有価証券報告書-第112期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の経営成績等の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態および経営成績の状況
(経営成績の状況)
当期のわが国を含む世界経済は、景気の緩やかな回復が続くことが期待される一方、中国経済の停滞や中東およびウクライナ情勢の長期化、世界的な金融引き締め、米国の通商政策動向に伴う影響等が懸念され、先行きが不透明な状況が続きました。
このような状況のなか、当社グループは、「中長期的な企業価値の向上」と「持続可能な社会への貢献」を両立し、サステナビリティ経営を推進して当社グループを一層発展させるべく、『クレハグループ企業理念』、『クレハビジョン』、2030年度に向けた『経営方針』と「クレハグループ中長期経営計画『未来創造への挑戦』」に加えて、事業環境の変化等を踏まえ、『クレハグループ中長期経営計画ローリングプラン2025』を新たに策定し、取り組んでいます。
当連結会計年度は、電気自動車の市況低迷に伴う需要停滞により機能製品事業のリチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂の売上げが減少したことに加え、樹脂製品事業の業務用食品包装材分野において熱収縮多層フィルムの販売を上期で終了したことにより、売上げは前期比で減少しました。営業利益は、前期に計上したリストラクチャリング費用が減少し、また前期に計上した中国におけるフッ化ビニリデン樹脂製造設備の増強計画中止に伴う固定資産減損損失の計上が当期はないものの、フッ化ビニリデン樹脂の売上げ減少およびPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品の棚卸資産評価減の戻入益が前期に比べて減少したことにより、前期比で減少しました。
売上収益は前期比9.0%減の1,620億15百万円、営業利益は前期比26.3%減の94億28百万円、税引前利益は前期比26.6%減の102億18百万円、当期利益は前期比19.8%減の78億96百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比19.9%減の78億円となりました。

セグメントの業績は次のとおりです。
(単位:百万円)
(注)営業損益の調整額には、報告セグメントに配分していないその他の収支が含まれています。詳細は、連結財務諸表注記「26.その他の収益」および「27.その他の費用」に記載しています。

機能製品事業
機能樹脂分野では、リチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂、PPS樹脂およびシェールオイル・ガス掘削用途のPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品の売上げが減少したこと、およびPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品の棚卸資産評価減の戻入益が前期に比べて減少したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに減少しました。
炭素製品分野では、球状活性炭の売上げは増加しましたが、高温炉用断熱材の売上げが減少したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比11.1%減の573億72百万円となり、前期48億37百万円の営業利益から19億91百万円の営業損失となりました。

化学製品事業
農薬・医薬分野では、農業・園芸用殺菌剤および慢性腎不全用剤「クレメジン」の売上げが減少したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに減少しました。
工業薬品分野では、無機および有機薬品類の売上げが減少したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比9.6%減の306億77百万円となり、営業利益は前期比64.2%減の5億92百万円となりました。

樹脂製品事業
コンシューマー・グッズ分野では、フッ化ビニリデン釣糸「シーガー」の売上げが増加しましたが、家庭用ラップ「NEWクレラップ」の売上げが減少したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに減少しました。
業務用食品包装材分野では、熱収縮多層フィルムの販売を上期で終了したことにより、売上げ、営業利益はともに減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比14.4%減の405億28百万円となり、営業利益は前期比13.4%減の70億97百万円となりました。

建設関連事業
公共工事および民間工事が増加したことにより、売上げは増加しましたが、売上構成の変化により営業利益は減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比6.4%増の148億42百万円となり、営業利益は前期比5.9%減の13億93百万円となりました。

その他関連事業
環境事業では、廃棄物処理数量の増加により、売上げ、営業利益はともに増加しました。
その他の事業では、売上げは前期並みとなりましたが、病院事業での病床稼働率の改善により営業利益は増加しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比2.0%増の185億93百万円となり、営業利益は前期比18.0%増の29億11百万円となりました。

(財政状態の状況)
当期末の資産合計につきましては、前期末比146億68百万円増の3,452億98百万円となりました。流動資産は、営業債権及びその他の債権、棚卸資産が減少したこと等により、前期末比151億26百万円減の1,047億74百万円となりました。非流動資産は、投資有価証券の売却によりその他の金融資産が減少したものの、主にフッ化ビニリデン樹脂生産設備増強工事に伴い有形固定資産が増加したこと等により、前期末比297億94百万円増の2,405億24百万円となりました。
負債合計につきましては、前期末比266億77百万円増の1,341億59百万円となりました。これは、リストラクチャリング引当金等の引当金が減少した一方で、有利子負債が社債の発行や借入金の増加等により前期末比311億7百万円増の860億11百万円となったこと等によるものです。
資本合計につきましては、前期末比120億9百万円減の2,111億39百万円となりました。これは、親会社の所有者に帰属する当期利益を78億円計上した一方で、自己株式の取得を150億2百万円、剰余金の配当を46億60百万円実施したこと等によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは295億25百万円の収入となり、前期に比べ179億24百万円収入が増加しました。これは、営業債権及びその他の債権の減少による収入が増加したこと、および法人所得税の支払額が減少したこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは394億36百万円の支出となり、前期に比べ51億47百万円支出が増加しました。これは、投資有価証券の売却による収入が増加した一方、有形固定資産及び無形資産の取得による支出が増加したこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは84億37百万円の収入となり、前期に比べ36億97百万円収入が減少しました。これは、自己株式の取得による支出が増加したこと等によるものです。
以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前期末に比べ16億30百万円減少し215億円となりました。
③ 生産、受注および販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)金額は平均販売単価によっています。
b. 受注実績
当連結会計年度における土木・建築工事の施工請負等の受注実績は次のとおりです。なお、これ以外の製品については見込生産を行っています。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
(経営成績)
当社グループは、前連結会計年度において「中長期的な企業価値の向上」と、「持続可能な社会への貢献」を両立させるサステナビリティ経営を推進し当社グループを一層発展させるべく、新たに『クレハグループ企業理念』、『クレハビジョン』、2030年度に向けた『経営方針』と「クレハグループ中長期経営計画『未来創造への挑戦』」を策定しました。また、当連結会計年度において、2025年度までの計画を見直した『クレハグループ中長期経営計画ローリングプラン2025』を策定し、事業活動を推進しています。
当連結会計年度は、欧州経済の減速に伴う電気自動車普及の鈍化により顧客生産活動が低迷し、リチウムイオン二次電池用バインダー向けフッ化ビニリデン樹脂の販売減少が当社グループ業績に大きく影響し、減収減益となりました。
引き続き、米国第二次トランプ政権による大幅かつ急激な政策転換、世界的な金融引き締め、エネルギー価格を含む物価の高騰、中国および欧州経済の減速や中東およびウクライナ情勢等による影響が懸念され、先行きが不透明な状況ではありますが、各セグメントにおいて事業への影響を注意深くモニタリングし、適時適切な対応を図り、安定した事業運営を図ってまいります。
なお、経営成績の分析については、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要①財政状態および経営成績の状況」に、分析に基づく検討内容については、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しています。
(経営成績に重要な影響を与える要因)
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「3.事業等のリスク」に記載のとおりです。
(セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容)
機能製品事業
フッ化ビニリデン樹脂は、欧州経済の減速により電気自動車の普及に鈍化が見られ、リチウムイオン二次電池用バインダー向け販売が減少しました。また当面の需要予測の見直しに伴い、生産調整を行ったことにより棚卸資産評価減を計上し、利益は減少しました。一方で、中長期的には電気自動車の普及に加え、ESS(Energy Storage System、定置用蓄電池)需要も増加が予想されており、本用途での需要は底堅く、競争力のある製品の安定供給が求められるものと判断し、日本における生産設備の増強を計画通り進めています。PGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品は、当社が現在主力とする中高温地区で主に産出されるガスの価格が低迷し、掘削活動が停滞したことに加え、棚卸資産評価減の戻入益が前期に比べ減少したことにより、売上げ・利益ともに減少しました。PPS樹脂は、国内および米国持分法適用会社ともに、増益となりました。
化学製品事業
農薬は、ウクライナ情勢による穀物市場価格高騰の影響を見越した在庫確保の動きにより世界的に農薬の需要が旺盛であった状況から、在庫調整局面に入っています。当連結会計年度は、顧客での在庫調整により、販売数量は減少し、新剤の研究開発費等の増加もあり営業利益も減少しました。工業薬品は、苛性ソーダの販売数量減少等により減収減益となりました。
樹脂製品事業
コンシューマー・グッズ分野では、前期、販売が好調であった家庭用ラップ「NEWクレラップ」の販売数量が減少し、営業利益も減少しました。フッ化ビニリデン釣糸「シーガー」は、中国市場での販促活動の積極展開や新製品の販売等と合わせ、原材料価格も低下したことにより、前年比増収増益となりました。
業務用食品包装材分野では、熱収縮多層フィルムの事業撤退により、大きく売上げが減少したため、前年比で減収減益となりました。
建設関連事業
建設事業では、公共・民間工事ともに売上げは増加したものの、売上げ構成の変化により利益は減少しました。
その他関連事業
環境事業については、廃棄物の処理数量増加により、増収増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に関する情報
(キャッシュ・フロー)
「4. 経営者による財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(資本の財源および資金の流動性)
当社グループは、必要な資金を金融機関からの借入、社債およびコマーシャル・ペーパーの発行により調達しています。また、当社グループとしての資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、キャッシュ・マネジメント・システムを導入しています。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、コマーシャル・ペーパーの発行枠の確保、金融機関とのコミットメントライン契約、当座貸越契約等の活用により、流動性を確保できています。
当社グループは、計画利益の確保と資産の効率化による営業キャッシュ・フローの最大化を図り、優先的に新規事業および既存事業拡大のための設備投資、投融資、研究開発投資、および株主への配当等に資金を配分することを基本方針としています。その上で、長期的な資金の確保を第一としながら、長短借入金のバランスについても考慮し、必要な資金調達を実施しています。
重要な資本的支出の予定およびその資金の調達源については、フッ化ビニリデン樹脂生産設備(当社)の増強をはじめとした機能製品事業を中心に設備投資を予定し、その資金調達は自己資金、社債及び借入金を考えています。
③ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定は、「第5.経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積りおよび判断」に記載しています。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の経営成績等の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態および経営成績の状況
(経営成績の状況)
当期のわが国を含む世界経済は、景気の緩やかな回復が続くことが期待される一方、中国経済の停滞や中東およびウクライナ情勢の長期化、世界的な金融引き締め、米国の通商政策動向に伴う影響等が懸念され、先行きが不透明な状況が続きました。
このような状況のなか、当社グループは、「中長期的な企業価値の向上」と「持続可能な社会への貢献」を両立し、サステナビリティ経営を推進して当社グループを一層発展させるべく、『クレハグループ企業理念』、『クレハビジョン』、2030年度に向けた『経営方針』と「クレハグループ中長期経営計画『未来創造への挑戦』」に加えて、事業環境の変化等を踏まえ、『クレハグループ中長期経営計画ローリングプラン2025』を新たに策定し、取り組んでいます。
当連結会計年度は、電気自動車の市況低迷に伴う需要停滞により機能製品事業のリチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂の売上げが減少したことに加え、樹脂製品事業の業務用食品包装材分野において熱収縮多層フィルムの販売を上期で終了したことにより、売上げは前期比で減少しました。営業利益は、前期に計上したリストラクチャリング費用が減少し、また前期に計上した中国におけるフッ化ビニリデン樹脂製造設備の増強計画中止に伴う固定資産減損損失の計上が当期はないものの、フッ化ビニリデン樹脂の売上げ減少およびPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品の棚卸資産評価減の戻入益が前期に比べて減少したことにより、前期比で減少しました。
売上収益は前期比9.0%減の1,620億15百万円、営業利益は前期比26.3%減の94億28百万円、税引前利益は前期比26.6%減の102億18百万円、当期利益は前期比19.8%減の78億96百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比19.9%減の78億円となりました。

セグメントの業績は次のとおりです。
(単位:百万円)
| 売 上 収 益 | 営 業 損 益 | |||||
| 前期 | 当期 | 増減 | 前期 | 当期 | 増減 | |
| 機能製品事業 | 64,510 | 57,372 | △7,138 | 4,837 | △1,991 | △6,828 |
| 化学製品事業 | 33,949 | 30,677 | △3,271 | 1,655 | 592 | △1,062 |
| 樹脂製品事業 | 47,328 | 40,528 | △6,799 | 8,194 | 7,097 | △1,097 |
| 建設関連事業 | 13,948 | 14,842 | 894 | 1,480 | 1,393 | △87 |
| その他関連事業 | 18,237 | 18,593 | 356 | 2,466 | 2,911 | 445 |
| セグメント合計 | 177,973 | 162,015 | △15,958 | 18,634 | 10,002 | △8,631 |
| 調整額 (注) | - | - | - | △5,834 | △574 | 5,260 |
| 連結合計 | 177,973 | 162,015 | △15,958 | 12,800 | 9,428 | △3,371 |
(注)営業損益の調整額には、報告セグメントに配分していないその他の収支が含まれています。詳細は、連結財務諸表注記「26.その他の収益」および「27.その他の費用」に記載しています。

機能製品事業
機能樹脂分野では、リチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂、PPS樹脂およびシェールオイル・ガス掘削用途のPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品の売上げが減少したこと、およびPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品の棚卸資産評価減の戻入益が前期に比べて減少したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに減少しました。
炭素製品分野では、球状活性炭の売上げは増加しましたが、高温炉用断熱材の売上げが減少したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比11.1%減の573億72百万円となり、前期48億37百万円の営業利益から19億91百万円の営業損失となりました。

化学製品事業
農薬・医薬分野では、農業・園芸用殺菌剤および慢性腎不全用剤「クレメジン」の売上げが減少したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに減少しました。
工業薬品分野では、無機および有機薬品類の売上げが減少したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比9.6%減の306億77百万円となり、営業利益は前期比64.2%減の5億92百万円となりました。

樹脂製品事業
コンシューマー・グッズ分野では、フッ化ビニリデン釣糸「シーガー」の売上げが増加しましたが、家庭用ラップ「NEWクレラップ」の売上げが減少したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに減少しました。
業務用食品包装材分野では、熱収縮多層フィルムの販売を上期で終了したことにより、売上げ、営業利益はともに減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比14.4%減の405億28百万円となり、営業利益は前期比13.4%減の70億97百万円となりました。

建設関連事業
公共工事および民間工事が増加したことにより、売上げは増加しましたが、売上構成の変化により営業利益は減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比6.4%増の148億42百万円となり、営業利益は前期比5.9%減の13億93百万円となりました。

その他関連事業
環境事業では、廃棄物処理数量の増加により、売上げ、営業利益はともに増加しました。
その他の事業では、売上げは前期並みとなりましたが、病院事業での病床稼働率の改善により営業利益は増加しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比2.0%増の185億93百万円となり、営業利益は前期比18.0%増の29億11百万円となりました。

(財政状態の状況)
当期末の資産合計につきましては、前期末比146億68百万円増の3,452億98百万円となりました。流動資産は、営業債権及びその他の債権、棚卸資産が減少したこと等により、前期末比151億26百万円減の1,047億74百万円となりました。非流動資産は、投資有価証券の売却によりその他の金融資産が減少したものの、主にフッ化ビニリデン樹脂生産設備増強工事に伴い有形固定資産が増加したこと等により、前期末比297億94百万円増の2,405億24百万円となりました。
負債合計につきましては、前期末比266億77百万円増の1,341億59百万円となりました。これは、リストラクチャリング引当金等の引当金が減少した一方で、有利子負債が社債の発行や借入金の増加等により前期末比311億7百万円増の860億11百万円となったこと等によるものです。
資本合計につきましては、前期末比120億9百万円減の2,111億39百万円となりました。これは、親会社の所有者に帰属する当期利益を78億円計上した一方で、自己株式の取得を150億2百万円、剰余金の配当を46億60百万円実施したこと等によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは295億25百万円の収入となり、前期に比べ179億24百万円収入が増加しました。これは、営業債権及びその他の債権の減少による収入が増加したこと、および法人所得税の支払額が減少したこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは394億36百万円の支出となり、前期に比べ51億47百万円支出が増加しました。これは、投資有価証券の売却による収入が増加した一方、有形固定資産及び無形資産の取得による支出が増加したこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは84億37百万円の収入となり、前期に比べ36億97百万円収入が減少しました。これは、自己株式の取得による支出が増加したこと等によるものです。
以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前期末に比べ16億30百万円減少し215億円となりました。
③ 生産、受注および販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
| 機能製品事業 | 49,871 | △22.0 |
| 化学製品事業 | 17,571 | △6.4 |
| 樹脂製品事業 | 31,487 | △2.3 |
| 合計 | 98,930 | △13.9 |
(注)金額は平均販売単価によっています。
b. 受注実績
当連結会計年度における土木・建築工事の施工請負等の受注実績は次のとおりです。なお、これ以外の製品については見込生産を行っています。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
| 建設関連事業 | 17,775 | +25.8 | 10,915 | +36.7 |
| その他関連事業 | 873 | △24.1 | 596 | △20.2 |
| 合計 | 18,648 | +22.1 | 11,512 | +31.8 |
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
| 機能製品事業 | 57,372 | △11.1 |
| 化学製品事業 | 30,677 | △9.6 |
| 樹脂製品事業 | 40,528 | △14.4 |
| 建設関連事業 | 14,842 | +6.4 |
| その他関連事業 | 18,593 | +2.0 |
| 合計 | 162,015 | △9.0 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
(経営成績)
当社グループは、前連結会計年度において「中長期的な企業価値の向上」と、「持続可能な社会への貢献」を両立させるサステナビリティ経営を推進し当社グループを一層発展させるべく、新たに『クレハグループ企業理念』、『クレハビジョン』、2030年度に向けた『経営方針』と「クレハグループ中長期経営計画『未来創造への挑戦』」を策定しました。また、当連結会計年度において、2025年度までの計画を見直した『クレハグループ中長期経営計画ローリングプラン2025』を策定し、事業活動を推進しています。
当連結会計年度は、欧州経済の減速に伴う電気自動車普及の鈍化により顧客生産活動が低迷し、リチウムイオン二次電池用バインダー向けフッ化ビニリデン樹脂の販売減少が当社グループ業績に大きく影響し、減収減益となりました。
引き続き、米国第二次トランプ政権による大幅かつ急激な政策転換、世界的な金融引き締め、エネルギー価格を含む物価の高騰、中国および欧州経済の減速や中東およびウクライナ情勢等による影響が懸念され、先行きが不透明な状況ではありますが、各セグメントにおいて事業への影響を注意深くモニタリングし、適時適切な対応を図り、安定した事業運営を図ってまいります。
なお、経営成績の分析については、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要①財政状態および経営成績の状況」に、分析に基づく検討内容については、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しています。
(経営成績に重要な影響を与える要因)
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「3.事業等のリスク」に記載のとおりです。
(セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容)
機能製品事業
フッ化ビニリデン樹脂は、欧州経済の減速により電気自動車の普及に鈍化が見られ、リチウムイオン二次電池用バインダー向け販売が減少しました。また当面の需要予測の見直しに伴い、生産調整を行ったことにより棚卸資産評価減を計上し、利益は減少しました。一方で、中長期的には電気自動車の普及に加え、ESS(Energy Storage System、定置用蓄電池)需要も増加が予想されており、本用途での需要は底堅く、競争力のある製品の安定供給が求められるものと判断し、日本における生産設備の増強を計画通り進めています。PGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品は、当社が現在主力とする中高温地区で主に産出されるガスの価格が低迷し、掘削活動が停滞したことに加え、棚卸資産評価減の戻入益が前期に比べ減少したことにより、売上げ・利益ともに減少しました。PPS樹脂は、国内および米国持分法適用会社ともに、増益となりました。
化学製品事業
農薬は、ウクライナ情勢による穀物市場価格高騰の影響を見越した在庫確保の動きにより世界的に農薬の需要が旺盛であった状況から、在庫調整局面に入っています。当連結会計年度は、顧客での在庫調整により、販売数量は減少し、新剤の研究開発費等の増加もあり営業利益も減少しました。工業薬品は、苛性ソーダの販売数量減少等により減収減益となりました。
樹脂製品事業
コンシューマー・グッズ分野では、前期、販売が好調であった家庭用ラップ「NEWクレラップ」の販売数量が減少し、営業利益も減少しました。フッ化ビニリデン釣糸「シーガー」は、中国市場での販促活動の積極展開や新製品の販売等と合わせ、原材料価格も低下したことにより、前年比増収増益となりました。
業務用食品包装材分野では、熱収縮多層フィルムの事業撤退により、大きく売上げが減少したため、前年比で減収減益となりました。
建設関連事業
建設事業では、公共・民間工事ともに売上げは増加したものの、売上げ構成の変化により利益は減少しました。
その他関連事業
環境事業については、廃棄物の処理数量増加により、増収増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に関する情報
(キャッシュ・フロー)
「4. 経営者による財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(資本の財源および資金の流動性)
当社グループは、必要な資金を金融機関からの借入、社債およびコマーシャル・ペーパーの発行により調達しています。また、当社グループとしての資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、キャッシュ・マネジメント・システムを導入しています。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、コマーシャル・ペーパーの発行枠の確保、金融機関とのコミットメントライン契約、当座貸越契約等の活用により、流動性を確保できています。
当社グループは、計画利益の確保と資産の効率化による営業キャッシュ・フローの最大化を図り、優先的に新規事業および既存事業拡大のための設備投資、投融資、研究開発投資、および株主への配当等に資金を配分することを基本方針としています。その上で、長期的な資金の確保を第一としながら、長短借入金のバランスについても考慮し、必要な資金調達を実施しています。
重要な資本的支出の予定およびその資金の調達源については、フッ化ビニリデン樹脂生産設備(当社)の増強をはじめとした機能製品事業を中心に設備投資を予定し、その資金調達は自己資金、社債及び借入金を考えています。
③ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定は、「第5.経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積りおよび判断」に記載しています。