有価証券報告書-第108期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(以下、当年度)における当社グループ(当社及び当社の関係会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(単位:百万円)
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
当年度末における当社グループの財政状態は次のとおりとなりました。
当年度末における資産合計は、前年度末に比べて60億2千7百万円減少の4,756億4千1百万円となりました。流動資産は、前年度末に比べて68億1千2百万円減少しました。棚卸資産が増加したものの、原料価格や製品海外市況下落に伴い販売価格が低下したことや販売数量の減少などにより、営業債権が減少したことなどによるものです。非流動資産は、前年度末に比べて7億8千4百万円増加しました。投資有価証券の評価額が減少したことによりその他の金融資産が減少したものの、IFRS第16号「リース」の適用により有形固定資産が増加したことなどによるものです。
負債合計は、前年度末に比べて29億9百万円減少の1,495億3千2百万円となりました。IFRS第16号「リース」の適用によりその他の金融負債が増加したものの、前年度の期末日が金融機関の休日であったことによる未決済分が当年度に決済されたことにより営業債務が減少したことなどによるものです。
資本合計は、前年度末に比べて31億1千8百万円減少の3,261億8百万円となりました。利益剰余金が増加したものの、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の純変動額及び在外営業活動体の換算差額が減少したことにより、その他の資本の構成要素が減少したことなどによるものです。
親会社所有者帰属持分比率は、前年度末の67.1%から67.2%へと0.1ポイント増加しました。また、1株当たり親会社所有者帰属持分は、前年度末に比べて82.80円減少の8,017.17円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、設備投資等の投資活動によるキャッシュ・フローの支出及び財務活動によるキャッシュ・フローの支出が、営業活動によるキャッシュ・フローの収入を上回ったため、前連結会計年度(以下、前年度)末に比べて35億6千4百万円減少の438億6千9百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年度の359億1千8百万円の収入に対し、374億9千9百万円の収入となりました。税引前利益が減少したものの、営業債権の決済が進捗したことや法人所得税の支払額が減少したことなどにより、前年度に比べて15億8千2百万円の収入の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年度の313億1千6百万円の支出に対し、328億6百万円の支出となりました。ソフトウェア等の無形資産の取得による支出が増加したことなどにより、前年度に比べて14億9千万円の支出の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年度の99億8千2百万円の支出に対し、78億5千9百万円の支出となりました。長期借入金の返済による支出や配当金の支払額が増加したものの、運転資金、設備投資のための借入れによる収入が増加したことなどにより、前年度に比べて21億2千3百万円の支出の減少となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.生産実績が減少した主な要因は、ナフサや原料価格の下落による価格の下落があったことに加え、販売数量減少に伴い生産数量が減少したためであります。
b. 受注実績
当社グループは、主として見込生産を行っているため、受注実績は記載しておりません。
c. 販売実績
当年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度(以下、当年度)末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループは、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況1(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び「同 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当年度における世界経済は、米国では景気回復が続いているものの、欧州では一部に弱さがみられ、中国でも減速しているほか、アジア新興国でも一部に弱い動きがみられました。また、米中貿易摩擦による影響、原油情勢の動向および新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動の停滞など、先行きが不透明な状況が続きました。
日本経済は、輸出に弱さがみられ、生産が落ち込むなど、製造業を中心に景況感に陰りがみられるなかで推移しました。
化学工業界におきましては、世界景気の減速により需要が低迷するなど、事業環境が厳しさを増すなかで推移しました。
このような状況のもと、当社グループの当年度の売上収益は、原料価格や製品海外市況下落に伴い販売価格が低下したことや、景気減速による需要低迷などを受けて販売数量が減少したことにより、前連結会計年度(以下、前年度)に比べて367億1千9百万円減収(△10.8%)の3,021億5千万円となりました。
利益面につきましては、原料価格よりも製品価格の下がり幅が大きく、スプレッドが縮小したことに加え、販売数量が減少したことや増設による減価償却費などの加工費が増加したことなどにより、営業利益は、前年度に比べて129億9千2百万円減益(△49.6%)の131億7千8百万円となりました。
税引前利益は、営業利益や持分法による投資利益の減少などにより、前年度に比べて163億7千2百万円減益(△51.0%)の157億4千8百万円となりました。
その結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前年度に比べて127億5千5百万円減益(△53.5%)の110億9千4百万円となりました。
なお、販売数量の減少や販売価格が低下したことにより、売上収益税引前利益率は前年を下回りました。また、販売数量減少等による売上収益減少により、資産合計回転率は前年を下回りました。以上の結果、ROA(資産合計税引前利益率)は、6.7%から3.3%へ3.4ポイント減少しました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。
当年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。運転資金、設備投資のための借入が増加したことにより、当年度末における当社グループの有利子負債の合計残高は、前年度末に比べて67億4千2百万円増加し、633億7千5百万円となりました。なお、今後の設備投資計画等につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであり、その資金につきましては自己資金及び金融機関からの長期借入金により調達する予定であります。
当社グループの所要資金は、主に運転資金、設備投資、戦略投資及び研究開発投資に対応するものであり、これらを自己資金、金融機関からの短期・長期借入金や社債により賄っております。
当社グループにおける、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標及びその進捗状況については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)対処すべき課題、長期的な経営戦略及び目標とする経営指標」に記載のとおりです。
<当年度の特徴>機能性化学品を中心とした販売数量の増加により、販管費や増設による減価償却費などの加工費の増加を補うことで収益拡大を目指しましたが、上述の通り世界景気の減速など事業環境の厳しさが増すなかでスプレッドが縮小したことや販売数量が伸びなかったことにより、営業利益・税引前利益・親会社の所有者に帰属する当期利益は、いずれも減益となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
基礎化学品事業
アクリル酸及びアクリル酸エステルは、原油価格や国産ナフサ価格の下落に伴いプロピレンなどの原料価格が下落したことや、米中貿易摩擦などによる世界景気の減速により需要が低迷し製品海外市況が下落したことにより、販売価格が低下したことや、販売数量が減少したことなどにより、減収となりました。
酸化エチレンは、景気の減速などに伴う需要低迷により販売数量が減少したことや、エチレンなどの原料価格が下落したことに伴い販売価格が低下したことにより、減収となりました。
エチレングリコールは、輸出などで拡販に努め販売数量を増加させましたが、製品海外市況下落に伴い販売価格が低下したことにより、減収となりました。
セカンダリーアルコールエトキシレートは、需要が低迷したことで販売数量が減少したことにより、減収となりました。
以上の結果、基礎化学品事業の売上収益は、前年度に比べて13.8%減少の1,200億6千8百万円となりました。
営業利益は、生産・販売数量が減少したことや、原料価格よりも製品価格の下がり幅が大きく、スプレッドが縮小したことに加え、加工費が増加したことなどにより、前年度に比べて41.7%減少の62億4千8百万円となりました。
基礎化学品事業の資産は、前年度末に比べて55億1千6百万円増加の1,511億4千9百万円となりました。主としてPT.ニッポンショクバイ・インドネシアにおけるアクリル酸製造設備の新設により、有形固定資産が増加したことによるものです。
機能性化学品事業
高吸水性樹脂は、プロピレンなどの原料価格や製品海外市況の下落により販売価格が低下したことや、販売数量が伸びなかったことなどにより、減収となりました。
特殊エステルは、米中貿易摩擦などによる世界景気の減速により需要が低迷し、製品海外市況が下落したため、減収となりました。
電子情報材料、コンクリート混和剤用ポリマー、無水マレイン酸、粘着加工品、樹脂改質剤及びヨウ素化合物は、需要低迷などにより販売数量が減少したことにより、減収となりました。
洗剤原料などの水溶性ポリマー及び塗料用樹脂は、拡販に努めたことで販売数量を増加させたことにより、増収となりました。
エチレンイミン誘導品は、販売価格が低下したことや販売数量が減少したことにより、減収となりました。
以上の結果、機能性化学品事業の売上収益は、前年度に比べて10.2%減少の1,703億8千9百万円となりました。
営業利益は、原料価格よりも製品価格の下がり幅が大きく、スプレッドが縮小したことに加え、増設による減価償却費などの加工費が増加したことや生産・販売数量が減少したことなどにより、前年度に比べて63.9%減少の48億3千9百万円となりました。
機能性化学品事業の資産は、前年度末に比べて118億5千1百万円減少の2,498億1千3百万円となりました。主として固定資産の減価償却が進捗したことによるものです。
環境・触媒事業
プロセス触媒は、景気低迷による触媒交換時期の延期の影響で販売数量が減少したことにより、減収となりました。
燃料電池材料、リチウム電池材料、脱硝触媒及び排ガス処理触媒は拡販に努めたことで販売数量を増加させたことなどにより、増収となりました。
以上の結果、環境・触媒事業の売上収益は、前年度に比べて16.7%増加の116億9千3百万円となりました。
営業利益は、加工費が増加したことなどにより、前年度に比べて7.8%減少の8億4千4百万円となりました。
環境・触媒事業の資産は、前年度末に比べて36億4千万円増加の325億9千6百万円となりました。主として設備投資に伴い有形固定資産が増加したことによるものです。
なお、提出日現在において、新型コロナウイルス感染症による環境変化が当社グループに与える影響の見通しは立っておりません。
当連結会計年度(以下、当年度)における当社グループ(当社及び当社の関係会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(単位:百万円)
| 前年度 | 当年度 | 増減 | ||||||
| (金額) | (伸び率) | |||||||
| 売上収益 | 338,869 | 302,150 | △36,719 | △10.8 | % | |||
| 営業利益 | 26,170 | 13,178 | △12,992 | △49.6 | % | |||
| 税引前利益 | 32,119 | 15,748 | △16,372 | △51.0 | % | |||
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 23,849 | 11,094 | △12,755 | △53.5 | % | |||
| 基本的1株当たり当期利益 | 598.05 | 円 | 278.21 | 円 | △319.84 | 円 | △53.5 | % |
| ROA(資産合計税引前利益率) | 6.7 | % | 3.3 | % | - | △3.4ポイント | ||
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 7.5 | % | 3.5 | % | - | △4.0ポイント | ||
| 為替($、EUR) | $=¥110.92 | $=¥108.72 | ¥△2.20 | |||||
| EUR=¥128.39 | EUR=¥120.83 | ¥△7.56 | ||||||
| ナフサ価格 | 49,400円/kl | 42,900円/kl | △6,500円/kl | |||||
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
| (単位:百万円) | |||||||||
| 前年度 | 当年度 | 増減 | |||||||
| 種類別 | 基礎 化学品 | 機能性 化学品 | 環境・触媒 | 基礎 化学品 | 機能性 化学品 | 環境・触媒 | 基礎 化学品 | 機能性 化学品 | 環境・触媒 |
| 売上収益 | 139,210 | 189,642 | 10,017 | 120,068 | 170,389 | 11,693 | △19,142 | △19,253 | 1,676 |
| 営業利益 | 10,709 | 13,394 | 916 | 6,248 | 4,839 | 844 | △4,460 | △8,555 | △72 |
当年度末における当社グループの財政状態は次のとおりとなりました。
当年度末における資産合計は、前年度末に比べて60億2千7百万円減少の4,756億4千1百万円となりました。流動資産は、前年度末に比べて68億1千2百万円減少しました。棚卸資産が増加したものの、原料価格や製品海外市況下落に伴い販売価格が低下したことや販売数量の減少などにより、営業債権が減少したことなどによるものです。非流動資産は、前年度末に比べて7億8千4百万円増加しました。投資有価証券の評価額が減少したことによりその他の金融資産が減少したものの、IFRS第16号「リース」の適用により有形固定資産が増加したことなどによるものです。
負債合計は、前年度末に比べて29億9百万円減少の1,495億3千2百万円となりました。IFRS第16号「リース」の適用によりその他の金融負債が増加したものの、前年度の期末日が金融機関の休日であったことによる未決済分が当年度に決済されたことにより営業債務が減少したことなどによるものです。
資本合計は、前年度末に比べて31億1千8百万円減少の3,261億8百万円となりました。利益剰余金が増加したものの、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の純変動額及び在外営業活動体の換算差額が減少したことにより、その他の資本の構成要素が減少したことなどによるものです。
親会社所有者帰属持分比率は、前年度末の67.1%から67.2%へと0.1ポイント増加しました。また、1株当たり親会社所有者帰属持分は、前年度末に比べて82.80円減少の8,017.17円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、設備投資等の投資活動によるキャッシュ・フローの支出及び財務活動によるキャッシュ・フローの支出が、営業活動によるキャッシュ・フローの収入を上回ったため、前連結会計年度(以下、前年度)末に比べて35億6千4百万円減少の438億6千9百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年度の359億1千8百万円の収入に対し、374億9千9百万円の収入となりました。税引前利益が減少したものの、営業債権の決済が進捗したことや法人所得税の支払額が減少したことなどにより、前年度に比べて15億8千2百万円の収入の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年度の313億1千6百万円の支出に対し、328億6百万円の支出となりました。ソフトウェア等の無形資産の取得による支出が増加したことなどにより、前年度に比べて14億9千万円の支出の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年度の99億8千2百万円の支出に対し、78億5千9百万円の支出となりました。長期借入金の返済による支出や配当金の支払額が増加したものの、運転資金、設備投資のための借入れによる収入が増加したことなどにより、前年度に比べて21億2千3百万円の支出の減少となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 基礎化学品事業 | 126,798 | △13.0 |
| 機能性化学品事業 | 155,999 | △13.5 |
| 環境・触媒事業 | 7,837 | 1.2 |
| 合計 | 290,635 | △12.9 |
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.生産実績が減少した主な要因は、ナフサや原料価格の下落による価格の下落があったことに加え、販売数量減少に伴い生産数量が減少したためであります。
b. 受注実績
当社グループは、主として見込生産を行っているため、受注実績は記載しておりません。
c. 販売実績
当年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 基礎化学品事業 | 120,068 | △13.8 |
| 機能性化学品事業 | 170,389 | △10.2 |
| 環境・触媒事業 | 11,693 | 16.7 |
| 合計 | 302,150 | △10.8 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度(以下、当年度)末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループは、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況1(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び「同 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当年度における世界経済は、米国では景気回復が続いているものの、欧州では一部に弱さがみられ、中国でも減速しているほか、アジア新興国でも一部に弱い動きがみられました。また、米中貿易摩擦による影響、原油情勢の動向および新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動の停滞など、先行きが不透明な状況が続きました。
日本経済は、輸出に弱さがみられ、生産が落ち込むなど、製造業を中心に景況感に陰りがみられるなかで推移しました。
化学工業界におきましては、世界景気の減速により需要が低迷するなど、事業環境が厳しさを増すなかで推移しました。
このような状況のもと、当社グループの当年度の売上収益は、原料価格や製品海外市況下落に伴い販売価格が低下したことや、景気減速による需要低迷などを受けて販売数量が減少したことにより、前連結会計年度(以下、前年度)に比べて367億1千9百万円減収(△10.8%)の3,021億5千万円となりました。
利益面につきましては、原料価格よりも製品価格の下がり幅が大きく、スプレッドが縮小したことに加え、販売数量が減少したことや増設による減価償却費などの加工費が増加したことなどにより、営業利益は、前年度に比べて129億9千2百万円減益(△49.6%)の131億7千8百万円となりました。
税引前利益は、営業利益や持分法による投資利益の減少などにより、前年度に比べて163億7千2百万円減益(△51.0%)の157億4千8百万円となりました。
その結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前年度に比べて127億5千5百万円減益(△53.5%)の110億9千4百万円となりました。
なお、販売数量の減少や販売価格が低下したことにより、売上収益税引前利益率は前年を下回りました。また、販売数量減少等による売上収益減少により、資産合計回転率は前年を下回りました。以上の結果、ROA(資産合計税引前利益率)は、6.7%から3.3%へ3.4ポイント減少しました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。
当年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。運転資金、設備投資のための借入が増加したことにより、当年度末における当社グループの有利子負債の合計残高は、前年度末に比べて67億4千2百万円増加し、633億7千5百万円となりました。なお、今後の設備投資計画等につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであり、その資金につきましては自己資金及び金融機関からの長期借入金により調達する予定であります。
当社グループの所要資金は、主に運転資金、設備投資、戦略投資及び研究開発投資に対応するものであり、これらを自己資金、金融機関からの短期・長期借入金や社債により賄っております。
当社グループにおける、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標及びその進捗状況については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)対処すべき課題、長期的な経営戦略及び目標とする経営指標」に記載のとおりです。
<当年度の特徴>機能性化学品を中心とした販売数量の増加により、販管費や増設による減価償却費などの加工費の増加を補うことで収益拡大を目指しましたが、上述の通り世界景気の減速など事業環境の厳しさが増すなかでスプレッドが縮小したことや販売数量が伸びなかったことにより、営業利益・税引前利益・親会社の所有者に帰属する当期利益は、いずれも減益となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
基礎化学品事業
アクリル酸及びアクリル酸エステルは、原油価格や国産ナフサ価格の下落に伴いプロピレンなどの原料価格が下落したことや、米中貿易摩擦などによる世界景気の減速により需要が低迷し製品海外市況が下落したことにより、販売価格が低下したことや、販売数量が減少したことなどにより、減収となりました。
酸化エチレンは、景気の減速などに伴う需要低迷により販売数量が減少したことや、エチレンなどの原料価格が下落したことに伴い販売価格が低下したことにより、減収となりました。
エチレングリコールは、輸出などで拡販に努め販売数量を増加させましたが、製品海外市況下落に伴い販売価格が低下したことにより、減収となりました。
セカンダリーアルコールエトキシレートは、需要が低迷したことで販売数量が減少したことにより、減収となりました。
以上の結果、基礎化学品事業の売上収益は、前年度に比べて13.8%減少の1,200億6千8百万円となりました。
営業利益は、生産・販売数量が減少したことや、原料価格よりも製品価格の下がり幅が大きく、スプレッドが縮小したことに加え、加工費が増加したことなどにより、前年度に比べて41.7%減少の62億4千8百万円となりました。
基礎化学品事業の資産は、前年度末に比べて55億1千6百万円増加の1,511億4千9百万円となりました。主としてPT.ニッポンショクバイ・インドネシアにおけるアクリル酸製造設備の新設により、有形固定資産が増加したことによるものです。
機能性化学品事業
高吸水性樹脂は、プロピレンなどの原料価格や製品海外市況の下落により販売価格が低下したことや、販売数量が伸びなかったことなどにより、減収となりました。
特殊エステルは、米中貿易摩擦などによる世界景気の減速により需要が低迷し、製品海外市況が下落したため、減収となりました。
電子情報材料、コンクリート混和剤用ポリマー、無水マレイン酸、粘着加工品、樹脂改質剤及びヨウ素化合物は、需要低迷などにより販売数量が減少したことにより、減収となりました。
洗剤原料などの水溶性ポリマー及び塗料用樹脂は、拡販に努めたことで販売数量を増加させたことにより、増収となりました。
エチレンイミン誘導品は、販売価格が低下したことや販売数量が減少したことにより、減収となりました。
以上の結果、機能性化学品事業の売上収益は、前年度に比べて10.2%減少の1,703億8千9百万円となりました。
営業利益は、原料価格よりも製品価格の下がり幅が大きく、スプレッドが縮小したことに加え、増設による減価償却費などの加工費が増加したことや生産・販売数量が減少したことなどにより、前年度に比べて63.9%減少の48億3千9百万円となりました。
機能性化学品事業の資産は、前年度末に比べて118億5千1百万円減少の2,498億1千3百万円となりました。主として固定資産の減価償却が進捗したことによるものです。
環境・触媒事業
プロセス触媒は、景気低迷による触媒交換時期の延期の影響で販売数量が減少したことにより、減収となりました。
燃料電池材料、リチウム電池材料、脱硝触媒及び排ガス処理触媒は拡販に努めたことで販売数量を増加させたことなどにより、増収となりました。
以上の結果、環境・触媒事業の売上収益は、前年度に比べて16.7%増加の116億9千3百万円となりました。
営業利益は、加工費が増加したことなどにより、前年度に比べて7.8%減少の8億4千4百万円となりました。
環境・触媒事業の資産は、前年度末に比べて36億4千万円増加の325億9千6百万円となりました。主として設備投資に伴い有形固定資産が増加したことによるものです。
なお、提出日現在において、新型コロナウイルス感染症による環境変化が当社グループに与える影響の見通しは立っておりません。