四半期報告書-第96期第2四半期(平成31年4月1日-令和1年6月30日)
(1) 業績
当第2四半期連結累計期間(2019年1月1日~6月30日)における世界経済は、アジアや欧州において景気に弱さが見られたものの、米国の景気が雇用者数の増加や個人消費の拡大を背景に堅調に推移したことなどにより、全体として景気の回復が継続しました。日本経済におきましては、企業収益が堅調に推移するなか、雇用・所得環境の改善による個人消費の持ち直しなどにより、景気は緩やかに回復しました。
こうした状況のなかアサヒグループは、新グループ理念“Asahi Group Philosophy(AGP)”のもと、「中期経営方針」に基づき“グローカルな価値創造経営”を推進しました。「中期経営方針」では『稼ぐ力の強化』、『経営資源の高度化』、『ESGへの取組み深化』の3つを重点課題に設定し、特に『稼ぐ力の強化』においては、国内外の各事業における高付加価値ブランドの育成や収益構造改革などに取り組みました。
その結果、アサヒグループの当期の売上収益は9,838億3千2百万円(前年同期比2.1%減)となりました。また、利益につきましては、事業利益※1は895億9千4百万円(前年同期比1.6%増)、営業利益は884億6千5百万円(前年同期比0.6%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は615億3千8百万円(前年同期比1.9%増)となりました。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は前年同期比0.1%の減収、事業利益は前年同期比4.0%の増益となりました。※2
※1 事業利益(損失)とは、売上収益から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除した、恒常的な事業の
業績を測る当社独自の利益指標です。
※2 2019年の外貨金額を、前年同期の為替レートで円換算して比較しています。
[酒類事業]
酒類事業につきましては、「基幹ブランドの強化と新需要の創造」をテーマに、最高品質の提供と飲用機会の拡大による市場全体の活性化や新需要の創造に向けた商品提案に取り組みました。
ビール類では、ビールにおいて、中長期のブランドスローガンを“THE JAPAN BRAND”と設定した『アサヒスーパードライ』の広告訴求を強化するとともに、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の応援デザイン商品の展開※1などに取り組みました。また、『アサヒスーパードライ ザ・クール』を飲食店向けに発売するなど、新たな飲用スタイルの提案による若年層の新需要創造に取り組みました。新ジャンルにおいては、麦の味わいと心地よい香りを高めた『クリアアサヒ』のクオリティアップや冴えるシャープなキレと麦100%※2の飲みごたえを実現した『アサヒ 極上<キレ味>』の発売などにより、市場における存在感の向上に努めました。
ビール類以外では、RTD※3において、強炭酸の爽快さが特長の『ウィルキンソン・ドライセブン』を発売したほか、洋酒において、『ブラックニッカ ディープブレンド』の限定商品の展開などにより、価値提案を強化しました。また、アルコールテイスト清涼飲料において、『アサヒ ドライゼロ』の広告訴求の強化やペットボトル商品の『アサヒ ドライゼロスパーク』を通年発売するなど、各カテゴリーにおける主力ブランドの強化・育成に取り組みました。
以上の結果、酒類事業の売上収益は、ビール類以外の売上は前年実績を上回ったものの、ビール類の市場全体の縮小などによる販売数量の減少により、前年同期比1.7%減の4,109億4千9百万円となりました。
事業利益については、製造原価の低減などに取り組みましたが、売上収益の減少により、前年同期比1.0%減の427億7千1百万円となりました(営業利益は前年同期比0.6%減の421億9千3百万円)。
※1 アサヒビール株式会社は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会ゴールドパートナー(ビール
&ワイン)です。
※2 麦芽、大麦、スピリッツ(大麦)を使用。ホップ使用量を除きます。
※3 RTD:Ready To Drinkの略。購入後、そのまま飲用可能な缶チューハイなどを指します。
[飲料事業]
飲料事業につきましては、主力ブランドへの経営資源の集中に加え、健康機能領域での高付加価値商品の取組み強化など、新たな成長基盤の構築や最適生産物流体制の推進による収益構造改革に取り組みました。
主力ブランドにおいては、『三ツ矢』ブランドで、リフレッシュニーズに対応した『三ツ矢レモネード』を発売したほか、『ワンダ』ブランドでは、泡を立てて、なめらかな味わいを楽しむペットボトルコーヒー『ワンダフル ワンダ』を発売するなど、新たな価値提案の強化に取り組みました。また、『ウィルキンソン』ブランドで、商品ラインアップを拡充するとともに、今年発売100周年を迎える『カルピス』ブランドでは、期間限定商品の発売に加え、様々な記念日を応援する「人を想う記念日ACTION!」や「発酵BLEND PROJECT」などの新しい取組みを積極的に展開し、ブランド価値の向上に努めました。
健康機能領域においては、『カルピス』に由来する長年の乳酸菌研究から開発された、機能性表示食品『「届く強さの乳酸菌」W(ダブル)』や「L-92乳酸菌」配合の補水設計商品の発売など、ブランド資産を活用した高付加価値商品への取組みを強化し、市場における存在感の向上に努めました。
以上の結果、飲料事業の売上収益は、炭酸飲料や乳性飲料などの販売数量が前年実績を上回ったことにより、前年同期比3.4%増の1,814億2千2百万円となりました。
事業利益については、増収効果に加え、品種・容器構成比の改善などにより、前年同期比1.2%増の167億5千2百万円となりました(営業利益は前年同期比2.0%減の156億1千万円)。
[食品事業]
食品事業につきましては、主力ブランド・カテゴリーへの経営資源の集中による市場競争力の強化や最適生産物流体制の構築による収益性の向上など、成長基盤の盤石化に取り組みました。
タブレット菓子『ミンティア』においては、主力商品のリニューアルや新フレーバーの発売などにより、市場における地位の更なる向上に取り組みました。
サプリメントについては、『ディアナチュラ』において、商品ラインアップの拡充に加え、主力商品を中心に販売促進活動を積極的に展開し、ブランド力の向上を図りました。
ベビーフードについては、お子さまとの「おでかけ」をさらに楽しくする『栄養マルシェ』の新シリーズを発売するなど、新たな価値の提案を推進しました。
フリーズドライ食品については、『いつものおみそ汁 10種バラエティセット』を引き続き展開したことに加え、『減塩いつものおみそ汁』や『減塩うちのおみそ汁』をリニューアルするなど、各種のみそ汁市場における存在感の向上に取り組みました。
以上の結果、食品事業の売上収益は、主力ブランドが堅調に推移したものの、事業ポートフォリオの見直しによる減収影響などにより、前年同期比0.3%減の562億5千6百万円となりました。
事業利益については、売上収益の減少はありましたが、製造原価の低減などにより、前年同期比3.9%増の66億2千万円となりました(営業利益は前年同期比0.1%増の64億1千2百万円)。
[国際事業]
国際事業につきましては、各事業における高付加価値商品を核としたブランド資産の強化や地域横断的な展開によるシナジー創出などにより、成長基盤の一層の拡大に取り組みました。
欧州事業については、西欧において、『Peroni Nastro Azzurro』を中心とした高付加価値商品の展開や『アサヒスーパードライ』の拡大展開によるプレミアム化の推進に加えて、4月に買収が完了した英国Fuller, Smith & Turner P.L.C.のビール・サイダー事業における主力プレミアムエールビール『London Pride』の販売を開始するなど、成長基盤の強化を図りました。中東欧においては、チェコの『Pilsner Urquell』やポーランドの『Lech』など、母国市場において主力のプレミアムブランドを中心に積極的なマーケティング活動に取り組むとともに、ビールテイスト清涼飲料の展開を拡大し、各国におけるプレミアム化の推進と新たな成長ドライバーの育成を図りました。
オセアニア事業については、飲料において、炭酸カテゴリーを中心に積極的な販売促進活動に取り組むとともに、ノンシュガー商品の展開強化などに努めました。酒類においては、瓶商品の現地製造を開始した『アサヒスーパードライ』や『Peroni Nastro Azzurro』を中心としたプレミアムビールのマーケティング活動を強化するなど、ブランド価値の向上とシナジーの拡大に取り組みました。
東南アジア事業については、マレーシアにおいて、『ワンダ』、『カルピス』や『Goodday』などの自社ブランドを活用して、健康志向の高まりに対応した商品展開を強化しました。
中国事業については、『アサヒスーパードライ』や欧州のプレミアムブランド『Peroni Nastro Azzurro』『Pilsner Urquell』の販売強化により、プレミアムビール市場における存在感の向上に取り組みました。
以上の結果、国際事業の売上収益は、前期に実施した中国事業子会社の持分法適用会社への一部移行や各地域での円高の影響などにより、前年同期比5.2%減の3,318億5千7百万円となりました。
事業利益については、円高の影響があったものの、欧州事業や東南アジア事業の増益などにより、前年同期比6.1%増の447億1千7百万円となりました(営業利益は前年同期比8.9%増の352億9千9百万円)。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は前年同期比0.5%の増収、事業利益は前年同期比12.5%の増益となりました。※
※ 2019年の外貨金額を、前年同期の為替レートで円換算して比較しています。
[その他の事業]
その他の事業につきましては、売上収益は、前年同期比0.4%増の530億9千6百万円となりました。
事業利益については、前年同期比2億7千1百万円減の1億3千3百万円となりました(営業損失は前年同期比3億6千6百万円悪化の3千8百万円)。
セグメントの業績は次の通りです。各セグメントの売上収益はセグメント間の内部売上収益を含んでおります。なお、第1四半期連結累計期間より酒類事業に含まれていた輸出ビールの販売分について、報告セグメントの区分を国際事業に変更しており、国際事業に含まれていた一部の会社の報告セグメント区分を飲料事業に変更しております。また、事業利益の「調整額計」に含まれていた「IFRS調整額」を、各事業に配賦する開示方法に変更しております。以下の前年同期比較は前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
事業セグメント別の実績 (単位:百万円)
※ 営業利益における無形資産償却費は各事業に配賦しています。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間の連結総資産は、IFRS第16号「リース」※の適用により有形固定資産が増加したものの、前期末比円高及び償却による無形資産の減少等により、総資産は前年度末と比較して25億8千万円減少し、3兆767億3千4百万円となりました。
負債は、IFRS第16号「リース」※の適用によりその他の金融負債が増加したことや、季節要因を主因とした営業債務の増加等により、前年度末と比較して48億8千2百万円増加し、1兆9,345億5千万円となりました。
資本は、前年度末に比べ74億6千2百万円減少し、1兆1,421億8千4百万円となりました。これは、当第2四半期連結累計期間の親会社の所有者に帰属する四半期利益の計上により利益剰余金が増加したものの、配当金支出により利益剰余金が減少したこと及び為替相場の変動により在外営業活動体の換算差額が減少したこと等によるものです。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は37.0%となりました。
※詳細は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 3 重要な会計
方針」をご参照下さい。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益が873億8千7百万円となりましたが、法人所得税等の支払いによる減少があった一方で、減価償却費等の非資金損益項目による増加があり、897億4千8百万円(前年同期比:176億8千万円の収入減)の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、欧州事業における子会社株式の取得などにより、560億3千4百万円(前年同期比:1,247億1千4百万円の支出増)の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に長期借入金の返済による金融債務の減少があり、382億8千9百万円(前年同期比:1,307億3千5百万円の支出減)の支出となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間末では、前第2四半期連結累計期間末と比較して現金及び現金同等物の残高は107億7千5百万円減少し、517億2千1百万円となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、アサヒグループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は、58億6千9百万円であります。
なお、当社は、新グループ理念“Asahi Group Philosophy (AGP)” に基づいた企業価値向上への取組みを推進するため、研究戦略の立案、研究開発、及び新規事業創出に取り組む新会社アサヒクオリティーアンドイノベーションズ株式会社を設立し、2019年4月より事業を開始しています。また、当該子会社の研究開発費は全社費用に含まれています。
当第2四半期連結累計期間(2019年1月1日~6月30日)における世界経済は、アジアや欧州において景気に弱さが見られたものの、米国の景気が雇用者数の増加や個人消費の拡大を背景に堅調に推移したことなどにより、全体として景気の回復が継続しました。日本経済におきましては、企業収益が堅調に推移するなか、雇用・所得環境の改善による個人消費の持ち直しなどにより、景気は緩やかに回復しました。
こうした状況のなかアサヒグループは、新グループ理念“Asahi Group Philosophy(AGP)”のもと、「中期経営方針」に基づき“グローカルな価値創造経営”を推進しました。「中期経営方針」では『稼ぐ力の強化』、『経営資源の高度化』、『ESGへの取組み深化』の3つを重点課題に設定し、特に『稼ぐ力の強化』においては、国内外の各事業における高付加価値ブランドの育成や収益構造改革などに取り組みました。
その結果、アサヒグループの当期の売上収益は9,838億3千2百万円(前年同期比2.1%減)となりました。また、利益につきましては、事業利益※1は895億9千4百万円(前年同期比1.6%増)、営業利益は884億6千5百万円(前年同期比0.6%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は615億3千8百万円(前年同期比1.9%増)となりました。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は前年同期比0.1%の減収、事業利益は前年同期比4.0%の増益となりました。※2
※1 事業利益(損失)とは、売上収益から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除した、恒常的な事業の
業績を測る当社独自の利益指標です。
※2 2019年の外貨金額を、前年同期の為替レートで円換算して比較しています。
[酒類事業]
酒類事業につきましては、「基幹ブランドの強化と新需要の創造」をテーマに、最高品質の提供と飲用機会の拡大による市場全体の活性化や新需要の創造に向けた商品提案に取り組みました。
ビール類では、ビールにおいて、中長期のブランドスローガンを“THE JAPAN BRAND”と設定した『アサヒスーパードライ』の広告訴求を強化するとともに、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の応援デザイン商品の展開※1などに取り組みました。また、『アサヒスーパードライ ザ・クール』を飲食店向けに発売するなど、新たな飲用スタイルの提案による若年層の新需要創造に取り組みました。新ジャンルにおいては、麦の味わいと心地よい香りを高めた『クリアアサヒ』のクオリティアップや冴えるシャープなキレと麦100%※2の飲みごたえを実現した『アサヒ 極上<キレ味>』の発売などにより、市場における存在感の向上に努めました。
ビール類以外では、RTD※3において、強炭酸の爽快さが特長の『ウィルキンソン・ドライセブン』を発売したほか、洋酒において、『ブラックニッカ ディープブレンド』の限定商品の展開などにより、価値提案を強化しました。また、アルコールテイスト清涼飲料において、『アサヒ ドライゼロ』の広告訴求の強化やペットボトル商品の『アサヒ ドライゼロスパーク』を通年発売するなど、各カテゴリーにおける主力ブランドの強化・育成に取り組みました。
以上の結果、酒類事業の売上収益は、ビール類以外の売上は前年実績を上回ったものの、ビール類の市場全体の縮小などによる販売数量の減少により、前年同期比1.7%減の4,109億4千9百万円となりました。
事業利益については、製造原価の低減などに取り組みましたが、売上収益の減少により、前年同期比1.0%減の427億7千1百万円となりました(営業利益は前年同期比0.6%減の421億9千3百万円)。
※1 アサヒビール株式会社は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会ゴールドパートナー(ビール
&ワイン)です。
※2 麦芽、大麦、スピリッツ(大麦)を使用。ホップ使用量を除きます。
※3 RTD:Ready To Drinkの略。購入後、そのまま飲用可能な缶チューハイなどを指します。
[飲料事業]
飲料事業につきましては、主力ブランドへの経営資源の集中に加え、健康機能領域での高付加価値商品の取組み強化など、新たな成長基盤の構築や最適生産物流体制の推進による収益構造改革に取り組みました。
主力ブランドにおいては、『三ツ矢』ブランドで、リフレッシュニーズに対応した『三ツ矢レモネード』を発売したほか、『ワンダ』ブランドでは、泡を立てて、なめらかな味わいを楽しむペットボトルコーヒー『ワンダフル ワンダ』を発売するなど、新たな価値提案の強化に取り組みました。また、『ウィルキンソン』ブランドで、商品ラインアップを拡充するとともに、今年発売100周年を迎える『カルピス』ブランドでは、期間限定商品の発売に加え、様々な記念日を応援する「人を想う記念日ACTION!」や「発酵BLEND PROJECT」などの新しい取組みを積極的に展開し、ブランド価値の向上に努めました。
健康機能領域においては、『カルピス』に由来する長年の乳酸菌研究から開発された、機能性表示食品『「届く強さの乳酸菌」W(ダブル)』や「L-92乳酸菌」配合の補水設計商品の発売など、ブランド資産を活用した高付加価値商品への取組みを強化し、市場における存在感の向上に努めました。
以上の結果、飲料事業の売上収益は、炭酸飲料や乳性飲料などの販売数量が前年実績を上回ったことにより、前年同期比3.4%増の1,814億2千2百万円となりました。
事業利益については、増収効果に加え、品種・容器構成比の改善などにより、前年同期比1.2%増の167億5千2百万円となりました(営業利益は前年同期比2.0%減の156億1千万円)。
[食品事業]
食品事業につきましては、主力ブランド・カテゴリーへの経営資源の集中による市場競争力の強化や最適生産物流体制の構築による収益性の向上など、成長基盤の盤石化に取り組みました。
タブレット菓子『ミンティア』においては、主力商品のリニューアルや新フレーバーの発売などにより、市場における地位の更なる向上に取り組みました。
サプリメントについては、『ディアナチュラ』において、商品ラインアップの拡充に加え、主力商品を中心に販売促進活動を積極的に展開し、ブランド力の向上を図りました。
ベビーフードについては、お子さまとの「おでかけ」をさらに楽しくする『栄養マルシェ』の新シリーズを発売するなど、新たな価値の提案を推進しました。
フリーズドライ食品については、『いつものおみそ汁 10種バラエティセット』を引き続き展開したことに加え、『減塩いつものおみそ汁』や『減塩うちのおみそ汁』をリニューアルするなど、各種のみそ汁市場における存在感の向上に取り組みました。
以上の結果、食品事業の売上収益は、主力ブランドが堅調に推移したものの、事業ポートフォリオの見直しによる減収影響などにより、前年同期比0.3%減の562億5千6百万円となりました。
事業利益については、売上収益の減少はありましたが、製造原価の低減などにより、前年同期比3.9%増の66億2千万円となりました(営業利益は前年同期比0.1%増の64億1千2百万円)。
[国際事業]
国際事業につきましては、各事業における高付加価値商品を核としたブランド資産の強化や地域横断的な展開によるシナジー創出などにより、成長基盤の一層の拡大に取り組みました。
欧州事業については、西欧において、『Peroni Nastro Azzurro』を中心とした高付加価値商品の展開や『アサヒスーパードライ』の拡大展開によるプレミアム化の推進に加えて、4月に買収が完了した英国Fuller, Smith & Turner P.L.C.のビール・サイダー事業における主力プレミアムエールビール『London Pride』の販売を開始するなど、成長基盤の強化を図りました。中東欧においては、チェコの『Pilsner Urquell』やポーランドの『Lech』など、母国市場において主力のプレミアムブランドを中心に積極的なマーケティング活動に取り組むとともに、ビールテイスト清涼飲料の展開を拡大し、各国におけるプレミアム化の推進と新たな成長ドライバーの育成を図りました。
オセアニア事業については、飲料において、炭酸カテゴリーを中心に積極的な販売促進活動に取り組むとともに、ノンシュガー商品の展開強化などに努めました。酒類においては、瓶商品の現地製造を開始した『アサヒスーパードライ』や『Peroni Nastro Azzurro』を中心としたプレミアムビールのマーケティング活動を強化するなど、ブランド価値の向上とシナジーの拡大に取り組みました。
東南アジア事業については、マレーシアにおいて、『ワンダ』、『カルピス』や『Goodday』などの自社ブランドを活用して、健康志向の高まりに対応した商品展開を強化しました。
中国事業については、『アサヒスーパードライ』や欧州のプレミアムブランド『Peroni Nastro Azzurro』『Pilsner Urquell』の販売強化により、プレミアムビール市場における存在感の向上に取り組みました。
以上の結果、国際事業の売上収益は、前期に実施した中国事業子会社の持分法適用会社への一部移行や各地域での円高の影響などにより、前年同期比5.2%減の3,318億5千7百万円となりました。
事業利益については、円高の影響があったものの、欧州事業や東南アジア事業の増益などにより、前年同期比6.1%増の447億1千7百万円となりました(営業利益は前年同期比8.9%増の352億9千9百万円)。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は前年同期比0.5%の増収、事業利益は前年同期比12.5%の増益となりました。※
※ 2019年の外貨金額を、前年同期の為替レートで円換算して比較しています。
[その他の事業]
その他の事業につきましては、売上収益は、前年同期比0.4%増の530億9千6百万円となりました。
事業利益については、前年同期比2億7千1百万円減の1億3千3百万円となりました(営業損失は前年同期比3億6千6百万円悪化の3千8百万円)。
セグメントの業績は次の通りです。各セグメントの売上収益はセグメント間の内部売上収益を含んでおります。なお、第1四半期連結累計期間より酒類事業に含まれていた輸出ビールの販売分について、報告セグメントの区分を国際事業に変更しており、国際事業に含まれていた一部の会社の報告セグメント区分を飲料事業に変更しております。また、事業利益の「調整額計」に含まれていた「IFRS調整額」を、各事業に配賦する開示方法に変更しております。以下の前年同期比較は前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
事業セグメント別の実績 (単位:百万円)
売上収益 | 前年同期比 | 事業利益 | 前年同期比 | 売上収益事業利益率 | 営業利益 | 前年同期比 | |
酒類 | 410,949 | △1.7% | 42,771 | △1.0% | 10.4% | 42,193 | △0.6% |
飲料 | 181,422 | 3.4% | 16,752 | 1.2% | 9.2% | 15,610 | △2.0% |
食品 | 56,256 | △0.3% | 6,620 | 3.9% | 11.8% | 6,412 | 0.1% |
国際 | 331,857 | △5.2% | 44,717 | 6.1% | 13.5% | 35,299 | 8.9% |
その他 | 53,096 | 0.4% | 133 | △67.1% | 0.3% | △38 | - |
調整額計 | △49,750 | - | △10,940 | - | - | △11,012 | - |
無形資産償却費 | - | - | △10,460 | - | - | - | - |
合計 | 983,832 | △2.1% | 89,594 | 1.6% | 9.1% | 88,465 | 0.6% |
※ 営業利益における無形資産償却費は各事業に配賦しています。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間の連結総資産は、IFRS第16号「リース」※の適用により有形固定資産が増加したものの、前期末比円高及び償却による無形資産の減少等により、総資産は前年度末と比較して25億8千万円減少し、3兆767億3千4百万円となりました。
負債は、IFRS第16号「リース」※の適用によりその他の金融負債が増加したことや、季節要因を主因とした営業債務の増加等により、前年度末と比較して48億8千2百万円増加し、1兆9,345億5千万円となりました。
資本は、前年度末に比べ74億6千2百万円減少し、1兆1,421億8千4百万円となりました。これは、当第2四半期連結累計期間の親会社の所有者に帰属する四半期利益の計上により利益剰余金が増加したものの、配当金支出により利益剰余金が減少したこと及び為替相場の変動により在外営業活動体の換算差額が減少したこと等によるものです。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は37.0%となりました。
※詳細は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 3 重要な会計
方針」をご参照下さい。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益が873億8千7百万円となりましたが、法人所得税等の支払いによる減少があった一方で、減価償却費等の非資金損益項目による増加があり、897億4千8百万円(前年同期比:176億8千万円の収入減)の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、欧州事業における子会社株式の取得などにより、560億3千4百万円(前年同期比:1,247億1千4百万円の支出増)の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に長期借入金の返済による金融債務の減少があり、382億8千9百万円(前年同期比:1,307億3千5百万円の支出減)の支出となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間末では、前第2四半期連結累計期間末と比較して現金及び現金同等物の残高は107億7千5百万円減少し、517億2千1百万円となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、アサヒグループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は、58億6千9百万円であります。
なお、当社は、新グループ理念“Asahi Group Philosophy (AGP)” に基づいた企業価値向上への取組みを推進するため、研究戦略の立案、研究開発、及び新規事業創出に取り組む新会社アサヒクオリティーアンドイノベーションズ株式会社を設立し、2019年4月より事業を開始しています。また、当該子会社の研究開発費は全社費用に含まれています。