四半期報告書-第69期第2四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/11/13 15:20
【資料】
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【項目】
35項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるものの、各種政策の効果や海外経済の改善もあり、持ち直しの動きがみられています。
このような状況の中で、当社グループは、事業の根幹であるプロバイオティクスの啓発・普及活動を展開し、商品の優位性を訴求してきました。また、販売組織の拡充、新商品の研究開発や生産設備の更新に加え、国際事業や医薬品事業にも積極的に取り組み、業績の向上に努めました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間の連結売上高は190,428百万円(前年同期比5.7%減)となりました。利益面においては、営業利益は24,162百万円(前年同期比1.8%増)、経常利益は33,493百万円(前年同期比10.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は21,708百万円(前年同期比5.1%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
・飲料および食品製造販売事業部門(日本)
国内における営業活動につきましては、新型コロナウイルスが感染拡大している状況において、お客さまおよび従事者への感染拡大防止策を講じながら活動を実施しました。
宅配チャネルにおいては、お客さまのニーズに合わせたお届け方法を通じて、乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト400W」を含む「ヤクルト400」シリーズおよび「Yakult(ヤクルト)1000」を中心に、既存のお客さまへ継続飲用の促進や新規のお客さまづくりに努めました。また、インターネット注文サービス「ヤクルト届けてネット」では、テレビCM等を放映することで認知度が向上し、利用者数、売り上げがともに増加しました。
店頭チャネルにおいては、お客さまの健康維持への備えとして乳酸菌に対する期待が高まったことから、乳製品乳酸菌飲料「Newヤクルト」および「Newヤクルトカロリーハーフ」の需要が増加しました。
一方、リモートワークの増加や消費者の外出自粛の影響を受け、自動販売機の売り上げが減少しました。
商品別では、8月には、乳製品乳酸菌飲料「Yakult(ヤクルト)1000」の販売地区を関東1都6県から北海道、東北地区全域と静岡県、山梨県、長野県、新潟県に広げたほか、9月には、はっ酵乳「ミルミル」類のデザインリニューアルを行い、両商品ともにテレビCMを放映するなど、ブランドの活性化を図りました。
これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(日本)の連結売上高は104,490百万円(前年同期比0.1%増)となりました。
・飲料および食品製造販売事業部門(海外)
海外につきましては、1964年3月の台湾ヤクルト株式会社の営業開始をかわきりに、現在29の事業所および1つの研究所を中心に、39の国と地域で主として乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト」の製造、販売を行っており、本年9月の一日当たり平均販売本数は約3,597万本となっています。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響は国・地域の感染拡大状況、各国政府・地方政府の事業制限指令等により異なりますが、それぞれ対策を講じ、行政機関の指示に従い、営業・生産活動を行っています。
ア.米州地域
米州地域においては、ブラジル、メキシコおよび米国で乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト」などを製造、販売しています。
同地域では、宅配・店頭の両チャネルにおける販売体制強化を図り、売り上げの増大に努めました。
これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(米州地域)の連結売上高は21,322百万円(前年同期比14.5%減)となりました。
イ.アジア・オセアニア地域
アジア・オセアニア地域においては、香港、シンガポール、インドネシア、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、インド、ミャンマーおよび中国などで乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト」などを製造、販売し、アラブ首長国連邦(UAE)などでは「ヤクルト」などを輸入販売しています。
中国においては、8月までに販売拠点を49か所に拡大し、さらなる販売体制の強化を図りました。
これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(アジア・オセアニア地域)の連結売上高は56,149百万円(前年同期比4.1%減)となりました。
ウ.ヨーロッパ地域
ヨーロッパ地域においては、乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト」などをオランダで製造し、同国を含め、ベルギー、イギリス、ドイツ、オーストリアおよびイタリアなどで販売しています。
ヨーロッパにおいては、プロバイオティクスを普及するための活動に対する厳しい規制の中で、健康強調表示(ヘルスクレーム)の承認に向け、各種の取り組みを行っています。このような状況の中、各国事業所による市場特性に合った販売活動の展開により、持続的成長を目指しました。
これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(ヨーロッパ地域)の連結売上高は4,265百万円(前年同期比4.2%増)となりました。
・医薬品製造販売事業部門
医薬品につきましては、新型コロナウイルス感染拡大防止のため医療機関への訪問を自粛していますが、医療関係者のニーズに合わせてWeb会議等を活用し、がんおよびその周辺領域に特化した当社製品の啓発活動や適正使用を推奨する活動を推進しました。
当社の主力製品である抗悪性腫瘍剤「エルプラット」については、後発医薬品へ切り替える医療機関が増加傾向にあるものの、先発医薬品を開発した当社の強みである情報提供力や医療関係者との信頼関係により、引き続き「エルプラット」を選択してもらうための活動を展開しました。また、後発医薬品の当社主力製品である代謝拮抗性抗悪性腫瘍剤「ゲムシタビン『ヤクルト』」の販路拡大に加え、抗悪性腫瘍剤「カペシタビン錠『ヤクルト』」の売り上げの増大に努めました。そのほか、日本セルヴィエ社とのプロモーション契約に基づき、本年6月に発売になった抗悪性腫瘍剤「オニバイド®」(イリノテカン塩酸塩水和物 リポソーム製剤)の医療機関における速やかな採用と市場浸透に向けたプロモーション活動を積極的に推進しました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響および昨年10月と本年4月に実施された薬価改定において大半の当社製品の薬価が引き下げられたことにより、売り上げに影響を受けました。
一方、研究開発においては、ベラステム社(米国)と日本における開発および商業化に関する独占的ライセンス契約を締結したPI3K阻害剤「デュベリシブ」や、4SC社(ドイツ)から導入しているHDAC阻害剤「レスミノスタット」などの開発品目の臨床開発を推進しました。なお、8月にベラステム社は米国ベンチャー企業のセキュラ・バイオ社へ「デュベリシブ」の権利を譲渡する契約を締結し、9月にセキュラ・バイオ社への製品譲渡が完了しました。また、ベラステム社と当社間のライセンス契約に基づき、当社に許諾された権利(日本での開発・販売権等)と契約条件等については一切変更なく承継されます。
これらの結果、医薬品製造販売事業部門の連結売上高は8,925百万円(前年同期比14.2%減)となりました。
・その他事業部門
その他事業部門には、化粧品の製造販売およびプロ野球興行などがあります。
化粧品につきましては、当社が創業以来培ってきた乳酸菌研究から生まれたオリジナル保湿成分「S.E.(シロタエッセンス)」の「価値普及」活動に重点をおき、お客さまの「内外美容」の実現と化粧品愛用者数の増大に努めました。
具体的には、7月に「S.E.(シロタエッセンス)」を配合した保湿効果の高い基礎化粧品「ラクトデュウ」シリーズから「ラクトデュウ S.E.クレンジング(オイル)」と「ラクトデュウ S.E.ウォッシング」の2品を発売し、同シリーズのラインアップ強化によるお客さま満足度の向上を図りました。
さらに、新たな取り組みとして、中国の電子商取引(EC)ショッピングサイト「天猫国際(Tmall Global)」に旗艦店を立ち上げ、販売を開始し売り上げの増大に努めました。
一方、プロ野球興行につきましては、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、入場者数を制限した状況での試合開催を余儀なくされ、影響を受けましたが、安心して観戦していただける環境づくりと各種ファンサービスを通じて皆さまの期待に応えるべく対応を図りました。
これらの結果、その他事業部門の連結売上高は7,807百万円(前年同期比33.9%減)となりました。
(注) 各セグメントの連結売上高には、セグメント間売上高が含まれています。また、セグメント別売上高
には、消費税等は含まれていません。
当第2四半期連結会計期間末の総資産は619,529百万円(前連結会計年度末比8,341百万円の減少)となりました。
純資産は414,293百万円(前連結会計年度末比2,211百万円の増加)となりました。主な要因は、円高により為替換算調整勘定が減少したものの、親会社株主に帰属する四半期純利益等により利益剰余金が増加したためです。
また、自己資本比率は61.5%(前連結会計年度末比2.0ポイントの増加)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益32,744百万円、減価償却費等により23,338百万円(前年同期比972百万円の収入増)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に生産設備の増設および更新等による固定資産の取得があった一方で定期預金の払戻があったことにより4,595百万円(前年同期比4,246百万円の収入増)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入およびリース債務の返済や配当金の支払い等により△9,672百万円(前年同期比28百万円の支出増)となりました。
これらの結果および換算差額により、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は132,071百万円(前連結会計年度末比16,944百万円の増加)となりました。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は4,069百万円です。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 従業員数
当第2四半期連結累計期間において、連結会社または提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(7) 生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、生産、受注および販売実績の著しい変動はありません。
(8) 主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動および主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変動はありません。