ずれの発生により、計画値を下回る結果となりました。
ロ.売上高
売上高は、前事業年度に比べ2,989百万円増加し31,298百万円となりました。
空調計装関連事業における新設工事の完成工事高は、商業施設及び公共施設向け物件等が増加したことにより1,423百万円増加しました。既設工事の完成工事は、工場及び医療施設向け物件等が増加したことにより545百万円増加しました。制御機器類の販売については、新設向け、既設向け共に減少し34百万円減少となりました。
産業計装関連事業における完成工事高は、電気工事及び地域冷暖房関連設備の計装工事等の増加により1,077百万円増加しました。制御機器類の販売については、22百万円減少しました。
なお、計画比較に関しましては計画値29,500百万円に対し1,798百万円増加しました。
ハ.売上総利益
売上総利益は、前事業年度に比べ1,532百万円増加し、10,874百万円となりました。
空調計装関連事業においては、新設工事及び既設工事の売上高の増加等により、前事業年度に比べ1,190百万円増加しました。
産業計装関連事業においては、電気工事及び地域冷暖房関連設備の計装工事等の増加により、前事業年度に比べ341百万円増加しました。
売上総利益率については、主に空調計装関連事業の新設工事において低利益工事の減少等により採算性が向上したことで、全体で1.7ポイント上昇し34.7%となりました。
ニ.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、主に従業員給料手当、租税公課及び地代家賃の増加により前事業年度に比べ281百万円増加し6,448百万円となりました。
ホ.営業利益
営業利益は、前事業年度に比べ1,250百万円増加し4,425百万円となりました。
売上高営業利益率については、2.9ポイント上昇し14.1%となりました。工事種類別では空調計装関連事業においては、2.0ポイント上昇し、産業計装関連事業においては、5.1ポイント上昇しました。
なお、計画比較に関しましては計画値3,250百万円に対し1,175百万円増加しました。
ヘ.営業外収益及び営業外費用、特別利益及び特別損失
営業外収益及び営業外費用は、主に保険解約損の増加により前事業年度の59百万円の収益(純額)に対し、39百万円の収益(純額)となりました。
特別利益及び特別損失は、主に固定資産売却益の増加及び賃貸借契約解約損の減少により前事業年度の4百万円の損失(純額)に対し、3百万円の損失(純額)となりました。
ト.税引前当期純利益
税引前当期純利益は、前事業年度に比べ1,232百万円増加し4,461百万円となりました。
チ.法人税等
法人税等は、税引前当期純利益の増加に伴う課税所得の増加等により、前事業年度に比べ281百万円増加し1,277百万円となりました。税効果会計適用後の法人税等の負担率は、前事業年度の30.8%から28.6%に低下しておりますが、これは法人税額の特別控除の増加があったことによるものです。
リ.当期純利益
当期純利益は、前事業年度に比べ951百万円増加し3,184百万円となりました。これにより1株当たり当期純利益は、前事業年度の278.99円から397.82円に増加しております。
なお、計画比較に関しましては計画値2,260百万円に対し924百万円増加しました。
ヌ.自己資本当期純利益率(ROE)
当社は、自己資本当期純利益率(ROE)を重要な指標として位置づけております。当事業年度の自己資本当期純利益率(ROE)は、前事業年度に比べ3.2ポイント上昇し14.0%となりました。今後も、引き続き資産効率の向上及び株主資本の有効利用等の施策を検討し、10%程度の達成の継続に取り組んでまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ.キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローでは、前事業年度より1,175百万円多い4,164百万円の資金を得ました。これは主に仕入債務の減少や未成工事支出金の増加等の減少要因はあったものの、税引前当期純利益の増加や未成工事受入金の増加等の増加要因がそれを上回りキャッシュが増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、前事業年度より3,069百万円多い4,629百万円の資金を使用しました。これは主に有価証券の償還による収入が増加したものの、有価証券及び投資有価証券の取得による支出が増加したことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、前事業年度より148百万円多い794百万円の資金を使用しました。これは主に配当金の支払額が増加したことによるものであります。
なお、当事業年度における新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う資金繰りへの影響は軽微であります。
ロ.資金調達
当社は、転リース取引等個別の条件によるもの以外については、内部資金により資金調達しております。
ハ.資金需要
当社の資金需要のうち主なものは運転資金であります。その主たる内容は各種工事のための原材料購入及び外注工事費の支払、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、営業費用の主なものは人件費であります。また、その他の資金需要として、成長投資や株主還元があります。
運転資金については、営業活動より得られるキャッシュ・フローを基本とした流動性資金(預金及び取得日から3か月以内に償還期限が到来する短期投資)にて十分に補完できているものと考えております。また、急激な環境変化にも備え流動性を維持するための流動性補完資金については、流通市場が形成されている公社債等の中期投資で確保しております。
成長投資については、原則的に流動性資金を充当しており、研究開発や生産性向上を目的とした基幹システム再構築等の設備投資及び採用・研修等の人的投資を行っております。また、成長投資の一環として業務上関係を有する企業の株式や社債等の金融商品に投資することで、投資先企業との円滑かつ良好な関係維持、取引及び事業領域拡大を図っております。
株主還元については、業績に多大な影響を及ぼす事象や新規設備投資計画が無い限り、配当性向を一定に保ち、業績に応じた配当を実施することを基本とします。具体的には、配当性向を30%程度とすることを目標としております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表作成に当たりまして、期末時点の資産・負債及び期中の収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや仮定が必要とされます。当社は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の計上についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。また、当事業年度における新型コロナウイルス感染症拡大による影響は、国内の一部地域において事業活動の停滞を余儀なくされたものの、当社の業績に与える影響は限定的でありました。しかし、緊急事態宣言下での活動自粛要請に伴い一部工事の中断や延期が生じる等、足下の受注に影響が出始めており、今後の景気悪化に伴う設備投資の減少が予想されることから、特に既設工事や工場向け物件の受注・売上額の減少及び収益率の悪化が想定されるため、業績への影響を注視する必要があります。
このような状況は一定期間続くと想定しております。当社は、国内での感染拡大の収束時期については2020年度第2四半期から年度末程度であると予測しておりますが、その業績への影響は1年以上に亘るものと仮定した上で、繰延税金資産の回収可能性や固定資産の減損の判断などの会計上の見積りを会計処理に反映しております。なお、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は不確定要素が多く、上記の仮定に状況変化が生じた場合は、翌事業年度の当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、次の重要な会計方針の適用における見積りや仮定は財務諸表に重要な影響を与えると考えております。
イ.収益の認識
完成工事高の計上は、当事業年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。
工事進行基準を適用する場合は、工事収益総額、工事原価総額及び期末における工事進捗度を合理的に見積り、これに応じて完成工事高を計上しております。なお、工事収益総額の見積りは、お客様からの注文書に基づいた請負金額によっており、工事原価総額及び工事進捗度の見積りは、適時・適切に見直した実行予算等により算出しております。
工事完成基準を適用する場合は、お客様からの注文書に基づいた請負金額により完成工事高を計上しております。また、計上時期は目的物の引き渡しが実質的に行われた時点としております。目的物の引き渡しが実質的に行われた時点の判断は、「竣工検査終了後、検査に基づく手直し工事及び試運転、調整が完了した時点」を原則としております。
ロ.完成工事補償引当金
当社は完成工事に係る瑕疵担保、アフターサービス等の費用の支出に備え、完成工事補償引当金を計上しております。
完成工事補償引当金の計上にあたっては、過去の補修費支出の実績を基準にした金額及び特定の物件については補償工事費用の個別見積額を計上しております。そのため、実際の結果が、見積の前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合において、完成工事補償引当金が増減し業績に影響を及ぼす可能性があります。
ハ.投資の減損
当社は、特定のお客様や金融機関等の取引先に対する株式を所有しております。これら株式には価格変動性が高い上場株式と、株価の決定が困難である非上場株式が含まれております。
上場株式については、期末時点で市場価格が取得価額に対して著しく下落している場合、非上場株式及び関係会社株式については、投資先の純資産価額の当社持分が当社の帳簿価額に対して著しく下落している場合につき、将来の回復の可能性を検討し、評価損を計上することとしております。
二.固定資産の減損
当社は、「固定資産の減損に係る会計基準(企業会計審議会 平成14年8月9日)」及び企業会計基準適用指針第6号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針(企業会計基準委員会 平成15年10月31日)」を適用しております。
経済環境の著しい悪化等により営業収益が大幅に低下する場合等には、減損損失が発生する可能性があります。
ホ.繰延税金資産
当社は、財務諸表と税務上の資産・負債との間に生じる一時的な差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して、繰延税金資産・負債を計上しております。
繰延税金資産の計上にあたっては、将来の課税所得と実現可能なタックス・プランニングを考慮して一時差異の解消に係るスケジューリングを行い、回収可能と判断される繰延税金資産を計上しております。回収可能性の判断には、実績情報とともに将来に関するあらゆる入手可能な情報が考慮されております。
当社は、繰延税金資産の回収可能性の判断は合理的なものと考えておりますが、スケジューリング期間における課税所得の見積りの変動及びタックス・プランニングの変更等により、将来において繰延税金資産の増減が生じる可能性があり、将来の財務諸表に重要な影響を及ぼすことも考えられます。
ヘ.退職給付費用
当社は、従業員の退職給付費用及び年金債務について、年金数理計算に使用される前提条件に基づいて算定しております。
年金数理計算の前提には、割引率及び年金資産の長期期待運用収益率等の重要な見積りが含まれております。これらの前提条件の決定にあたっては、金利変動等の市場動向を含め、入手可能なあらゆる情報を総合的に判断し決定しております。
当社は、これらの前提条件の決定は合理的に行われたと判断しておりますが、前提条件と実際の結果が異なる場合は、将来の退職給付費用及び退職給付債務に影響を及ぼす可能性があり、将来の財務諸表に重要な影響を及ぼすことも考えられます。