四半期報告書-第114期第3四半期(平成30年10月1日-平成30年12月31日)

【提出】
2019/02/04 15:29
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27項目
文中の将来に関する事項は当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末(前事業年度末)の数値で比較を行っております。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2018年4月1日~2018年12月31日)におけるわが国経済は、雇用情勢・所得環境や企業収益の改善等が続き、景気は総じて緩やかな回復基調で推移しました。一方で、通商問題の動向が世界経済に与える影響や海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響等により、先行きは不透明感を増しております。このような状況の中で、当社グループは、消費者コミュニケーションを軸として、重点ブランドの売上拡大や、健康事業、海外事業の拡大へ経営資源を集中して取り組みました。
その結果、売上面では、海外部門、健康事業を含むその他部門は前年同期を大きく上回りましたが、一方で菓子・食品部門、冷菓部門、乳業部門、食品原料部門が前年同期を下回ったため、当第3四半期連結累計期間の売上高は271,701百万円となり、前年同期(272,211百万円)に比べ0.2%の減収となりました。
利益面につきましては、売上原価率は、海外部門の原価率の低下等によって全体では0.3%低下したため、売上総利益が129,112百万円と前年同期(128,438百万円)に比べ、674百万円の増益となりました。しかしながら、販売費及び一般管理費は、経営基盤強化のための社内インフラ整備関連費用等の増加に加え、積極的な販売促進策によって広告宣伝費及び販売促進費が増加しました。
その結果、営業利益は16,456百万円で前年同期(19,211百万円)に比べ、2,754百万円の減益となりました。経常利益は為替差益等による増益がありましたが、営業利益の減少に伴い、18,733百万円と前年同期(20,912百万円)に比べ、2,178百万円の減益となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、固定資産売却益等がありましたが、事業構造改善費用等により12,158百万円となり、前年同期(14,796百万円)に比べ、2,637百万円の減益となりました。
各セグメントごとの経営成績は、以下のとおりであります。
当社は、第1四半期連結会計期間より報告セグメントを従来の「菓子部門」と「食品部門」を統合し「菓子・食品部門」に、「菓子部門」「冷菓部門」「牛乳・乳製品部門」に含まれておりました海外での事業を「海外部門」に、それぞれ変更しております。これはASEANの地域統括会社設立をはじめとした事業管理体制の変更等によるものです。また、従来の「牛乳・乳製品部門」は「乳業部門」に名称変更しております。
<菓子・食品部門>売上面では、“ビスコ”“神戸ローストショコラ”“DONBURI亭”等は前年同期を上回り、また、“ホーバル”等新製品の貢献もありましたが、“ポッキー”“プリッツ”等が前年同期を下回りました。その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は70,465百万円となり、前年同期(72,938百万円)に比べ3.4%の減収となりました。
利益面では、売上原価率の上昇等によって、営業利益は4,858百万円となり、前年同期(5,822百万円)に比べ、964百万円の減益となりました。
<冷菓部門>売上面では、“パピコ”“アイスの実”等は前年同期を上回りましたが、“牧場しぼり”等が前年同期を下回りました。また、卸売販売子会社売上も、得意先の帳合変更の影響等により前年同期を下回りました。その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は71,048百万円となり、前年同期(72,316百万円)に比べ1.8%の減収となりました。
利益面では、売上原価率の低下等により、営業利益は7,076百万円となり、前年同期(6,899百万円)に比べ176百万円の増益となりました。
<乳業部門>売上面では、“アイクレオ”等は前年同期を上回りましたが、“ドロリッチ”“BifiXヨーグルト”“朝食りんごヨーグルト”“カフェオーレ”等が前年同期を下回りました。その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は69,681百万円となり、前年同期(72,483百万円)に比べ3.9%の減収となりました。
利益面では、売上原価率及び運送費及び保管費率の上昇等により、営業利益は2,632百万円となり、前年同期(3,352百万円)に比べ、719百万円の減益となりました。
<食品原料部門>売上面では、“E-スターチ”“A-グル”「ファインケミカル」等は前年同期を上回りましたが、「澱粉」等が前年同期を下回りました。その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は8,476百万円となり、前年同期(8,552百万円)に比べ0.9%の減収となりました。
利益面では、売上原価率の上昇等により、営業利益は798百万円となり、前年同期(1,031百万円)に比べ、233百万円の減益となりました。
<海外部門>売上面では、タイ子会社は前年同期を下回りましたが、中国をはじめ米国、インドネシア等の子会社が前年同期を上回りました。その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は38,274百万円となり、前年同期(34,143百万円)に比べ12.1%の増収となりました。
利益面では、増収による売上総利益の増加等はありましたが、中国での広告宣伝費の増加やASEANでの事業基盤強化に伴う販売費及び一般管理費の増加等により、営業利益は1,867百万円となり、前年同期(2,089百万円)に比べ、221百万円の減益となりました。
<その他部門>売上面では、“アーモンド効果”や“SUNAO”等の健康食品が前年同期を上回りました。その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は13,754百万円となり、前年同期(11,776百万円)に比べ16.8%の増収となりました。
利益面では、健康事業の増収による売上総利益の増加等はありましたが、「オフィスグリコ」における人件費の増加等により、営業利益は45百万円となり、前年同期(97百万円)に比べ、52百万円の減益となりました。
財政状態については、以下のとおりであります。
資産
当第3四半期連結会計期間末の総資産は344,289百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,225百万円増加しました。流動資産は182,141百万円となり、3,262百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金の増加に加え、原材料及び貯蔵品の増加によるものです。固定資産は162,147百万円となり、36百万円減少しました。主な要因は、有形固定資産は増加しましたが、投資有価証券及びソフトウェアの減少によるものです。
負債
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は122,908百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,366百万円減少しました。その主な要因は、未払費用及び退職給付に係る負債の減少によるものです。
純資産
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は221,380百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,591百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金の増加によるものです。この結果、自己資本比率は62.2%(前連結会計年度末比.1.1%増)となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
1)基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社の企業価値・株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。
当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には当社の株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。また、当社は、当社株式について大量買付がなされる場合、これが当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社では、グループとして企業価値の確保・向上に努めておりますが、特に、当社の企業価値の源泉は、長年にわたって築き上げられた企業ブランド及び商品ブランドにあります。そして、当社は、このようなブランド価値の根幹にあるのは、①商品開発力の維持、②研究開発力の維持、③食品の安全性の確保、④取引先との長期的な協力関係の維持、⑤企業の社会的責任を果たすことでの信頼の確保等であると考えております。当社の株式の大量買付を行う者が、こうした当社の企業価値の源泉を理解した上で、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
2)基本方針の実現のための取組み
基本方針の実現に資する特別な取組み
当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるための特別な取組みは以下のとおりです。
当社グループは、事業の効率性を重要な経営指標として認識し、グループ各社の連係の一層の強化、シナジー効果の追求、収益性の向上を図っております。また、当社グループは、中長期的な会社の経営戦略として、各部門ともに消費者の視点からの新製品や新技術の研究開発に積極的に取り組むとともに、流通構造の変化に対応した販売制度の実現や製造設備の合理化、さらに生産工場の統廃合を実施し、収益力の向上を図り、事業基盤の安定を目指しています。さらに、安全・安心という品質を維持するために、製造や輸送段階だけでなく資材調達時点でのチェック体制も強化し、消費者やお得意様に信頼される企業であり続けるように努めています。
当社は、中長期的視点に立ち、これら取組みを遂行・実施していくことで、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上してまいります。
3)上記各取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
基本方針の実現に資する特別な取組み(上記2)の取組み)について
上記2)記載の各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに基本方針の実現に資するものです。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、4,278百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。