有価証券報告書-第103期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/29 12:10
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当連結会計年度末における当社グループの財政状態、経営成績及びキャシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日)における世界経済は、北米における通商政策および関税政策の動向をはじめ、ウクライナ情勢の長期化や中国経済の低迷に加え、日中関係の悪化による政治・外交面での緊張の高まりなど、地政学的リスクが継続する状況となりました。さらに、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰等もあり、資源・エネルギー価格の上昇圧力が強まるなど、国際的な経済環境は不安定な状況が続きました。これらの影響により、国際的な貿易・投資環境に対する先行き不透明感は依然として高い水準で推移しました。加えて、主要国の金融政策の方向性を巡る不確実性や為替相場の変動も継続し、原材料価格や輸入コストの上昇圧力など、不安定要因が引き続き顕在化しております。
我が国経済においては、企業の設備投資については大手企業を中心に持ち直しの動きが見られたものの、物価上昇を十分に上回る賃金上昇には至っておらず、個人消費についても力強さを欠く状況が続きました。また、海外経済の減速懸念に加え、米国の通商政策の影響や日中関係の動向、中東情勢を背景とした資源価格の高止まり、さらには継続的な物価・金利の上昇等が企業収益や個人消費に及ぼす影響については引き続き注視が必要であり、先行きについては依然として予断を許さない状況が継続しております。
このような環境下、当社グループでは、前連結会計年度に公表した2025年3月期から2027年3月期に係る新中期経営計画の2年目として、既存事業の黒字化に重点を置きながら、更なる新規事業への参画を進めてまいりました。2025年6月30日開催の第102回定時株主総会においては、商号変更および事業目的の追加を決議し、新社名を「株式会社北紡」といたしました。また、2026年3月3日付で株式交付により株式会社Vリムジンの株式51%を取得し、同社を連結子会社といたしました。これに伴い、新たに「モビリティ事業」をセグメントとして追加し、既存事業とのシナジー創出および収益基盤の拡大に取り組んでおります。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,506,005千円(前年同期比7.6%減)、営業損失137,437千円(前年同期は営業損失49,121千円)、経常損失131,585千円(前年同期は経常損失50,077千円)、親会社株主に帰属する当期純損失135,493千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失55,751千円)となりました。
(報告セグメントの変更等に関する事項)
当連結会計年度において、新たに株式会社Vリムジン及び、株式会社NEO TOKYOを連結範囲に含めておりますが、期末日をみなし取得日としているため、当連結会計年度の損益に与える影響はありません。また、当連結会計年度より、クリプトマネジメント事業及びモビリティ事業を、新たな報告セグメントとして追加しております。
セグメント別の業績は以下の通りであります。なお、各セグメントの営業損益は、各事業に配分していない全社費用188,159千円を配分する前の金額であります
(紡績事業)
当連結会計年度における当該事業の状況につきましては、主力のアラミド繊維製品において、産業資材用途向けは在庫調整の一巡に伴う一時的な増産があったものの、防護衣料用途における大口品番の終了により減産となりました。全体の生産量は前年同期比20.2%減少となりました。
また、それ以外の紡績糸につきましては、高級インナー向けは需要が堅調に推移し前年同期比15.1%増加となりました。一方で、ポリエステル等の他素材は他社製品との競合による在庫調整の進展および定番糸の生産終了の影響により、前年同累計期間比で減少しました。
この結果、紡績事業の当連結会計年度の業績は、売上高323,859千円(前年同期比17.1%減)、営業損失3,953千円(前年同期は2,195千円の営業利益)となりました。
(テキスタイル事業)
当連結会計年度における販売状況につきましては、前期と比較して全体的にやや弱含みで推移いたしました。中東市場においては、近年のコスト上昇を背景に販売価格の引き上げを実施したものの、三国品との価格差が拡大したことにより需要が鈍化し、販売量の減少となりました。加えて、2月末以降の中東情勢の影響により物流面にも制約が生じ、国内在庫が増加するなど、売上高は前期を下回る結果となりました。東南アジア向け商品につきましては、マレーシアおよびインドネシアにおける国内経済の停滞に加え、雨季等の天候要因も影響し、販売は前期比で低調に推移しております。
利益状況につきましては、国内仕入と海外販売に対する円安が寄与し、前年同期との比較で減益ではありますが、利益率は予想を大きく上回る結果となりました。
今後は、市場における需要動向の見極めつつ販売価格への転嫁を進めながら、先の商談について慎重に進めてまいります。
この結果、テキスタイル事業の当連結会計年度の業績は、売上高687,406千円(前年同期比12.7%減)、営業利益83,350千円(前年同期比17.8%減)となりました。
(ヘルスケア事業)
当連結会計年度における当該事業の状況につきましては、子会社である中部薬品工業の販売は、主力商品である「中薬たんきりのど飴」が計画及び前年同期を下回る結果となりました。一方で、新製品である「中薬しょうがのど飴」等につきましては、継続的な販路拡大により出荷は順調に推移いたしましたが、全体としては主力商品の減少を補いきれず、売上高は計画比及び前年同期比ともに未達となり、予算を若干下回る結果となりました。
また、防犯・防災セキュリティー管理システムの販売につきましては、北陸および新潟地区を中心に順調に推移いたしました。加えて、南九州エリアにおける営業開始に向けた準備を進めたことにより、一時的に予算外の販売費及び一般管理費が発生いたしましたが、全体としては概ね予算を達成しております。
この結果、ヘルスケア事業の当連結会計年度の業績は、売上高321,361千円(前年同期比47.9%増)、営業利益 34,278千円(前年同期比441.7%増)となりました。
(リサイクル事業)
当連結会計年度における当該事業の状況につきましては、掛川工場において生産量が安定したことによるコストダウンに加え、リサイクル市場の需要動向は回復傾向にあり、出荷数量は順調に推移しております。
この結果、リサイクル事業の当連結会計年度の業績は、売上高252,353千円(前年同期比7.2%増)、営業利益 25,855千円(前年同期は20,396千円の営業損失)となりました。
(クリプトマネジメント事業)
当連結会計年度における当該事業の状況につきましては、暗号資産市場は依然として変動の大きい環境下にあるものの、ビットコイン価格は第3四半期以降、下落傾向で推移いたしました。当社におきましては、長期的な資産形成およびトレジャリー運用の一環として、第2四半期よりビットコインの取得を開始いたしました。当初は毎営業日一定額を継続的に購入しておりましたが、その後は市場環境や価格動向等を勘案し、機動的に取得する方針へ変更しております。
この結果、クリプトマネジメント事業の当連結会計年度の業績は、売上高(暗号資産の評価損を含む)△78,976千円、営業損失88,175千円となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
総資産は前連結会計年度末より635,767千円増加し2,789,847千円となりました。これは主に、円貨および外貨ともに売掛金が107,731千円増加し334,839千円に、機械装置等の新規取得により有形固定資産が115,361千円増加し1,197,388千円に、新規子会社取得により、のれんが208,416千円発生した影響であります。
(負債)
負債は前連結会計年度末より194,625千円増加し1,159,036千円となりました。これは主に、その他流動負債が75,461千円増加し134,004千円に、1年内返済を含むリース債務が63,680千円増加し69,134千円に、1年内返済を含む長期借入金が3,668千円減少し218,982千円になった影響であります。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末より441,141千円増加し1,630,810千円となりました。これは主に、新株および新株予約権の発行や新株予約権の行使により資本金が132,660千円増加し1,512,129千円に、資本準備金が361,923千円増加し1,039,986千円になった一方で、親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことにより、利益剰余金が135,493千円減少し△1,464,593千円に、投資有価証券の時価上昇により、その他有価証券評価差額金が17,826千円増加し29,848千円になった影響であります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(「以下「資金」という)は、474,850千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金は294,524千円の減少(前連結会計年度は7,681千円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失△131,185千円を計上したことに加え、暗号資産の増加△158,708千円、未払消費税等の納付による減少△36,179千円、および減価償却費の計上21,458千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金は56,666千円の増加(前連結会計年度は35,432千円の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出△14,270千円、投資有価証券の取得による支出△10,000千円があった一方で、関係会社株式の取得による収入80,553千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金は197,756千円の増加(前連結会計年度は340,819千円の増加)となりました。これは主に、新株予約権の行使による収入259,350千円があった一方で、長期借入金の返済による支出△64,940千円があったことによるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2026年3月期
自己資本比率54.7
時価ベースの自己資本比率132.3
キャッシュ・フロー対有利子負債比率
インタレスト・カバレッジ・レシオ

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
2.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
3.有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っているすべての負債を対象としております。
4.キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
④ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前期比(%)
紡績事業309,634△16.99
テキスタイル事業
ヘルスケア事業14,0012.67
リサイクル事業180,6975.96
合計504,333△9.48

(注) 1.金額は、製造原価によっております。
2. 当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは主に、紡績事業において、 市場における製品の需要低下により生産高が減少したことによるものであります。
b.受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)
紡績事業322,828△12.4276,966△1.32
テキスタイル事業687,406△12.73
ヘルスケア事業321,09435.0620,291△1.30
リサイクル事業252,3537.22
合計1,583,683△2.8097,257△1.31

c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前期比(%)
紡績事業323,859△17.19
テキスタイル事業687,406△12.73
ヘルスケア事業321,36147.97
リサイクル事業252,3537.22
合計1,584,981△2.84

(注) 1.クリプトマネジメント事業については、売上高の詳細が暗号資産運用の評価損益であるため、
生産・受注・販売実績の記載は省略しております
2. 当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは主に、ヘルスケア事業
において、販売数量が増加したことによるものであります。
主要な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
帝人㈱301,55918.48222,43614.03
GEEDEEKAY INTERNATIONAL260,80715.98280,34917.68


(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等につきましては、世界的な金融引き締め政策、中国経済のスローダウン、ロシア、ウクライナ紛争による原油高及びエネルギーコストの大幅上昇、並びに新規人員確保の問題など、極めて厳しい状況で推移いたしました。
紡績事業においては、前期から進めた価格改定およびアラミド繊維の主力である防護服衣料の順調な受注により売上高は同水準を維持しておりますが、一部生産銘柄の入れ替えがあったことで前年同期と比較して生産数量は減少しております。また、人件費や電気代の高騰等の影響もあり、計画していた程の利益獲得には至りませんでした。一方、テキスタイル事業は、成約が順調に推移したことと円安が寄与したことで、計画を上回る利益を獲得することができました。リサイクル事業においては、生産設備の不具合や原材料調達の伸び悩みにより、計画に比べ大幅に減産を余儀なくされたことや、コストアップを値上げに転嫁することが困難であったことで、利益は大幅に計画を下回りました。
当社グループの今後の課題といたしましては、既存事業である紡績事業、テキスタイル事業を強化しつつ、新規事業であるリサイクル事業については、安定的操業と仕入・販売の強化を行い、業績回復を図ってまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの事業活動における主な資金需要は、運転資金及び設備資金等であります。運転資金需要は、生産活動のための原材料費や労務費及び製造経費、及び販売活動のための商品仕入に伴う代金支払いをはじめ、受注獲得のための営業費、新製品開発のための研究開発費等が含まれます。設備資金等の需要は、生産性向上を目的とした生産設備等の取得であります。
これらの資金需要については、営業キャッシュ・フローを源泉とすることを原則としておりますが、不足分は必要に応じ、運転資金等の短期的な資金については金融機関との当座貸越契約にて、設備資金等の長期的な資金については新株予約権の行使による払込資金等の自己資本による資金調達にて対応していくこととしております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項については、過去の実績や状況に応じて判断を行い、その結果を基に金額を算出しております。当社グループで採用する重要な会計方針の詳細については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

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