四半期報告書-第60期第1四半期(平成31年1月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/05/15 9:02
【資料】
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【項目】
14項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
また、コア営業利益は売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した利益であり、IFRSで定義されている指標ではありませんが、当社グループの経常的な事業業績を測る指標として有用な情報であると考えられるため、自主的に開示しております。
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2019年1月1日~2019年3月31日)における当社グループをとりまく経営環境は、新興国通貨安やオイル市況の反発に伴う輸入原材料仕入価格の上昇等がありましたが、海外におきましては、中国やタイ経済の一部に弱さが見られるものの、インドネシア、ベトナム、インドなどの主要参入国において景気は概ね安定的に推移しているなか、当社グループは、消費者ニーズに合わせたパーソナルケア関連商品の販売活動を積極的に実施し、持続的な成長を実現いたしました。
一方、国内におきましては、不安定な株価動向から消費マインドの低下が懸念されながらも、景気回復基調が持続し、個人消費も持ち直しの動きが見られるなか、引き続き高付加価値パーソナルケア関連商品の需要を喚起するための新価値提案を実施し、市場の拡大に努めてまいりました。
このような経営環境のなか、当社グループは、“世界中の全ての人々のために、快適と感動と喜びを与えるような、世界初・世界No.1の商品とサービスを提供しつづけます”の基本方針に基づき、独自の不織布加工・成形技術と消費者ニーズを捉えた商品の開発に努め、あらゆる世代の人々がお互いに負担を感じることなく、その人らしさを尊重し合いながら暮らせる「共生社会」の実現に向けて取り組んでまいりました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高168,611百万円(前年同四半期比4.8%増)、コア営業利益20,099百万円(前年同四半期比18.7%減)、税引前四半期利益20,939百万円(前年同四半期比4.1%減)、四半期利益14,973百万円(前年同四半期比7.2%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益12,701百万円(前年同四半期比10.4%減)となりました。
セグメントの業績を示すと次のとおりであります。
①パーソナルケア
●ベビーケア関連商品
海外では、安心・安全ニーズに応える日本からの高付加価値輸入商品の需要が高い中国におきまして、引き続きインターネット販売での取り組みを強化し、コーポレートブランドと『ムーニー』ブランドの認知拡大と、パンツ型紙おむつの普及促進に努めてまいりました。『Baby Love』、『Fitti』及び『PetPet』ブランドを保有しているDSG (Cayman) Ltd.の株式を取得した東南アジア地域におきましては、飛躍的な成長に向けたシナジー追求に努めてまいりました。新興国のなかでも紙おむつの普及率が未だ低いインドにおきましては、パンツ型紙おむつで普及促進を図りながら販売エリアとシェアの拡大に努めたほか、ベトナムにおきましては、地方エリアでの配荷拡大により『Bobby』ブランドのシェア拡大に努めてまいりました。
国内では、日本初※となる紙おむつの表面シートにオーガニックコットンを配合した『Natural moony(ナチュラル ムーニー)』シリーズや、“ふんわりぴたりでモレ安心”の『ムーニー エアフィット』シリーズ、夜専用の『オヤスミマン』ブランドなどのサブカテゴリー商品とともにリレーション強化を図るほか、子供が自分自身に自信をもち、周囲と信頼関係をつくる重要な発達時期にあたるトイレトレーニング開始時期にお役立ち頂けるよう無料配信している「ムーニーちゃんとトイレトレーニングアプリ」におねしょ対策のオヤスミマンモードを追加したアプリの無料配信を開始し、朝晩に子どもが進んでトイレに行きたくなる習慣づくりを支援してまいりました。また、ディズニーキャラクターのかわいいデザインとたっぷり吸収の『マミーポコパンツ』シリーズに、カラフルで楽しい「パーティーデザイン」を採用した商品を限定発売するなど、笑顔あふれる育児生活の実現に取り組んでまいりました。
※ 国内の主要ベビー用紙おむつの表面シートにオーガニックコットンを配合(2016年3月ユニ・チャーム㈱調べ)
●フェミニンケア関連商品
海外では、中国におきまして、若年層から品質の高さとデザインのかわいらしさに対して引き続き高いご支持を頂いているほか、インドネシアやタイ、ベトナム、インドといった新興国におきましても、消費者ニーズに合わせた商品で販売エリアとさらなるシェアの拡大に努めてまいりました。
国内では、“ポーチにIN、おしゃれにGO!”でおなじみの『センターイン』シリーズにおいて、女子中高生のライフスタイルや感性に合わせた「おしゃねこ※」デザインを採用し“かわいくてモレ安心”な『ソフィ センターイン ハッピーキャッチ』シリーズから、試験を控えた学生を応援する“合格お守りパッケージ”を期間限定で発売し、試験に向けて頑張っている学生を応援してまいりました。また、“はばたけ、わたし!”の想いを込めた『ソフィ』ブランドにおきましては、おりものも水分も吸収する新しいパンティライナー『ソフィ Kiyora贅沢吸収』シリーズを新発売するなど、独自の不織布技術を活かした高付加価値商品の提案や、全ての女性が自分らしく、健やかに毎日を過ごせるようにとの願いを込めて、女性の体と心の仕組みを科学的に捉えながら、女性の物理的・精神的な束縛からの解放に取り組んでまいりました。
※ 「おしゃれでかわいいねこ」の意味
●ヘルスケア関連商品
海外では、日本以上のスピードで台湾やインドネシア、タイ、ベトナム、中国といったアジア地域でも高齢化が進み、大人用排泄ケア用品の需要が本格化することから、日本で確立したケアモデルをアジア地域に普及させる準備を進めてまいりました。また、大人用紙おむつ市場において優位なポジションを築き、『Certainty』ブランドを保有しているDSG (Cayman) Ltd.の株式を取得したタイ及びマレーシアにおきましては、普及加速に向けた取り組みを進めてまいりました。
高齢者人口の増加により拡大が続く国内市場におきましては、今までどおり自分らしく生活が送れるようサポートする商品の普及活動に取り組んでまいりました。軽い尿もれ専用品では、吸水ケアを通じて笑顔ある毎日を応援する『チャームナップ 吸水さらフィ』ブランドや、大人用紙おむつ・尿もれ専用品『ライフリー』ブランドとともに“軽い尿もれ”は誰にでもあることとして抵抗感を払拭する活動を継続して実施したほか、テレビコマーシャル、ウェブサイト、店頭でのカウンセリングや日常生活動作に合わせた売り場づくりを通じて販売促進にも積極的に取り組み、排泄ケア市場をリードしてまいりました。また、大人用紙おむつ業界で初めて人工知能(Artificial Intelligence)チャットボット※1を採用した24時間365日排泄ケアに関するお問い合わせに対応できる「大人用おむつNAVI」や、高齢化の進行に伴う「閉じこもり」や「認知症」といった社会問題の改善に向けたライフリー「ソーシャル・ウォーキング※2」体験会の継続開催などを通じて心と体の健康サポートにも努めてまいりました。
日々の健康を守り、安心で快適な暮らしをサポートする『超快適』ブランドにおきましては、お子様から大人まで一年を通して快適に使用できるマスクのご提案と市場の活性化に努めてまいりました。
※1 人間の代わりに対話するプログラム(もしくは、それを含むシステム全体)のこと
※2 「社会参加&歩行」の造語で、人と関わり、楽しみながら歩くことを誰もが取り組みやすい形にした認知症予防のためのウォーキング(地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所の監修のもと、当社考案)
●クリーン&フレッシュ関連商品
クリーン&フレッシュ国内市場におきましては、住環境やライフスタイルの変化に伴い、リビング周りをいつも清潔に、家中を限られた時間で簡単にお掃除したいというお客様が増えているなか、“片手でポン!ですぐキレイ”のボックス型ウェットティッシュ『シルコット ウェットティッシュ』シリーズの容器をおしゃれなデザインで取り出しやすく、高い気密性を実現した商品へと改良したのに続き、外出用につきましても、ピタッとシールでしっかり密着し、ウェット感の続くパッケージへと改良してまいりました。また、“家中まるごと、これ一本!”のお掃除用品『ウェーブ』ブランドにおきましては、日常生活を快適に過ごして頂けるよう、身近に置けてお部屋にマッチするおしゃれなキャットデザインの『ウェーブ ハンディワイパー』を限定発売したほか、オールホワイトを追加販売するなど、市場の活性化に努めてまいりました。
毎日変化するお肌を健やかに保ち、日々のお手入れを気楽に効果的にする『シルコット コットン』シリーズでは、2分の1の化粧水でも驚くほどうるおう※1『シルコット うるうるコットン スポンジ仕立て』で楽しくスキンケアをして頂けるよう、「ムーミンデザイン」を限定発売しました。また、3年連続※2@cosmeベストコスメアワードを受賞し、殿堂入りを果たしたほか、訪日外国人によるインバウンド需要に対しても積極的に取り組み、販売促進に努めてまいりました。
※1 当社従来品比
※2 @cosmeベストコスメアワードベスト美容グッズ2016年、2017年ベスト美容グッズ第1位受賞。@cosmeベストコスメアワード2018殿堂入り
この結果、パーソナルケアの売上高は148,468百万円(前年同四半期比5.1%増)、セグメント利益(コア営業利益)は18,125百万円(前年同四半期比20.7%減)となりました。
②ペットケア
人とペットがともに長生きし豊かな生活が送れる「共生社会」と「健康長寿社会」の実現に向け、衛生用品からフードまでペットの生活を総合的にサポートする商品の開発と市場創造に努めてまいりました。
国内ペットトイレタリーにおきましては、犬用では、いつでもどこへ行くときも愛犬と一緒に楽しくお出かけができる洋服感覚の吸収ウェア『マナーウェア』ブランドや、リビングでの快適な毎日をお過ごし頂ける『デオシート』ブランド、猫用では、驚きの消臭力で、閉め切ったお部屋でも1週間ニオわない※1『デオトイレ』ブランドや『デオサンド』ブランドで市場の活性化と快適な空間づくりに取り組んでまいりました。
国内ペットフードにおきましては、犬用では、良質素材を彩り良く使い、味、食感、栄養バランスの全てにこだわった『グラン・デリ』ブランドに、無添加※2で、100%国産鶏肉を使用し、素材の旨味をしっかり残したドッグフード『グラン・デリ 無添加仕立て 国産パウチ』シリーズと、低脂肪な鶏ささみとチーズやかぼちゃなどの素材をトッピングした無着色のおやつ『グラン・デリ 素材贅沢』シリーズを新発売し、自然に近い素材で「おいしさ」や「品質」を追求してまいりました。
猫用では、厳選された素材で猫が夢中になるおいしさと、食べきりサイズで毎回新鮮なおやつを与えることができる『銀のスプーン三ツ星グルメおやつ』シリーズに、素材の“つぶつぶ”食感を楽しめる猫用おやつ『銀のスプーン三ツ星グルメおやつ つぶリッチ』を新発売し、健康で幸せな毎日をサポートできるよう取り組んでまいりました。
北米市場におきましては、日本の技術を搭載した犬用シート、猫用ウェットタイプ副食の販売が引き続き堅調に推移したほか、今後のさらなる成長に向け、近年台頭が著しいインターネット販売やペット専門店・米国特有のDollar store(均一価格店)業態への取り組みを強化してまいりました。
※1 愛猫1頭(体重8kgまで)デオトイレ1週間使用時
※2 着色料・調味料・発色剤 不使用
この結果、ペットケアの売上高は18,676百万円(前年同四半期比3.5%増)、セグメント利益(コア営業利益)は1,983百万円(前年同四半期比4.1%増)となりました。
③その他
不織布・吸収体の加工・成形技術を活かした業務用商品分野におきまして、産業用資材を中心に販売を進めてまいりました。
この結果、その他の売上高は1,467百万円(前年同四半期比12.4%減)、セグメント利益(コア営業利益)は△9百万円(前年同四半期はセグメント利益(コア営業利益)△32百万円)となりました。
(2)財政状態の状況
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における資産合計は814,721百万円(前連結会計年度比2.4%増)となりました。主な増加は、有形固定資産49,818百万円、預入期間が3ヶ月を超える定期預金等によるその他の金融資産6,931百万円、主な減少は、現金及び現金同等物26,360百万円、長期前払費用等のその他の非流動資産7,304百万円によるものです。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における負債は302,358百万円(前連結会計年度比3.6%増)となりました。主な増加は、リース負債等のその他の金融負債41,033百万円、主な減少は、仕入債務及びその他の債務13,766百万円、未払賞与等のその他の流動負債8,201百万円、未払法人所得税7,888百万円によるものです。
(資本)
当第1四半期連結会計期間末における資本合計は512,364百万円(前連結会計年度比1.7%増)となりました。主な増加は、親会社の所有者に帰属する四半期利益12,701百万円、在外営業活動体の為替換算差額等のその他の資本の構成要素5,615百万円、主な減少は、親会社の所有者への配当金の支払い7,160百万円、自己株式の増加5,662百万円によるものです。
(親会社所有者帰属持分比率)
当第1四半期連結会計期間末における親会社所有者帰属持分比率は54.9%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間における連結キャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは6,129百万円のプラス(前年同四半期比16,548百万円のマイナス)、投資活動によるキャッシュ・フローは定期預金の預入による支出などにより17,396百万円のマイナス(前年同四半期比2,593百万円のプラス)、財務活動によるキャッシュ・フローは親会社の所有者への配当金の支払額などにより16,765百万円のマイナス(前年同四半期比13,183百万円のマイナス)となりました。その結果、現金及び現金同等物の当第1四半期連結会計期間末残高は108,705百万円と前連結会計年度末に比べ26,360百万円減少しております。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、1,700百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。