有価証券報告書-第113期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の経営成績等の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態および経営成績の状況
(経営成績の状況)
当期のわが国を含む世界経済は、景気の緩やかな回復が続くことが期待される一方、米国の通商政策や中東情勢による影響等が懸念され、先行きが不透明な状況が続きました。
このような状況のなか、当社グループは、「中長期的な企業価値の向上」と「持続可能な社会への貢献」を両立し、サステナビリティ経営を推進して当社グループを一層発展させるべく、『クレハグループ企業理念』、『クレハビジョン』、2030年度に向けた『経営方針』と「クレハグループ中長期経営計画『未来創造への挑戦』」に加えて、事業環境の変化等を踏まえ、『クレハグループ中長期経営計画ローリングプラン2025』を策定し、取り組んできました。
当連結会計年度の売上収益は、PGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品の売上げは増加しましたが、熱収縮多層フィルムの販売を前年上期で終了したこと、およびリチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂の売上げが減少したことにより、前期比で減少しました。営業利益は、EV(電気自動車)市場の停滞が継続し、フッ化ビニリデン樹脂の主な用途となる車載用リチウムイオン二次電池用バインダーの需要回復に想定以上の時間がかかる見通しとなったことから、将来収益計画を見直し、当該事業に係る固定資産の減損損失を計上したこと、および新規治療薬の台頭による球形吸着炭市場の縮小および毎年の薬価引き下げに伴い慢性腎不全用剤製造設備の減損損失を計上したことにより、前期の営業利益から営業損失となりました。
この結果、売上収益は前期比0.2%減の1,616億88百万円、営業損失は185億92百万円(前期は94億28百万円の営業利益)、税引前損失は183億10百万円(前期は102億18百万円の税引前利益)、当期損失は105億53百万円(前期は78億96百万円の当期利益)、親会社の所有者に帰属する当期損失は106億93百万円(前期は78億円の親会社の所有者に帰属する当期利益)となりました。

セグメントの業績は次のとおりです。
(単位:百万円)
(注)営業損益の調整額には、報告セグメントに配分していないその他の収支が含まれています。詳細は、連結財務諸表注記「25.その他の収益」および「26.その他の費用」に記載しています。

機能製品事業
機能樹脂分野では、リチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂の売上げは減少したものの、シェールオイル・ガス掘削用途のPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品およびPPS樹脂の売上げが増加したことに加えて原材料価格の下落もあり、この分野での売上げ、営業利益はともに増加しました。
炭素製品分野では、球状活性炭の売上げが増加したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに増加しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比6.8%増の612億79百万円となり、前期19億91百万円の営業損失から21億34百万円の営業利益となりました。

化学製品事業
農薬・医薬分野では、慢性腎不全用剤「クレメジン」の売上げは減少したものの、農業・園芸用殺菌剤の売上げが増加したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに増加しました。
工業薬品分野では、有機薬品類の売上げが減少したことから、この分野での売上げは減少しましたが、原材料価格の下落により営業利益は増加しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比3.9%減の294億87百万円となり、営業利益は前期比128.0%増の13億50百万円となりました。

樹脂製品事業
コンシューマー・グッズ分野では、家庭用ラップ「NEWクレラップ」およびフッ化ビニリデン釣糸「シーガー」の売上げが増加し、この分野での売上げ、営業利益はともに増加しました。
業務用食品包装材分野では、熱収縮多層フィルムの販売を前年上期で終了したことにより、売上げ、営業利益はともに減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比9.4%減の367億24百万円となり、営業利益は前期比2.6%減の69億13百万円となりました。

建設関連事業
公共工事、民間工事ともに大型案件が順調に進行したことにより、売上げ、営業利益はともに増加しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比7.9%増の160億13百万円となり、営業利益は前期比10.1%増の15億33百万円となりました。

その他関連事業
環境事業では、廃棄物処理数量の減少により、売上げ、営業利益はともに減少しました。
その他の事業では、売上げ、営業利益はともに減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比2.2%減の181億83百万円となり、営業利益は前期比11.0%減の25億92百万円となりました。

(財政状態の状況)
当期末の資産合計につきましては、前期末比68億53百万円減の3,384億44百万円となりました。流動資産は、棚卸資産は減少したものの、現金及び現金同等物が増加したことにより、前期末比60億84百万円増の1,108億58百万円となりました。非流動資産は、退職給付に係る資産および繰延税金資産が増加したものの、減損損失を計上したことにより有形固定資産が減少し、前期末比129億38百万円減の2,275億86百万円となりました。
負債合計につきましては、前期末比371億6百万円増の1,712億65百万円となりました。これは、繰延税金負債が減少した一方で、有利子負債が借入金の増加等により前期末比382億14百万円増の1,242億25百万円となったこと等によるものです。
資本合計につきましては、前期末比439億60百万円減の1,671億79百万円となりました。これは、投資有価証券の評価額の増加や為替市場での円安の影響によりその他の資本の構成要素が増加した一方で、親会社の所有者に帰属する当期損失を106億93百万円計上し、自己株式の取得を390億57百万円、剰余金の配当を63億41百万円実施したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは280億9百万円の収入となり、前期に比べ15億15百万円収入が減少しました。これは、法人所得税の支払額が増加したこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは137億23百万円の支出となり、前期に比べ257億12百万円支出が減少しました。これは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出が減少したこと、有形固定資産及び無形資産の売却による収入が増加したこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは前期84億37百万円の収入から、当期は79億59百万円の支出となりました。これは、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの増減による収入が増加した一方、自己株式の取得による支出が増加したこと等によるものです。
以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前期末に比べ82億26百万円増加し297億26百万円となりました。
③ 生産、受注および販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)金額は平均販売単価によっています。
b. 受注実績
当連結会計年度における土木・建築工事の施工請負等の受注実績は次のとおりです。なお、これ以外の製品については見込生産を行っています。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
(経営成績)
当社グループは、「中長期的な企業価値の向上」と、「持続可能な社会への貢献」を両立させるサステナビリティ経営を推進し当社グループを一層発展させるべく、『クレハグループ企業理念』、『クレハビジョン』、2030年度に向けた『経営方針』と「クレハグループ中長期経営計画『未来創造への挑戦』」を策定し、また、2025年度までの計画を見直した『クレハグループ中長期経営計画ローリングプラン2025』に基づき、事業活動を推進してきました。
当連結会計年度は、セグメント別営業利益は包装材事業の熱収縮多層フィルム事業撤退により減収となったものの、PPS樹脂の堅調な販売およびフッ化ビニリデン樹脂の棚卸資産評価減の戻入益計上により増益となりました。しかしながら、欧米における環境政策の変化による電気自動車市場低迷、市場変化の見通しの誤りにより、リチウムイオン二次電池用バインダー向けフッ化ビニリデン樹脂において多額の減損損失を計上したことが当社グループ業績に大きく影響し、営業利益は減益となりました。
米国第二次トランプ政権による大幅かつ急激な政策転換、中国経済の減速やウクライナ情勢に加え、中東情勢の影響によるエネルギー価格高騰と原材料調達リスク等による影響が懸念され、先行きが不透明な状況ではありますが、各セグメントにおいて事業への影響を注意深くモニタリングし、適時適切な対応を図り、安定した事業運営を図ってまいります。
なお、経営成績の分析については、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要①財政状態および経営成績の状況」に記載しています。
(経営成績に重要な影響を与える要因)
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
(セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容)
機能製品事業
フッ化ビニリデン樹脂は、欧米における環境政策の変化により電気自動車の普及が遅れていること、また販売構成の変化により、リチウムイオン二次電池用バインダー向け売上げが減少しましたが、棚卸資産評価減の戻入益を計上したことにより、利益は増加しました。PGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品は、当社が現在主力とする中高温鉱区向けの販売が増加したことにより、売上げ・利益ともに増加しました。PPS樹脂は、国内および米国持分法適用会社ともに、増益となりました。
化学製品事業
農薬は、販売数量は前年並みとなりましたが、円安の影響等により増収増益となりました。工業薬品は、価格フォーミュラによる販売単価の下落および苛性ソーダの販売数量減少等により減収となりましたが、経費減少等により増益となりました。
樹脂製品事業
コンシューマー・グッズ分野では、家庭用ラップ「NEWクレラップ」の販売数量は増加し、増収となったものの、販促費等の増加により減益となりました。フッ化ビニリデン釣糸「シーガー」は、中国市場での販促活動の積極展開や新製品の販売等と合わせ、原材料価格も低下したことにより、前年比増収増益となりました。
業務用食品包装材分野では、熱収縮多層フィルムの事業撤退により、大きく売上げが減少したため、前年比で減収減益となりました。
建設関連事業
建設事業では、公共・民間工事ともに売上が増加したことにより、増収増益となりました。
その他関連事業
環境事業については、廃棄物の処理数量減少により、減収減益となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に関する情報
(キャッシュ・フロー)
「4. 経営者による財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(資本の財源および資金の流動性)
当社グループは、必要な資金を金融機関からの借入、社債およびコマーシャル・ペーパーの発行により調達しています。また、当社グループとしての資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、キャッシュ・マネジメント・システムを導入しています。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、コマーシャル・ペーパーの発行枠の確保、金融機関とのコミットメントライン契約、当座貸越契約等の活用により、流動性を確保できています。
当社グループは、計画利益の確保と資産の効率化による営業キャッシュ・フローの最大化を図り、優先的に新規事業および既存事業拡大のための設備投資、投融資、研究開発投資、および株主への配当等に資金を配分することを基本方針としています。その上で、長期的な資金の確保を第一としながら、長短借入金のバランスについても考慮し、必要な資金調達を実施しています。
重要な資本的支出の予定およびその資金の調達源については、フッ化ビニリデン樹脂生産設備(当社)の増強をはじめとした機能製品事業を中心に設備投資を予定し、その資金調達は自己資金、社債及び借入金を考えています。
③ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3 重要性がある会計方針 4 重要な会計上の見積りおよび判断」に記載しています。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の経営成績等の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態および経営成績の状況
(経営成績の状況)
当期のわが国を含む世界経済は、景気の緩やかな回復が続くことが期待される一方、米国の通商政策や中東情勢による影響等が懸念され、先行きが不透明な状況が続きました。
このような状況のなか、当社グループは、「中長期的な企業価値の向上」と「持続可能な社会への貢献」を両立し、サステナビリティ経営を推進して当社グループを一層発展させるべく、『クレハグループ企業理念』、『クレハビジョン』、2030年度に向けた『経営方針』と「クレハグループ中長期経営計画『未来創造への挑戦』」に加えて、事業環境の変化等を踏まえ、『クレハグループ中長期経営計画ローリングプラン2025』を策定し、取り組んできました。
当連結会計年度の売上収益は、PGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品の売上げは増加しましたが、熱収縮多層フィルムの販売を前年上期で終了したこと、およびリチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂の売上げが減少したことにより、前期比で減少しました。営業利益は、EV(電気自動車)市場の停滞が継続し、フッ化ビニリデン樹脂の主な用途となる車載用リチウムイオン二次電池用バインダーの需要回復に想定以上の時間がかかる見通しとなったことから、将来収益計画を見直し、当該事業に係る固定資産の減損損失を計上したこと、および新規治療薬の台頭による球形吸着炭市場の縮小および毎年の薬価引き下げに伴い慢性腎不全用剤製造設備の減損損失を計上したことにより、前期の営業利益から営業損失となりました。
この結果、売上収益は前期比0.2%減の1,616億88百万円、営業損失は185億92百万円(前期は94億28百万円の営業利益)、税引前損失は183億10百万円(前期は102億18百万円の税引前利益)、当期損失は105億53百万円(前期は78億96百万円の当期利益)、親会社の所有者に帰属する当期損失は106億93百万円(前期は78億円の親会社の所有者に帰属する当期利益)となりました。

セグメントの業績は次のとおりです。
(単位:百万円)
| 売 上 収 益 | 営 業 損 益 | |||||
| 前期 | 当期 | 増減 | 前期 | 当期 | 増減 | |
| 機能製品事業 | 57,372 | 61,279 | 3,907 | △1,991 | 2,134 | 4,126 |
| 化学製品事業 | 30,677 | 29,487 | △1,190 | 592 | 1,350 | 758 |
| 樹脂製品事業 | 40,528 | 36,724 | △3,803 | 7,097 | 6,913 | △183 |
| 建設関連事業 | 14,842 | 16,013 | 1,170 | 1,393 | 1,533 | 140 |
| その他関連事業 | 18,593 | 18,183 | △409 | 2,911 | 2,592 | △319 |
| セグメント合計 | 162,015 | 161,688 | △326 | 10,002 | 14,524 | 4,522 |
| 調整額 (注) | - | - | - | △574 | △33,117 | △32,543 |
| 連結合計 | 162,015 | 161,688 | △326 | 9,428 | △18,592 | △28,021 |
(注)営業損益の調整額には、報告セグメントに配分していないその他の収支が含まれています。詳細は、連結財務諸表注記「25.その他の収益」および「26.その他の費用」に記載しています。

機能製品事業
機能樹脂分野では、リチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂の売上げは減少したものの、シェールオイル・ガス掘削用途のPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品およびPPS樹脂の売上げが増加したことに加えて原材料価格の下落もあり、この分野での売上げ、営業利益はともに増加しました。
炭素製品分野では、球状活性炭の売上げが増加したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに増加しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比6.8%増の612億79百万円となり、前期19億91百万円の営業損失から21億34百万円の営業利益となりました。

化学製品事業
農薬・医薬分野では、慢性腎不全用剤「クレメジン」の売上げは減少したものの、農業・園芸用殺菌剤の売上げが増加したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに増加しました。
工業薬品分野では、有機薬品類の売上げが減少したことから、この分野での売上げは減少しましたが、原材料価格の下落により営業利益は増加しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比3.9%減の294億87百万円となり、営業利益は前期比128.0%増の13億50百万円となりました。

樹脂製品事業
コンシューマー・グッズ分野では、家庭用ラップ「NEWクレラップ」およびフッ化ビニリデン釣糸「シーガー」の売上げが増加し、この分野での売上げ、営業利益はともに増加しました。
業務用食品包装材分野では、熱収縮多層フィルムの販売を前年上期で終了したことにより、売上げ、営業利益はともに減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比9.4%減の367億24百万円となり、営業利益は前期比2.6%減の69億13百万円となりました。

建設関連事業
公共工事、民間工事ともに大型案件が順調に進行したことにより、売上げ、営業利益はともに増加しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比7.9%増の160億13百万円となり、営業利益は前期比10.1%増の15億33百万円となりました。

その他関連事業
環境事業では、廃棄物処理数量の減少により、売上げ、営業利益はともに減少しました。
その他の事業では、売上げ、営業利益はともに減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比2.2%減の181億83百万円となり、営業利益は前期比11.0%減の25億92百万円となりました。

(財政状態の状況)
当期末の資産合計につきましては、前期末比68億53百万円減の3,384億44百万円となりました。流動資産は、棚卸資産は減少したものの、現金及び現金同等物が増加したことにより、前期末比60億84百万円増の1,108億58百万円となりました。非流動資産は、退職給付に係る資産および繰延税金資産が増加したものの、減損損失を計上したことにより有形固定資産が減少し、前期末比129億38百万円減の2,275億86百万円となりました。
負債合計につきましては、前期末比371億6百万円増の1,712億65百万円となりました。これは、繰延税金負債が減少した一方で、有利子負債が借入金の増加等により前期末比382億14百万円増の1,242億25百万円となったこと等によるものです。
資本合計につきましては、前期末比439億60百万円減の1,671億79百万円となりました。これは、投資有価証券の評価額の増加や為替市場での円安の影響によりその他の資本の構成要素が増加した一方で、親会社の所有者に帰属する当期損失を106億93百万円計上し、自己株式の取得を390億57百万円、剰余金の配当を63億41百万円実施したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは280億9百万円の収入となり、前期に比べ15億15百万円収入が減少しました。これは、法人所得税の支払額が増加したこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは137億23百万円の支出となり、前期に比べ257億12百万円支出が減少しました。これは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出が減少したこと、有形固定資産及び無形資産の売却による収入が増加したこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは前期84億37百万円の収入から、当期は79億59百万円の支出となりました。これは、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの増減による収入が増加した一方、自己株式の取得による支出が増加したこと等によるものです。
以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前期末に比べ82億26百万円増加し297億26百万円となりました。
③ 生産、受注および販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
| 機能製品事業 | 53,072 | +6.4 |
| 化学製品事業 | 16,639 | △5.3 |
| 樹脂製品事業 | 30,319 | △3.7 |
| 合計 | 100,032 | +1.1 |
(注)金額は平均販売単価によっています。
b. 受注実績
当連結会計年度における土木・建築工事の施工請負等の受注実績は次のとおりです。なお、これ以外の製品については見込生産を行っています。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
| 建設関連事業 | 21,608 | +21.6 | 16,510 | +51.3 |
| その他関連事業 | 2,390 | +173.7 | 2,247 | +276.6 |
| 合計 | 23,998 | +28.7 | 18,757 | +62.9 |
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
| 機能製品事業 | 61,279 | +6.8 |
| 化学製品事業 | 29,487 | △3.9 |
| 樹脂製品事業 | 36,724 | △9.4 |
| 建設関連事業 | 16,013 | +7.9 |
| その他関連事業 | 18,183 | △2.2 |
| 合計 | 161,688 | △0.2 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
(経営成績)
当社グループは、「中長期的な企業価値の向上」と、「持続可能な社会への貢献」を両立させるサステナビリティ経営を推進し当社グループを一層発展させるべく、『クレハグループ企業理念』、『クレハビジョン』、2030年度に向けた『経営方針』と「クレハグループ中長期経営計画『未来創造への挑戦』」を策定し、また、2025年度までの計画を見直した『クレハグループ中長期経営計画ローリングプラン2025』に基づき、事業活動を推進してきました。
当連結会計年度は、セグメント別営業利益は包装材事業の熱収縮多層フィルム事業撤退により減収となったものの、PPS樹脂の堅調な販売およびフッ化ビニリデン樹脂の棚卸資産評価減の戻入益計上により増益となりました。しかしながら、欧米における環境政策の変化による電気自動車市場低迷、市場変化の見通しの誤りにより、リチウムイオン二次電池用バインダー向けフッ化ビニリデン樹脂において多額の減損損失を計上したことが当社グループ業績に大きく影響し、営業利益は減益となりました。
米国第二次トランプ政権による大幅かつ急激な政策転換、中国経済の減速やウクライナ情勢に加え、中東情勢の影響によるエネルギー価格高騰と原材料調達リスク等による影響が懸念され、先行きが不透明な状況ではありますが、各セグメントにおいて事業への影響を注意深くモニタリングし、適時適切な対応を図り、安定した事業運営を図ってまいります。
なお、経営成績の分析については、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要①財政状態および経営成績の状況」に記載しています。
(経営成績に重要な影響を与える要因)
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
(セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容)
機能製品事業
フッ化ビニリデン樹脂は、欧米における環境政策の変化により電気自動車の普及が遅れていること、また販売構成の変化により、リチウムイオン二次電池用バインダー向け売上げが減少しましたが、棚卸資産評価減の戻入益を計上したことにより、利益は増加しました。PGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品は、当社が現在主力とする中高温鉱区向けの販売が増加したことにより、売上げ・利益ともに増加しました。PPS樹脂は、国内および米国持分法適用会社ともに、増益となりました。
化学製品事業
農薬は、販売数量は前年並みとなりましたが、円安の影響等により増収増益となりました。工業薬品は、価格フォーミュラによる販売単価の下落および苛性ソーダの販売数量減少等により減収となりましたが、経費減少等により増益となりました。
樹脂製品事業
コンシューマー・グッズ分野では、家庭用ラップ「NEWクレラップ」の販売数量は増加し、増収となったものの、販促費等の増加により減益となりました。フッ化ビニリデン釣糸「シーガー」は、中国市場での販促活動の積極展開や新製品の販売等と合わせ、原材料価格も低下したことにより、前年比増収増益となりました。
業務用食品包装材分野では、熱収縮多層フィルムの事業撤退により、大きく売上げが減少したため、前年比で減収減益となりました。
建設関連事業
建設事業では、公共・民間工事ともに売上が増加したことにより、増収増益となりました。
その他関連事業
環境事業については、廃棄物の処理数量減少により、減収減益となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に関する情報
(キャッシュ・フロー)
「4. 経営者による財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(資本の財源および資金の流動性)
当社グループは、必要な資金を金融機関からの借入、社債およびコマーシャル・ペーパーの発行により調達しています。また、当社グループとしての資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、キャッシュ・マネジメント・システムを導入しています。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、コマーシャル・ペーパーの発行枠の確保、金融機関とのコミットメントライン契約、当座貸越契約等の活用により、流動性を確保できています。
当社グループは、計画利益の確保と資産の効率化による営業キャッシュ・フローの最大化を図り、優先的に新規事業および既存事業拡大のための設備投資、投融資、研究開発投資、および株主への配当等に資金を配分することを基本方針としています。その上で、長期的な資金の確保を第一としながら、長短借入金のバランスについても考慮し、必要な資金調達を実施しています。
重要な資本的支出の予定およびその資金の調達源については、フッ化ビニリデン樹脂生産設備(当社)の増強をはじめとした機能製品事業を中心に設備投資を予定し、その資金調達は自己資金、社債及び借入金を考えています。
③ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3 重要性がある会計方針 4 重要な会計上の見積りおよび判断」に記載しています。