有価証券報告書-第113期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用情勢や企業収益の改善等を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、貿易摩擦の激化が懸念されるなど、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響により、先行きは依然として不透明な状況が続きました。食品業界におきましては、原材料価格は比較的安定していましたが、賃金の伸び悩みから個人消費は力強さに欠け、当社グループを取り巻く経営環境は厳しい状況が続きました。
このような状況の中で、当社グループは「グリコグループ行動規範」に基づき、信頼される企業であり続けることを事業展開の基本としながら、消費者コミュニケーションを軸として、重点ブランドの売上拡大や、健康事業、海外事業に経営資源を集中すべく、取り組みを開始しました。
その結果、売上面では、冷菓部門、牛乳・乳製品部門は前年同期を下回りましたが、菓子部門、食品部門、食品原料部門、その他部門が前年同期を上回ったため、当連結会計年度の売上高は353,432百万円となり、前年同期(353,217百万円)に比べ0.1%の増収となりました。
利益面につきましては、売上原価率は、主として卸売販売構成比の減少により、全体ではダウンしましたが、販売費及び一般管理費は、積極的な販売促進策によって販売促進費及び広告宣伝費等が増加したほか、経営基盤強化のための社内インフラ整備関連費用等が増加しました。
その結果、営業利益は20,377百万円で前年同期(24,254百万円)に比べ3,876百万円の減益となり、経常利益は21,993百万円と前年同期(26,367百万円)に比べ4,373百万円の減益となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は15,216百万円となり、前年同期(18,147百万円)に比べ、2,930百万円の減益となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
<菓子部門>売上面では、国内は系列品を拡大した“ビスコ”や“LIBERA(リベラ)”“GABA(ギャバ)”等のチョコレート製品が前年同期を上回り、全体でも前年同期を上回りました。海外もほぼすべての子会社で前年同期を上回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は124,946百万円となり、前年同期(121,116百万円)に比べ3.2%の増収となりました。
利益面では、販売促進費及び広告宣伝費の増加等により、営業利益は9,862百万円となり、前年同期(10,546百万円)に比べ、683百万円の減益となりました。
<冷菓部門>売上面では、“パピコ”“牧場しぼり”等が前年同期を上回りました。一方、卸売販売子会社の売上は、得意先の帳合変更の影響等により前年同期を下回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は87,866百万円となり、前年同期(92,416百万円)に比べ4.9%の減収となりました。
利益面では、減収による売上総利益の減少に加え、販売促進費及び広告宣伝費の増加等により、営業利益は6,092百万円となり、前年同期(8,444百万円)に比べ2,351百万円の減益となりました。
<食品部門>売上面では、“プレミアム熟カレー”等が前年同期を下回りましたが、“DONBURI亭”“カレー職人”等は前年同期を上回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は20,461百万円となり、前年同期(20,220百万円)に比べ1.2%の増収となりました。
利益面では、広告宣伝費は減少したもののリベート等販売促進費の増加等により、営業利益は808百万円となり、前年同期(844百万円)に比べ、36百万円の減益となりました。
<牛乳・乳製品部門>売上面では、“朝食りんごヨーグルト”等は前年同期を上回りましたが、“BifiXヨーグルト”“カフェオーレ”、キリンビバレッジ(株)の受託販売等が前年同期を下回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は94,383百万円となり、前年同期(94,871百万円)に比べ0.5%の減収となりました。
利益面では、広告宣伝費の増加及び売上原価率のアップ等により、営業利益は3,896百万円となり、前年同期(4,788百万円)に比べ、891百万円の減益となりました。
<食品原料部門>売上面では、“A-グル”「ファインケミカル」等が前年同期を上回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は10,747百万円となり、前年同期(10,434百万円)に比べ3.0%の増収となりました。
利益面では、売上原価率及び運送費及び保管費率の改善等により、営業利益は1,157百万円となり、前年同期(952百万円)に比べ、204百万円の増益となりました。
<その他部門>売上面では、“SUNAO”“アーモンド効果”等が前年同期を上回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は15,026百万円となり、前年同期(14,158百万円)に比べ6.1%の増収となりました。
利益面では、健康部門の販売費及び一般管理費の増加等により、営業利益は246百万円となり、前年同期(477百万円)に比べ230百万円の減益となりました。
財政状態については、下記の通りであります。
資産
当連結会計年度末における流動資産は181,357百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,157百万円増加しました。これは主に現金及び預金が8,318百万円、受取手形及び売掛金が4,527百万円、それぞれ増加したことによるものであります。固定資産は161,840百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,921百万円増加しました。これは主に無形固定資産が3,910百万円、投資有価証券が3,116百万円それぞれ増加したことによるものであります。この結果、総資産は、343,198百万円となり、前連結会計年度末に比べ19,079百万円増加しました。
負債
当連結会計年度末における流動負債は78,843百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,417百万円増加しました。これは主に支払手形及び買掛金が4,671百万円増加したことによるものであります。固定負債は49,566百万円となり、前連結会計年度末に比べ691百万円減少しました。これは主に退職給付に係る負債が1,630百万円減少したことによるものであります。この結果、負債合計は、128,409百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,725百万円増加しました。
純資産
当連結会計年度末の純資産合計は214,788百万円となり、前連結会計年度末に比べ16,353百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益15,216百万円、その他有価証券評価差額金の増加2,269百万円、為替換算調整勘定の増加1,025百万円によるものでありです。
この結果、自己資本比率は60.7%(前連結会計年度末比1.3%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益22,473百万円及び減価償却費13,604百万円の範囲内で投資活動及び財務活動による支出が行われたため、前連結会計年度末に比べ2,778百万円増加し、当連結会計年度末には93,017百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は31,493百万円(前年同期比6.5%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が22,473百万円、減価償却費が13,604百万円及び、法人税等の支払額7,110百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は25,044百万円(同78.1%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出18,295百万円、定期預金の預入による支出13,453百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は4,454百万円(前年同期は24,213百万円の獲得)となりました。これは主に、配当金の支払額3,295百万円、短期借入金の増減額828百万円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、仕入価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
また、この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.貸倒引当金
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見積額を計上しております。取引先の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産について将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し、回収可能見込額を計上しております。繰延税金資産の回収可能見込額に変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩しまたは追加計上により利益が変動する可能性があります。
c.退職給付費用及び退職給付に係る負債
当社グループは、退職給付費用及び退職給付に係る負債について、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の期待運用収益率等が含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
d.有価証券の減損
当社グループは、投資有価証券を保有しており、時価のある有価証券については時価法を、時価のない有価証券については原価法を採用しております。また、時価のある有価証券については、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合にはすべて減損処理を行い、30%から50%程度下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。他方、時価のない有価証券については、実質価額が取得価額と比べて50%以上下落したものについては「著しく下落した」ものとし、回復可能性が十分な根拠により裏付けられる場合を除き減損処理を行っております。
当社グループは、投資有価証券について必要な減損処理をこれまで行ってきておりますが、将来の市況悪化や投資先の業績不振等により、現状の帳簿価額に反映されていない損失または帳簿価額の回収不能が生じ、減損処理が必要となる可能性があります。
e.販売促進引当金
当社グループは、販売促進費の支出に備えて、連結会計年度末における販売促進費の見込額に基づき、発生見込額を計上しております。販売促進費の発生見込額に変動が生じた場合には、販売促進引当金の取崩しまたは販売促進費の追加計上により利益が変動する可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は、当初目標(375,000百万円)を21,568百万円下回り、353,432百万円となりました。セグメント別には、すべての部門で目標を下回り、特に牛乳・乳製品部門での目標未達が大きく影響しました。
利益面では、営業利益は、当初目標(25,000百万円)を4,623百万円下回り、20,377百万円となりました。食品原料部門は前年同期を上回りましたが、菓子部門、冷菓部門、牛乳・乳製品部門で広告宣伝費が増加し、菓子部門、冷菓部門、食品部門、牛乳・乳製品部門で販売促進費が増加したことが主たる減益要因となっております。また、経営基盤強化のための社内インフラ整備関連費用等も増加しました。
その結果、経常利益は当初目標(26,200百万円)を4,207百万円下回り、21,993百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、当初目標(17,800百万円)を2,584百万円下回り、15,216百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①業績等の概要 c.キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
また、当社グループの財務政策は、運転資金につきましては、内部資金又は金融機関からの短期の借入により資金調達することとしております。設備資金等の中長期的な資金調達につきましては、平成29年1月に転換社債型新株予約権付社債を発行しております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループは、利益と資金を継続的に増加させながら成長加速に向けた投資を実行し、国内外における営業利益率の向上を図るとともに、特別損益を除くROE水準として10%以上を継続的に目指すことを目標としております。当連結会計年度の特別損益を除くROEは、7.4%(前連結会計年度は9.8%)となっております。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用情勢や企業収益の改善等を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、貿易摩擦の激化が懸念されるなど、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響により、先行きは依然として不透明な状況が続きました。食品業界におきましては、原材料価格は比較的安定していましたが、賃金の伸び悩みから個人消費は力強さに欠け、当社グループを取り巻く経営環境は厳しい状況が続きました。
このような状況の中で、当社グループは「グリコグループ行動規範」に基づき、信頼される企業であり続けることを事業展開の基本としながら、消費者コミュニケーションを軸として、重点ブランドの売上拡大や、健康事業、海外事業に経営資源を集中すべく、取り組みを開始しました。
その結果、売上面では、冷菓部門、牛乳・乳製品部門は前年同期を下回りましたが、菓子部門、食品部門、食品原料部門、その他部門が前年同期を上回ったため、当連結会計年度の売上高は353,432百万円となり、前年同期(353,217百万円)に比べ0.1%の増収となりました。
利益面につきましては、売上原価率は、主として卸売販売構成比の減少により、全体ではダウンしましたが、販売費及び一般管理費は、積極的な販売促進策によって販売促進費及び広告宣伝費等が増加したほか、経営基盤強化のための社内インフラ整備関連費用等が増加しました。
その結果、営業利益は20,377百万円で前年同期(24,254百万円)に比べ3,876百万円の減益となり、経常利益は21,993百万円と前年同期(26,367百万円)に比べ4,373百万円の減益となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は15,216百万円となり、前年同期(18,147百万円)に比べ、2,930百万円の減益となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
<菓子部門>売上面では、国内は系列品を拡大した“ビスコ”や“LIBERA(リベラ)”“GABA(ギャバ)”等のチョコレート製品が前年同期を上回り、全体でも前年同期を上回りました。海外もほぼすべての子会社で前年同期を上回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は124,946百万円となり、前年同期(121,116百万円)に比べ3.2%の増収となりました。
利益面では、販売促進費及び広告宣伝費の増加等により、営業利益は9,862百万円となり、前年同期(10,546百万円)に比べ、683百万円の減益となりました。
<冷菓部門>売上面では、“パピコ”“牧場しぼり”等が前年同期を上回りました。一方、卸売販売子会社の売上は、得意先の帳合変更の影響等により前年同期を下回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は87,866百万円となり、前年同期(92,416百万円)に比べ4.9%の減収となりました。
利益面では、減収による売上総利益の減少に加え、販売促進費及び広告宣伝費の増加等により、営業利益は6,092百万円となり、前年同期(8,444百万円)に比べ2,351百万円の減益となりました。
<食品部門>売上面では、“プレミアム熟カレー”等が前年同期を下回りましたが、“DONBURI亭”“カレー職人”等は前年同期を上回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は20,461百万円となり、前年同期(20,220百万円)に比べ1.2%の増収となりました。
利益面では、広告宣伝費は減少したもののリベート等販売促進費の増加等により、営業利益は808百万円となり、前年同期(844百万円)に比べ、36百万円の減益となりました。
<牛乳・乳製品部門>売上面では、“朝食りんごヨーグルト”等は前年同期を上回りましたが、“BifiXヨーグルト”“カフェオーレ”、キリンビバレッジ(株)の受託販売等が前年同期を下回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は94,383百万円となり、前年同期(94,871百万円)に比べ0.5%の減収となりました。
利益面では、広告宣伝費の増加及び売上原価率のアップ等により、営業利益は3,896百万円となり、前年同期(4,788百万円)に比べ、891百万円の減益となりました。
<食品原料部門>売上面では、“A-グル”「ファインケミカル」等が前年同期を上回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は10,747百万円となり、前年同期(10,434百万円)に比べ3.0%の増収となりました。
利益面では、売上原価率及び運送費及び保管費率の改善等により、営業利益は1,157百万円となり、前年同期(952百万円)に比べ、204百万円の増益となりました。
<その他部門>売上面では、“SUNAO”“アーモンド効果”等が前年同期を上回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は15,026百万円となり、前年同期(14,158百万円)に比べ6.1%の増収となりました。
利益面では、健康部門の販売費及び一般管理費の増加等により、営業利益は246百万円となり、前年同期(477百万円)に比べ230百万円の減益となりました。
財政状態については、下記の通りであります。
資産
当連結会計年度末における流動資産は181,357百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,157百万円増加しました。これは主に現金及び預金が8,318百万円、受取手形及び売掛金が4,527百万円、それぞれ増加したことによるものであります。固定資産は161,840百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,921百万円増加しました。これは主に無形固定資産が3,910百万円、投資有価証券が3,116百万円それぞれ増加したことによるものであります。この結果、総資産は、343,198百万円となり、前連結会計年度末に比べ19,079百万円増加しました。
負債
当連結会計年度末における流動負債は78,843百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,417百万円増加しました。これは主に支払手形及び買掛金が4,671百万円増加したことによるものであります。固定負債は49,566百万円となり、前連結会計年度末に比べ691百万円減少しました。これは主に退職給付に係る負債が1,630百万円減少したことによるものであります。この結果、負債合計は、128,409百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,725百万円増加しました。
純資産
当連結会計年度末の純資産合計は214,788百万円となり、前連結会計年度末に比べ16,353百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益15,216百万円、その他有価証券評価差額金の増加2,269百万円、為替換算調整勘定の増加1,025百万円によるものでありです。
この結果、自己資本比率は60.7%(前連結会計年度末比1.3%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額(△は減) | ||
営業活動によるキャッシュ・フロー | (百万円) | 29,563 | 31,493 | 1,930 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | (百万円) | △14,059 | △25,044 | △10,984 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | (百万円) | 24,213 | △4,454 | △28,667 |
現金及び現金同等物期首残高 | (百万円) | 52,010 | 90,238 | 38,228 |
現金及び現金同等物期末残高 | (百万円) | 90,238 | 93,017 | 2,778 |
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益22,473百万円及び減価償却費13,604百万円の範囲内で投資活動及び財務活動による支出が行われたため、前連結会計年度末に比べ2,778百万円増加し、当連結会計年度末には93,017百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は31,493百万円(前年同期比6.5%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が22,473百万円、減価償却費が13,604百万円及び、法人税等の支払額7,110百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は25,044百万円(同78.1%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出18,295百万円、定期預金の預入による支出13,453百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は4,454百万円(前年同期は24,213百万円の獲得)となりました。これは主に、配当金の支払額3,295百万円、短期借入金の増減額828百万円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比(%) | |
菓子 | (百万円) | 109,017 | 100.8 |
冷菓 | (百万円) | 52,438 | 97.7 |
食品 | (百万円) | 15,869 | 102.2 |
牛乳・乳製品 | (百万円) | 68,322 | 93.2 |
食品原料 | (百万円) | 5,337 | 95.8 |
報告セグメント計 | (百万円) | 250,983 | 98.0 |
その他 | (百万円) | 2,308 | 125.0 |
合計 | (百万円) | 253,291 | 98.2 |
(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比(%) | |
菓子 | (百万円) | 7,210 | 114.0 |
冷菓 | (百万円) | 23,027 | 82.7 |
食品 | (百万円) | 2,570 | 100.4 |
牛乳・乳製品 | (百万円) | 16,955 | 111.6 |
食品原料 | (百万円) | 3,549 | 100.1 |
報告セグメント計 | (百万円) | 53,311 | 96.1 |
その他 | (百万円) | 6,500 | 93.5 |
合計 | (百万円) | 59,811 | 95.8 |
(注)1.金額は、仕入価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比(%) | |
菓子 | (百万円) | 124,946 | 103.2 |
冷菓 | (百万円) | 87,866 | 95.1 |
食品 | (百万円) | 20,461 | 101.2 |
牛乳・乳製品 | (百万円) | 94,383 | 99.5 |
食品原料 | (百万円) | 10,747 | 103.0 |
報告セグメント計 | (百万円) | 338,406 | 99.8 |
その他 | (百万円) | 15,026 | 106.1 |
合計 | (百万円) | 353,432 | 100.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
また、この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.貸倒引当金
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見積額を計上しております。取引先の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産について将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し、回収可能見込額を計上しております。繰延税金資産の回収可能見込額に変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩しまたは追加計上により利益が変動する可能性があります。
c.退職給付費用及び退職給付に係る負債
当社グループは、退職給付費用及び退職給付に係る負債について、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の期待運用収益率等が含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
d.有価証券の減損
当社グループは、投資有価証券を保有しており、時価のある有価証券については時価法を、時価のない有価証券については原価法を採用しております。また、時価のある有価証券については、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合にはすべて減損処理を行い、30%から50%程度下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。他方、時価のない有価証券については、実質価額が取得価額と比べて50%以上下落したものについては「著しく下落した」ものとし、回復可能性が十分な根拠により裏付けられる場合を除き減損処理を行っております。
当社グループは、投資有価証券について必要な減損処理をこれまで行ってきておりますが、将来の市況悪化や投資先の業績不振等により、現状の帳簿価額に反映されていない損失または帳簿価額の回収不能が生じ、減損処理が必要となる可能性があります。
e.販売促進引当金
当社グループは、販売促進費の支出に備えて、連結会計年度末における販売促進費の見込額に基づき、発生見込額を計上しております。販売促進費の発生見込額に変動が生じた場合には、販売促進引当金の取崩しまたは販売促進費の追加計上により利益が変動する可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は、当初目標(375,000百万円)を21,568百万円下回り、353,432百万円となりました。セグメント別には、すべての部門で目標を下回り、特に牛乳・乳製品部門での目標未達が大きく影響しました。
利益面では、営業利益は、当初目標(25,000百万円)を4,623百万円下回り、20,377百万円となりました。食品原料部門は前年同期を上回りましたが、菓子部門、冷菓部門、牛乳・乳製品部門で広告宣伝費が増加し、菓子部門、冷菓部門、食品部門、牛乳・乳製品部門で販売促進費が増加したことが主たる減益要因となっております。また、経営基盤強化のための社内インフラ整備関連費用等も増加しました。
その結果、経常利益は当初目標(26,200百万円)を4,207百万円下回り、21,993百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、当初目標(17,800百万円)を2,584百万円下回り、15,216百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①業績等の概要 c.キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
また、当社グループの財務政策は、運転資金につきましては、内部資金又は金融機関からの短期の借入により資金調達することとしております。設備資金等の中長期的な資金調達につきましては、平成29年1月に転換社債型新株予約権付社債を発行しております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループは、利益と資金を継続的に増加させながら成長加速に向けた投資を実行し、国内外における営業利益率の向上を図るとともに、特別損益を除くROE水準として10%以上を継続的に目指すことを目標としております。当連結会計年度の特別損益を除くROEは、7.4%(前連結会計年度は9.8%)となっております。