有価証券報告書-第115期(平成31年4月1日-令和1年12月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当社は、2019年6月25日に開催の第114回定時株主総会で「定款一部変更の件」を決議し、決算期を3月31日から12月31日に変更しました。これに伴い、決算期変更の経過期間となる当連結会計年度は、2019年4月1日から2019年12月31日までの9ヶ月間となります。なお、当社及び3月決算の国内子会社は2019年4月1日から12月31日までの9ヶ月間、12月決算の海外子会社は2019年1月1日から12月31日までの12ヶ月間であります。また、前連結会計年度と比較する場合については、当連結会計年度の連結対象期間と同一の期間に調整した数値を前連結会計年度の実績として記載し、調整後の前連結会計年度の実績との対比による増減比を記載しております。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなか、各種政策の効果もあり緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国経済の先行きなど海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響により依然として不透明な状態が続いております。
このような状況の中で、当社グループは、消費者コミュニケーションを軸として、重点ブランドの強化や、健康事業、海外事業の成長加速へ経営資源を集中して取り組みました。
その結果、売上面では、乳業部門、食品原料部門は前年同期を下回りましたが、菓子・食品部門、冷菓部門、海外部門、健康事業を含むその他部門が前年同期を上回ったため、当連結会計年度の売上高は288,187百万円となり、前年同期(284,830百万円)に比べ1.2%の増収となりました。
利益面につきましては、売上原価率は、菓子・食品部門、冷菓部門等の売上原価率が上昇した一方、海外部門の売上原価率が低下したため全体ではほぼ前年同期並みとなりました。販売費及び一般管理費は、経営基盤強化のための社内インフラ整備費用等が増加しました。
その結果、営業利益は15,605百万円となり、前年同期(15,938百万円)に比べ332百万円の減益となりました。経常利益は営業利益段階での減益及び為替差損等により、17,002百万円となり、前年同期(18,431百万円)に比べ1,429百万円の減益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益や投資有価証券売却益等により12,047百万円となり、前年同期(11,886百万円)に比べ161百万円の増益となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
<菓子・食品部門>売上面では、“ポッキー”“プリッツ”“GABA”“リベラ”等が前年同期を上回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は71,789百万円となり、前年同期(70,465百万円)に比べ1.9%の増収となりました。利益面では、売上原価率の上昇はありましたが、販売促進費率の低下、広告費の減少等により、営業利益は5,236百万円となり、前年同期(4,858百万円)に比べ378百万円の増益となりました。
<冷菓部門>売上面では、“パピコ”等は前年同期を下回りましたが、“アイスの実”“パナップ”等が前年同期を上回りました。また、卸売販売子会社売上も、前年同期を上回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は73,353百万円となり、前年同期(71,048百万円)に比べ3.2%の増収となりました。利益面では、売上原価率の上昇等により、営業利益は6,209百万円となり、前年同期(7,076百万円)に比べ866百万円の減益となりました。
<乳業部門>売上面では、“アイクレオ”“とろ~りクリームOn”“プッチンプリン”等は前年同期を上回りましたが、“カフェオーレ”“BifiXヨーグルト”等が前年同期を下回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は67,032百万円となり、前年同期(69,681百万円)に比べ3.8%の減収となりました。利益面では、減収による売上総利益の減少等により、営業利益は2,386百万円となり、前年同期(2,632百万円)に比べ245百万円の減益となりました。
<食品原料部門>売上面では、“E-スターチ”「ファインケミカル」等は前年同期を上回りましたが、“A-グル”「澱粉」等が前年同期を下回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は8,314百万円となり、前年同期(8,476百万円)に比べ1.9%の減収となりました。利益面では、売上原価率の上昇等により、営業利益は648百万円となり、前年同期(798百万円)に比べ149百万円の減益となりました。<海外部門>売上面では、中国をはじめインドネシア、米国等の子会社が前年同期を上回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は53,200百万円となり、前年同期(51,403百万円)に比べ3.5%の増収となりました。利益面では、増収による売上総利益の増加等はありましたが、販売費及び一般管理費の増加等により、営業利益は1,260百万円となり、前年同期(1,348百万円)に比べ88百万円の減益となりました。
<その他部門>売上面では、“アーモンド効果”“SUNAO”等の健康食品が前年同期を上回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は14,496百万円となり、前年同期(13,754百万円)に比べ5.4%の増収となりました。利益面では、増収による売上総利益の増加等により、営業利益は251百万円となり、前年同期(45百万円)に比べ206百万円の増益となりました。
財政状態については、下記の通りであります。
資産
当連結会計年度末における流動資産は184,352百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,181百万円増加しました。これは主に商品及び製品が2,175百万円減少しましたが、受取手形及び売掛金が3,660百万円、有価証券が4,322百万円増加したことによるものです。固定資産は159,460百万円となり、連結会計年度末に比べ8,820百万円減少しました。これは主に投資有価証券が6,497百万円、減損によりのれんが3,384百万円減少したことによるものであります。この結果、総資産は、343,812百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,639百万円減少しました。
負債
当連結会計年度末における流動負債は80,689百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,059百万円減少しました。これは主に支払手形及び買掛金が2,189百万円、未払法人税等が1,615百万円増加しましたが、その他流動負債が3,623百万円、未払費用が1,715百万円減少したことによるものであります。固定負債は42,207百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,641百万円減少しました。これは主に退職給付に係る負債が2,454百万円減少したことによるものであります。この結果、負債合計は、122,897百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,701百万円減少しました。
純資産
当連結会計年度末の純資産合計は220,915百万円となり、前連結会計年度末に比べ61百万円増加しました。これは主に、剰余金の配当により4,253百万円、その他有価証券評価差額金が3,716百万円、為替換算調整勘定が349百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益を12,047百万円計上したことによるものであります。この結果、自己資本比率は62.0%(前連結会計年度末比0.6ポイント増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、投資活動及び財務活動による支出が営業活動による収入を上回ったため、前連結会計年度末に比べ1,231百万円減少し、当連結会計年度末には98,005百万円となりました。
なお、当連結会計年度は、決算期の変更により、2019年4月1日から2019年12月31日までの9ヶ月間となります。このため、対前期同期比については記載しておりません。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は17,344百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が20,183百万円、減価償却費が10,845百万円及び、法人税等の支払額5,506百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は9,022百万円となりました。これは主に、投資有価証券の売却及び償還による収入が9,951百万円あったものの、有形固定資産の取得による支出が16,274百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は9,616百万円となりました。これは主に、配当金の支払額4,253百万円、自己株式の取得による支出5,002百万円があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度は、決算期の変更により、2019年4月1日から2019年12月31日までの9ヶ月間となっております。このため、前年同期比については記載しておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、仕入価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度は、決算期の変更により、2019年4月1日から2019年12月31日までの9ヶ月間となっております。このため、前年同期比については記載しておりません。
c.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度は、決算期の変更により、2019年4月1日から2019年12月31日までの9ヶ月間となっております。このため、前年同期比については記載しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
また、この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.貸倒引当金
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見積額を計上しております。取引先の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産について将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し、回収可能見込額を計上しております。繰延税金資産の回収可能見込額に変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩しまたは追加計上により利益が変動する可能性があります。
c.退職給付費用及び退職給付に係る負債
当社グループは、退職給付費用及び退職給付に係る負債について、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の期待運用収益率等が含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
d.有価証券の減損
当社グループは、投資有価証券を保有しており、時価のある有価証券については時価法を、時価のない有価証券については原価法を採用しております。また、時価のある有価証券については、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合にはすべて減損処理を行い、30%から50%程度下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。他方、時価のない有価証券については、実質価額が取得価額と比べて50%以上下落したものについては「著しく下落した」ものとし、回復可能性が十分な根拠により裏付けられる場合を除き減損処理を行っております。
当社グループは、投資有価証券について必要な減損処理をこれまで行ってきておりますが、将来の市況悪化や投資先の業績不振等により、現状の帳簿価額に反映されていない損失または帳簿価額の回収不能が生じ、減損処理が必要となる可能性があります。
e.販売促進引当金
当社グループは、販売促進費の支出に備えて、連結会計年度末における販売促進費の見込額に基づき、発生見込額を計上しております。販売促進費の発生見込額に変動が生じた場合には、販売促進引当金の取崩しまたは販売促進費の追加計上により利益が変動する可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は、修正後目標(286,000百万円)を2,187百万円上回り、288,187百万円となりました。セグメント別には、冷菓部門、菓子・食品部門で目標を上回ったことが寄与しました。
利益面では、営業利益は、修正後目標(16,200百万円)を594百万円下回り、15,605百万円となりました。セグメント別には、海外部門及び菓子・食品部門では、増収効果等により目標を上回りましたが、乳業部門での減収及び冷菓部門での売上原価率の上昇等による減益が主たる要因となり全体では目標未達となりました。
その結果、経常利益は修正後目標(17,600百万円)を597百万円下回り、17,002百万円となりました。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益及び固定資産売却益の計上等により特別利益が当初見込みを上回ることとなり、その結果、修正後目標(12,000百万円)を47百万円上回り、12,047百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
また、当社グループの財務政策は、運転資金につきましては、内部資金の活用又は金融機関からの短期の借入により資金調達することとしております。設備資金等の中長期的な資金調達につきましては、内部資金の活用、又は転換社債型新株予約権付社債の発行等により資金調達することとしております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループは、利益と資金を継続的に増加させながら成長加速に向けた投資を実行し、国内外における営業利益率の向上を図るとともに、特別損益を除くROE水準として10%以上を継続的に目指すことを目標としております。当連結会計年度の特別損益を除くROEは、4.2%(前連結会計年度は5.8%)となっております。
①財政状態及び経営成績の状況
当社は、2019年6月25日に開催の第114回定時株主総会で「定款一部変更の件」を決議し、決算期を3月31日から12月31日に変更しました。これに伴い、決算期変更の経過期間となる当連結会計年度は、2019年4月1日から2019年12月31日までの9ヶ月間となります。なお、当社及び3月決算の国内子会社は2019年4月1日から12月31日までの9ヶ月間、12月決算の海外子会社は2019年1月1日から12月31日までの12ヶ月間であります。また、前連結会計年度と比較する場合については、当連結会計年度の連結対象期間と同一の期間に調整した数値を前連結会計年度の実績として記載し、調整後の前連結会計年度の実績との対比による増減比を記載しております。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなか、各種政策の効果もあり緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国経済の先行きなど海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響により依然として不透明な状態が続いております。
このような状況の中で、当社グループは、消費者コミュニケーションを軸として、重点ブランドの強化や、健康事業、海外事業の成長加速へ経営資源を集中して取り組みました。
その結果、売上面では、乳業部門、食品原料部門は前年同期を下回りましたが、菓子・食品部門、冷菓部門、海外部門、健康事業を含むその他部門が前年同期を上回ったため、当連結会計年度の売上高は288,187百万円となり、前年同期(284,830百万円)に比べ1.2%の増収となりました。
利益面につきましては、売上原価率は、菓子・食品部門、冷菓部門等の売上原価率が上昇した一方、海外部門の売上原価率が低下したため全体ではほぼ前年同期並みとなりました。販売費及び一般管理費は、経営基盤強化のための社内インフラ整備費用等が増加しました。
その結果、営業利益は15,605百万円となり、前年同期(15,938百万円)に比べ332百万円の減益となりました。経常利益は営業利益段階での減益及び為替差損等により、17,002百万円となり、前年同期(18,431百万円)に比べ1,429百万円の減益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益や投資有価証券売却益等により12,047百万円となり、前年同期(11,886百万円)に比べ161百万円の増益となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
<菓子・食品部門>売上面では、“ポッキー”“プリッツ”“GABA”“リベラ”等が前年同期を上回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は71,789百万円となり、前年同期(70,465百万円)に比べ1.9%の増収となりました。利益面では、売上原価率の上昇はありましたが、販売促進費率の低下、広告費の減少等により、営業利益は5,236百万円となり、前年同期(4,858百万円)に比べ378百万円の増益となりました。
<冷菓部門>売上面では、“パピコ”等は前年同期を下回りましたが、“アイスの実”“パナップ”等が前年同期を上回りました。また、卸売販売子会社売上も、前年同期を上回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は73,353百万円となり、前年同期(71,048百万円)に比べ3.2%の増収となりました。利益面では、売上原価率の上昇等により、営業利益は6,209百万円となり、前年同期(7,076百万円)に比べ866百万円の減益となりました。
<乳業部門>売上面では、“アイクレオ”“とろ~りクリームOn”“プッチンプリン”等は前年同期を上回りましたが、“カフェオーレ”“BifiXヨーグルト”等が前年同期を下回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は67,032百万円となり、前年同期(69,681百万円)に比べ3.8%の減収となりました。利益面では、減収による売上総利益の減少等により、営業利益は2,386百万円となり、前年同期(2,632百万円)に比べ245百万円の減益となりました。
<食品原料部門>売上面では、“E-スターチ”「ファインケミカル」等は前年同期を上回りましたが、“A-グル”「澱粉」等が前年同期を下回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は8,314百万円となり、前年同期(8,476百万円)に比べ1.9%の減収となりました。利益面では、売上原価率の上昇等により、営業利益は648百万円となり、前年同期(798百万円)に比べ149百万円の減益となりました。<海外部門>売上面では、中国をはじめインドネシア、米国等の子会社が前年同期を上回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は53,200百万円となり、前年同期(51,403百万円)に比べ3.5%の増収となりました。利益面では、増収による売上総利益の増加等はありましたが、販売費及び一般管理費の増加等により、営業利益は1,260百万円となり、前年同期(1,348百万円)に比べ88百万円の減益となりました。
<その他部門>売上面では、“アーモンド効果”“SUNAO”等の健康食品が前年同期を上回りました。その結果、当連結会計年度の売上高は14,496百万円となり、前年同期(13,754百万円)に比べ5.4%の増収となりました。利益面では、増収による売上総利益の増加等により、営業利益は251百万円となり、前年同期(45百万円)に比べ206百万円の増益となりました。
財政状態については、下記の通りであります。
資産
当連結会計年度末における流動資産は184,352百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,181百万円増加しました。これは主に商品及び製品が2,175百万円減少しましたが、受取手形及び売掛金が3,660百万円、有価証券が4,322百万円増加したことによるものです。固定資産は159,460百万円となり、連結会計年度末に比べ8,820百万円減少しました。これは主に投資有価証券が6,497百万円、減損によりのれんが3,384百万円減少したことによるものであります。この結果、総資産は、343,812百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,639百万円減少しました。
負債
当連結会計年度末における流動負債は80,689百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,059百万円減少しました。これは主に支払手形及び買掛金が2,189百万円、未払法人税等が1,615百万円増加しましたが、その他流動負債が3,623百万円、未払費用が1,715百万円減少したことによるものであります。固定負債は42,207百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,641百万円減少しました。これは主に退職給付に係る負債が2,454百万円減少したことによるものであります。この結果、負債合計は、122,897百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,701百万円減少しました。
純資産
当連結会計年度末の純資産合計は220,915百万円となり、前連結会計年度末に比べ61百万円増加しました。これは主に、剰余金の配当により4,253百万円、その他有価証券評価差額金が3,716百万円、為替換算調整勘定が349百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益を12,047百万円計上したことによるものであります。この結果、自己資本比率は62.0%(前連結会計年度末比0.6ポイント増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額(△は減) | ||
営業活動によるキャッシュ・フロー | (百万円) | 20,324 | 17,344 | - |
投資活動によるキャッシュ・フロー | (百万円) | △8,697 | △9,022 | - |
財務活動によるキャッシュ・フロー | (百万円) | △4,566 | △9,616 | - |
現金及び現金同等物期首残高 | (百万円) | 93,017 | 99,237 | 6,219 |
現金及び現金同等物期末残高 | (百万円) | 99,237 | 98,005 | △1,231 |
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、投資活動及び財務活動による支出が営業活動による収入を上回ったため、前連結会計年度末に比べ1,231百万円減少し、当連結会計年度末には98,005百万円となりました。
なお、当連結会計年度は、決算期の変更により、2019年4月1日から2019年12月31日までの9ヶ月間となります。このため、対前期同期比については記載しておりません。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は17,344百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が20,183百万円、減価償却費が10,845百万円及び、法人税等の支払額5,506百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は9,022百万円となりました。これは主に、投資有価証券の売却及び償還による収入が9,951百万円あったものの、有形固定資産の取得による支出が16,274百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は9,616百万円となりました。これは主に、配当金の支払額4,253百万円、自己株式の取得による支出5,002百万円があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2019年12月31日) | 前年同期比(%) | |
菓子・食品 | (百万円) | 64,190 | - |
冷菓 | (百万円) | 41,077 | - |
乳業 | (百万円) | 47,385 | - |
食品原料 | (百万円) | 4,486 | - |
海外 | (百万円) | 42,954 | - |
報告セグメント計 | (百万円) | 200,092 | - |
その他 | (百万円) | 1,440 | - |
合計 | (百万円) | 201,532 | - |
(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度は、決算期の変更により、2019年4月1日から2019年12月31日までの9ヶ月間となっております。このため、前年同期比については記載しておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2019年12月31日) | 前年同期比(%) | |
菓子・食品 | (百万円) | 6,745 | - |
冷菓 | (百万円) | 18,719 | - |
乳業 | (百万円) | 11,913 | - |
食品原料 | (百万円) | 2,765 | - |
海外 | (百万円) | 610 | - |
報告セグメント計 | (百万円) | 40,752 | - |
その他 | (百万円) | 6,543 | - |
合計 | (百万円) | 47,295 | - |
(注)1.金額は、仕入価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度は、決算期の変更により、2019年4月1日から2019年12月31日までの9ヶ月間となっております。このため、前年同期比については記載しておりません。
c.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2019年12月31日) | 前年同期比(%) | |
菓子・食品 | (百万円) | 71,789 | - |
冷菓 | (百万円) | 73,353 | - |
乳業 | (百万円) | 67,032 | - |
食品原料 | (百万円) | 8,314 | - |
海外 | (百万円) | 53,200 | - |
報告セグメント計 | (百万円) | 273,690 | - |
その他 | (百万円) | 14,496 | - |
合計 | (百万円) | 288,187 | - |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度は、決算期の変更により、2019年4月1日から2019年12月31日までの9ヶ月間となっております。このため、前年同期比については記載しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
また、この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.貸倒引当金
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見積額を計上しております。取引先の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産について将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し、回収可能見込額を計上しております。繰延税金資産の回収可能見込額に変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩しまたは追加計上により利益が変動する可能性があります。
c.退職給付費用及び退職給付に係る負債
当社グループは、退職給付費用及び退職給付に係る負債について、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の期待運用収益率等が含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
d.有価証券の減損
当社グループは、投資有価証券を保有しており、時価のある有価証券については時価法を、時価のない有価証券については原価法を採用しております。また、時価のある有価証券については、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合にはすべて減損処理を行い、30%から50%程度下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。他方、時価のない有価証券については、実質価額が取得価額と比べて50%以上下落したものについては「著しく下落した」ものとし、回復可能性が十分な根拠により裏付けられる場合を除き減損処理を行っております。
当社グループは、投資有価証券について必要な減損処理をこれまで行ってきておりますが、将来の市況悪化や投資先の業績不振等により、現状の帳簿価額に反映されていない損失または帳簿価額の回収不能が生じ、減損処理が必要となる可能性があります。
e.販売促進引当金
当社グループは、販売促進費の支出に備えて、連結会計年度末における販売促進費の見込額に基づき、発生見込額を計上しております。販売促進費の発生見込額に変動が生じた場合には、販売促進引当金の取崩しまたは販売促進費の追加計上により利益が変動する可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は、修正後目標(286,000百万円)を2,187百万円上回り、288,187百万円となりました。セグメント別には、冷菓部門、菓子・食品部門で目標を上回ったことが寄与しました。
利益面では、営業利益は、修正後目標(16,200百万円)を594百万円下回り、15,605百万円となりました。セグメント別には、海外部門及び菓子・食品部門では、増収効果等により目標を上回りましたが、乳業部門での減収及び冷菓部門での売上原価率の上昇等による減益が主たる要因となり全体では目標未達となりました。
その結果、経常利益は修正後目標(17,600百万円)を597百万円下回り、17,002百万円となりました。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益及び固定資産売却益の計上等により特別利益が当初見込みを上回ることとなり、その結果、修正後目標(12,000百万円)を47百万円上回り、12,047百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
また、当社グループの財務政策は、運転資金につきましては、内部資金の活用又は金融機関からの短期の借入により資金調達することとしております。設備資金等の中長期的な資金調達につきましては、内部資金の活用、又は転換社債型新株予約権付社債の発行等により資金調達することとしております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループは、利益と資金を継続的に増加させながら成長加速に向けた投資を実行し、国内外における営業利益率の向上を図るとともに、特別損益を除くROE水準として10%以上を継続的に目指すことを目標としております。当連結会計年度の特別損益を除くROEは、4.2%(前連結会計年度は5.8%)となっております。