四半期報告書-第62期第3四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)

【提出】
2021/11/08 17:00
【資料】
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【項目】
40項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
また、コア営業利益は売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した利益であり、IFRSで定義されている指標ではありませんが、当社グループの経常的な事業業績を測る指標として有用な情報であると考えられるため、自主的に開示しております。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2021年1月1日~2021年9月30日)における当社グループをとりまく経営環境は、海外においては、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の落ち着きから早期に景気が回復していた中国では、COVID-19対策再強化や、中国不動産規制強化などで先行きへの警戒感が強まっています。また、その他アジア地域では、7、8月のCOVID-19の再拡大により経済は鈍化傾向にありましたが、一時的な経済活動制限の強化などによりインドやインドネシアなどでは感染拡大の鎮静化を受けて経済は持ち直しの動きがみられています。そのようななか、当社商品は生活必需品であることから安定供給に向けて取り組み、需要を満たしてまいりました。
国内においては、COVID-19の再拡大による活動制限で新規感染者数が減少に転じ、個人消費も持ち直しの動きがみられるなか、高付加価値商品の需要を喚起するための新価値提案を継続的に実施し、市場シェアの拡大に努めてまいりました。
このような経営環境のなか、当社グループは、“世界中の全ての人々のために、快適と感動と喜びを与えるような、世界初・世界No.1の商品とサービスを提供しつづけます”の基本方針に基づき、独自の不織布加工・成形技術と消費者ニーズを捉えた商品の開発に努め、世界中の人々が平等で不自由なく、その人らしさを尊重し、やさしさで包み支え合う、心つながる豊かな社会である「共生社会」=Social Inclusionの実現に向けて取り組んでまいりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高571,878百万円(前年同四半期比7.0%増)、コア営業利益97,417百万円(前年同四半期比9.3%増)、税引前四半期利益101,651百万円(前年同四半期比39.9%増)、四半期利益71,428百万円(前年同四半期比48.8%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益61,948百万円(前年同四半期比54.6%増)となりました。
セグメントの業績を示すと次のとおりであります。
①パーソナルケア
●ウェルネスケア関連商品
海外においては、日本以上のスピードで高齢化が進む中国をはじめ、タイ、インドネシア、ベトナムといったアジア地域でも、大人用排泄ケア用品の本格的な需要が見込まれることから、新たに海外ブランドマネジメント部を組成し、日本で確立したケアモデルの普及促進を図り、高い成長を実現いたしました。
高齢者人口の増加により拡大が続く国内市場においては、COVID-19再拡大はあったものの市場は回復基調にあり、健康寿命の延伸に繋がる軽度・中度商品を中心に幅広い商品ラインアップの拡充により、安定的な成長を実現いたしました。
また、COVID-19発生後からの消費者の感染予防意識の高まりに加え、安心・安全の面から日本メーカー製の需要が高まるなか、マスクの『超快適』、『超立体』両ブランドとウェットティッシュ『シルコット』ブランドの供給と販売活動を強化し、市場シェアの拡大に努めてまいりました。なお、ウェットティッシュ『シルコット』ブランドについては、昨年のCOVID-19関連による特需の反動で、売上高は伸び悩みましたが、COVID-19発生前と比較すると成長を実現しております。
感染対策としてマスクが欠かせなくなった一方、口元や表情がみえず、コミュニケーションに不安を抱えている方に向けては、ウイルス飛沫の感染を対策しながら、口元や顔の表情が視認できる『unicharm 顔がみえマスク』を新発売し、全ての人々が平等で不自由なく暮らせる「共生社会」=Social Inclusionの実現に向けて取り組んでまいりました。
今後は日本だけではなく世界的にも同様に衛生意識や感染予防意識の高まりが見込まれることから、マスクの海外展開の強化も視野に入れ、さらなる成長に向けて取り組んでまいります。
●フェミニンケア関連商品
中国においては、江蘇工場において一時的にCOVID-19の影響で工場停止などの影響がありましたが、若年層から品質の高さとデザインのかわいらしさに対して引き続き高いご支持を頂き、継続的な新価値提案を実施した結果、ショーツ型生理用ナプキンや、オーガニックコットン素材の生理用ナプキンなどを中心に引き続き高い成長を実現いたしました。また、その他のアジア地域においても、清涼感のあるつけ心地を実現したクールナプキンなどが好調に推移し、安定的な成長を実現いたしました。
国内においても、対象人口の減少で市場が縮小するなか、健康意識と安心志向の高まりに応えた商品や、女性のライフスタイルに合わせた高付加価値商品などの展開で市場の活性化に努めた結果、安定的な成長を実現いたしました。
●ベビーケア関連商品
COVID-19拡大の影響で市場の二極化が進むタイやインドネシアにおいては、2018年に買収したDSG (Cayman) Ltd.とのシナジーを活かし、幅広いお客様のニーズに応え、安定的な成長を実現いたしました。新興国のなかでも紙おむつの普及率が未だ低いインドにおいては、昨年のインド西部の工場火災により供給不足が発生したことから、近隣諸国からの輸入と既存工場の生産増強を進め、パンツ型紙おむつで普及促進を図りながら販売エリアと市場シェアの回復に努めてまいりました。また、日本製需要の減退がみられる中国では、eコマースチャネルやベビー専門店を中心に高付加価値商品である中国製『ムーニー』ブランドの販売強化に取り組み、多様化する消費者ニーズに応えてまいりました。
国内においては、少子化が進み、市場が縮小するなか、『ムーニー』や『ナチュラル ムーニー』ブランドなどの高付加価値商品を含めた幅広い商品ラインアップで笑顔あふれる育児生活の実現に取り組み、ブランド価値の向上に努めてまいりましたが、日本製需要の減退による中国向け越境ECの減収が影響し、売上高は伸び悩みました。
この結果、パーソナルケアの売上高は492,669百万円(前年同四半期比7.0%増)、セグメント利益(コア営業利益)は86,188百万円(前年同四半期比10.2%増)となりました。
②ペットケア
国内においては、昨年からのCOVID-19拡大の影響で、在宅時間が増えたことによりペット飼育頭数の増加に加え、ペットとの接触機会が増えております。そのようななか、ペットフードにおいては、犬用では犬種ごとの身体の特徴や年齢に合わせた商品や、猫用では健康志向の高まりに応えた商品などで、消費者の満足度向上に努めてまいりました。また、ペットトイレタリーにおいては、犬用ペットシートや猫用システムトイレなどが堅調に推移した結果、安定的な成長を実現いたしました。
北米市場においても、COVID-19拡大の影響でペットの飼育頭数とペットとの接触機会が増えるなか、日本の技術を搭載した犬用シートや、これまで市場になかった新たなコンセプトの猫用ウェットタイプ副食などの販売が堅調に推移しました。また、北米地域を中心とした海上輸送におけるコンテナ不足の問題も徐々に改善した結果、安定的な成長を実現いたしました。
この結果、ペットケアの売上高は74,807百万円(前年同四半期比8.5%増)、セグメント利益(コア営業利益)は10,818百万円(前年同四半期比3.1%増)となりました。
③その他
不織布・吸収体の加工・成形技術を活かした業務用商品分野において、産業用資材を中心に販売を進めてまいりました。
この結果、その他の売上高は4,402百万円(前年同四半期比14.8%減)、セグメント利益(コア営業利益)は411百万円(前年同四半期比5.8%減)となりました。
(2)財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は939,512百万円(前連結会計年度比5.2%増)となりました。主な増加は、投資有価証券等のその他の金融資産31,893百万円、棚卸資産19,276百万円、有形固定資産8,038百万円、主な減少は、現金及び現金同等物12,643百万円によるものです。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は330,912百万円(前連結会計年度比0.0%増)となりました。主な増加は、仕入債務及びその他の債務6,441百万円、借入金4,721百万円、主な減少は、未払法人所得税6,024百万円、未払消費税等のその他の流動負債5,788百万円によるものです。
(資本)
当第3四半期連結会計期間末における資本合計は608,600百万円(前連結会計年度比8.2%増)となりました。主な増加は、親会社の所有者に帰属する四半期利益61,948百万円、主な減少は、親会社の所有者への配当金の支払い20,308百万円によるものです。
(親会社所有者帰属持分比率)
当第3四半期連結会計期間末における親会社所有者帰属持分比率は56.9%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は186,879百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,643百万円減少しております。当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られたキャッシュ・フローは、80,369百万円の収入(前年同四半期は、106,242百万円の収入)となりました。主な収入は、税引前四半期利益、減価償却費及び償却費、主な支出は、法人所得税の支払、棚卸資産の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用したキャッシュ・フローは、53,123百万円の支出(前年同四半期は、16,686百万円の支出)となりました。主な支出は、有形固定資産及び無形資産の取得による支出、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の取得による支出、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の取得による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用したキャッシュ・フローは、44,277百万円の支出(前年同四半期は、30,961百万円の支出)となりました。主な支出は、親会社の所有者への配当金支払額、自己株式の取得による支出によるものです。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(7)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(8)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、5,794百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。