有価証券報告書-第107期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(以下、当年度)における当社グループ(当社及び当社の関係会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
また、当社グループは、当年度より従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度(以下、前年度)の数値をIFRSに組み替えて比較分析を行っております。
① 財政状態及び経営成績の状況
(単位:百万円)
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
当年度末における当社グループの財政状態は次のとおりとなりました。
当年度末における資産合計は、前年度末に比べて13億5千2百万円増加の4,816億6千8百万円となりました。流動資産は、前年度末に比べて7億9千1百万円減少しました。当年度第3四半期まで原料価格の上昇に対応し修正してきた販売価格を、原料価格が第4四半期に大幅に下落する中、その維持に努めたことなどにより営業債権が増加したものの、現金及び現金同等物が減少したことなどによるものです。非流動資産は、前年度末に比べて21億4千3百万円増加しました。時価の下落によりその他の金融資産が減少したものの、設備投資により有形固定資産が増加したことなどによるものです。
負債合計は、前年度末に比べて116億8千7百万円減少の1,524億4千1百万円となりました。原料価格の下落により当年度末の営業債務が減少したことや借入金を返済したことなどによるものです。
資本合計は、前年度末に比べて130億3千9百万円増加の3,292億2千7百万円となりました。その他の資本の構成要素が減少したものの、利益剰余金が増加したことなどによるものです。
親会社所有者帰属持分比率は、前年度末の64.3%から67.1%へと2.8ポイント増加しました。また、1株当たり親会社所有者帰属持分は、前年度末に比べて349.73円増加の8,099.97円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度(以下、当年度)末における現金及び現金同等物は、設備投資等の投資活動によるキャッシュ・フロー及び財務活動によるキャッシュ・フローの支出が、営業活動によるキャッシュ・フローの収入を上回ったため、前連結会計年度(以下、前年度)末に比べて52億2百万円減少の474億3千4百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年度の442億6百万円の収入に対し、359億1千8百万円の収入となりました。当年度末の営業債務は、前年度の期末日が金融機関の休日であったことによる未決済分が当年度に決済されたこと、及び前年度から継続して上昇していた原料価格が当年度第4四半期に大幅な下落に転じたことなどにより減少しました。営業債権は販売価格の維持に努めたことなどにより増加、法人所得税の支払額も増加したため、前年度に比べて82億8千8百万円の収入の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年度の315億6千3百万円の支出に対し、313億1千6百万円の支出となりました。有形固定資産の取得による支出が減少したことなどにより、前年度に比べて2億4千6百万円の支出の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年度の106億1百万円の支出に対し、99億8千2百万円の支出となりました。連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出及び配当金の支払額が増加したものの、長期借入金の返済による支出が減少したことなどにより、前年度に比べて6億1千9百万円の支出の減少となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.生産実績が増加した主な要因は、ナフサや原料価格の上昇による価格の上昇があったことに加え、販売数量増加に伴い生産数量が増加したためであります。
b. 受注実績
当社グループは、主として見込生産を行っているため、受注実績は記載しておりません。
c. 販売実績
当年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度(以下、当年度)末現在において判断したものであります。
当年度における世界経済は、米国では景気回復が続き、欧州でも緩やかに回復しているものの、中国では持ち直しの動きに足踏みがみられ、アジア新興国では一部に弱い動きがみられました。また、米中の貿易摩擦による影響や原油情勢の動向など、先行きが不透明な状況が続きました。
日本経済は、設備投資が増加し、雇用情勢の着実な改善がみられるなど、景気が緩やかに回復しているなかで推移しました。
化学工業界におきましては、需要が底堅く推移したものの、原料価格の動向など先行きが不透明ななかで推移しました。
このような状況のもと、当社グループの当年度の売上収益は、原料価格や製品海外市況の上昇に伴い販売価格を修正したことなどにより、前連結会計年度(以下、前年度)に比べて249億3千万円増収(7.9%)の3,388億6千9百万円となりました。
利益面につきましては、加工費が増加しましたが、主に機能性化学品事業で生産・販売数量が増加したことによる数量効果などにより、営業利益は、前年度に比べて5億6千1百万円増益(2.2%)の261億7千万円となりました。
税引前利益は、営業利益や持分法による投資利益の増加などにより、前年度に比べて23億1千4百万円増益(7.8%)の321億1千9百万円となりました。
その結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前年度に比べて12億9百万円増益(5.3%)の238億4千9百万円となりました。
なお、販売価格の修正等により売上収益が増収したものの加工費の増加等があり、売上収益税引前利益率は前年と同水準となりました。また、営業債権・棚卸資産等が増加しましたが、現金及び現金同等物の圧縮や金融資産等の減少により資産合計は微増に留まったため、資産合計回転率は改善しました。以上の結果、ROA(資産合計税引前利益率)は、6.4%から6.7%へ0.3ポイント改善しました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。
当年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。前年度以前に借り入れた長期借入金の返済が進んだため、当年度末における当社グループの有利子負債の合計残高は、前年度末に比べて18億4千1百万円減少し、566億3千3百万円となりました。なお、今後の設備投資計画等につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであり、その資金につきましては自己資金及び金融機関からの長期借入金により調達する予定であります。
当社グループの所要資金は、主に運転資金、設備投資、戦略投資及び研究開発投資に対応するものであり、これらを自己資金、金融機関からの短期・長期借入金や社債により賄っております。
当社グループにおける、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標及びその進捗状況については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)対処すべき課題、長期的な経営戦略及び目標とする経営指標」に記載のとおりです。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
基礎化学品事業
アクリル酸及びアクリル酸エステルは、販売数量は減少しましたが、原料価格や製品海外市況の上昇に伴い販売価格を修正したことにより、増収となりました。 酸化エチレンは、原料価格上昇に伴い販売価格を修正したことや、販売数量を増加させたことにより、増収となりました。 エチレングリコールは、販売数量が減少したことにより、減収となりました。
エタノールアミンは、原料価格上昇に伴い販売価格を修正しましたが、販売数量が減少したことにより、減収となりました。
セカンダリーアルコールエトキシレートは、販売数量を増加させたことや、原料価格上昇に伴い販売価格を修正したことにより、増収となりました。
以上の結果、基礎化学品事業の売上収益は、前年度に比べて6.2%増加の1,392億1千万円となりました。
営業利益は、原料価格よりも販売価格の上がり幅が大きく、スプレッドが拡大しましたが、加工費や販管費が増加したことなどにより、前年度に比べて21.0%減少の107億9百万円となりました。
基礎化学品事業の資産は、前年度末に比べて49億円増加の1,456億3千3百万円となりました。主としてPT.ニッポンショクバイ・インドネシアにおける有形固定資産が増加したことによるものです。
機能性化学品事業
高吸水性樹脂は、原料価格上昇に伴い販売価格を修正したことに加え、販売数量を増加させたことにより、増収となりました。
コンクリート混和剤用ポリマー、洗剤原料などの水溶性ポリマー、塗料用樹脂、粘着加工品及び電子情報材料は、販売数量を増加させたことにより、増収となりました。
特殊エステルは、原料価格や製品海外市況の上昇に伴い販売価格を修正しましたが、販売数量が減少したことにより、減収となりました。
無水マレイン酸及び樹脂改質剤は、販売数量が減少したことにより、減収となりました。
エチレンイミン誘導品及びヨウ素化合物は、販売数量は減少しましたが、製品販売構成などにより、増収となりました。
以上の結果、機能性化学品事業の売上収益は、前年度に比べて9.4%増加の1,896億4千2百万円となりました。
営業利益は、加工費が増加しましたが、生産・販売数量が増加したことや、販管費が減少したことなどにより、前年度に比べて16.2%増加の133億9千4百万円となりました。
機能性化学品事業の資産は、前年度末に比べて115億6千7百万円増加の2,616億6千4百万円となりました。主として設備投資に伴い有形固定資産が増加したことによるものです。
環境・触媒事業
自動車触媒は、販売数量が減少したことにより、減収となりました。
燃料電池材料は、販売数量は増加しましたが、販売価格が低下したことにより、減収となりました。
プロセス触媒、湿式酸化触媒及びリチウム電池材料は、販売数量が増加したことにより、増収となりました。
脱硝触媒及び排ガス処理触媒は、販売数量が減少したことにより、減収となりました。
以上の結果、環境・触媒事業の売上収益は、前年度に比べて4.6%増加の100億1千7百万円となりました。
営業利益は、販売数量が増加したことや、販管費が減少したことなどにより、前年度に比べて6億9千7百万円増加し、9億1千6百万円となりました。
環境・触媒事業の資産は、前年度末に比べて32億2千8百万円減少の289億5千6百万円となりました。主として棚卸資産が減少したことによるものです。
(3) 並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表及び要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、以下のとおりであります。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
要約包括利益計算書
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
(連結子会社の事業年度等に関する事項)
従来、決算日が12月31日である連結子会社については、同日現在の個別財務諸表を使用し、連結決算日までに生じた重要な取引について連結上必要な調整を行っておりましたが、連結財務諸表のより適切な開示を図るため、第1四半期連結会計期間より、ニッポンショクバイ・ヨーロッパ N.V. 他4社については決算日を3月31日に変更し、日触化工(張家港)有限公司については連結決算日である3月31日に仮決算を行い連結する方法に変更しております。
なお、これらの決算期変更に伴い、当連結会計年度は、当該連結子会社の2017年1月1日から2017年3月31日までの3か月分の損益について利益剰余金で調整し、キャッシュ・フローについては「連結子会社の決算期変更に伴う現金及び現金同等物の増減額」で調整し連結しております。
(会計方針の変更)
当社は、従来、振当処理の要件を満たす為替予約については振当処理を、金利スワップの特例処理の要件を満たす金利スワップについては特例処理を適用しておりましたが、デリバティブ取引の実態をより適切に連結財務諸表に反映させることを目的として、第1四半期連結会計期間から原則的な処理方法、すなわち、為替予約及び金利スワップを期末に時価評価する方法に変更しております。
なお、当該会計方針の変更は、過去の期間に与える影響額が軽微であるため、遡及適用しておりません。
また、この変更による当連結会計年度の損益に与える影響は軽微であります。
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(表示方法の変更)
(「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」の適用に伴う変更)
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)を当連結会計年度の期首から適用し、繰延税金資産は投資その他の資産の区分に表示し、繰延税金負債は固定負債の区分に表示する方法に変更しました。
この結果、前連結会計年度の連結貸借対照表において、「流動資産」の「繰延税金資産」3,129百万円のうちの413百万円は、「投資その他の資産」の「繰延税金資産」2,652百万円に含めて表示しており、「流動資産」の「繰延税金資産」3,129百万円のうちの2,716百万円は、「固定負債」の「繰延税金負債」2,370百万円に含めて表示しております。
(4) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表と日本基準により作成した連結財務諸表の経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 34.初度適用」に記載のとおりであります。
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(売上収益)
日本基準では出荷基準により収益認識していた一部の物品販売取引について、IFRSでは物品の引渡時点で収益認識するように変更したため、「売上収益」及び「売上原価」を調整しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、「売上収益」が157百万円減少し、「売上原価」が167百万円減少しております。
日本基準では代理人として関与した取引を「売上高」及び「売上原価」として総額で表示しておりましたが、IFRSでは当該取引に関して純額で表示したため、「売上収益」及び「売上原価」がそれぞれ21,976百万円減少しております。
(表示組替)
日本基準では営業外収益、営業外費用、特別利益及び特別損失に表示していた項目を、IFRSでは財務関連項目を「金融収益」又は「金融費用」に、それ以外の項目を「その他の営業収益」、「その他の営業費用」又は「持分法による投資利益」に組み替えて表示しております。
当連結会計年度(以下、当年度)における当社グループ(当社及び当社の関係会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
また、当社グループは、当年度より従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度(以下、前年度)の数値をIFRSに組み替えて比較分析を行っております。
① 財政状態及び経営成績の状況
(単位:百万円)
| 前年度 | 当年度 | 増減 | ||||||
| (金額) | (伸び率) | |||||||
| 売上収益 | 313,939 | 338,869 | 24,930 | 7.9 | % | |||
| 営業利益 | 25,610 | 26,170 | 561 | 2.2 | % | |||
| 税引前利益 | 29,805 | 32,119 | 2,314 | 7.8 | % | |||
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 22,641 | 23,849 | 1,209 | 5.3 | % | |||
| 基本的1株当たり当期利益 | 567.71 | 円 | 598.05 | 円 | 30.34 | 円 | 5.3 | % |
| ROA(資産合計税引前利益率) | 6.4 | % | 6.7 | % | - | 0.3ポイント | ||
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 7.6 | % | 7.5 | % | - | △0.1ポイント | ||
| 為替($、EUR) | $=¥110.82 | $=¥110.92 | ¥0.10 | |||||
| EUR=¥129.70 | EUR=¥128.39 | ¥△1.31 | ||||||
| ナフサ価格 | 41,900円/kl | 49,400円/kl | 7,500円/kl | |||||
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
| (単位:百万円) | |||||||||
| 前年度 | 当年度 | 増減 | |||||||
| 種類別 | 基礎 化学品 | 機能性 化学品 | 環境・触媒 | 基礎 化学品 | 機能性 化学品 | 環境・触媒 | 基礎 化学品 | 機能性 化学品 | 環境・触媒 |
| 売上収益 | 131,084 | 173,274 | 9,581 | 139,210 | 189,642 | 10,017 | 8,126 | 16,368 | 436 |
| 営業利益 | 13,558 | 11,529 | 219 | 10,709 | 13,394 | 916 | △2,849 | 1,865 | 697 |
当年度末における当社グループの財政状態は次のとおりとなりました。
当年度末における資産合計は、前年度末に比べて13億5千2百万円増加の4,816億6千8百万円となりました。流動資産は、前年度末に比べて7億9千1百万円減少しました。当年度第3四半期まで原料価格の上昇に対応し修正してきた販売価格を、原料価格が第4四半期に大幅に下落する中、その維持に努めたことなどにより営業債権が増加したものの、現金及び現金同等物が減少したことなどによるものです。非流動資産は、前年度末に比べて21億4千3百万円増加しました。時価の下落によりその他の金融資産が減少したものの、設備投資により有形固定資産が増加したことなどによるものです。
負債合計は、前年度末に比べて116億8千7百万円減少の1,524億4千1百万円となりました。原料価格の下落により当年度末の営業債務が減少したことや借入金を返済したことなどによるものです。
資本合計は、前年度末に比べて130億3千9百万円増加の3,292億2千7百万円となりました。その他の資本の構成要素が減少したものの、利益剰余金が増加したことなどによるものです。
親会社所有者帰属持分比率は、前年度末の64.3%から67.1%へと2.8ポイント増加しました。また、1株当たり親会社所有者帰属持分は、前年度末に比べて349.73円増加の8,099.97円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度(以下、当年度)末における現金及び現金同等物は、設備投資等の投資活動によるキャッシュ・フロー及び財務活動によるキャッシュ・フローの支出が、営業活動によるキャッシュ・フローの収入を上回ったため、前連結会計年度(以下、前年度)末に比べて52億2百万円減少の474億3千4百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年度の442億6百万円の収入に対し、359億1千8百万円の収入となりました。当年度末の営業債務は、前年度の期末日が金融機関の休日であったことによる未決済分が当年度に決済されたこと、及び前年度から継続して上昇していた原料価格が当年度第4四半期に大幅な下落に転じたことなどにより減少しました。営業債権は販売価格の維持に努めたことなどにより増加、法人所得税の支払額も増加したため、前年度に比べて82億8千8百万円の収入の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年度の315億6千3百万円の支出に対し、313億1千6百万円の支出となりました。有形固定資産の取得による支出が減少したことなどにより、前年度に比べて2億4千6百万円の支出の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年度の106億1百万円の支出に対し、99億8千2百万円の支出となりました。連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出及び配当金の支払額が増加したものの、長期借入金の返済による支出が減少したことなどにより、前年度に比べて6億1千9百万円の支出の減少となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 基礎化学品事業 | 145,807 | 8.4 |
| 機能性化学品事業 | 180,295 | 12.7 |
| 環境・触媒事業 | 7,744 | 2.2 |
| 合計 | 333,846 | 10.5 |
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.生産実績が増加した主な要因は、ナフサや原料価格の上昇による価格の上昇があったことに加え、販売数量増加に伴い生産数量が増加したためであります。
b. 受注実績
当社グループは、主として見込生産を行っているため、受注実績は記載しておりません。
c. 販売実績
当年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 基礎化学品事業 | 139,210 | 6.2 |
| 機能性化学品事業 | 189,642 | 9.4 |
| 環境・触媒事業 | 10,017 | 4.6 |
| 合計 | 338,869 | 7.9 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度(以下、当年度)末現在において判断したものであります。
当年度における世界経済は、米国では景気回復が続き、欧州でも緩やかに回復しているものの、中国では持ち直しの動きに足踏みがみられ、アジア新興国では一部に弱い動きがみられました。また、米中の貿易摩擦による影響や原油情勢の動向など、先行きが不透明な状況が続きました。
日本経済は、設備投資が増加し、雇用情勢の着実な改善がみられるなど、景気が緩やかに回復しているなかで推移しました。
化学工業界におきましては、需要が底堅く推移したものの、原料価格の動向など先行きが不透明ななかで推移しました。
このような状況のもと、当社グループの当年度の売上収益は、原料価格や製品海外市況の上昇に伴い販売価格を修正したことなどにより、前連結会計年度(以下、前年度)に比べて249億3千万円増収(7.9%)の3,388億6千9百万円となりました。
利益面につきましては、加工費が増加しましたが、主に機能性化学品事業で生産・販売数量が増加したことによる数量効果などにより、営業利益は、前年度に比べて5億6千1百万円増益(2.2%)の261億7千万円となりました。
税引前利益は、営業利益や持分法による投資利益の増加などにより、前年度に比べて23億1千4百万円増益(7.8%)の321億1千9百万円となりました。
その結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前年度に比べて12億9百万円増益(5.3%)の238億4千9百万円となりました。
なお、販売価格の修正等により売上収益が増収したものの加工費の増加等があり、売上収益税引前利益率は前年と同水準となりました。また、営業債権・棚卸資産等が増加しましたが、現金及び現金同等物の圧縮や金融資産等の減少により資産合計は微増に留まったため、資産合計回転率は改善しました。以上の結果、ROA(資産合計税引前利益率)は、6.4%から6.7%へ0.3ポイント改善しました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。
当年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。前年度以前に借り入れた長期借入金の返済が進んだため、当年度末における当社グループの有利子負債の合計残高は、前年度末に比べて18億4千1百万円減少し、566億3千3百万円となりました。なお、今後の設備投資計画等につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであり、その資金につきましては自己資金及び金融機関からの長期借入金により調達する予定であります。
当社グループの所要資金は、主に運転資金、設備投資、戦略投資及び研究開発投資に対応するものであり、これらを自己資金、金融機関からの短期・長期借入金や社債により賄っております。
当社グループにおける、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標及びその進捗状況については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)対処すべき課題、長期的な経営戦略及び目標とする経営指標」に記載のとおりです。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
基礎化学品事業
アクリル酸及びアクリル酸エステルは、販売数量は減少しましたが、原料価格や製品海外市況の上昇に伴い販売価格を修正したことにより、増収となりました。 酸化エチレンは、原料価格上昇に伴い販売価格を修正したことや、販売数量を増加させたことにより、増収となりました。 エチレングリコールは、販売数量が減少したことにより、減収となりました。
エタノールアミンは、原料価格上昇に伴い販売価格を修正しましたが、販売数量が減少したことにより、減収となりました。
セカンダリーアルコールエトキシレートは、販売数量を増加させたことや、原料価格上昇に伴い販売価格を修正したことにより、増収となりました。
以上の結果、基礎化学品事業の売上収益は、前年度に比べて6.2%増加の1,392億1千万円となりました。
営業利益は、原料価格よりも販売価格の上がり幅が大きく、スプレッドが拡大しましたが、加工費や販管費が増加したことなどにより、前年度に比べて21.0%減少の107億9百万円となりました。
基礎化学品事業の資産は、前年度末に比べて49億円増加の1,456億3千3百万円となりました。主としてPT.ニッポンショクバイ・インドネシアにおける有形固定資産が増加したことによるものです。
機能性化学品事業
高吸水性樹脂は、原料価格上昇に伴い販売価格を修正したことに加え、販売数量を増加させたことにより、増収となりました。
コンクリート混和剤用ポリマー、洗剤原料などの水溶性ポリマー、塗料用樹脂、粘着加工品及び電子情報材料は、販売数量を増加させたことにより、増収となりました。
特殊エステルは、原料価格や製品海外市況の上昇に伴い販売価格を修正しましたが、販売数量が減少したことにより、減収となりました。
無水マレイン酸及び樹脂改質剤は、販売数量が減少したことにより、減収となりました。
エチレンイミン誘導品及びヨウ素化合物は、販売数量は減少しましたが、製品販売構成などにより、増収となりました。
以上の結果、機能性化学品事業の売上収益は、前年度に比べて9.4%増加の1,896億4千2百万円となりました。
営業利益は、加工費が増加しましたが、生産・販売数量が増加したことや、販管費が減少したことなどにより、前年度に比べて16.2%増加の133億9千4百万円となりました。
機能性化学品事業の資産は、前年度末に比べて115億6千7百万円増加の2,616億6千4百万円となりました。主として設備投資に伴い有形固定資産が増加したことによるものです。
環境・触媒事業
自動車触媒は、販売数量が減少したことにより、減収となりました。
燃料電池材料は、販売数量は増加しましたが、販売価格が低下したことにより、減収となりました。
プロセス触媒、湿式酸化触媒及びリチウム電池材料は、販売数量が増加したことにより、増収となりました。
脱硝触媒及び排ガス処理触媒は、販売数量が減少したことにより、減収となりました。
以上の結果、環境・触媒事業の売上収益は、前年度に比べて4.6%増加の100億1千7百万円となりました。
営業利益は、販売数量が増加したことや、販管費が減少したことなどにより、前年度に比べて6億9千7百万円増加し、9億1千6百万円となりました。
環境・触媒事業の資産は、前年度末に比べて32億2千8百万円減少の289億5千6百万円となりました。主として棚卸資産が減少したことによるものです。
(3) 並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表及び要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、以下のとおりであります。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (2018年3月31日) | 当連結会計年度 (2019年3月31日) | |
| 資産の部 | ||
| 流動資産 | 198,403 | 198,780 |
| 固定資産 | ||
| 有形固定資産 | 175,241 | 180,527 |
| 無形固定資産 | 3,531 | 3,496 |
| 投資その他の資産 | 90,211 | 88,247 |
| 固定資産合計 | 268,983 | 272,269 |
| 資産合計 | 467,386 | 471,050 |
| 負債の部 | ||
| 流動負債 | 92,636 | 92,370 |
| 固定負債 | 63,989 | 53,309 |
| 負債合計 | 156,624 | 145,679 |
| 純資産の部 | ||
| 株主資本 | 289,334 | 307,821 |
| その他の包括利益累計額 | 17,937 | 14,789 |
| 非支配株主持分 | 3,491 | 2,761 |
| 純資産合計 | 310,762 | 325,371 |
| 負債純資産合計 | 467,386 | 471,050 |
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |
| 売上高 | 322,801 | 349,678 |
| 売上原価 | 256,664 | 284,467 |
| 売上総利益 | 66,137 | 65,212 |
| 販売費及び一般管理費 | 39,409 | 39,102 |
| 営業利益 | 26,727 | 26,110 |
| 営業外収益 | 7,906 | 9,277 |
| 営業外費用 | 2,341 | 2,285 |
| 経常利益 | 32,293 | 33,101 |
| 特別利益 | 626 | 727 |
| 特別損失 | 706 | 815 |
| 税金等調整前当期純利益 | 32,212 | 33,013 |
| 法人税等合計 | 7,888 | 7,841 |
| 当期純利益 | 24,325 | 25,173 |
| 非支配株主に帰属する当期純利益 | 44 | 161 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 24,280 | 25,012 |
要約包括利益計算書
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |
| 当期純利益 | 24,325 | 25,173 |
| その他の包括利益合計 | △602 | △3,079 |
| 包括利益 | 23,723 | 22,094 |
| (内訳) | ||
| 親会社株主に係る包括利益 | 23,823 | 21,863 |
| 非支配株主に係る包括利益 | △100 | 231 |
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||
| 株主資本 | その他の 包括利益累計額 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
| 当期首残高 | 270,277 | 18,395 | 3,604 | 292,275 |
| 当期変動額 | 19,057 | △457 | △113 | 18,487 |
| 当期末残高 | 289,334 | 17,937 | 3,491 | 310,762 |
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||
| 株主資本 | その他の 包括利益累計額 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
| 当期首残高 | 289,334 | 17,937 | 3,491 | 310,762 |
| 当期変動額 | 18,487 | △3,149 | △730 | 14,609 |
| 当期末残高 | 307,821 | 14,789 | 2,761 | 325,371 |
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 38,823 | 31,213 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △27,498 | △27,143 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △9,762 | △9,593 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | △238 | 183 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 1,326 | △5,340 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 51,700 | 51,612 |
| 連結子会社の決算期変更に伴う現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | △1,414 | - |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 51,612 | 46,272 |
⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
(連結子会社の事業年度等に関する事項)
従来、決算日が12月31日である連結子会社については、同日現在の個別財務諸表を使用し、連結決算日までに生じた重要な取引について連結上必要な調整を行っておりましたが、連結財務諸表のより適切な開示を図るため、第1四半期連結会計期間より、ニッポンショクバイ・ヨーロッパ N.V. 他4社については決算日を3月31日に変更し、日触化工(張家港)有限公司については連結決算日である3月31日に仮決算を行い連結する方法に変更しております。
なお、これらの決算期変更に伴い、当連結会計年度は、当該連結子会社の2017年1月1日から2017年3月31日までの3か月分の損益について利益剰余金で調整し、キャッシュ・フローについては「連結子会社の決算期変更に伴う現金及び現金同等物の増減額」で調整し連結しております。
(会計方針の変更)
当社は、従来、振当処理の要件を満たす為替予約については振当処理を、金利スワップの特例処理の要件を満たす金利スワップについては特例処理を適用しておりましたが、デリバティブ取引の実態をより適切に連結財務諸表に反映させることを目的として、第1四半期連結会計期間から原則的な処理方法、すなわち、為替予約及び金利スワップを期末に時価評価する方法に変更しております。
なお、当該会計方針の変更は、過去の期間に与える影響額が軽微であるため、遡及適用しておりません。
また、この変更による当連結会計年度の損益に与える影響は軽微であります。
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(表示方法の変更)
(「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」の適用に伴う変更)
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)を当連結会計年度の期首から適用し、繰延税金資産は投資その他の資産の区分に表示し、繰延税金負債は固定負債の区分に表示する方法に変更しました。
この結果、前連結会計年度の連結貸借対照表において、「流動資産」の「繰延税金資産」3,129百万円のうちの413百万円は、「投資その他の資産」の「繰延税金資産」2,652百万円に含めて表示しており、「流動資産」の「繰延税金資産」3,129百万円のうちの2,716百万円は、「固定負債」の「繰延税金負債」2,370百万円に含めて表示しております。
(4) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表と日本基準により作成した連結財務諸表の経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 34.初度適用」に記載のとおりであります。
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(売上収益)
日本基準では出荷基準により収益認識していた一部の物品販売取引について、IFRSでは物品の引渡時点で収益認識するように変更したため、「売上収益」及び「売上原価」を調整しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、「売上収益」が157百万円減少し、「売上原価」が167百万円減少しております。
日本基準では代理人として関与した取引を「売上高」及び「売上原価」として総額で表示しておりましたが、IFRSでは当該取引に関して純額で表示したため、「売上収益」及び「売上原価」がそれぞれ21,976百万円減少しております。
(表示組替)
日本基準では営業外収益、営業外費用、特別利益及び特別損失に表示していた項目を、IFRSでは財務関連項目を「金融収益」又は「金融費用」に、それ以外の項目を「その他の営業収益」、「その他の営業費用」又は「持分法による投資利益」に組み替えて表示しております。