有価証券報告書-第109期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(以下、当年度)における当社グループ(当社及び当社の関係会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(単位:百万円)
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
当年度末における当社グループの財政状態は次のとおりとなりました。
当年度末における資産合計は、前連結会計年度(以下、前年度)末に比べて40億2千4百万円減少の4,716億1千7百万円となりました。流動資産は、前年度末に比べて29億5千3百万円減少しました。足元の需要回復により営業債権が増加したものの、現金及び現金同等物や棚卸資産が減少したことなどによるものです。非流動資産は、前年度末に比べて10億7千1百万円減少しました。保有株式の時価の上昇によりその他の金融資産が増加したものの、減損損失の計上により、有形固定資産、のれん及び無形資産が減少したことなどによるものです。
負債合計は、前年度末に比べて16億4千1百万円減少の1,478億9千1百万円となりました。借入金を返済したことなどによるものです。
資本合計は、前年度末に比べて23億8千3百万円減少の3,237億2千5百万円となりました。その他の資本の構成要素が増加したものの、当期損失の計上により利益剰余金が減少したことなどによるものです。
親会社所有者帰属持分比率は、前年度末の67.2%から67.3%へと0.1ポイント増加しました。また、1株当たり親会社所有者帰属持分は、前年度末に比べて58.10円減少の7,959.07円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当年度末における現金及び現金同等物は、設備投資等の投資活動によるキャッシュ・フローの支出及び財務活動によるキャッシュ・フローの支出が、営業活動によるキャッシュ・フローの収入を上回ったため、前年度末に比べて75億2千9百万円減少の363億4千1百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年度の374億9千9百万円の収入に対し、352億7千7百万円の収入となりました。法人所得税の支払額の減少や減損損失の計上があったものの、税引前利益が悪化したこと、棚卸資産や営業債務の増減による収入が増加した一方で、前年度は決済の進捗により減少した営業債権が当年度は足元の需要回復により増加したことなどにより、前年度に比べて22億2千3百万円の収入の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年度の328億6百万円の支出に対し、306億2千3百万円の支出となりました。有形固定資産の取得による支出が減少したことなどにより、前年度に比べて21億8千2百万円の支出の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年度の78億5千9百万円の支出に対し、127億5千万円の支出となりました。設備投資のための長期借入金の返済が減少したものの、短期借入金の返済が進捗したことなどにより、前年度に比べて48億9千1百万円の支出の増加となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.生産実績が減少した主な要因は、国産ナフサや原料価格の下落による価格の下落及び、販売数量減少に伴い生産数量が減少したためであります。
b. 受注実績
当社グループは、主として見込生産を行っているため、受注実績は記載しておりません。
c. 販売実績
当年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度(以下、当年度)末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループは、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況1(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び「同 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による停滞から段階的に経済活動の再開が進められたものの、国や産業により景気回復の程度が異なるなかで推移しました。米国では景気に持ち直しの動きがみられる一方で、欧州では感染の再拡大により経済活動が抑制されており、景気は依然として弱い動きとなりました。中国では景気は緩やかに回復しており、アジア新興国では依然として厳しい状況が続いているものの一部に景気の下げ止まりや持ち直しの動きがみられました。
日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により減少していた生産や輸出は増加傾向に転じており、非製造業で弱さが残るものの企業収益に改善の動きが見られました。
化学工業界におきましては、依然として厳しい事業環境が続いているものの、需要に回復の兆しがみられるなど、持ち直しの動きがみられました。
このような状況のもと、当社グループの当年度の売上収益は、新型コロナウイルス感染症の影響による世界景気の減速などを受けて、原料価格や製品海外市況の下落に伴い販売価格が低下したことや、販売数量が減少したことにより、前連結会計年度(以下、前年度)に比べて289億8千7百万円減収(△9.6%)の2,731億6千3百万円となりました。
利益面につきましては、生産・販売数量の減少や、原料価格よりも製品価格の下がり幅が大きくスプレッドが縮小したこと、当社の連結子会社であるニッポンショクバイ・ヨーロッパ N.V.(以下、NSE)の固定資産に対する減損損失119億3百万円及びシラス,Inc.に係るのれん及び技術関連資産等に対する減損損失92億8千2百万円や、当社と三洋化成工業株式会社との経営統合の中止に伴う関連費用17億1千3百万円を計上したことなどにより、営業利益は、前年度に比べて290億9千8百万円減益の△159億2千1百万円となりました。
税引前利益は、為替差損益が改善したものの、営業利益や持分法による投資利益の減少などにより、前年度に比べて286億7千4百万円減益の△129億2千6百万円となりました。
その結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年度に比べて219億9千4百万円減益の△108億9千9百万円となりました。
なお、販売数量の減少やスプレッドの縮小、連結子会社において減損損失を計上したことなどにより、売上収益税引前利益率は前年を下回りました。また、販売数量減少等による売上収益減少により、資産合計回転率は前年を下回りました。以上の結果、ROA(資産合計税引前利益率)は、3.3%から△2.7%へ6.0ポイント減少しました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。
当年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。当年度末における当社グループの有利子負債の合計残高は、金融機関からの借入金の返済が進んだことにより、前年度末に比べて18億2百万円減少し、615億7千2百万円となりました。なお、今後の設備投資計画等につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであり、その資金につきましては自己資金及び金融機関からの借入金により調達する予定であります。
当社グループの所要資金は、主に運転資金、設備投資、戦略投資、研究開発投資、借入金返済に対応するものであり、これらを自己資金、金融機関からの借入金や社債により賄っております。
当社グループにおける、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標及びその進捗状況については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)対処すべき課題、長期的な経営戦略及び目標とする経営指標」に記載のとおりです。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
基礎化学品事業
アクリル酸及びアクリル酸エステルは、国産ナフサ価格の下落に伴う原料価格の下落などにより販売価格が低下したことで、減収となりました。
酸化エチレンは、販売数量を増加させましたが、国産ナフサ価格の下落に伴う原料価格の下落により販売価格が低下したことで、減収となりました。
エチレングリコールは、製品海外市況の下落による販売価格の低下や、販売数量が減少したことなどにより、減収となりました。
セカンダリーアルコールエトキシレートは、販売数量を増加させましたが、原料価格の下落などに伴い販売価格が低下したことで、減収となりました。
以上の結果、基礎化学品事業の売上収益は、前年度に比べて8.2%減少の1,102億6千1百万円となりました。
営業利益は、スプレッドの縮小や、在庫評価差額などの加工費が増加したことなどにより、前年度に比べて27.4%減少の45億3千5百万円となりました。
基礎化学品事業の資産は、前年度末に比べて54億9千3百万円増加の1,566億4千2百万円となりました。主としてPT.ニッポンショクバイ・インドネシアにおけるアクリル酸製造設備の増設により、有形固定資産が増加したことによるものです。
機能性化学品事業
高吸水性樹脂は、原料価格や製品海外市況の下落に伴い販売価格が低下したことなどにより、減収となりました。
特殊エステルは、製品海外市況の下落などに伴い販売価格が低下したことや、新型コロナウイルス感染症などによる世界景気の減速に伴い需要が低迷し、販売数量が減少したことにより、減収となりました。
コンクリート混和剤用ポリマー、エチレンイミン誘導品、洗剤原料などの水溶性ポリマー及び塗料用樹脂は、需要低迷で販売数量が減少したことなどにより、減収となりました。
無水マレイン酸は、販売数量を増加させましたが、原料価格の下落などで販売価格が低下したことにより、減収となりました。
電子情報材料及び粘着加工品は、販売価格は上昇しましたが、販売数量が減少したことにより、減収となりました。
樹脂改質剤は、販売価格は下落しましたが、販売数量を増加させたことにより、増収となりました。
ヨウ素化合物は、販売価格の上昇や、販売数量を増加させたことにより、増収となりました。
以上の結果、機能性化学品事業の売上収益は、前年度に比べて8.9%減少の1,552億7千2百万円となりました。
営業利益は、生産・販売数量の減少や、スプレッドの縮小、NSE及びシラス,Inc.の減損損失を計上したことなどにより、前年度に比べて239億5千7百万円減益の△191億1千9百万円となりました。
機能性化学品事業の資産は、前年度末に比べて128億8千万円減少の2,369億3千4百万円となりました。主として固定資産の減損損失を計上したことによるものです。
環境・触媒事業
プロセス触媒、脱硝触媒及び排ガス処理触媒は、販売数量が減少したことなどにより、減収となりました。
燃料電池材料は、販売価格が低下したことなどにより、減収となりました。
リチウム電池材料は、販売数量を増加させたことなどにより、増収となりました。
以上の結果、環境・触媒事業の売上収益は、前年度に比べて34.8%減少の76億2千9百万円となりました。
営業利益は、生産・販売数量が減少したことなどにより、前年度に比べて75.9%減少の2億3百万円となりました。
環境・触媒事業の資産は、前年度末に比べて25億4千9百万円増加の351億4千5百万円となりました。主として棚卸資産が増加したことによるものです。
当連結会計年度(以下、当年度)における当社グループ(当社及び当社の関係会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(単位:百万円)
| 前年度 | 当年度 | 増減 | ||||||
| (金額) | (伸び率) | |||||||
| 売上収益 | 302,150 | 273,163 | △28,987 | △9.6 | % | |||
| 営業利益(△損失) | 13,178 | △15,921 | △29,098 | - | ||||
| 税引前利益(△損失) | 15,748 | △12,926 | △28,674 | - | ||||
| 親会社の所有者に帰属する 当期利益(△損失) | 11,094 | △10,899 | △21,994 | - | ||||
| 基本的1株当たり当期利益(△損失) | 278.21 | 円 | △273.33 | 円 | △551.54 | 円 | - | |
| ROA(資産合計税引前利益率) | 3.3 | % | △2.7 | % | - | △6.0ポイント | ||
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 3.5 | % | △3.4 | % | - | △6.9ポイント | ||
| 為替(USD、EUR) | 108.72円/USD | 106.12円/USD | △2.60円/USD | |||||
| 120.83円/EUR | 123.77円/EUR | 2.94円/EUR | ||||||
| 国産ナフサ価格 | 42,900円/kl | 31,300円/kl | △11,600円/kl | |||||
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
| (単位:百万円) | |||||||||
| 前年度 | 当年度 | 増減 | |||||||
| 種類別 | 基礎 化学品 | 機能性 化学品 | 環境・触媒 | 基礎 化学品 | 機能性 化学品 | 環境・触媒 | 基礎 化学品 | 機能性 化学品 | 環境・触媒 |
| 売上収益 | 120,068 | 170,389 | 11,693 | 110,261 | 155,272 | 7,629 | △9,807 | △15,117 | △4,064 |
| 営業利益 | 6,248 | 4,839 | 844 | 4,535 | △19,119 | 203 | △1,714 | △23,957 | △641 |
当年度末における当社グループの財政状態は次のとおりとなりました。
当年度末における資産合計は、前連結会計年度(以下、前年度)末に比べて40億2千4百万円減少の4,716億1千7百万円となりました。流動資産は、前年度末に比べて29億5千3百万円減少しました。足元の需要回復により営業債権が増加したものの、現金及び現金同等物や棚卸資産が減少したことなどによるものです。非流動資産は、前年度末に比べて10億7千1百万円減少しました。保有株式の時価の上昇によりその他の金融資産が増加したものの、減損損失の計上により、有形固定資産、のれん及び無形資産が減少したことなどによるものです。
負債合計は、前年度末に比べて16億4千1百万円減少の1,478億9千1百万円となりました。借入金を返済したことなどによるものです。
資本合計は、前年度末に比べて23億8千3百万円減少の3,237億2千5百万円となりました。その他の資本の構成要素が増加したものの、当期損失の計上により利益剰余金が減少したことなどによるものです。
親会社所有者帰属持分比率は、前年度末の67.2%から67.3%へと0.1ポイント増加しました。また、1株当たり親会社所有者帰属持分は、前年度末に比べて58.10円減少の7,959.07円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当年度末における現金及び現金同等物は、設備投資等の投資活動によるキャッシュ・フローの支出及び財務活動によるキャッシュ・フローの支出が、営業活動によるキャッシュ・フローの収入を上回ったため、前年度末に比べて75億2千9百万円減少の363億4千1百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年度の374億9千9百万円の収入に対し、352億7千7百万円の収入となりました。法人所得税の支払額の減少や減損損失の計上があったものの、税引前利益が悪化したこと、棚卸資産や営業債務の増減による収入が増加した一方で、前年度は決済の進捗により減少した営業債権が当年度は足元の需要回復により増加したことなどにより、前年度に比べて22億2千3百万円の収入の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年度の328億6百万円の支出に対し、306億2千3百万円の支出となりました。有形固定資産の取得による支出が減少したことなどにより、前年度に比べて21億8千2百万円の支出の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年度の78億5千9百万円の支出に対し、127億5千万円の支出となりました。設備投資のための長期借入金の返済が減少したものの、短期借入金の返済が進捗したことなどにより、前年度に比べて48億9千1百万円の支出の増加となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 基礎化学品事業 | 112,384 | △11.4 |
| 機能性化学品事業 | 134,877 | △13.5 |
| 環境・触媒事業 | 4,704 | △40.0 |
| 合計 | 251,965 | △13.3 |
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.生産実績が減少した主な要因は、国産ナフサや原料価格の下落による価格の下落及び、販売数量減少に伴い生産数量が減少したためであります。
b. 受注実績
当社グループは、主として見込生産を行っているため、受注実績は記載しておりません。
c. 販売実績
当年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 基礎化学品事業 | 110,261 | △8.2 |
| 機能性化学品事業 | 155,272 | △8.9 |
| 環境・触媒事業 | 7,629 | △34.8 |
| 合計 | 273,163 | △9.6 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度(以下、当年度)末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループは、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況1(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び「同 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による停滞から段階的に経済活動の再開が進められたものの、国や産業により景気回復の程度が異なるなかで推移しました。米国では景気に持ち直しの動きがみられる一方で、欧州では感染の再拡大により経済活動が抑制されており、景気は依然として弱い動きとなりました。中国では景気は緩やかに回復しており、アジア新興国では依然として厳しい状況が続いているものの一部に景気の下げ止まりや持ち直しの動きがみられました。
日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により減少していた生産や輸出は増加傾向に転じており、非製造業で弱さが残るものの企業収益に改善の動きが見られました。
化学工業界におきましては、依然として厳しい事業環境が続いているものの、需要に回復の兆しがみられるなど、持ち直しの動きがみられました。
このような状況のもと、当社グループの当年度の売上収益は、新型コロナウイルス感染症の影響による世界景気の減速などを受けて、原料価格や製品海外市況の下落に伴い販売価格が低下したことや、販売数量が減少したことにより、前連結会計年度(以下、前年度)に比べて289億8千7百万円減収(△9.6%)の2,731億6千3百万円となりました。
利益面につきましては、生産・販売数量の減少や、原料価格よりも製品価格の下がり幅が大きくスプレッドが縮小したこと、当社の連結子会社であるニッポンショクバイ・ヨーロッパ N.V.(以下、NSE)の固定資産に対する減損損失119億3百万円及びシラス,Inc.に係るのれん及び技術関連資産等に対する減損損失92億8千2百万円や、当社と三洋化成工業株式会社との経営統合の中止に伴う関連費用17億1千3百万円を計上したことなどにより、営業利益は、前年度に比べて290億9千8百万円減益の△159億2千1百万円となりました。
税引前利益は、為替差損益が改善したものの、営業利益や持分法による投資利益の減少などにより、前年度に比べて286億7千4百万円減益の△129億2千6百万円となりました。
その結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年度に比べて219億9千4百万円減益の△108億9千9百万円となりました。
なお、販売数量の減少やスプレッドの縮小、連結子会社において減損損失を計上したことなどにより、売上収益税引前利益率は前年を下回りました。また、販売数量減少等による売上収益減少により、資産合計回転率は前年を下回りました。以上の結果、ROA(資産合計税引前利益率)は、3.3%から△2.7%へ6.0ポイント減少しました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。
当年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。当年度末における当社グループの有利子負債の合計残高は、金融機関からの借入金の返済が進んだことにより、前年度末に比べて18億2百万円減少し、615億7千2百万円となりました。なお、今後の設備投資計画等につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであり、その資金につきましては自己資金及び金融機関からの借入金により調達する予定であります。
当社グループの所要資金は、主に運転資金、設備投資、戦略投資、研究開発投資、借入金返済に対応するものであり、これらを自己資金、金融機関からの借入金や社債により賄っております。
当社グループにおける、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標及びその進捗状況については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)対処すべき課題、長期的な経営戦略及び目標とする経営指標」に記載のとおりです。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
基礎化学品事業
アクリル酸及びアクリル酸エステルは、国産ナフサ価格の下落に伴う原料価格の下落などにより販売価格が低下したことで、減収となりました。
酸化エチレンは、販売数量を増加させましたが、国産ナフサ価格の下落に伴う原料価格の下落により販売価格が低下したことで、減収となりました。
エチレングリコールは、製品海外市況の下落による販売価格の低下や、販売数量が減少したことなどにより、減収となりました。
セカンダリーアルコールエトキシレートは、販売数量を増加させましたが、原料価格の下落などに伴い販売価格が低下したことで、減収となりました。
以上の結果、基礎化学品事業の売上収益は、前年度に比べて8.2%減少の1,102億6千1百万円となりました。
営業利益は、スプレッドの縮小や、在庫評価差額などの加工費が増加したことなどにより、前年度に比べて27.4%減少の45億3千5百万円となりました。
基礎化学品事業の資産は、前年度末に比べて54億9千3百万円増加の1,566億4千2百万円となりました。主としてPT.ニッポンショクバイ・インドネシアにおけるアクリル酸製造設備の増設により、有形固定資産が増加したことによるものです。
機能性化学品事業
高吸水性樹脂は、原料価格や製品海外市況の下落に伴い販売価格が低下したことなどにより、減収となりました。
特殊エステルは、製品海外市況の下落などに伴い販売価格が低下したことや、新型コロナウイルス感染症などによる世界景気の減速に伴い需要が低迷し、販売数量が減少したことにより、減収となりました。
コンクリート混和剤用ポリマー、エチレンイミン誘導品、洗剤原料などの水溶性ポリマー及び塗料用樹脂は、需要低迷で販売数量が減少したことなどにより、減収となりました。
無水マレイン酸は、販売数量を増加させましたが、原料価格の下落などで販売価格が低下したことにより、減収となりました。
電子情報材料及び粘着加工品は、販売価格は上昇しましたが、販売数量が減少したことにより、減収となりました。
樹脂改質剤は、販売価格は下落しましたが、販売数量を増加させたことにより、増収となりました。
ヨウ素化合物は、販売価格の上昇や、販売数量を増加させたことにより、増収となりました。
以上の結果、機能性化学品事業の売上収益は、前年度に比べて8.9%減少の1,552億7千2百万円となりました。
営業利益は、生産・販売数量の減少や、スプレッドの縮小、NSE及びシラス,Inc.の減損損失を計上したことなどにより、前年度に比べて239億5千7百万円減益の△191億1千9百万円となりました。
機能性化学品事業の資産は、前年度末に比べて128億8千万円減少の2,369億3千4百万円となりました。主として固定資産の減損損失を計上したことによるものです。
環境・触媒事業
プロセス触媒、脱硝触媒及び排ガス処理触媒は、販売数量が減少したことなどにより、減収となりました。
燃料電池材料は、販売価格が低下したことなどにより、減収となりました。
リチウム電池材料は、販売数量を増加させたことなどにより、増収となりました。
以上の結果、環境・触媒事業の売上収益は、前年度に比べて34.8%減少の76億2千9百万円となりました。
営業利益は、生産・販売数量が減少したことなどにより、前年度に比べて75.9%減少の2億3百万円となりました。
環境・触媒事業の資産は、前年度末に比べて25億4千9百万円増加の351億4千5百万円となりました。主として棚卸資産が増加したことによるものです。