有価証券報告書-第126期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、年度前半は設備投資が堅調に推移するなど底堅い内需により、緩やかな回復基調が続いておりましたが、年度後半は米中貿易摩擦の長期化や消費税率引き上げ、さらに年度末にかけての新型コロナウイルス感染症の世界的流行などの影響により、経済情勢は不透明感を増し、先行きが懸念される状況となっております。
当社グループにおきましては、こうした経済状況の中で新製品の開発等による積極的な販売活動を展開するとともに、コスト競争力の一層の向上を目指して取り組んでまいりました。
塗料事業の売上の状況につきましては、工業用電着塗料・建築塗料・道路施設用塗料・軌道材料製品は前連結会計年度比増加いたしました。
この結果、当連結会計年度における売上高は、一部グループ会社の売上が好調であったことから22,538百万円(前年同期比1.9%増)となりました。損益面では、営業利益は594百万円(前年同期比4.1%増)、売上高営業利益率は2.6%、経常利益は持分法による投資利益の改善もあり759百万円(前年同期比11.4%増)、売上高経常利益率は3.4%となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に計上したグループ会社の減損がなくなったことから528百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失324百万円)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
(塗料事業)
アルミ電着塗料分野は、国内主要ユーザーの生産ライン獲得による出荷増はあったものの、一部主要ユーザーの減産及び輸出が低調に推移した影響から、売上高は減少いたしました。
工業用電着塗料分野は、配電盤、農機、住宅建材向け出荷が堅調に推移した他、新規ラインの獲得などにより、売上高は増加いたしました。
粉体塗料分野は、主力の鋼製家具、家電、電気機器メーカー向け出荷が引き続き堅調に推移したものの、一部主要ユーザーの減産の影響もあり、前連結会計年度並みの売上高となりました。
工業用塗料分野は、形鋼及びゴルフボール向け出荷が堅調に推移しましたが、建設機械及び工作機械のユーザーの減産の影響により、売上高は減少いたしました。
建築塗料分野は、戸建て及び集合住宅向けのリフォーム用外装材の出荷が好調に推移した他、子会社における工事売上も好調でありましたことから、売上高は増加いたしました。
防食塗料分野は、前連結会計年度に好調であった新設橋梁物件の出荷が低調に転じた他、民間プラント向けの大型案件受注が減少したため、売上高は減少いたしました。
道路施設用塗料分野は、天候不順及びG20開催などによる交通規制の影響を受けたものの、すべり止め材、カラー舗装材、段差修正材などの高付加価値品の出荷が好調に推移し、売上高は増加いたしました。
軌道材料製品分野は、整備新幹線向け出荷が開始されたこと及びスラブてん充層補修材の出荷が堅調に推移し、売上高は増加いたしました。
自動車用塗料分野は、輸出は回復に転じたものの、国内向け出荷が主要ユーザーの減産の影響により低調に推移し、売上高は減少いたしました。
この結果、塗料事業の売上高は20,743百万円(前連結会計年度比1.0%増)、経常利益は731百万円(前連結会計年度比6.7%増)となりました。
(化成品事業)
受託生産している化成品事業の売上高は1,795百万円(前連結会計年度比14.0%増)、経常利益は28百万円(前連結会計年度は経常損失3百万円)となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ、現金及び預金が345百万円減少し、受取手形及び売掛金が903百万円減少しました一方で、棚卸資産が167百万円増加したことなどにより、35,386百万円(前連結会計年度末比984百万円減)となりました。受取手形及び売掛金の減少の主な要因は、前連結会計年度末が金融機関の休日であったため、同日が満期のものが期末残高に含まれていたことなどによるものです。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ、支払手形及び買掛金が1,982百万円減少しました一方で、有利子負債が459百万円増加したことなどにより、17,872百万円(前連結会計年度末比1,388百万円減)となりました。支払手形及び買掛金の減少の主な要因は、前連結会計年度末が金融機関の休日であったため、同日が満期のものが期末残高に含まれていたことなどによるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより利益剰余金が373百万円、為替換算調整勘定が66百万円増加したことなどにより、17,514百万円(前連結会計年度末比404百万円増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、3,132百万円と前連結会計年度末に比べ345百万円の減少となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは22百万円の収入(前連結会計年度は1,072百万円の収入)となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益819百万円、前連結会計年度末が金融機関の休日であったことによる売上債権の減少による収入841百万円及び仕入債務の減少による支出1,824百万円等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは649百万円の支出(前連結会計年度は507百万円の支出)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出668百万円、無形固定資産の取得による支出71百万円の一方、投資有価証券の売却による収入86百万円等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは280百万円の収入(前連結会計年度は192百万円の支出)となりました。その主な要因は、短期借入金の純増加額800百万円、長期借入金の返済による支出2,140百万円、長期借入れによる収入1,800百万円および配当金の支払額154百万円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 塗料事業 | 14,118 | △1.9 |
| 化成品事業 | 1,852 | 13.8 |
| 合計 | 15,971 | △0.3 |
(注) 金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 塗料事業 | 5,590 | 7.5 |
| 化成品事業 | - | - |
| 合計 | 5,590 | 7.5 |
(注) 金額は仕入価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
c.受注状況
当社グループは主として見込み生産によっており、また、受注品も出荷までの期間が非常に短いため、受注状況については特記すべき事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 塗料事業 | 20,743 | 1.0 |
| 化成品事業 | 1,795 | 14.0 |
| 合計 | 22,538 | 1.9 |
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 大東建託パートナーズ㈱ | - | - | 2,282 | 10.1 |
| 神東アクサルタ コーティング システムズ㈱ | 2,304 | 10.4 | - | - |
2 前連結会計年度の大東建託パートナーズ㈱への販売実績及び総販売実績に対する割合については
当該割合が100分の10未満となっているため記載を省略しております。
3 当連結会計年度の神東アクサルタ コーティング システムズ㈱への販売実績及び総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10未満となっているため記載を省略しております。
4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績につきましては、以下のとおりであります。
(売上高)
売上高は、塗料事業において一部グループ会社の売上が好調であったこと、及び化成品事業において受託生産品目増もあったことなどから、前連結会計年度比421百万円(1.9%)増の22,538百万円となりました。
(営業利益)
営業利益は、増収の一方で労務費等の増加等から、前連結会計年度比23百万円(4.1%)増の594百万円となり、売上高営業利益率は2.6%と前連結会計年度並みに留まりました。当社グループといたしましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略」に記載しております施策を進めることにより、利益率の改善を図ってまいります。
(経常利益)
経常利益は、営業利益が前連結会計年度比増益となったことに加え、持分法による投資利益の改善により前連結会計年度比77百万円(11.4%)増の759百万円となり、売上高経常利益率は3.4%となりました。
(特別利益及び特別損失並びに税金等調整前当期純利益又は税金等調整前当期純損失)
特別利益は、当連結会計年度は投資有価証券売却益65百万円等を計上した一方、前連結会計年度に計上した連結子会社の減損損失720百万円がなくなったことなどから、前連結会計年度の税金等調整前当期純損失41百万円に対し、当連結会計年度は税金等調整前当期純利益819百万円となりました。
(法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益及び非支配株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の法人税等は220百万円となり、この結果、当期純利益は598百万円となりました。
非支配株主に帰属する当期純利益は連結子会社のジャパンカーボライン㈱の非支配株主に帰属する利益であり、以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は528百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失324百万円)となりました。
当社グループの当連結会計年度末における財政状態につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
経営成績に重要な影響を与える要因としては、当社グループは、アルミ電着塗料、工業用電着塗料、粉体塗料、工業用塗料、建築塗料、防食塗料、道路施設用塗料、軌道材料製品、自動車用塗料、及び化成品と幅広い分野で製造販売を行っておりますが、いずれの分野におきましても、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」 に記載しております様々な要因が想定されます。当社グループといたしましてはリスク対応策を実施するとともに、利益率の改善に向けて、既存塗料製品の高機能化、塗料以外の新規材料の開発、海外での事業拡大の3つを事業展開の軸とし、ITツール導入などによる生産性向上に製造、販売、研究開発、管理の全ての分野において積極的に取り組んでまいります。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。また、セグメントごとの財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
(塗料事業)
セグメント資産は、受取手形及び売掛金の減少等から31,706百万円(前連結会計年度末比903百万円減)となりました。また、当連結会計年度における塗料事業の設備投資額は、476百万円(前連結会計年度比105百万円増)であります。
(化成品事業)
セグメント資産は、1,012百万円(前連結会計年度末比136百万円減)となりました。また、当連結会計年度における化成品事業の設備投資額は、50百万円(前連結会計年度比48百万円減)であります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、営業活動による収入の他、金融機関からの借入を主な財源としております。当社グループの資金需要の主なものは原材料仕入、製造費、営業活動、製品競争力の強化及び新技術の開発を目的とした研究開発費、一般管理費等であります。当連結会計年度における主要な設備投資は、老朽設備の維持・更新、基幹業務システムの改修等、小規模案件でありましたが、成長投資・収益性向上に資する設備投資については、中長期的な経営戦略との整合性をふまえ採算性を吟味のうえ判断してまいります。
なお、配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって適用している重要な会計上の方針につきましては、「第5 経理の状況 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、その他連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
減損会計における将来キャッシュ・フロー
当社グループは、「第5 経理の状況 注記事項(連結損益及び包括利益計算書関係)」に記載のとおり、前連結会計年度において連結子会社であるPT.Shinto Paint Manufacturing Indonesiaに係る減損損失(720百万円)を計上いたしました。回収可能価額はインドネシアにおける主要市場の状況を勘案した事業計画に基づく将来キャッシュ・フローにより算定しております。事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの見積もりには、主要市場の今後の成長や販売見通の計画、原料価格及び工場の稼働率が期末における見込みどおりに推移するという仮定での原価率をもとに算出しており、その予測には高い不確実性を伴うことから、重要な会計上の見積りに該当すると考えております。
なお、当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響について、提出日現在において同社の受注、販売活動に重大な影響が出ていないことから、翌連結会計年度を通じ徐々に正常化し回復してくるものとの仮定のもと、当有価証券報告書作成時点で入手可能な情報を基に固定資産の減損の判定を行っております。一方で、今後の動向によっては経済環境が悪化し影響が長期化することで、将来において損失が発生する可能性があります。