有価証券報告書-第106期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/25 14:31
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【項目】
91項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態および経営成績の状況
(経営成績の状況)
当連結会計年度の売上収益は前期比9億36百万円増の1,482億65百万円となり、売上総利益は前期比35億53百万円増の435億82百万円となり、売上総利益率は前期の27.2%から29.4%に増加しました。販売費及び一般管理費は前期比8億58百万円増の280億51百万円となりました。また、持分法による投資利益は前期比2億61百万円減の19億69百万円となり、その他の収支は前期比17億64百万円の改善となり3億28百万円の損失となりました。その結果、営業利益は前期比41億99百万円増の171億72百万円となり、売上収益営業利益率は前期の8.8%から11.6%に増加しました。
金融収支は、前期比5億52百万円の改善となり2億62百万円の利益となりました。その結果、税引前利益は前期比47億51百万円増の174億35百万円となりました。
法人所得税費用は34億35百万円となり、当期利益は前期比41億85百万円増の139億99百万円となりました。非支配持分に帰属する当期利益を65百万円計上し、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比42億36百万円増の139億33百万円となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
売 上 収 益営 業 利 益
前期当期増減前期当期増減
機能製品事業41,64045,7494,1091,6694,6072,937
化学製品事業26,17627,3091,1323,4213,301△120
樹脂製品事業45,39745,148△2496,9076,738△169
建設関連事業17,35412,415△4,9391,037668△368
その他関連事業16,76017,6438821,8122,087274
調整額 (注)---△1,876△2301,645
連結合計147,329148,26593612,97317,1724,199

(注) 営業利益の調整額には、報告セグメントに配分していないその他の収支が含まれております。詳細は、連結財務諸表注記「24.その他の収益」および「25.その他の費用」に記載しております。また、会計上の見積りの変更がセグメントの業績に与える影響は、連結財務諸表注記「6.セグメント情報」に記載しております。
機能製品事業
機能樹脂分野では、PPS樹脂の売上げは減少しましたが、リチウムイオン二次電池用バインダ-向けのフッ化ビニリデン樹脂、およびシェ-ルオイル・ガス掘削用途向けのPGA(ポリグリコ-ル酸)樹脂加工品の売上げが増加し、この分野での売上げ、営業利益はともに増加しました。
炭素製品分野では、高温炉用断熱材向けの炭素繊維の売上げが増加し、この分野での売上げ、営業利益はともに増加しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比9.9%増の457億49百万円となり、営業利益は前期比176.0%増の46億7百万円となりました。
化学製品事業
医薬・農薬分野では、慢性腎不全用剤「クレメジン」の医薬品の売上げが増加し、この分野での売上げは増加しましたが、農業・園芸用殺菌剤の売上げの減少により、営業利益は減少しました。
工業薬品分野では、無機薬品類の売上げが増加し、この分野での売上げ、営業利益はともに増加しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比4.3%増の273億9百万円となり、営業利益は前期比3.5%減の33億1百万円となりました。
樹脂製品事業
コンシューマー・グッズ分野では、家庭用ラップ「NEWクレラップ」およびフッ化ビニリデン釣糸「シーガー」の売上げが増加し、この分野での売上げは増加しましたが、経費の増加により営業利益は減少しました。
業務用食品包装材分野では、熱収縮多層フィルム等の売上げが減少し、この分野での売上げ、営業利益はともに減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比0.5%減の451億48百万円となり、営業利益は前期比2.5%減の67億38百万円となりました。
建設関連事業
建設事業では、土木工事は堅調であったものの建築工事が減少し、売上げ、営業利益はともに減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比28.5%減の124億15百万円となり、営業利益は前期比35.6%減の6億68百万円となりました。
その他関連事業
環境事業では、産業廃棄物処理および環境エンジニアリング事業の増加により、売上げは増加しましたが、営業利益は前期並みとなりました。
運送事業では、売上げは減少しましたが、営業利益は増加しました。
病院事業では、売上げが増加し、前期の営業損失から営業利益となりました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比5.3%増の176億43百万円となり、営業利益は前期比15.2%増の20億87百万円となりました。
(財政状態の状況)
当期末の資産合計につきましては、前期末比50億70百万円増の2,473億52百万円となりました。流動資産は、棚卸資産の増加等により前期末比18億14百万円増の787億77百万円となりました。非流動資産は、いわき事業所等での設備投資等により有形固定資産が前期末比33億16百万円増の1,175億53百万円となり、前期末比32億55百万円増の1,685億74百万円となりました。
負債合計につきましては、前期末比50億56百万円減の851億84百万円となりました。これは、有利子負債が前期末比90億71百万円減の390億18百万円となったこと等によります。
資本合計につきましては、前期末比101億26百万円増の1,621億67百万円となりました。これは、親会社の所有者に帰属する当期利益を139億33百万円計上する一方で、剰余金の配当を28億91百万円および自己株式の取得を30億4百万円実施したこと等によります。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは233億77百万円の収入となり、前期に比べ31億98百万円収入が増加しました。これは、主に税引前利益の増加等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは83億63百万円の支出となり、前期に比べ13億35百万円支出が減少しました。これは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出が増加したものの、有形固定資産の売却に係る手付金収入があったことや、投資有価証券の売却による収入が増加したこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは154億78百万円の支出となり、前期に比べ50億63百万円支出が増加しました。これは、社債発行による収入が減少したことや、自己株式の取得による支出が増加したこと等によるものです。
以上の結果、現金及び現金同等物等の当期末残高は、前期末に比べ4億86百万円減少し、59億89百万円となりました。
③ 生産、受注および販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)
機能製品事業43,859+23.1
化学製品事業15,172+13.2
樹脂製品事業34,994△2.8
合計94,026+10.6

(注) 1 金額は平均販売単価によっております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における土木・建築工事の施工請負等の受注実績は次のとおりであります。なお、これ以外の製品については見込生産を行っております。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
建設関連事業13,353△11.310,312+10.0
その他関連事業1,266△32.4805△56.8
合計14,620△13.711,117△1.1

(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
機能製品事業45,749+9.9
化学製品事業27,309+4.3
樹脂製品事業45,148△0.5
建設関連事業12,415△28.5
その他関連事業17,643+5.3
合計148,265+0.6

(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
(経営成績)
当社グループでは、「中計 Challenge 2018」での3年間を“将来の発展に向けた土台作りの期間”と位置づけ、1)既存事業の競争力・収益力向上、2)PGA事業の拡大、3)新規事業テーマの探索促進、4)CSR経営の推進、5)経営基盤の強化を経営目標とし、事業活動を推進してまいりました。その結果、「中計 Challenge 2018」の最終年度である当連結会計年度は、定量目標の営業利益140億円、ROA5.5%およびROE6.0%を上回る営業利益171億72百万円、ROA7.1%およびROE9.0%となりました。
また、当連結会計年度の売上収益は前期比9億36百万円増の1,482億65百万円、営業利益は前期比41億99百万円増の171億72百万円となり、市場の好況等の外部要因もありますが、フッ化ビニリデン樹脂などの付加価値の高い製品の販売増加により増益となりました。
(経営成績に重要な影響を与える要因)
当連結会計年度の国内経済は、企業収益や雇用環境の改善により緩やかな回復基調が継続しました。一方で、世界経済は、地政学的リスクや貿易摩擦により先行き不透明な状況にあります。
このような状況の中、当社グループは既存事業を中心に堅調に推移しております。一方で、主に機能製品事業において自動車関連分野での市場拡大がみられる中、他社との競争が激化する傾向にあります。引き続き、差別化された高品質製品の供給とともに、原価低減等による収益力強化を進めてまいります。PGA事業については、当初描いたシナリオからスケジュールに遅れはあるものの、市場ニーズに応えた新製品の開発も順調に進捗しており、市場開発および拡販は進むものと考えております。また、当社グループが使用する石油化学品等の原燃料市況や外国為替の変動による経営成績への影響には留意し、適宜対応を図っております。
(資本の財源および資金の流動性)
当社グループは、必要な資金を金融機関からの借入、社債およびコマーシャル・ペーパーの発行により調達しております。また、当社グループとしての資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、キャッシュ・マネジメント・システムを導入しております。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、金融機関との間でコミットメントライン契約を締結することにより、流動性を確保できております。
当社グループは、計画利益の確保と資産の効率化による営業キャッシュ・フローの最大化を図り、優先的に新規事業および既存事業拡大のための設備投資、投融資、研究開発投資、および株主への配当等に資金を配分することを基本方針としております。その上で、長期的な資金の確保を第一としながら、長短借入金のバランスについても考慮し、必要な資金調達を実施しております。
重要な資本的支出の予定およびその資金の調達源については、機能製品事業を中心に設備投資を予定し、その資金調達は自己資金、社債及び借入金を考えております。
② セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
(機能製品事業)
フッ化ビニリデン樹脂はリチウムイオン二次電池用バインダー向けが堅調に推移するとともに、PPS樹脂は自動車向けを中心に旺盛な需要が継続しており、収益の拡大を図っております。PGA樹脂加工品はシェールオイル・ガス掘削用途向けに、超低温分解タイプの自社製フラックプラグの開発を進め、市場開発および拡販を進めております。炭素繊維は継続かつ安定的な収益獲得のため、高温炉用断熱材等のハイエンド市場向け販売に引き続き注力するとともに、継続的なコストダウンと安定した品質による競合品との差別化を図っております。
また、フッ化ビニリデン樹脂については、旺盛な需要に応える為、いわき事業所において製造設備の増強を行い、2019年1月より商業生産を開始しております。PPS樹脂については、差別化された高品質製品を安定的かつ効率的に供給する体制を整えるための設備投資を進めております。
(化学製品事業)
農薬は海外需要が漸減すると見込んでおりますが、新規アゾール系殺菌剤の開発を加速させてまいります。医薬品は2018年1月に販売開始した慢性腎不全用剤「クレメジン」速崩錠の拡販を進めております。
(樹脂製品事業)
コンシューマー・グッズは、家庭用ラップ「NEWクレラップ」を中心に好調な販売が継続していますが、品質向上によるさらなる価値訴求によって、安定的な収益確保を行っております。
業務用食品包装材は、価格競争が激しい状況ですが、グローバル市場における高機能品の拡販およびコスト競争力の強化を図っております。
(建設関連事業)
震災からの復興が進み復興関連建設事業は減少しております。また、資材費や人件費が高騰しておりますが、組織体制のスリム化を実施し効率的な運営による経費削減等に加え、資材の一括購買などの合理化に取り組み、安定的な収益確保を進めております。
(その他関連事業)
環境事業については、低濃度PCB処理は競争激化により収益力が低減しておりますが未参入市場(大型筐体処理)へ進出し、処理量の増加を図ります。なお、産業廃棄物処理全体の需要は拡大傾向にあり、原価低減などにより競争力の強化を推進しております。
(3) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
当連結会計年度のIFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異は、次のとおりです。
(有形固定資産に係る調整)
IFRS第1号に規定されている免除規定を適用し、一部の土地について移行日の公正価値をみなし原価として使用しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、有形固定資産が5,055百万円増加しております。
(退職給付)
日本基準では、退職給付債務に割引率を乗じて算定した利息費用と年金資産に合理的に期待される収益率(長期期待運用収益率)を乗じて算定した期待運用収益をそれぞれ純損益で認識しておりましたが、IFRSでは、確定給付負債(資産)の純額に割引率を乗じて算定した利息純額を純損益で認識しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、営業利益が415百万円減少しております。
(金融商品に係る調整)
株式等の売却損益等について、日本基準では純損益で認識しておりましたが、IFRSではその他の包括利益として認識しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、税引前利益が3,320百万円減少しております。
(表示組替)
日本基準では、営業外損益および特別損益項目は営業損益に含まれませんが、IFRSでは、金融収益および金融費用を除くこれらの項目も営業損益に含まれております。

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