四半期報告書-第68期第2四半期(令和1年7月1日-令和1年9月30日)

【提出】
2019/11/13 10:04
【資料】
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【項目】
34項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、世界経済の変動の影響に留意する必要があるものの、所得環境の改善が続くなかで、景気は緩やかな回復基調で推移しています。
このような状況の中で、当社グループは、事業の根幹であるプロバイオティクスの啓発・普及活動を展開し、商品の優位性を訴求してきました。また、販売組織の拡充、新商品の研究開発や生産設備の更新に加え、国際事業や医薬品事業にも積極的に取り組み、業績の向上に努めました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間の連結売上高は201,960百万円(前年同期比0.8%減)となりました。利益面においては、営業利益は、23,732百万円(前年同期比0.3%減)、経常利益は30,315百万円(前年同期比2.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は20,657百万円(前年同期比3.1%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
・飲料および食品製造販売事業部門(日本)
日本国内における乳製品につきましては、当社独自の「乳酸菌 シロタ株」や「ビフィズス菌 BY株」などの科学性を広く普及するため、エビデンスを活用し、地域に根ざした「価値普及」活動を継続的に展開しました。
宅配チャネルにおいては、乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト400」および「ヤクルト400LT」を中心に、既存のお客さまへの継続飲用の促進および新規のお客さまづくりに努めました。また、インターネット注文サービス「ヤクルト届けてネット」を活用し、新たなお客さまとの接点づくりを強化しました。さらに、宅配組織の強化を図るため、ヤクルトレディの働く環境整備を推進するとともに、採用活動を積極的に実施しました。
店頭チャネルにおいては、乳製品乳酸菌飲料「Newヤクルト」および「Newヤクルトカロリーハーフ」を中心に、プロモーションスタッフの試飲宣伝による「価値普及」活動を推進しました。また、演出資材を活用した売り場づくりを展開し、店頭での視認性向上を図りました。
商品別では、のむヨーグルト「ジョア」について、期間限定アイテム「南国パイン」を7月に発売し、ブランドの活性化を図りました。また、当社初の機能性表示食品で、一時的な精神的ストレスがかかる状態での「ストレス緩和」「睡眠の質向上」に機能がある乳製品乳酸菌飲料「Yakult(ヤクルト)1000」については、次代を担う商品と位置づけ、10月に関東1都6県で先行発売を開始しました。
一方、清涼飲料につきましては、「Tough-Man Refresh(タフマン リフレッシュ)」において、「欅坂46」を起用したテレビCMを放映するとともに消費者キャンペーンを実施し、商品の認知率を向上させることで売り上げの増大を図りました。
このような取り組みを中心に販売強化に努めたものの、天候不順の影響等により、乳製品、清涼飲料ともに前年を下回る実績で推移しました。
これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(日本)の連結売上高は104,358百万円(前年同期比6.1%減)となりました。
・飲料および食品製造販売事業部門(海外)
海外につきましては、1964年3月の台湾ヤクルト株式会社の営業開始をかわきりに、現在29の事業所および1つの研究所を中心に、39の国と地域で主として乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト」の製造、販売を行っており、2019年9月の一日当たり平均販売本数は約3,394万本となっています。
ア.米州地域
米州地域においては、ブラジル、メキシコおよび米国で乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト」などを製造、販売しています。
米国においては、米国東部での営業を開始し、販売対象エリアを米国全土に拡大しました。
これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(米州地域)の連結売上高は24,951百万円(前年同期比0.7%増)となりました。
イ.アジア・オセアニア地域
アジア・オセアニア地域においては、香港、シンガポール、インドネシア、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、インドおよび中国などで乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト」などを製造、販売し、アラブ首長国連邦(UAE)などでは「ヤクルト」などを輸入販売しています。
中国においては、今後の販売地域の拡大および市場深耕による需要増加に対応するため、無錫第2工場の建設開始を2020年5月に予定し準備を進めています。
アラブ首長国連邦(UAE)においては、「乳酸菌 シロタ株」を1本に300億個含む乳製品乳酸菌飲料「ヤクルトゴールド」を9月に発売しました。
ミャンマーにおいては、「ヤクルト」の製造、販売を8月に開始しました。これにより、海外進出数については、39の国と地域に販売網が拡大しました。
これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(アジア・オセアニア地域)の連結売上高は58,543百万円(前年同期比0.2%増)となりました。
ウ.ヨーロッパ地域
ヨーロッパ地域においては、乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト」などをオランダで製造し、同国を含め、ベルギー、イギリス、ドイツ、オーストリアおよびイタリアなどで販売しています。
ヨーロッパにおいては、プロバイオティクスを普及するための活動に対する厳しい規制の中で、健康強調表示(ヘルスクレーム)の承認に向け、各種の取り組みを行っています。このような状況の中、各国事業所による市場特性に合った販売活動の展開により、持続的成長を目指しました。
これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(ヨーロッパ地域)の連結売上高は4,092百万円(前年同期比9.9%減)となりました。
・医薬品製造販売事業部門
医薬品につきましては、がんおよびその周辺領域に特化した当社製品の啓発活動や適正使用を推奨する活動を推進しました。
当社の主力製品である抗悪性腫瘍剤「エルプラット」については、医療関係者を対象とした講演会などを積極的に開催し、シェアの維持に努めました。後発医薬品へ切り替える医療機関が増加傾向にあるものの、先発医薬品を開発した当社の強みである情報提供力や医療関係者との信頼関係により、引き続き「エルプラット」を選択してもらうための活動を展開しました。しかしながら、後発医薬品への置き換えが徐々に進んだことにより、売り上げに影響を受けました。
そのほか、後発医薬品の当社主力製品である代謝拮抗性抗悪性腫瘍剤「ゲムシタビン『ヤクルト』」などの販路拡大にも努めました。また、6月に発売した抗悪性腫瘍剤「カペシタビン錠『ヤクルト』」および「ゲフィチニブ錠『ヤクルト』」の速やかな市場浸透を図る活動を推進し、売り上げの増大に努めました。
一方、研究開発においては、ベラステム社(米国)と日本における開発および商業化に関する独占的ライセンス契約を締結したPI3K阻害剤「デュベリシブ」や、4SC社(ドイツ)から導入しているHDAC阻害剤「レスミノスタット」などの開発品目の臨床開発を推進しました。これらにより、今後、がんおよびその周辺領域において、さらなる強固な地位の確立を目指します。
これらの結果、医薬品製造販売事業部門の連結売上高は10,404百万円(前年同期比6.3%減)となりました。
・その他事業部門
その他事業部門には、化粧品の製造販売およびプロ野球興行などがあります。
化粧品につきましては、当社が創業以来培ってきた乳酸菌研究から生まれたオリジナル保湿成分「S.E.(シロタエッセンス)」の「価値普及」活動に重点をおき、お客さまの「内外美容」の実現と化粧品愛用者数の増大に努めました。
また、「S.E.(シロタエッセンス)」を配合した保湿効果の高い基礎化粧品「ラクトデュウ」シリーズを7月にリニューアル発売しました。リニューアルを機に、お客さまから要望の多かった「ラクトデュウ S.E.ミルク」を新たに導入するとともに、テレビCMを放映し商品の認知率を向上させることで、売り上げの増大に努めました。
一方、プロ野球興行につきましては、神宮球場において各種イベントを通じたファンサービスやさまざまな情報発信を行い、入場者数の増大と売上増加に努めました。
これらの結果、その他事業部門の連結売上高は11,802百万円(前年同期比9.0%増)となりました。
(注) 各セグメントの連結売上高には、セグメント間売上高が含まれています。また、セグメント別売上高
には、消費税等は含まれていません。
当第2四半期連結会計期間末の総資産は613,949百万円(前連結会計年度末比4,583百万円の減少)となりました。
純資産は397,625百万円(前連結会計年度末比5,346百万円の増加)となりました。主な要因は、円高による為替換算調整勘定の減少や、株価下落によるその他有価証券評価差額金の減少があったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益等により利益剰余金が増加したためです。
また、自己資本比率は58.7%(前連結会計年度末比0.9ポイントの増加)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益30,797百万円、減価償却費等があったことにより22,365百万円(前年同期比100百万円の収入減)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に生産設備の新設、増設および更新による固定資産の取得があった一方で定期預金の払戻があったことにより349百万円(前年同期比13,748百万円の支出減)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入およびリース債務の返済や配当金の支払い等により△9,644百万円(前年同期比1,626百万円の支出増)となりました。
これらの結果および換算差額により、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は115,126百万円(前連結会計年度末比11,881百万円の増加)となりました。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は4,343百万円です。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 従業員数
当第2四半期連結累計期間において、連結会社または提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(7) 生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、生産、受注および販売実績の著しい変動はありません。
(8) 主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動および主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変動はありません。