有価証券報告書-第108期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の経営成績等の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態および経営成績の状況
(経営成績の状況)
当期のわが国を含む世界経済においては、期初から新型コロナウイルス感染症の影響により内外経済が下振れする極めて厳しい状況が急速に拡大しました。下期には、感染拡大の防止策を講じるなかで各種政策の効果や海外経済の改善もあって、国内経済には持ち直しの動きがみられたものの、依然として厳しい状況にあります。今後、国内経済の持ち直しの動きが続くことが期待されますが、感染拡大はいまだ収束しておらず、先行きは不透明な状況です。
このような状況のなか、当社グループは、従業員等の安全な労働環境を確保し感染予防と感染リスク低減に努めつつ安定的に事業活動を継続しており、新型コロナウイルス感染症による当社グループの生産・販売体制への影響は軽微でした。原材料等の調達や物流においては、一部で遅延は生じましたが大きな影響はありませんでした。財務面では資産の健全性を維持し、資金流動性も確保しました。
事業セグメント別では、自動車産業およびシェールオイル・ガス産業を主要な市場としている機能製品事業は、上期には感染症の拡大により売上げに弱さがみられたものの、下期からは回復基調となりました。化学製品事業は、医薬・農薬分野では大きな影響はありませんでしたが、工業薬品分野で各種産業の原材料としての需要が減少しました。樹脂製品事業は、コンシューマー・グッズ分野で巣ごもり消費などにより売上げが伸張しましたが、欧州でのロックダウンの影響等を受けた業務用食品包装材分野では売上げが減少しました。建設関連事業は、民間工事の中止や延期の影響を受けました。その他関連事業は、全般的に大きな影響は無く、環境事業は一時的な災害関連廃棄物の処理等の増加により売上げが伸張しました。また、新型コロナウイルス感染症に伴う経済活動の停滞による原燃料等の市況下落および活動経費の縮小は、当社グループの利益を押し上げました。
その結果、当連結会計年度の売上げの増収幅は僅かに留まりましたが、セグメント営業利益合計は増益となりました。営業利益では、その他の収益で前期に本社別館の土地売却益などの計上があったことにより前期比で減益となりました。
売上収益は前期比1.5%増の1,445億75百万円、営業利益は前期比4.3%減の172億63百万円、税引前利益は前期比1.1%減の177億48百万円、当期利益は前期比1.6%減の136億11百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比1.6%減の134億93百万円となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 営業利益の調整額には、報告セグメントに配分していないその他の収支が含まれております。詳細は、連結財務諸表注記「25.その他の収益」および「26.その他の費用」に記載しております。
機能製品事業
機能樹脂分野では、PPS樹脂およびシェールオイル・ガス掘削用途向けのPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品は売上げが減少しましたが、リチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂の売上げは増加したことから、この分野での売上げは増加しました。営業利益はPGA事業の損失増加および、持分法を適用している米国合弁事業の利益の減少などにより前期並みとなりました。
炭素製品分野では、自動車部品用摺動材および高温炉用断熱材向けの炭素繊維の売上げが減少し、この分野での売上げ、営業利益はともに減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比6.3%増の444億65百万円となり、営業利益は前期比6.4%減の34億73百万円となりました。
化学製品事業
医薬・農薬分野では、慢性腎不全用剤「クレメジン」の売上げは減少しましたが、農業・園芸用殺菌剤の売上げが増加し、この分野での売上げ、営業利益はともに増加しました。
工業薬品分野では、無機および有機薬品類の売上げが減少し、この分野での売上げ、営業利益はともに減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比3.2%減の235億43百万円となり、営業利益は前期比4.7%増の22億28百万円となりました。
樹脂製品事業
コンシューマー・グッズ分野では、家庭用ラップ「NEWクレラップ」およびフッ化ビニリデン釣糸「シーガー」の売上げが増加し、この分野での売上げ、営業利益はともに増加しました。
業務用食品包装材分野では、熱収縮多層フィルム等の売上げが減少し、前期にブローボトル事業の譲渡を行ったこともあり、この分野での売上げ、営業利益はともに減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比2.6%減の423億52百万円となり、営業利益は前期比22.2%増の77億8百万円となりました。
建設関連事業
建設事業では、公共工事は前期並みとなったものの民間工事の中止や延期により、売上げ、営業利益はともに減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比3.7%減の139億19百万円となり、営業利益は前期比6.1%減の10億77百万円となりました。
その他関連事業
環境事業では、産業廃棄物や一時的な災害廃棄物の処理および処分の増加により、売上げ、営業利益はともに増加しました。
運送事業では、売上げ、営業利益はともに前期並みとなりました。
病院事業では、売上げが減少し、営業損失は増加しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比10.9%増の202億94百万円となり、営業利益は前期比60.8%増の43億63百万円となりました。
(財政状態の状況)
当期末の資産合計につきましては、前期末比100億32百万円増の2,569億23百万円となりました。流動資産は、棚卸資産等が減少しましたが、現金及び現金同等物の増加等により前期末比72億25百万円増の862億37百万円となりました。非流動資産は、投資有価証券の売却に伴う減少はありましたが、有形固定資産が前期末比3億89百万円増の1,201億71百万円となり、その他の非流動資産での退職給付に係る資産の増加等により、前期末比28億7百万円増の1,706億86百万円となりました。
負債合計につきましては、前期末比88億64百万円減の714億2百万円となりました。これは、有利子負債が、借入金等の返済により前期末比78億10百万円減の295億6百万円となったことなどによるものです。
資本合計につきましては、前期末比188億97百万円増の1,855億21百万円となりました。これは、剰余金の配当を33億18百万円実施した一方で、親会社の所有者に帰属する当期利益を134億93百万円計上するとともに、投資有価証券の評価額の増加等によるものです。
なお、当期末で、当社グループの流動性確保および債権保全への新型コロナウイルス感染症による影響は発生しておりません。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは267億4百万円の収入となり、前期に比べ115億53百万円収入が増加しました。これは、棚卸資産の減少による収入が増加したことや、営業債務及びその他の債務の減少による支出が減少したこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは前年54億83百万円の収入から、当期は38億76百万円の支出となりました。これは、有形固定資産及び無形資産の売却による収入が減少したこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは125億16百万円の支出となり、前期に比べ68億37百万円支出が減少しました。これは、社債の償還による支出が減少したこと等によるものです。
以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前期末に比べ105億66百万円増加し178億34百万円となりました。これは、今後の資金の流動性の確保のために現金及び現金同等物を積み上げたことによるものです。
新型コロナウイルス感染症の影響については、現金及び現金同等物に加え、コマーシャル・ペーパーの発行枠の確保、金融機関とのコミットメントライン契約、当座貸越契約等の活用により、当面は資金不足に陥ることはないものと考えております。
③ 生産、受注および販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は平均販売単価によっております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における土木・建築工事の施工請負等の受注実績は次のとおりであります。なお、これ以外の製品については見込生産を行っております。
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
(経営成績)
当社グループは、「KC2020」での2年間(2019年度および2020年度)を“将来の発展に向けた土台を固める期間”と位置づけ、①PGA事業の拡大と利益創出、②フッ化ビニリデン樹脂事業の更なる拡大、③既存事業のビジネスモデル最適化、④新規事業の国内外における探索と育成、⑤経営基盤の強化を経営目標とし、持続的な成長と企業価値向上を図ることを念頭に事業活動を推進してまいりました。
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症拡大による世界的な経済活動抑制等の影響を受けました。同感染症拡大の影響は、当社グループ各事業の主要市場が多様である為、各事業セグメント毎に多岐に亘り、その業績に対しプラス面、マイナス面の双方に作用しました。事業セグメント別では、自動車産業およびシェールオイル・ガス産業を主要な市場としている機能製品事業は、上期には感染症の拡大により売上げに弱さがみられたものの、下期からは回復基調となりました。化学製品事業は、医薬・農薬分野では大きな影響はありませんでしたが、工業薬品分野で各種産業の原材料としての需要が減少しました。樹脂製品事業は、コンシューマー・グッズ分野で巣ごもり消費などにより売上げが伸張しましたが、欧州でのロックダウンの影響等を受けた業務用食品包装材分野では売上げが減少しました。建設関連事業は、民間工事の中止や延期の影響を受けました。その他関連事業は、全般的に大きな影響は無く、環境事業は一時的な災害関連廃棄物の処理等の増加により売上げが伸張しました。全体としては、経営成績への影響は軽微に留まりました。
当社グループでは、従業員等の安全な労働環境を確保し感染予防と感染リスク低減に努めた結果、生産・販売体制への影響は軽微であり、安定的に事業活動を継続し、事業環境への対応が可能な体制を維持しました。原材料等の調達や物流においては、一部で遅延は生じましたが大きな影響はなく、財務面では資産の健全性を維持し、資金流動性も確保した上で事業運営にあたりました。
引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大の長期化による国内外経済の低迷が懸念されますが、各セグメントにおける需要動向を注意深くモニタリングし、適時適切な対応を図る体制を構築し、安定した経営基盤の維持を図ってまいります。
なお、経営成績の分析については、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態および経営成績の状況」に、分析に基づく検討内容については、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営環境、中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題」に記載しております。
(経営成績に重要な影響を与える要因)
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容)
機能製品事業
PGA樹脂加工品は、製品ポートフォリオの拡充を推進し拡販を図りましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により主要市場であるシェールオイル・ガス産業が低迷した結果、市場が大幅に縮小しました。事業環境の変化を受け当該事業の今後の収益見通しを見直し、当連結会計年度に1,624百万円の設備減損損失を計上しました。フッ化ビニリデン樹脂は、リチウムイオン二次電池用バインダー向け販売は、上期は、新型コロナウイルス感染症の影響により低迷しましたが、各国政府による環境規制強化を背景とした積極的な政策導入等による電気自動車普及に支えられ急速に回復し、その後底堅く推移しております。本用途への潜在的需要は底堅く、競争力のある製品の安定供給ニーズが高まっており、引き続き新工場建設の検討を推進します。PPS樹脂は、上期は販売が低迷しましたが、自動車向けの素材として下期より需要が回復しております。
化学製品事業
農薬は、主要市場である欧州、米国での天候が安定し需要が回復しました。医薬品は、国内市場での薬価改定が継続しております。工業薬品は、上期は需要が低迷、下期は市況が悪化しました。
樹脂製品事業
コンシューマー・グッズは、家庭用ラップ「NEWクレラップ」が、新型コロナウイルス感染症の影響による巣ごもり需要により好調な販売が継続し、フッ化ビニリデン釣糸「シーガー」は、アウトドアレジャーが活況であったことから国内外での販売が堅調でした。
業務用食品包装材は、欧州地域でのロックダウンの影響が大きく厳しい事業環境となり、事業戦略の再構築を進めております。
建設関連事業
建設事業は、新型コロナウイルス感染症の影響で多数の建設案件の延期・中止、大手ゼネコンの中小案件への参入等、厳しい事業環境の中、利益率の高い災害復旧工事や中小案件での受注や経費削減に努めました。経費削減等に加え、資材の一括購買などの合理化を進めております。
その他関連事業
環境事業については、低濃度PCB廃棄物処理、福島県内の災害廃棄物の処分が増加しましたが、災害廃棄物の処分は当連結会計年度で概ね終了する見込みです。社会的にゼロエミッション、リサイクル推進の流れが進む中、確実な顧客獲得と原価低減などによる競争力の強化を推進するとともに、低濃度PCB処理の法定期限終了を睨んだ次世代事業開拓を進めております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
(キャッシュ・フロー)
「3.経営者による財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(資本の財源および資金の流動性)
当社グループは、必要な資金を金融機関からの借入、社債およびコマーシャル・ペーパーの発行により調達しております。また、当社グループとしての資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、キャッシュ・マネジメント・システムを導入しております。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、コマーシャル・ペーパーの発行枠の確保、金融機関とのコミットメントライン契約、当座貸越契約等の活用により、流動性を確保できております。このような状況から、新型コロナウイルス感染症の影響については、当面は資金不足に陥ることはないものと考えております。
当社グループは、計画利益の確保と資産の効率化による営業キャッシュ・フローの最大化を図り、優先的に新規事業および既存事業拡大のための設備投資、投融資、研究開発投資、および株主への配当等に資金を配分することを基本方針としております。その上で、長期的な資金の確保を第一としながら、長短借入金のバランスについても考慮し、必要な資金調達を実施しております。
重要な資本的支出の予定およびその資金の調達源については、機能製品事業を中心に設備投資を予定し、その資金調達は自己資金、社債及び借入金を考えております。
③ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定は、「第5.経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積りおよび判断」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の経営成績等の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態および経営成績の状況
(経営成績の状況)
当期のわが国を含む世界経済においては、期初から新型コロナウイルス感染症の影響により内外経済が下振れする極めて厳しい状況が急速に拡大しました。下期には、感染拡大の防止策を講じるなかで各種政策の効果や海外経済の改善もあって、国内経済には持ち直しの動きがみられたものの、依然として厳しい状況にあります。今後、国内経済の持ち直しの動きが続くことが期待されますが、感染拡大はいまだ収束しておらず、先行きは不透明な状況です。
このような状況のなか、当社グループは、従業員等の安全な労働環境を確保し感染予防と感染リスク低減に努めつつ安定的に事業活動を継続しており、新型コロナウイルス感染症による当社グループの生産・販売体制への影響は軽微でした。原材料等の調達や物流においては、一部で遅延は生じましたが大きな影響はありませんでした。財務面では資産の健全性を維持し、資金流動性も確保しました。
事業セグメント別では、自動車産業およびシェールオイル・ガス産業を主要な市場としている機能製品事業は、上期には感染症の拡大により売上げに弱さがみられたものの、下期からは回復基調となりました。化学製品事業は、医薬・農薬分野では大きな影響はありませんでしたが、工業薬品分野で各種産業の原材料としての需要が減少しました。樹脂製品事業は、コンシューマー・グッズ分野で巣ごもり消費などにより売上げが伸張しましたが、欧州でのロックダウンの影響等を受けた業務用食品包装材分野では売上げが減少しました。建設関連事業は、民間工事の中止や延期の影響を受けました。その他関連事業は、全般的に大きな影響は無く、環境事業は一時的な災害関連廃棄物の処理等の増加により売上げが伸張しました。また、新型コロナウイルス感染症に伴う経済活動の停滞による原燃料等の市況下落および活動経費の縮小は、当社グループの利益を押し上げました。
その結果、当連結会計年度の売上げの増収幅は僅かに留まりましたが、セグメント営業利益合計は増益となりました。営業利益では、その他の収益で前期に本社別館の土地売却益などの計上があったことにより前期比で減益となりました。
売上収益は前期比1.5%増の1,445億75百万円、営業利益は前期比4.3%減の172億63百万円、税引前利益は前期比1.1%減の177億48百万円、当期利益は前期比1.6%減の136億11百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比1.6%減の134億93百万円となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
(単位:百万円)
| 売 上 収 益 | 営 業 利 益 | |||||
| 前期 | 当期 | 増減 | 前期 | 当期 | 増減 | |
| 機能製品事業 | 41,842 | 44,465 | 2,622 | 3,711 | 3,473 | △238 |
| 化学製品事業 | 24,331 | 23,543 | △788 | 2,127 | 2,228 | 100 |
| 樹脂製品事業 | 43,473 | 42,352 | △1,120 | 6,306 | 7,708 | 1,402 |
| 建設関連事業 | 14,457 | 13,919 | △537 | 1,147 | 1,077 | △70 |
| その他関連事業 | 18,293 | 20,294 | 2,001 | 2,713 | 4,363 | 1,649 |
| セグメント合計 | 142,398 | 144,575 | 2,177 | 16,007 | 18,850 | 2,842 |
| 調整額 (注) | - | - | - | 2,033 | △1,587 | △3,620 |
| 連結合計 | 142,398 | 144,575 | 2,177 | 18,041 | 17,263 | △777 |
(注) 営業利益の調整額には、報告セグメントに配分していないその他の収支が含まれております。詳細は、連結財務諸表注記「25.その他の収益」および「26.その他の費用」に記載しております。
機能製品事業
機能樹脂分野では、PPS樹脂およびシェールオイル・ガス掘削用途向けのPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品は売上げが減少しましたが、リチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂の売上げは増加したことから、この分野での売上げは増加しました。営業利益はPGA事業の損失増加および、持分法を適用している米国合弁事業の利益の減少などにより前期並みとなりました。
炭素製品分野では、自動車部品用摺動材および高温炉用断熱材向けの炭素繊維の売上げが減少し、この分野での売上げ、営業利益はともに減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比6.3%増の444億65百万円となり、営業利益は前期比6.4%減の34億73百万円となりました。
化学製品事業
医薬・農薬分野では、慢性腎不全用剤「クレメジン」の売上げは減少しましたが、農業・園芸用殺菌剤の売上げが増加し、この分野での売上げ、営業利益はともに増加しました。
工業薬品分野では、無機および有機薬品類の売上げが減少し、この分野での売上げ、営業利益はともに減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比3.2%減の235億43百万円となり、営業利益は前期比4.7%増の22億28百万円となりました。
樹脂製品事業
コンシューマー・グッズ分野では、家庭用ラップ「NEWクレラップ」およびフッ化ビニリデン釣糸「シーガー」の売上げが増加し、この分野での売上げ、営業利益はともに増加しました。
業務用食品包装材分野では、熱収縮多層フィルム等の売上げが減少し、前期にブローボトル事業の譲渡を行ったこともあり、この分野での売上げ、営業利益はともに減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比2.6%減の423億52百万円となり、営業利益は前期比22.2%増の77億8百万円となりました。
建設関連事業
建設事業では、公共工事は前期並みとなったものの民間工事の中止や延期により、売上げ、営業利益はともに減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比3.7%減の139億19百万円となり、営業利益は前期比6.1%減の10億77百万円となりました。
その他関連事業
環境事業では、産業廃棄物や一時的な災害廃棄物の処理および処分の増加により、売上げ、営業利益はともに増加しました。
運送事業では、売上げ、営業利益はともに前期並みとなりました。
病院事業では、売上げが減少し、営業損失は増加しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比10.9%増の202億94百万円となり、営業利益は前期比60.8%増の43億63百万円となりました。
(財政状態の状況)
当期末の資産合計につきましては、前期末比100億32百万円増の2,569億23百万円となりました。流動資産は、棚卸資産等が減少しましたが、現金及び現金同等物の増加等により前期末比72億25百万円増の862億37百万円となりました。非流動資産は、投資有価証券の売却に伴う減少はありましたが、有形固定資産が前期末比3億89百万円増の1,201億71百万円となり、その他の非流動資産での退職給付に係る資産の増加等により、前期末比28億7百万円増の1,706億86百万円となりました。
負債合計につきましては、前期末比88億64百万円減の714億2百万円となりました。これは、有利子負債が、借入金等の返済により前期末比78億10百万円減の295億6百万円となったことなどによるものです。
資本合計につきましては、前期末比188億97百万円増の1,855億21百万円となりました。これは、剰余金の配当を33億18百万円実施した一方で、親会社の所有者に帰属する当期利益を134億93百万円計上するとともに、投資有価証券の評価額の増加等によるものです。
なお、当期末で、当社グループの流動性確保および債権保全への新型コロナウイルス感染症による影響は発生しておりません。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは267億4百万円の収入となり、前期に比べ115億53百万円収入が増加しました。これは、棚卸資産の減少による収入が増加したことや、営業債務及びその他の債務の減少による支出が減少したこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは前年54億83百万円の収入から、当期は38億76百万円の支出となりました。これは、有形固定資産及び無形資産の売却による収入が減少したこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは125億16百万円の支出となり、前期に比べ68億37百万円支出が減少しました。これは、社債の償還による支出が減少したこと等によるものです。
以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前期末に比べ105億66百万円増加し178億34百万円となりました。これは、今後の資金の流動性の確保のために現金及び現金同等物を積み上げたことによるものです。
新型コロナウイルス感染症の影響については、現金及び現金同等物に加え、コマーシャル・ペーパーの発行枠の確保、金融機関とのコミットメントライン契約、当座貸越契約等の活用により、当面は資金不足に陥ることはないものと考えております。
③ 生産、受注および販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
| 機能製品事業 | 41,497 | △12.5 |
| 化学製品事業 | 12,661 | △14.9 |
| 樹脂製品事業 | 31,289 | △5.8 |
| 合計 | 85,448 | △10.5 |
(注) 1 金額は平均販売単価によっております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における土木・建築工事の施工請負等の受注実績は次のとおりであります。なお、これ以外の製品については見込生産を行っております。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
| 建設関連事業 | 13,605 | +23.9 | 6,526 | △4.6 |
| その他関連事業 | 1,102 | +65.2 | 570 | +70.7 |
| 合計 | 14,708 | +26.2 | 7,097 | △1.1 |
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
| 機能製品事業 | 44,465 | +6.3 |
| 化学製品事業 | 23,543 | △3.2 |
| 樹脂製品事業 | 42,352 | △2.6 |
| 建設関連事業 | 13,919 | △3.7 |
| その他関連事業 | 20,294 | +10.9 |
| 合計 | 144,575 | +1.5 |
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
(経営成績)
当社グループは、「KC2020」での2年間(2019年度および2020年度)を“将来の発展に向けた土台を固める期間”と位置づけ、①PGA事業の拡大と利益創出、②フッ化ビニリデン樹脂事業の更なる拡大、③既存事業のビジネスモデル最適化、④新規事業の国内外における探索と育成、⑤経営基盤の強化を経営目標とし、持続的な成長と企業価値向上を図ることを念頭に事業活動を推進してまいりました。
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症拡大による世界的な経済活動抑制等の影響を受けました。同感染症拡大の影響は、当社グループ各事業の主要市場が多様である為、各事業セグメント毎に多岐に亘り、その業績に対しプラス面、マイナス面の双方に作用しました。事業セグメント別では、自動車産業およびシェールオイル・ガス産業を主要な市場としている機能製品事業は、上期には感染症の拡大により売上げに弱さがみられたものの、下期からは回復基調となりました。化学製品事業は、医薬・農薬分野では大きな影響はありませんでしたが、工業薬品分野で各種産業の原材料としての需要が減少しました。樹脂製品事業は、コンシューマー・グッズ分野で巣ごもり消費などにより売上げが伸張しましたが、欧州でのロックダウンの影響等を受けた業務用食品包装材分野では売上げが減少しました。建設関連事業は、民間工事の中止や延期の影響を受けました。その他関連事業は、全般的に大きな影響は無く、環境事業は一時的な災害関連廃棄物の処理等の増加により売上げが伸張しました。全体としては、経営成績への影響は軽微に留まりました。
当社グループでは、従業員等の安全な労働環境を確保し感染予防と感染リスク低減に努めた結果、生産・販売体制への影響は軽微であり、安定的に事業活動を継続し、事業環境への対応が可能な体制を維持しました。原材料等の調達や物流においては、一部で遅延は生じましたが大きな影響はなく、財務面では資産の健全性を維持し、資金流動性も確保した上で事業運営にあたりました。
引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大の長期化による国内外経済の低迷が懸念されますが、各セグメントにおける需要動向を注意深くモニタリングし、適時適切な対応を図る体制を構築し、安定した経営基盤の維持を図ってまいります。
なお、経営成績の分析については、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態および経営成績の状況」に、分析に基づく検討内容については、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営環境、中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題」に記載しております。
(経営成績に重要な影響を与える要因)
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容)
機能製品事業
PGA樹脂加工品は、製品ポートフォリオの拡充を推進し拡販を図りましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により主要市場であるシェールオイル・ガス産業が低迷した結果、市場が大幅に縮小しました。事業環境の変化を受け当該事業の今後の収益見通しを見直し、当連結会計年度に1,624百万円の設備減損損失を計上しました。フッ化ビニリデン樹脂は、リチウムイオン二次電池用バインダー向け販売は、上期は、新型コロナウイルス感染症の影響により低迷しましたが、各国政府による環境規制強化を背景とした積極的な政策導入等による電気自動車普及に支えられ急速に回復し、その後底堅く推移しております。本用途への潜在的需要は底堅く、競争力のある製品の安定供給ニーズが高まっており、引き続き新工場建設の検討を推進します。PPS樹脂は、上期は販売が低迷しましたが、自動車向けの素材として下期より需要が回復しております。
化学製品事業
農薬は、主要市場である欧州、米国での天候が安定し需要が回復しました。医薬品は、国内市場での薬価改定が継続しております。工業薬品は、上期は需要が低迷、下期は市況が悪化しました。
樹脂製品事業
コンシューマー・グッズは、家庭用ラップ「NEWクレラップ」が、新型コロナウイルス感染症の影響による巣ごもり需要により好調な販売が継続し、フッ化ビニリデン釣糸「シーガー」は、アウトドアレジャーが活況であったことから国内外での販売が堅調でした。
業務用食品包装材は、欧州地域でのロックダウンの影響が大きく厳しい事業環境となり、事業戦略の再構築を進めております。
建設関連事業
建設事業は、新型コロナウイルス感染症の影響で多数の建設案件の延期・中止、大手ゼネコンの中小案件への参入等、厳しい事業環境の中、利益率の高い災害復旧工事や中小案件での受注や経費削減に努めました。経費削減等に加え、資材の一括購買などの合理化を進めております。
その他関連事業
環境事業については、低濃度PCB廃棄物処理、福島県内の災害廃棄物の処分が増加しましたが、災害廃棄物の処分は当連結会計年度で概ね終了する見込みです。社会的にゼロエミッション、リサイクル推進の流れが進む中、確実な顧客獲得と原価低減などによる競争力の強化を推進するとともに、低濃度PCB処理の法定期限終了を睨んだ次世代事業開拓を進めております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
(キャッシュ・フロー)
「3.経営者による財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(資本の財源および資金の流動性)
当社グループは、必要な資金を金融機関からの借入、社債およびコマーシャル・ペーパーの発行により調達しております。また、当社グループとしての資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、キャッシュ・マネジメント・システムを導入しております。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、コマーシャル・ペーパーの発行枠の確保、金融機関とのコミットメントライン契約、当座貸越契約等の活用により、流動性を確保できております。このような状況から、新型コロナウイルス感染症の影響については、当面は資金不足に陥ることはないものと考えております。
当社グループは、計画利益の確保と資産の効率化による営業キャッシュ・フローの最大化を図り、優先的に新規事業および既存事業拡大のための設備投資、投融資、研究開発投資、および株主への配当等に資金を配分することを基本方針としております。その上で、長期的な資金の確保を第一としながら、長短借入金のバランスについても考慮し、必要な資金調達を実施しております。
重要な資本的支出の予定およびその資金の調達源については、機能製品事業を中心に設備投資を予定し、その資金調達は自己資金、社債及び借入金を考えております。
③ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定は、「第5.経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積りおよび判断」に記載しております。