四半期報告書-第60期第3四半期(令和1年7月1日-令和1年9月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
また、コア営業利益は売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した利益であり、IFRSで定義されている指標ではありませんが、当社グループの経常的な事業業績を測る指標として有用な情報であると考えられるため、自主的に開示しております。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2019年1月1日~2019年9月30日)における当社グループをとりまく経営環境は、海外におきましては、米中貿易摩擦の激化や英国のEU離脱問題、サウジアラビア等の原油供給リスクなどから世界経済の先行き不透明感が続くなか、当社グループは、消費者ニーズに合わせたパーソナルケア関連商品の販売活動を積極的に実施し、持続的な成長を実現いたしました。
一方、国内におきましては、10月から消費税率引上げが控えていたものの、顕著な駆け込み需要はみられないなか、個人消費は底堅く推移し、越境ECにも底打ちの兆しがあるなか、引き続き高付加価値パーソナルケア関連商品の需要を喚起するための新価値提案を実施し、市場の拡大に努めてまいりました。
このような経営環境のなか、当社グループは、“世界中の全ての人々のために、快適と感動と喜びを与えるような、世界初・世界No.1の商品とサービスを提供しつづけます”の基本方針に基づき、独自の不織布加工・成形技術と消費者ニーズを捉えた商品の開発に努め、あらゆる世代の人々がお互いに負担を感じることなく、その人らしさを尊重し合いながら暮らせる「共生社会」の実現に向けて取り組んでまいりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高524,741百万円(前年同四半期比5.3%増)、コア営業利益68,360百万円(前年同四半期比9.8%減)、税引前四半期利益67,597百万円(前年同四半期比8.5%減)、四半期利益51,834百万円(前年同四半期比1.2%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益45,496百万円(前年同四半期比3.4%減)となりました。
セグメントの業績を示すと次のとおりであります。
①パーソナルケア
●ベビーケア関連商品
海外では、安心・安全ニーズに応える日本からの高付加価値輸入商品の需要が高い中国におきまして、引き続きインターネット販売での取り組みを強化し、コーポレートブランドと『ムーニー』ブランドの認知拡大と、パンツ型紙おむつの普及促進に努めたほか、より通気性を高めた中国製『ムーニー』ブランドを新発売し、中国国内における多様な消費者ニーズに応えてまいりました。また、『Baby Love』、『Fitti』及び『PetPet』ブランドを保有しているDSG (Cayman) Ltd.の株式を取得した東南アジア地域におきましては、飛躍的な成長に向けたシナジー追求に努めてまいりました。新興国のなかでも紙おむつの普及率が未だ低いインドにおきましては、パンツ型紙おむつで普及促進を図りながら販売エリアと市場シェアの拡大に努めたほか、中東サウジアラビアでは、消費者ニーズに合わせた商品のご提案を継続し、昨年獲得したNo.1市場シェア※1の維持に努めてまいりました。
国内では、日本初※2となる紙おむつの表面シートにオーガニックコットンを配合した『Natural moony(ナチュラル ムーニー)』シリーズや、“モレ安心”の『ムーニー エアフィット』シリーズの販売促進に努めたほか、保育士の人材サービス等を手掛けるBABY JOB㈱と提携して保育園向けにベビー用紙おむつの定額制サービスを開始し、増加する共働き世帯の負担軽減と笑顔あふれる育児生活の実現に向けて取り組んでまいりました。
※1 サウジアラビア国内幼児用紙おむつ市場(2018年7月~2019年6月累計販売金額ニールセン調べ)
※2 国内の主要ベビー用紙おむつの表面シートにおいて(2016年3月ユニ・チャーム㈱調べ)
●フェミニンケア関連商品
海外では、中国におきまして、若年層から品質の高さとデザインのかわいらしさに対して引き続き高いご支持を頂いているなか、販売エリアと取り扱い店舗数の拡大に取り組んでまいりました。また、インドネシアやタイ、ベトナム、インドといった新興国におきましても、消費者ニーズに合わせた商品で販売エリアとさらなる市場シェアの拡大に努めてまいりました。
国内では、“はばたけ、わたし!”の想いを込めた『ソフィ』ブランドにおきまして、女子中高生のライフスタイルや感性に合わせ「おしゃねこ※」デザインを採用した“かわいくてモレ安心”な『ソフィ センターイン ハッピーキャッチ』シリーズに、まだ生理に不慣れな女子中高生が生理を前向きに捉えるきっかけにして欲しいとの想いから、ティーン雑誌売上No.1の「ニコラ」のモデルがデザインした『ソフィ センターイン ハッピーキャッチ ニコラ・モデルデザインパッケージ』を限定発売しました。また、全ての人が生理を当たり前のこととして捉え、生理や生理用品について隠すことなく、気兼ねなく話せる世の中の実現を願って、ソフィ『#NoBagForMe』プロジェクトを始動したほか、「ピンクリボン活動」を2008年から12年連続で今年も応援するなど、独自の不織布技術を活かした高付加価値商品のご提案や、女性の体と心の仕組みを科学的に捉えながら、女性の物理的・精神的な束縛からの解放と、全ての女性がより自分らしく、健やかに毎日を過ごしながら活躍できる社会を目指して取り組んでまいりました。
※ 「おしゃれでかわいいねこ」の意味
●ヘルスケア関連商品
海外では、日本以上のスピードで台湾やインドネシア、タイ、ベトナム、中国といったアジア地域でも高齢化が進み、大人用排泄ケア用品の需要が本格化することから、日本で確立したケアモデルをアジア地域に普及させる準備を進めてまいりました。また、大人用紙おむつ市場において優位なポジションを築き、『Certainty』ブランドを保有しているDSG (Cayman) Ltd.の株式を取得したタイ及びマレーシアにおきましては、普及加速に向けた取り組みを進めてまいりました。
高齢者人口の増加により拡大が続く国内市場におきましては、今までどおり自分らしく生活が送れるようサポートする商品の普及活動に取り組んでまいりました。軽い尿もれ専用品では、“ズボンにしみない、目立たない”工夫をした男性用尿もれ専用品『ライフリー さわやかパッド』シリーズと、吸水ケアを通じて笑顔ある毎日を応援する『チャームナップ』ブランドにおきまして、“軽い尿もれ”は誰にでもあることとして抵抗感を払拭する活動を継続して実施してまいりました。大人用紙おむつ・尿もれ専用品『ライフリー』ブランドでは、24時間365日排泄ケアに関するお問い合わせに対応できるよう、大人用紙おむつ業界で初めて人工知能(Artificial Intelligence)チャットボット※1を採用した「大人用おむつNAVI」などで心と体の健康をサポートしてまいりました。また、高齢化の進行に伴う「閉じこもり」や「認知症」といった社会問題の改善に寄与するため、目的を持って社会と触れ合い誰でも取り組める形にした認知症予防ライフリー「ソーシャル・ウォーキング※2」体験会を継続的に開催したほか、テレビコマーシャル、ウェブサイト、店頭でのカウンセリングや日常生活動作に合わせた売り場づくりを通じて販売促進にも積極的に取り組み、排泄ケア市場をリードしてまいりました。
日々の健康を守り、安心で快適な暮らしをサポートする『超快適』ブランドにおきましては、多様化する使用実態やニーズの変化に合わせて『超快適マスク 息ムレクリアタイプ ブラック』や、『超快適マスク ピンクふつうサイズ』、『超快適マスク 園児専用 おやこ動物柄』を新発売したほか、消費税率引上げ前のまとめ買いニーズに合わせて『超快適マスク ふつうサイズ 50枚入り』を販売するなど、市場の活性化に努めてまいりました。
※1 人間の代わりに対話するプログラム(もしくは、それを含むシステム全体)のこと
※2 「社会参加&歩行」の造語で、人と関わり、楽しみながら歩くことを誰もが取り組みやすい形にした認知症予防のためのウォーキング(地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所の監修のもと、当社考案)
●クリーン&フレッシュ関連商品
クリーン&フレッシュ国内市場におきましては、住環境やライフスタイルの変化に伴い、リビング周りをいつも清潔に、家中を限られた時間で簡単にお掃除したいというお客様が増えているなか、“片手でポン!ですぐキレイ”のボックス型ウェットティッシュ『シルコット ウェットティッシュ』シリーズや、“家中まるごと、これ一本!”のお掃除用品『ウェーブ』ブランドとともに、日常生活を快適に過ごして頂くための提案に努めてまいりました。
毎日変化するお肌を健やかに保ち、日々のお手入れを気楽に効果的にする『シルコット コットン』シリーズでは、2分の1の化粧水でも驚くほどうるおう※1『シルコット うるうるコットン スポンジ仕立て』でたっぷり使える大入り数タイプを発売したほか、日本初の極細長繊維※2でミクロ汚れまですっきりふきとる“ふきとり用コットン”『シルコット ふきとりコットン シルキー仕立て』とともに、多様化する化粧用コットン市場の活性化と、訪日外国人によるインバウンド需要の取り込みに向けて販売促進に努めてまいりました。
お料理の下ごしらえ、調理、保存からふきんまで幅広い用途に使えるクッキングペーパー『クックアップ』では、生鮮食品の鮮度保持などの便利な使い方をご紹介したほか、余分な水分のみを吸収し、空気を通すことにより鮮度の劣化や変色を防ぐ『フレッシュマスター』とともに生鮮食品の食品ロス削減に取り組んでまいりました。
※1 当社従来品比
※2 パフを覆うシートが二層構造。肌に接する外側層は10μm以下の極細長繊維で、内側が粗いセルロース繊維で形成されている構造。日本における主要ブランドの化粧綿対象。(2015年10月ユニ・チャーム㈱調べ)
この結果、パーソナルケアの売上高は457,298百万円(前年同四半期比5.2%増)、セグメント利益(コア営業利益)は60,687百万円(前年同四半期比11.8%減)となりました。
②ペットケア
人とペットがともに長生きし豊かな生活が送れる「共生社会」と「健康長寿社会」の実現に向け、衛生用品からフードまでペットの生活を総合的にサポートする商品の開発と市場創造に努めてまいりました。
国内ペットトイレタリーにおきましては、犬用では、いつでもどこへ行くときも愛犬と一緒に楽しくお出かけができる洋服感覚の吸収ウェア『マナーウェア』ブランドや、リビングでの快適な毎日をお過ごし頂ける『デオシート』ブランド、猫用では、驚きの消臭力で、閉め切ったお部屋でも1週間ニオわない※『デオトイレ』ブランドや『デオサンド』ブランドで市場の活性化とペットが清潔で、快適に暮らせる商品のご提案に努めてまいりました。
国内ペットフードにおきましては、犬用では、良質素材を彩り良く使い、味、食感、栄養バランスの全てにこだわった『グラン・デリ』ブランドや、栄養、食べやすさ、おいしさ、全てをバランス良く、ベストを目指した犬種で選べる健康フード『ベストバランス』で、猫用では、猫の大好きな良質なお魚をたっぷり使い、最後の一口まで夢中になる美味しさに仕上げた『銀のスプーン』ブランドや、贅沢な味わいと香りを引き出したプレミアムフード『銀のスプーン 三ツ星グルメ』で、ともに販売促進に積極的に取り組み、市場を活性化してまいりました。
北米市場におきましては、日本の技術を搭載した犬用シート、猫用ウェットタイプ副食の販売が引き続き堅調に推移したほか、今後のさらなる成長に向け、近年台頭が著しいインターネット販売やペット専門店・米国特有のDollar store(均一価格店)業態への取り組みを強化してまいりました。
※ 愛猫1頭(体重8kgまで)デオトイレ1週間使用時
この結果、ペットケアの売上高は62,703百万円(前年同四半期比7.6%増)、セグメント利益(コア営業利益)は7,576百万円(前年同四半期比9.0%増)となりました。
③その他
不織布・吸収体の加工・成形技術を活かした業務用商品分野におきまして、産業用資材を中心に販売を進めてまいりました。
この結果、その他の売上高は4,740百万円(前年同四半期比7.1%減)、セグメント利益(コア営業利益)は97百万円(前年同四半期比45.4%増)となりました。
(2)財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は809,804百万円(前連結会計年度比1.8%増)となりました。主な増加は、有形固定資産49,974百万円、預入期間が3ヶ月を超える定期預金等のその他の金融資産3,455百万円、主な減少は、現金及び現金同等物31,966百万円、長期前払費用等のその他の非流動資産7,678百万円によるものです。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は291,725百万円(前連結会計年度比0.0%減)となりました。主な増加は、リース負債等のその他の金融負債43,846百万円、主な減少は、仕入債務及びその他の債務15,572百万円、社債及び借入金12,618百万円、未払消費税等のその他の流動負債9,690百万円、未払法人所得税6,120百万円によるものです。
(資本)
当第3四半期連結会計期間末における資本合計は518,079百万円(前連結会計年度比2.9%増)となりました。主な増加は、親会社の所有者に帰属する四半期利益45,496百万円、主な減少は、親会社の所有者への配当金の支払い15,475百万円、自己株式の増加11,416百万円、在外営業活動体の為替換算差額等のその他の資本の構成要素7,200百万円によるものです。
(親会社所有者帰属持分比率)
当第3四半期連結会計期間末における親会社所有者帰属持分比率は56.1%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における連結キャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは57,669百万円のプラス(前年同四半期比21,895百万円のマイナス)、投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産及び無形資産の取得による支出などにより42,121百万円のマイナス(前年同四半期比58,495百万円のプラス)、財務活動によるキャッシュ・フローは親会社の所有者への配当金の支払額などにより45,873百万円のマイナス(前年同四半期比28,665百万円のマイナス)となりました。その結果、現金及び現金同等物の当第3四半期連結会計期間末残高は103,099百万円と前連結会計年度末に比べ31,966百万円減少しております。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、5,405百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
また、コア営業利益は売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した利益であり、IFRSで定義されている指標ではありませんが、当社グループの経常的な事業業績を測る指標として有用な情報であると考えられるため、自主的に開示しております。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2019年1月1日~2019年9月30日)における当社グループをとりまく経営環境は、海外におきましては、米中貿易摩擦の激化や英国のEU離脱問題、サウジアラビア等の原油供給リスクなどから世界経済の先行き不透明感が続くなか、当社グループは、消費者ニーズに合わせたパーソナルケア関連商品の販売活動を積極的に実施し、持続的な成長を実現いたしました。
一方、国内におきましては、10月から消費税率引上げが控えていたものの、顕著な駆け込み需要はみられないなか、個人消費は底堅く推移し、越境ECにも底打ちの兆しがあるなか、引き続き高付加価値パーソナルケア関連商品の需要を喚起するための新価値提案を実施し、市場の拡大に努めてまいりました。
このような経営環境のなか、当社グループは、“世界中の全ての人々のために、快適と感動と喜びを与えるような、世界初・世界No.1の商品とサービスを提供しつづけます”の基本方針に基づき、独自の不織布加工・成形技術と消費者ニーズを捉えた商品の開発に努め、あらゆる世代の人々がお互いに負担を感じることなく、その人らしさを尊重し合いながら暮らせる「共生社会」の実現に向けて取り組んでまいりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高524,741百万円(前年同四半期比5.3%増)、コア営業利益68,360百万円(前年同四半期比9.8%減)、税引前四半期利益67,597百万円(前年同四半期比8.5%減)、四半期利益51,834百万円(前年同四半期比1.2%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益45,496百万円(前年同四半期比3.4%減)となりました。
セグメントの業績を示すと次のとおりであります。
①パーソナルケア
●ベビーケア関連商品
海外では、安心・安全ニーズに応える日本からの高付加価値輸入商品の需要が高い中国におきまして、引き続きインターネット販売での取り組みを強化し、コーポレートブランドと『ムーニー』ブランドの認知拡大と、パンツ型紙おむつの普及促進に努めたほか、より通気性を高めた中国製『ムーニー』ブランドを新発売し、中国国内における多様な消費者ニーズに応えてまいりました。また、『Baby Love』、『Fitti』及び『PetPet』ブランドを保有しているDSG (Cayman) Ltd.の株式を取得した東南アジア地域におきましては、飛躍的な成長に向けたシナジー追求に努めてまいりました。新興国のなかでも紙おむつの普及率が未だ低いインドにおきましては、パンツ型紙おむつで普及促進を図りながら販売エリアと市場シェアの拡大に努めたほか、中東サウジアラビアでは、消費者ニーズに合わせた商品のご提案を継続し、昨年獲得したNo.1市場シェア※1の維持に努めてまいりました。
国内では、日本初※2となる紙おむつの表面シートにオーガニックコットンを配合した『Natural moony(ナチュラル ムーニー)』シリーズや、“モレ安心”の『ムーニー エアフィット』シリーズの販売促進に努めたほか、保育士の人材サービス等を手掛けるBABY JOB㈱と提携して保育園向けにベビー用紙おむつの定額制サービスを開始し、増加する共働き世帯の負担軽減と笑顔あふれる育児生活の実現に向けて取り組んでまいりました。
※1 サウジアラビア国内幼児用紙おむつ市場(2018年7月~2019年6月累計販売金額ニールセン調べ)
※2 国内の主要ベビー用紙おむつの表面シートにおいて(2016年3月ユニ・チャーム㈱調べ)
●フェミニンケア関連商品
海外では、中国におきまして、若年層から品質の高さとデザインのかわいらしさに対して引き続き高いご支持を頂いているなか、販売エリアと取り扱い店舗数の拡大に取り組んでまいりました。また、インドネシアやタイ、ベトナム、インドといった新興国におきましても、消費者ニーズに合わせた商品で販売エリアとさらなる市場シェアの拡大に努めてまいりました。
国内では、“はばたけ、わたし!”の想いを込めた『ソフィ』ブランドにおきまして、女子中高生のライフスタイルや感性に合わせ「おしゃねこ※」デザインを採用した“かわいくてモレ安心”な『ソフィ センターイン ハッピーキャッチ』シリーズに、まだ生理に不慣れな女子中高生が生理を前向きに捉えるきっかけにして欲しいとの想いから、ティーン雑誌売上No.1の「ニコラ」のモデルがデザインした『ソフィ センターイン ハッピーキャッチ ニコラ・モデルデザインパッケージ』を限定発売しました。また、全ての人が生理を当たり前のこととして捉え、生理や生理用品について隠すことなく、気兼ねなく話せる世の中の実現を願って、ソフィ『#NoBagForMe』プロジェクトを始動したほか、「ピンクリボン活動」を2008年から12年連続で今年も応援するなど、独自の不織布技術を活かした高付加価値商品のご提案や、女性の体と心の仕組みを科学的に捉えながら、女性の物理的・精神的な束縛からの解放と、全ての女性がより自分らしく、健やかに毎日を過ごしながら活躍できる社会を目指して取り組んでまいりました。
※ 「おしゃれでかわいいねこ」の意味
●ヘルスケア関連商品
海外では、日本以上のスピードで台湾やインドネシア、タイ、ベトナム、中国といったアジア地域でも高齢化が進み、大人用排泄ケア用品の需要が本格化することから、日本で確立したケアモデルをアジア地域に普及させる準備を進めてまいりました。また、大人用紙おむつ市場において優位なポジションを築き、『Certainty』ブランドを保有しているDSG (Cayman) Ltd.の株式を取得したタイ及びマレーシアにおきましては、普及加速に向けた取り組みを進めてまいりました。
高齢者人口の増加により拡大が続く国内市場におきましては、今までどおり自分らしく生活が送れるようサポートする商品の普及活動に取り組んでまいりました。軽い尿もれ専用品では、“ズボンにしみない、目立たない”工夫をした男性用尿もれ専用品『ライフリー さわやかパッド』シリーズと、吸水ケアを通じて笑顔ある毎日を応援する『チャームナップ』ブランドにおきまして、“軽い尿もれ”は誰にでもあることとして抵抗感を払拭する活動を継続して実施してまいりました。大人用紙おむつ・尿もれ専用品『ライフリー』ブランドでは、24時間365日排泄ケアに関するお問い合わせに対応できるよう、大人用紙おむつ業界で初めて人工知能(Artificial Intelligence)チャットボット※1を採用した「大人用おむつNAVI」などで心と体の健康をサポートしてまいりました。また、高齢化の進行に伴う「閉じこもり」や「認知症」といった社会問題の改善に寄与するため、目的を持って社会と触れ合い誰でも取り組める形にした認知症予防ライフリー「ソーシャル・ウォーキング※2」体験会を継続的に開催したほか、テレビコマーシャル、ウェブサイト、店頭でのカウンセリングや日常生活動作に合わせた売り場づくりを通じて販売促進にも積極的に取り組み、排泄ケア市場をリードしてまいりました。
日々の健康を守り、安心で快適な暮らしをサポートする『超快適』ブランドにおきましては、多様化する使用実態やニーズの変化に合わせて『超快適マスク 息ムレクリアタイプ ブラック』や、『超快適マスク ピンクふつうサイズ』、『超快適マスク 園児専用 おやこ動物柄』を新発売したほか、消費税率引上げ前のまとめ買いニーズに合わせて『超快適マスク ふつうサイズ 50枚入り』を販売するなど、市場の活性化に努めてまいりました。
※1 人間の代わりに対話するプログラム(もしくは、それを含むシステム全体)のこと
※2 「社会参加&歩行」の造語で、人と関わり、楽しみながら歩くことを誰もが取り組みやすい形にした認知症予防のためのウォーキング(地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所の監修のもと、当社考案)
●クリーン&フレッシュ関連商品
クリーン&フレッシュ国内市場におきましては、住環境やライフスタイルの変化に伴い、リビング周りをいつも清潔に、家中を限られた時間で簡単にお掃除したいというお客様が増えているなか、“片手でポン!ですぐキレイ”のボックス型ウェットティッシュ『シルコット ウェットティッシュ』シリーズや、“家中まるごと、これ一本!”のお掃除用品『ウェーブ』ブランドとともに、日常生活を快適に過ごして頂くための提案に努めてまいりました。
毎日変化するお肌を健やかに保ち、日々のお手入れを気楽に効果的にする『シルコット コットン』シリーズでは、2分の1の化粧水でも驚くほどうるおう※1『シルコット うるうるコットン スポンジ仕立て』でたっぷり使える大入り数タイプを発売したほか、日本初の極細長繊維※2でミクロ汚れまですっきりふきとる“ふきとり用コットン”『シルコット ふきとりコットン シルキー仕立て』とともに、多様化する化粧用コットン市場の活性化と、訪日外国人によるインバウンド需要の取り込みに向けて販売促進に努めてまいりました。
お料理の下ごしらえ、調理、保存からふきんまで幅広い用途に使えるクッキングペーパー『クックアップ』では、生鮮食品の鮮度保持などの便利な使い方をご紹介したほか、余分な水分のみを吸収し、空気を通すことにより鮮度の劣化や変色を防ぐ『フレッシュマスター』とともに生鮮食品の食品ロス削減に取り組んでまいりました。
※1 当社従来品比
※2 パフを覆うシートが二層構造。肌に接する外側層は10μm以下の極細長繊維で、内側が粗いセルロース繊維で形成されている構造。日本における主要ブランドの化粧綿対象。(2015年10月ユニ・チャーム㈱調べ)
この結果、パーソナルケアの売上高は457,298百万円(前年同四半期比5.2%増)、セグメント利益(コア営業利益)は60,687百万円(前年同四半期比11.8%減)となりました。
②ペットケア
人とペットがともに長生きし豊かな生活が送れる「共生社会」と「健康長寿社会」の実現に向け、衛生用品からフードまでペットの生活を総合的にサポートする商品の開発と市場創造に努めてまいりました。
国内ペットトイレタリーにおきましては、犬用では、いつでもどこへ行くときも愛犬と一緒に楽しくお出かけができる洋服感覚の吸収ウェア『マナーウェア』ブランドや、リビングでの快適な毎日をお過ごし頂ける『デオシート』ブランド、猫用では、驚きの消臭力で、閉め切ったお部屋でも1週間ニオわない※『デオトイレ』ブランドや『デオサンド』ブランドで市場の活性化とペットが清潔で、快適に暮らせる商品のご提案に努めてまいりました。
国内ペットフードにおきましては、犬用では、良質素材を彩り良く使い、味、食感、栄養バランスの全てにこだわった『グラン・デリ』ブランドや、栄養、食べやすさ、おいしさ、全てをバランス良く、ベストを目指した犬種で選べる健康フード『ベストバランス』で、猫用では、猫の大好きな良質なお魚をたっぷり使い、最後の一口まで夢中になる美味しさに仕上げた『銀のスプーン』ブランドや、贅沢な味わいと香りを引き出したプレミアムフード『銀のスプーン 三ツ星グルメ』で、ともに販売促進に積極的に取り組み、市場を活性化してまいりました。
北米市場におきましては、日本の技術を搭載した犬用シート、猫用ウェットタイプ副食の販売が引き続き堅調に推移したほか、今後のさらなる成長に向け、近年台頭が著しいインターネット販売やペット専門店・米国特有のDollar store(均一価格店)業態への取り組みを強化してまいりました。
※ 愛猫1頭(体重8kgまで)デオトイレ1週間使用時
この結果、ペットケアの売上高は62,703百万円(前年同四半期比7.6%増)、セグメント利益(コア営業利益)は7,576百万円(前年同四半期比9.0%増)となりました。
③その他
不織布・吸収体の加工・成形技術を活かした業務用商品分野におきまして、産業用資材を中心に販売を進めてまいりました。
この結果、その他の売上高は4,740百万円(前年同四半期比7.1%減)、セグメント利益(コア営業利益)は97百万円(前年同四半期比45.4%増)となりました。
(2)財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は809,804百万円(前連結会計年度比1.8%増)となりました。主な増加は、有形固定資産49,974百万円、預入期間が3ヶ月を超える定期預金等のその他の金融資産3,455百万円、主な減少は、現金及び現金同等物31,966百万円、長期前払費用等のその他の非流動資産7,678百万円によるものです。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は291,725百万円(前連結会計年度比0.0%減)となりました。主な増加は、リース負債等のその他の金融負債43,846百万円、主な減少は、仕入債務及びその他の債務15,572百万円、社債及び借入金12,618百万円、未払消費税等のその他の流動負債9,690百万円、未払法人所得税6,120百万円によるものです。
(資本)
当第3四半期連結会計期間末における資本合計は518,079百万円(前連結会計年度比2.9%増)となりました。主な増加は、親会社の所有者に帰属する四半期利益45,496百万円、主な減少は、親会社の所有者への配当金の支払い15,475百万円、自己株式の増加11,416百万円、在外営業活動体の為替換算差額等のその他の資本の構成要素7,200百万円によるものです。
(親会社所有者帰属持分比率)
当第3四半期連結会計期間末における親会社所有者帰属持分比率は56.1%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における連結キャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは57,669百万円のプラス(前年同四半期比21,895百万円のマイナス)、投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産及び無形資産の取得による支出などにより42,121百万円のマイナス(前年同四半期比58,495百万円のプラス)、財務活動によるキャッシュ・フローは親会社の所有者への配当金の支払額などにより45,873百万円のマイナス(前年同四半期比28,665百万円のマイナス)となりました。その結果、現金及び現金同等物の当第3四半期連結会計期間末残高は103,099百万円と前連結会計年度末に比べ31,966百万円減少しております。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、5,405百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。