有価証券報告書-第69期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/24 10:31
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151項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う経済活動の抑制により、景気が急速に悪化するなど、大きな影響を受けました。各種政策の効果や海外経済の改善もあり、先行きに持ち直しの動きが期待されていますが、国内外の感染再拡大が経済を下振れさせるリスクを注視する状況が続いています。
このような状況の中で、当社グループは、事業の根幹であるプロバイオティクスの啓発・普及活動を展開し、商品の優位性を訴求してきました。また、販売組織の拡充、新商品の研究開発や生産設備の更新に加え、国際事業や医薬品事業にも積極的に取り組み、業績の向上に努めました。
この結果、当連結会計年度の連結売上高は385,706百万円(前期比5.0%減)となりました。利益面においては、営業利益は43,694百万円(前期比4.3%減)、経常利益は57,601百万円(前期比1.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は39,267百万円(前期比1.2%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
・飲料および食品製造販売事業部門(日本)
乳製品につきましては、当社独自の「乳酸菌 シロタ株」や「ビフィズス菌 BY株」などの科学性を広く普及するため、新型コロナウイルス感染症に対するお客さまおよび従事者への感染拡大防止策を講じながら、地域に根ざした「価値普及」活動を積極的に展開しました。 宅配チャネルにおいては、乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト400W」を含む「ヤクルト400」シリーズおよび「Yakult(ヤクルト)1000」を中心に、お客さまのニーズに対応したお届け方法を通じて、既存のお客さまへの継続飲用を促進するとともに、新規のお客さまづくりに努めました。また、インターネット注文サービス「ヤクルト届けてネット」については、積極的な広告展開を実施したことで認知度が向上し、利用者数、売り上げがともに増加しました。 店頭チャネルにおいては、試飲宣伝による「価値普及」活動を自粛するなどの影響が生じたものの、お客さまの健康維持への備えとして乳酸菌に対する期待感が高まり、乳製品乳酸菌飲料「Newヤクルト」および「Newヤクルトカロリーハーフ」の需要が増加しました。 商品別では、「Yakult(ヤクルト)1000」および「ヤクルト400W」について、段階的に販売地区を拡大するとともに、広告展開と連動した飲用促進活動を実施しました。なお、「Yakult(ヤクルト)1000」については本年4月に全国発売を開始し、「ヤクルト400W」については本年5月に販売地区を西日本エリアに加え関東1都6県に拡大しました。 このような取り組みを中心に販売強化に努めた結果、乳製品全体では前期を上回る実績となりました。 一方、清涼飲料につきましては、栄養ドリンク「タフマン」シリーズについて、昨年10月に亀梨和也さんを起用したテレビCMを放映するとともに消費者キャンペーン等を実施し、ブランドの活性化による売り上げの増大に努めました。しかしながら、事業所やレジャー施設の営業自粛や休業の影響で、自動販売機を中心に売り上げが減少しました。
これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(日本)の連結売上高は207,051百万円(前期比1.1%減)となりました。
・飲料および食品製造販売事業部門(海外)
海外につきましては、1964年3月の台湾ヤクルト株式会社の営業開始をかわきりに、現在29の事業所および1つの研究所を中心に、39の国と地域で主として乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト」の製造、販売を行っており、本年3月の一日当たり平均販売本数は約3,159万本となっています。
また、新型コロナウイルス感染症の影響は、国・地域の感染拡大状況、各国政府・地方政府の事業制限指令等により異なりますが、それぞれ対策を講じ、行政機関の指示に従い、営業・生産活動を行っています。
ア.米 州 地 域
米州地域においては、ブラジル、メキシコおよび米国で乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト」などを製造、販売しています。
同地域では、宅配・店頭の両チャネルにおける販売体制強化を図り、売り上げの増大に努めました。
これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(米州地域)の連結売上高は41,877百万円(前期比14.1%減)となりました。
イ.アジア・オセアニア地域
アジア・オセアニア地域においては、香港、シンガポール、インドネシア、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、インド、ミャンマーおよび中国などで乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト」などを製造、販売し、アラブ首長国連邦(UAE)などでは「ヤクルト」などを輸入販売しています。
中国においては、昨年、無錫第2工場(無錫ヤクルト株式会社)の建設を開始するとともに、販売拠点を49か所に拡大し、さらなる販売体制の強化を図りました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や天候不順等により、売り上げに影響を受けました。
これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(アジア・オセアニア地域)の連結売上高は114,966百万円(前期比6.0%減)となりました。
ウ.ヨーロッパ地域
ヨーロッパ地域においては、乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト」などをオランダで製造し、同国を含め、ベルギー、イギリス、ドイツ、オーストリアおよびイタリアなどで販売しています。
ヨーロッパにおいては、プロバイオティクスを普及するための活動に対する厳しい規制の中で、健康強調表示(ヘルスクレーム)の承認に向け、各種の取り組みを行っています。このような状況の中、各国事業所による市場特性に合った販売活動の展開により、持続的成長を目指しました。
これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(ヨーロッパ地域)の連結売上高は8,564百万円(前期比7.9%増)となりました。
・医薬品製造販売事業部門
医薬品につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う医療機関への訪問自粛の対応としてウェブ会議等を活用し、がんおよびその周辺領域に特化した当社製品の啓発活動や適正使用を推奨する活動を推進しました。
当社の主力製品である抗悪性腫瘍剤「エルプラット」については、後発医薬品へ切り替える医療機関が増加傾向にあるものの、先発医薬品を開発した当社の強みである情報提供力や医療関係者との信頼関係を活かし、引き続き「エルプラット」を選択してもらうための活動を展開しました。また、日本セルヴィエ社とのプロモーション契約に基づき、昨年6月に発売された抗悪性腫瘍剤「オニバイド®」(イリノテカン塩酸塩水和物 リポソーム製剤)については、プロモーション活動を積極的に行った結果、速やかに市場導入を図ることができました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、入院や手術の延期、受診抑制等により当社製品の使用機会が減少したことに加え、昨年4月に実施された薬価改定において大半の当社製品の薬価が引き下げられたことにより、売り上げに影響を受けました。
一方、研究開発においては、セキュラ・バイオ社(米国)から日本における開発および商業化に関する独占的ライセンスを受けているPI3K阻害剤「デュベリシブ」や、4SC社(ドイツ)から導入しているHDAC阻害剤「レスミノスタット」等の開発品目の臨床開発を推進しました。
これらの結果、医薬品製造販売事業部門の連結売上高は18,123百万円(前期比7.9%減)となりました。
・その他事業部門
その他事業部門には、化粧品の製造販売およびプロ野球興行などがあります。
化粧品につきましては、当社が創業以来培ってきた乳酸菌研究から生まれたオリジナル保湿成分「S.E.(シロタエッセンス)」の「価値普及」活動に重点をおき、お客さまの「内外美容」の実現と化粧品愛用者数の増大に努めました。
具体的には、保湿効果の高い基礎化粧品「ラクトデュウ」シリーズについて、昨年7月に新商品2品を発売しラインアップを強化するとともに、テレビCM放映等の広告展開により、売り上げの増大に努めました。また、本年1月には「ヤクルト アロマモイスト ハンドクリーム」を発売し、お客さまとの接点拡大を図りました。
さらに、昨年7月から、中国における電子商取引(EC)ショッピングサイト「天猫国際(Tmall Global)」を通じたインターネット販売を開始し、中国市場での認知度の向上を図りました。
これらにより、化粧品全体としては、前期を上回る実績となりました。
一方、プロ野球興行につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、無観客または入場者数を制限したうえでの試合開催を余儀なくされるなどの影響を受けましたが、安心して観戦していただける環境づくりと各種ファンサービスを通じて、皆さまの期待に応えるべく努めました。
これらの結果、その他事業部門の連結売上高は17,703百万円(前期比22.7%減)となりました。
(注)各セグメントの連結売上高には、セグメント間売上高が含まれています。また、セグメント別売上高
には、消費税等は含まれていません。
当連結会計年度末の総資産は635,102百万円(前連結会計年度末比7,231百万円の増加)となりました。
純資産は439,761百万円(前連結会計年度末比27,678百万円の増加)となりました。主な要因は、円高により為替換算調整勘定が減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したためです。
また、自己資本比率は63.8%(前連結会計年度末比4.3ポイントの増加)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ1,794百万円減少し、122,766百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益は前期並みの59,336百万円でしたが、海外向け製造資材を中心とした仕入債務等の支払い増加や、受取利息の減少により、前期と比較し6,971百万円の減少となりました。その結果、営業活動によるキャッシュ・フローは55,820百万円となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前期と比較し投資有価証券の売却による収入が増加したものの、定期預金(期間3ヶ月超)への預け入れに比べ払戻しが多かったことに加え、海外での設備投資が増加したこと等により、支出額が3,562百万円増加しました。その結果、投資活動によるキャッシュ・フローは△19,623百万円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に短期借入金の返済が増加したこと等により、支出額が5,623百万円増加しました。その結果、財務活動によるキャッシュ・フローは△31,254百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
ア.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
飲料および食品製造販売事業(日本)143,0314.6
飲料および食品製造販売事業(米州)41,799△14.3
飲料および食品製造販売事業(アジア・オセアニア)114,889△6.6
飲料および食品製造販売事業(ヨーロッパ)8,6269.0
医薬品製造販売事業11,050△13.0
その他事業8,701△18.7
合計328,099△3.5

(注) 1 金額は販売価格によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
イ.受注実績
当社グループは、受注生産は行っていません。
ウ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
飲料および食品製造販売事業(日本)186,518△0.1
飲料および食品製造販売事業(米州)41,877△14.1
飲料および食品製造販売事業(アジア・オセアニア)114,966△6.0
飲料および食品製造販売事業(ヨーロッパ)8,5647.9
医薬品製造販売事業18,123△7.9
その他事業15,656△24.2
合計385,706△5.0

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の相手先がないため記載を省略しています。
3 セグメント間の取引については相殺消去しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
① 財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
ア.財政状態
当連結会計年度の自己資本比率は63.8%と前連結会計年度の59.5%から4.3ポイント増加しました。
非支配株主持分を含めた純資産額は、前期比6.7%、276億円増加しました。主な要因は、円高による為替換算調整勘定の減少があったものの、株価上昇によるその他有価証券評価差額金の増加や、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したためです。
また、当連結会計年度の自己資本利益率(ROE)は10.1%と前連結会計年度の10.9%から0.8ポイント減少しました。総資産経常利益率(ROA)は9.1%と前連結会計年度の9.4%から0.3ポイント減少しました。
有利子負債の短期借入金については、主に当社の返済により119億円減少しました。また、1年内返済予定を含む長期借入金についても、主に当社の返済により、49億円減少しました。この結果、有利子負債依存度(有利子負債÷総資産)は15.2%と前連結会計年度の18.1%から2.9ポイント減少しています。また、有利子負債対自己資本比率は23.8%と前連結会計年度の30.5%から6.7ポイント減少しています。
なお、財政状態は依然として堅固な状態が続いています。
イ.売上高
売上高は前連結会計年度から202億円減収(前期比5.0%減)の3,857億円となりました。飲料および食品製造販売事業部門(日本)では、23億円の減収(前期比1.1%減)、飲料および食品製造販売事業部門(海外)では、135億円の減収(同7.6%減)、医薬品製造販売事業部門では、15億円の減収(同7.9%減)、その他事業部門では、52億円の減収(同22.7%減)となりました。事業部門別の調整額控除前の売上高構成比は、飲料および食品製造販売事業部門(日本)が50.7%(前連結会計年度は48.6%)、飲料および食品製造販売事業部門(海外)が40.6%(同41.5%)、医薬品製造販売事業部門が4.4%(同4.6%)、その他事業部門が4.3%(同5.3%)となっています。飲料および食品製造販売事業部門(日本)が減収となった主な要因は、新製品導入効果等により乳製品の売上が増加したものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、自動販売機を中心に清涼飲料等の販売数量が減少したためです。また、飲料および食品製造販売事業部門(海外)が減収となった主な要因は、販売本数減少に加え、円高による為替換算のマイナス影響等があったためです。医薬品製造販売事業部門が減収となった主な要因は、薬価基準改定により大半の当社製品の薬価が引き下げられたためです。
また、日本からの輸出を含めた海外売上高は前連結会計年度から7.8%減の1,672億円となり、海外売上高比率は43.4%と前連結会計年度の44.7%から1.3ポイント減少しました。
ウ.売上原価、販売費及び一般管理費およびその他収益(費用)
売上原価は1,588億円となり、前連結会計年度から7.3%減少しています。売上総利益は2,268億円となり、前連結会計年度に比べ3.3%減となりました。売上高売上総利益率は58.8%と前連結会計年度の57.8%から1.0ポイント増加しました。
販売費及び一般管理費は1,831億円と前連結会計年度から58億円減少しました。主な要因は、飲料および食品製造販売事業部門(海外)で円高による為替換算のマイナス影響による減少、および医薬品製造販売事業部門において研究開発費が減少したこと、さらに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による営業活動自粛等により経費が減少したことによるものです。
この結果、営業利益は436億円と前連結会計年度から19億円の減益(前期比4.3%減)となりました。事業部門別の調整額控除前の営業利益構成比は、飲料および食品製造販売事業部門(日本)が38.8%(前連結会計年度は28.5%)、飲料および食品製造販売事業部門(海外)が61.1%(同69.6%)、医薬品製造販売事業部門が0.3%(同△1.3%)、その他事業部門が△0.2%(同3.2%)となっており、増益であった飲料および食品製造販売事業部門(日本)の構成比が増加しました。
営業外収益は153億円と前連結会計年度から6億円増加しました。主な要因は、受取利息および持分法による投資利益が減少したものの、為替差益が増加したことによるものです。
営業外費用は14億円と前連結会計年度から4億円減少しました。
特別利益は45億円と前連結会計年度から18億円増加しました。主な要因は、投資有価証券売却益が増加したことによるものです。
特別損失は27億円と前連結会計年度から3億円増加しました。
税金費用は前連結会計年度から19億円増加しました。主な要因は、前期に海外子会社において税効果会計により法人税調整額が減少した反動によるものです。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は392億円と前連結会計年度から4億円の減益(前期比1.2%減)となりました。売上高当期純利益率は10.2%と前連結会計年度の9.8%から0.4ポイント増加しました。
エ.為替の影響
為替レートの変動による影響は、当連結会計年度の売上高では112億円の減収、営業利益では23億円の減益と試算されました。ただし、この試算は、在外子会社の現地通貨建ての売上高、売上原価、販売費及び一般管理費に、前連結会計年度の各在外子会社における期中平均レートを適用して算出したものであり、為替変動に対応した販売価格等の影響は考慮していません。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
ア.資金調達および資金の主要な使途
当社グループは事業活動の維持拡大に必要な資金を確保するため、内部資金および金融機関からの借入を活用しています。
当社においては安定的、効率的に資金調達を行うため、国内金融機関6行と総額600億円の貸出コミットメント契約を締結しています。国内子会社については、主として資金調達をグループのキャッシュ・マネジメント・サービスを活用することにより、資金調達の一元化および効率化を図っています。結果として当連結会計年度末の有利子負債(長期・短期借入金)の9割以上が当社による調達となっています。
また、保有資金については、主に事業拡大のための設備投資、新商品開発のための研究開発および株主還元に活用しています。
イ.資金の流動性
当社グループは事業活動を円滑に行うため、安全性、安定性を考慮し手許資金を確保しています。当連結会計年度末の短期有利子負債242億円に対し、現預金は1,762億円となっており、流動性において十分な安全性を確保しています。また、余資については、安全性の高い短期的な預金等に限定して運用し、資金運用を目的とした投機的な取引は行わない方針です。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたっては、作成時点で入手している情報に基づき、合理的と考えられる見積りおよび仮定を用いていますが、見積り特有の不確実性があるため実際の結果は異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。
④ 経営方針・経営戦略の達成状況
当連結会計年度は、連結売上高3,857億円(連結売上高目標4,540億円に対して683億円の減)、連結営業利益436億円(連結営業利益目標570億円に対して134億円の減)となりました。
長期ビジョン「Yakult Vision 2020」の最終年度となる当連結会計年度の連結売上高および連結営業利益は、新型コロナウイルス感染症等の影響により目標を下回りましたが、同ビジョン策定前の2010年度と比較すると、連結売上高は797億円増(26.1%増)、連結営業利益は232億円増(114.2%増)となりました。これは、国内における高付加価値商品の導入および商品価値向上に伴う価格改定等や、海外における新たな国と地域への進出およびアジアを中心とした販売数量の増加等が寄与したと考えられます。
今後も、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う事業活動への制約や世界経済の先行き見通しへの不安からくる消費低迷の可能性など、外部環境の厳しさはありますが、「Yakult(ヤクルト)1000」をはじめとする日本国内での高付加価値商品の販売拡大や海外における市場深耕・事業展開拡大など、当社の企業理念に基づき、今回策定した長期ビジョン「Yakult Group Global Vision 2030」の戦略展開を推進していきます。