有価証券報告書-第85期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績の概況
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、さまざまな経済活動が制約を受けた結果、個人消費および企業収益が急速に悪化しました。その後2020年5月の緊急事態宣言の解除に伴い、経済活動が段階的に引き上げられましたが、2021年1月に2度目の緊急事態宣言が発出されました。足許では感染の全国的な再拡大による飲食店の時短営業や消費者の外出自粛といった影響もあり、個人消費や経済活動の本格的な回復までには時間がかかる見通しであり、2021年4月に3度目となる緊急事態宣言が発出されるなど、先行きは極めて不透明な状況です。一方、海外経済においても、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響により、各国経済活動が停滞し、景気が急減速しました。その後、欧米などにおいて経済活動の再開が進み、ワクチン接種も開始されましたが、一部地域において感染が再拡大しており、依然として予断を許さない状況が続いています。さらに、米中の対立や各国の政治政策動向および地政学的リスクの高まりもあり、先行き不透明な状況が続いております。
また、当社グループを取り巻く食品業界においては、国内市場では、消費者の節約志向が強まる一方で、健康志向や簡便化志向が強まっており、ライフスタイルの変化やニーズの多様化への対応に加え、最近ではフードロス(食品ロス)も社会問題化しており取組みが求められています。他方、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛などの影響を受け内食需要の高まりが見られる一方で、外食需要が落ち込むなど消費行動や市場構造に大きな変化が生じており、新常態と言われる新しい消費動向への対応が課題となっております。また、成長が見込める海外市場においても、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が景気を押し下げており、中国や東南アジアといった成長エリアに対してもこれまでの取組みに加え、新しい生活様式への対応が求められる状況にあります。
このような事業環境のもと、当社グループでは、従前より3年間を対象期間とする「中期経営計画」を策定しており、◇成熟市場にある国内事業では収益基盤のさらなる強化
◇拡大市場にある海外事業では構造基盤の強化による成長エンジンの加速化
◇独自の技術力・開発力に磨きをかけ、新領域に挑戦
◇CSR経営の推進
を基本に据えて、持続的成長を図るべくグループを挙げて取組みを推進してまいりました。
国内では、食品事業の柱をなす「海藻」、「ドレッシング」、「エキス・調味料」の需要喚起に向けて、商品とメニュー・用途を組み合わせた販売プロモーションを中心とした展開に加えて、同じく柱である「改良剤」事業でのユーザーニーズへの的確な対応と価値提案型の活動も推進しました。
一方、海外においても、「改良剤」事業における情報発信基地としての役割を担う「アプリケーションセンター」の機能を最大限に活用した開発活動に加え、成長市場の開拓・販売拡大に向けて販売活動を推進しました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、『国内食品事業』、『国内化成品その他事業』、『海外事業』のいずれの事業も新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、売上は前期を下回りました。また、青島福生食品において取引の実在性を確認するには至らなかったエビの加工販売の取引および関係する取引の売上高16億57百万円を取り消しております。その結果、売上高は777億22百万円(前期比52億51百万円、6.3%減)となりました。
利益面では、営業利益は13億67百万円(前期比39億39百万円、74.2%減)と前期を下回りました。活動諸経費については、経済活動の制限による減少および効率的な経費の使用による削減がありましたが、中国国内向けの輸入冷凍水産品の販売が著しく低迷したことに伴うたな卸資産評価損28億45百万円の計上等もあり、前期から減益となりました。
経常利益は16億52百万円(前期比33億92百万円、67.2%減)と前期を下回りました。在外子会社への現地通貨建ての貸付金に対し締結した通貨スワップ契約の時価評価に伴うデリバティブ評価について、前期は営業外収益としてデリバティブ評価益3億4百万円を計上し、当期は営業外費用としてデリバティブ評価損2億31百万円を計上しております。
最終利益は親会社株主に帰属する当期純損失16億18百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失89億33百万円)となりました。青島福生食品において取引の実在性を確認するには至らなかったエビの加工販売の取引および関係する取引の売上原価相当分を特別損失として前期は120億50百万円計上し、当期も同様に15億96百万円計上しております。
セグメント毎の経営成績の概況
国内食品事業
『家庭用食品』では、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛や在宅勤務等を背景とした内食需要の高まりにより、乾燥わかめ「ふえるわかめちゃん®」、ドレッシング、わかめスープ等が好調に推移した結果、部門全体の売上は前期を上回る実績を確保しました。
『業務用食品』では、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛、休業要請等を受けた外食産業の需要の落込み、教育機関の休校を受けた学校給食の需要の減少が大きく、2020年5月の緊急事態宣言解除後の学校再開による学校給食の需要の復調があるものの、外食産業においては2021年1月の2度目の緊急事態宣言の発出を受けた時短営業および外出自粛による需要減少もあり、部門全体の売上は前期を下回りました。
『加工食品用原料等』では、販売および技術・開発部門の連携により顧客ニーズに対応した取組みを推進しましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大による外出自粛等の影響を受けた関係先業界の需要減少の回復が遅れた結果、部門全体の売上は前期を下回りました。
これらの結果、各部門における売上高は、『家庭用食品』140億9百万円(前期比6億38百万円、4.8%増)、『業務用食品』185億87百万円(前期比24億32百万円、11.6%減)、『加工食品用原料等』219億16百万円(前期比12億37百万円、5.3%減)となり、当セグメント全体の売上高は、545億14百万円(前期比30億31百万円、5.3%減)となりました。
また、営業利益では、『家庭用食品』の売上高増加や経済活動の制限等による活動諸経費の削減も、『業務用食品』および『加工食品用原料等』の売上高の減少を補えず、46億77百万円(前期比7億10百万円減)となりました。
国内化成品その他事業
化学工業用分野(プラスチック・農業用フィルム・食品用包材・ゴム製品・化粧品など)において、機能性付加および加工性向上に効果的な『化成品(改良剤)』では、顧客ニーズを捉えたソリューションビジネスを展開しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大および米中貿易摩擦の影響を受けた関係先業界の業況が波及した一部の分野で伸びを欠き、部門全体の売上は前期を下回りました。
また、『その他』の事業では、飼料用油脂の売上が前期を下回りました。
これらの結果、当セグメントの売上高は62億4百万円(前期比4億27百万円、6.4%減)となりました。また、営業利益は化成品用改良剤の売上減少を受け、5億41百万円(前期比1億29百万円減)となりました。
海外事業
『改良剤』分野においては、情報発信基地である「アプリケーションセンター」と世界各地に設けた販売会社との連携による既存市場の深耕および新市場の開拓ならびに高付加価値品の拡販等の施策を推進いたしました。しかしながら、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けた世界各国における経済活動の制限によって、販売面では取引先各国における需要の減少、生産面では製造子会社の操業に影響が出るなど、生産および販売の両面で大きな影響を受けました。その後、各国で経済活動を段階的に再開しワクチン接種も開始されましたが、足許での感染症の再拡大もあり本格的な回復には至らず、売上および営業利益ともに前期を下回る実績となりました。
また、水産加工品が高いウエイトを占める『青島福生食品』においては、新型コロナウイルスの感染拡大による都市封鎖などを受けた経済活動の停滞による売上減少に加え、取引の実在性が確認できなかったエビの加工販売の取引および関係する取引の売上を取り消しました。さらに新型コロナウイルスの感染リスクに関する過熱した報道による中国国内向け販売の著しい低迷から販売の見通しが立たない輸入冷凍水産品に対してたな卸資産評価損28億45百万円を計上しました。この結果、売上は前期の実績を下回り、営業損益は前期から営業損失額が拡大しました。
なお、青島福生食品において取引の実在性を確認するには至らなかったエビの加工販売の取引および関係する取引の売上高16億57百万円を取り消し、当該売上高に対応する売上原価相当分15億96百万円を特別損失として計上しております。
これらの結果、当セグメントの売上高は、185億50百万円(前期比18億23百万円、8.9%減)となり、営業損失33億3百万円(前期は営業損失2億92百万円)となりました。
中期経営計画との比較分析
当社グループは2018年4月より2021年3月までの3年間を対象として「中期経営計画」を策定しており、当連結会計年度は最終年度にあたります。
現中期経営計画における当連結会計年度の数値目標は、売上高970億円、営業利益80億円、経常利益77億円、親会社株主に帰属する当期純利益54億円としておりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大および青島福生食品の一連の問題の影響を大きく受けた結果、売上および各段階利益の実績が目標を下回りました。
また、当連結会計年度の売上および各段階利益の実績は前中期経営計画の最終年度である2018年3月期実績を下回りました。
なお、2021年2月15日に公表しました「次期中期経営計画の策定および公表の延期に関するお知らせ」のとおり、次期2022年3月期につきましては、青島福生食品の一連の問題に対する業務改善策に最優先で取り組み、ステークホルダーの皆さまからの信頼の回復を図るとともに、新型コロナウイルスの感染拡大により毀損した業績を新常態と言われる新しい消費行動への対応を進めることで回復させ、持続的な成長を遂げる企業となるための長期戦略を練り上げる期間とすべく、次期中期経営計画の策定および公表を1年延期することといたしました。
目標とする経営指標との比較分析
当社グループは、持続的成長と資本効率向上の尺度として自己資本利益率(ROE)の向上を追求しており、第85期(中期経営計画最終年度)のROE8.0%以上を目指し取組みを推進してまいりました。
しかしながら、当連結会計年度は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響に加え、青島福生食品において輸入冷凍水産品に対するたな卸資産評価損28億45百万円を売上原価に計上し、また、水産加工品取引関連損失15億96百万円を特別損失として計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損益については損失計上となったため、ROEは△3.5%(前期はROE△17.0%)となりました。
なお、今後の目標とする経営指標については、次期中期経営計画の策定に際し検討の上、設定してまいります。
(2)財政状態の概況
当連結会計年度末の総資産は1,065億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ46億82百万円増加しました。主な増加は、現金及び預金46億91百万円、投資有価証券30億35百万円であり、主な減少は、たな卸資産26億15百万円、受取手形及び売掛金10億24百万円であります。
負債は598億61百万円となり、前連結会計年度末に比べ47億97百万円増加しました。主な増加は、短期借入金146億43百万円、仮受金19億47百万円、繰延税金負債16億78百万円であり、主な減少は、長期借入金134億19百万円であります。なお、短期借入金の増加および長期借入金の減少には、長期借入金から短期借入金への振替120億円が含まれております。
純資産は466億74百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億14百万円減少しました。主な要因として、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純損失の計上16億18百万円、剰余金の配当14億10百万円により減少し、その他有価証券評価差額金が23億60百万円増加したことによります。
(3)キャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は186億55百万円となり、前連結会計年度末に比べ50億51百万円増加しました。
営業活動によるキャッシュ・フローは76億25百万円の収入となりました。主な増加は、減価償却費39億55百万円、たな卸資産の減少額26億72百万円、仮受金の受取額17億29百万円であり、主な減少は、水産加工品取引関連損失に係る支払額20億26百万円、法人税等の支払額9億26百万円、利息の支払額7億6百万円であります。
投資活動におけるキャッシュ・フローは22億88百万円の支出となりました。主な増加は、敷金及び保証金の回収による収入5億9百万円、投資有価証券の売却による収入4億82百万円であり、主な減少は、有形固定資産の取得による支出36億97百万円であります。
営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは53億37百万円の純収入となっております。
財務活動によるキャッシュ・フローは1億80百万円の支出となりました。主な増加は、短期借入金の純増加額33億14百万円であり、主な減少は、長期借入金の返済による支出20億57百万円、配当金の支払額14億10百万円であります。
当社グループの資金需要は、製品の製造販売に関わる原材料費やエネルギー費、営業費用などの運転資金、設備投資資金及び研究開発などであります。資金調達は主としてフリー・キャッシュ・フロー及び銀行借入により十分な資金を確保しております。これらに加えて、取引銀行4行と借入枠60億円のコミットメントライン契約を締結することにより財務の安定性及び流動性を補完しております。そのほか、新型コロナウイルス感染症の再拡大などの事態に備えた手元資金流動性の確保のため、取引銀行1行と新たに60億円の当座貸越契約を締結し、50億円の借入を実行しております。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り) 」に記載のとおりであります。
(5)生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は生産者販売価格で算出しており、セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは一部の製品について受注生産を行っておりますがウエイトも小さく、大部分の製品は販売計画に基づく生産計画に従った見込生産を主体としております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメントの各事業内容は次のとおりであります。
国内食品事業……………………一般家庭向け加工食品、業務用市場向け加工食品、食品業界向け加工食品用原料・食品用改良剤・ビタミンなどの製造、販売
国内化成品その他事業…………化成品用改良剤、飼料用添加物などの製造、販売
海外事業…………………………食品用改良剤、化成品用改良剤、水産加工品、冷凍野菜などの製造、販売
4.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(1)経営成績の概況
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、さまざまな経済活動が制約を受けた結果、個人消費および企業収益が急速に悪化しました。その後2020年5月の緊急事態宣言の解除に伴い、経済活動が段階的に引き上げられましたが、2021年1月に2度目の緊急事態宣言が発出されました。足許では感染の全国的な再拡大による飲食店の時短営業や消費者の外出自粛といった影響もあり、個人消費や経済活動の本格的な回復までには時間がかかる見通しであり、2021年4月に3度目となる緊急事態宣言が発出されるなど、先行きは極めて不透明な状況です。一方、海外経済においても、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響により、各国経済活動が停滞し、景気が急減速しました。その後、欧米などにおいて経済活動の再開が進み、ワクチン接種も開始されましたが、一部地域において感染が再拡大しており、依然として予断を許さない状況が続いています。さらに、米中の対立や各国の政治政策動向および地政学的リスクの高まりもあり、先行き不透明な状況が続いております。
また、当社グループを取り巻く食品業界においては、国内市場では、消費者の節約志向が強まる一方で、健康志向や簡便化志向が強まっており、ライフスタイルの変化やニーズの多様化への対応に加え、最近ではフードロス(食品ロス)も社会問題化しており取組みが求められています。他方、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛などの影響を受け内食需要の高まりが見られる一方で、外食需要が落ち込むなど消費行動や市場構造に大きな変化が生じており、新常態と言われる新しい消費動向への対応が課題となっております。また、成長が見込める海外市場においても、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が景気を押し下げており、中国や東南アジアといった成長エリアに対してもこれまでの取組みに加え、新しい生活様式への対応が求められる状況にあります。
このような事業環境のもと、当社グループでは、従前より3年間を対象期間とする「中期経営計画」を策定しており、◇成熟市場にある国内事業では収益基盤のさらなる強化
◇拡大市場にある海外事業では構造基盤の強化による成長エンジンの加速化
◇独自の技術力・開発力に磨きをかけ、新領域に挑戦
◇CSR経営の推進
を基本に据えて、持続的成長を図るべくグループを挙げて取組みを推進してまいりました。
国内では、食品事業の柱をなす「海藻」、「ドレッシング」、「エキス・調味料」の需要喚起に向けて、商品とメニュー・用途を組み合わせた販売プロモーションを中心とした展開に加えて、同じく柱である「改良剤」事業でのユーザーニーズへの的確な対応と価値提案型の活動も推進しました。
一方、海外においても、「改良剤」事業における情報発信基地としての役割を担う「アプリケーションセンター」の機能を最大限に活用した開発活動に加え、成長市場の開拓・販売拡大に向けて販売活動を推進しました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、『国内食品事業』、『国内化成品その他事業』、『海外事業』のいずれの事業も新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、売上は前期を下回りました。また、青島福生食品において取引の実在性を確認するには至らなかったエビの加工販売の取引および関係する取引の売上高16億57百万円を取り消しております。その結果、売上高は777億22百万円(前期比52億51百万円、6.3%減)となりました。
利益面では、営業利益は13億67百万円(前期比39億39百万円、74.2%減)と前期を下回りました。活動諸経費については、経済活動の制限による減少および効率的な経費の使用による削減がありましたが、中国国内向けの輸入冷凍水産品の販売が著しく低迷したことに伴うたな卸資産評価損28億45百万円の計上等もあり、前期から減益となりました。
経常利益は16億52百万円(前期比33億92百万円、67.2%減)と前期を下回りました。在外子会社への現地通貨建ての貸付金に対し締結した通貨スワップ契約の時価評価に伴うデリバティブ評価について、前期は営業外収益としてデリバティブ評価益3億4百万円を計上し、当期は営業外費用としてデリバティブ評価損2億31百万円を計上しております。
最終利益は親会社株主に帰属する当期純損失16億18百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失89億33百万円)となりました。青島福生食品において取引の実在性を確認するには至らなかったエビの加工販売の取引および関係する取引の売上原価相当分を特別損失として前期は120億50百万円計上し、当期も同様に15億96百万円計上しております。
セグメント毎の経営成績の概況
国内食品事業
『家庭用食品』では、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛や在宅勤務等を背景とした内食需要の高まりにより、乾燥わかめ「ふえるわかめちゃん®」、ドレッシング、わかめスープ等が好調に推移した結果、部門全体の売上は前期を上回る実績を確保しました。
『業務用食品』では、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛、休業要請等を受けた外食産業の需要の落込み、教育機関の休校を受けた学校給食の需要の減少が大きく、2020年5月の緊急事態宣言解除後の学校再開による学校給食の需要の復調があるものの、外食産業においては2021年1月の2度目の緊急事態宣言の発出を受けた時短営業および外出自粛による需要減少もあり、部門全体の売上は前期を下回りました。
『加工食品用原料等』では、販売および技術・開発部門の連携により顧客ニーズに対応した取組みを推進しましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大による外出自粛等の影響を受けた関係先業界の需要減少の回復が遅れた結果、部門全体の売上は前期を下回りました。
これらの結果、各部門における売上高は、『家庭用食品』140億9百万円(前期比6億38百万円、4.8%増)、『業務用食品』185億87百万円(前期比24億32百万円、11.6%減)、『加工食品用原料等』219億16百万円(前期比12億37百万円、5.3%減)となり、当セグメント全体の売上高は、545億14百万円(前期比30億31百万円、5.3%減)となりました。
また、営業利益では、『家庭用食品』の売上高増加や経済活動の制限等による活動諸経費の削減も、『業務用食品』および『加工食品用原料等』の売上高の減少を補えず、46億77百万円(前期比7億10百万円減)となりました。
国内化成品その他事業
化学工業用分野(プラスチック・農業用フィルム・食品用包材・ゴム製品・化粧品など)において、機能性付加および加工性向上に効果的な『化成品(改良剤)』では、顧客ニーズを捉えたソリューションビジネスを展開しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大および米中貿易摩擦の影響を受けた関係先業界の業況が波及した一部の分野で伸びを欠き、部門全体の売上は前期を下回りました。
また、『その他』の事業では、飼料用油脂の売上が前期を下回りました。
これらの結果、当セグメントの売上高は62億4百万円(前期比4億27百万円、6.4%減)となりました。また、営業利益は化成品用改良剤の売上減少を受け、5億41百万円(前期比1億29百万円減)となりました。
海外事業
『改良剤』分野においては、情報発信基地である「アプリケーションセンター」と世界各地に設けた販売会社との連携による既存市場の深耕および新市場の開拓ならびに高付加価値品の拡販等の施策を推進いたしました。しかしながら、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けた世界各国における経済活動の制限によって、販売面では取引先各国における需要の減少、生産面では製造子会社の操業に影響が出るなど、生産および販売の両面で大きな影響を受けました。その後、各国で経済活動を段階的に再開しワクチン接種も開始されましたが、足許での感染症の再拡大もあり本格的な回復には至らず、売上および営業利益ともに前期を下回る実績となりました。
また、水産加工品が高いウエイトを占める『青島福生食品』においては、新型コロナウイルスの感染拡大による都市封鎖などを受けた経済活動の停滞による売上減少に加え、取引の実在性が確認できなかったエビの加工販売の取引および関係する取引の売上を取り消しました。さらに新型コロナウイルスの感染リスクに関する過熱した報道による中国国内向け販売の著しい低迷から販売の見通しが立たない輸入冷凍水産品に対してたな卸資産評価損28億45百万円を計上しました。この結果、売上は前期の実績を下回り、営業損益は前期から営業損失額が拡大しました。
なお、青島福生食品において取引の実在性を確認するには至らなかったエビの加工販売の取引および関係する取引の売上高16億57百万円を取り消し、当該売上高に対応する売上原価相当分15億96百万円を特別損失として計上しております。
これらの結果、当セグメントの売上高は、185億50百万円(前期比18億23百万円、8.9%減)となり、営業損失33億3百万円(前期は営業損失2億92百万円)となりました。
中期経営計画との比較分析
当社グループは2018年4月より2021年3月までの3年間を対象として「中期経営計画」を策定しており、当連結会計年度は最終年度にあたります。
現中期経営計画における当連結会計年度の数値目標は、売上高970億円、営業利益80億円、経常利益77億円、親会社株主に帰属する当期純利益54億円としておりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大および青島福生食品の一連の問題の影響を大きく受けた結果、売上および各段階利益の実績が目標を下回りました。
また、当連結会計年度の売上および各段階利益の実績は前中期経営計画の最終年度である2018年3月期実績を下回りました。
なお、2021年2月15日に公表しました「次期中期経営計画の策定および公表の延期に関するお知らせ」のとおり、次期2022年3月期につきましては、青島福生食品の一連の問題に対する業務改善策に最優先で取り組み、ステークホルダーの皆さまからの信頼の回復を図るとともに、新型コロナウイルスの感染拡大により毀損した業績を新常態と言われる新しい消費行動への対応を進めることで回復させ、持続的な成長を遂げる企業となるための長期戦略を練り上げる期間とすべく、次期中期経営計画の策定および公表を1年延期することといたしました。
目標とする経営指標との比較分析
当社グループは、持続的成長と資本効率向上の尺度として自己資本利益率(ROE)の向上を追求しており、第85期(中期経営計画最終年度)のROE8.0%以上を目指し取組みを推進してまいりました。
しかしながら、当連結会計年度は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響に加え、青島福生食品において輸入冷凍水産品に対するたな卸資産評価損28億45百万円を売上原価に計上し、また、水産加工品取引関連損失15億96百万円を特別損失として計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損益については損失計上となったため、ROEは△3.5%(前期はROE△17.0%)となりました。
なお、今後の目標とする経営指標については、次期中期経営計画の策定に際し検討の上、設定してまいります。
(2)財政状態の概況
当連結会計年度末の総資産は1,065億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ46億82百万円増加しました。主な増加は、現金及び預金46億91百万円、投資有価証券30億35百万円であり、主な減少は、たな卸資産26億15百万円、受取手形及び売掛金10億24百万円であります。
負債は598億61百万円となり、前連結会計年度末に比べ47億97百万円増加しました。主な増加は、短期借入金146億43百万円、仮受金19億47百万円、繰延税金負債16億78百万円であり、主な減少は、長期借入金134億19百万円であります。なお、短期借入金の増加および長期借入金の減少には、長期借入金から短期借入金への振替120億円が含まれております。
純資産は466億74百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億14百万円減少しました。主な要因として、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純損失の計上16億18百万円、剰余金の配当14億10百万円により減少し、その他有価証券評価差額金が23億60百万円増加したことによります。
(3)キャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は186億55百万円となり、前連結会計年度末に比べ50億51百万円増加しました。
営業活動によるキャッシュ・フローは76億25百万円の収入となりました。主な増加は、減価償却費39億55百万円、たな卸資産の減少額26億72百万円、仮受金の受取額17億29百万円であり、主な減少は、水産加工品取引関連損失に係る支払額20億26百万円、法人税等の支払額9億26百万円、利息の支払額7億6百万円であります。
投資活動におけるキャッシュ・フローは22億88百万円の支出となりました。主な増加は、敷金及び保証金の回収による収入5億9百万円、投資有価証券の売却による収入4億82百万円であり、主な減少は、有形固定資産の取得による支出36億97百万円であります。
営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは53億37百万円の純収入となっております。
財務活動によるキャッシュ・フローは1億80百万円の支出となりました。主な増加は、短期借入金の純増加額33億14百万円であり、主な減少は、長期借入金の返済による支出20億57百万円、配当金の支払額14億10百万円であります。
当社グループの資金需要は、製品の製造販売に関わる原材料費やエネルギー費、営業費用などの運転資金、設備投資資金及び研究開発などであります。資金調達は主としてフリー・キャッシュ・フロー及び銀行借入により十分な資金を確保しております。これらに加えて、取引銀行4行と借入枠60億円のコミットメントライン契約を締結することにより財務の安定性及び流動性を補完しております。そのほか、新型コロナウイルス感染症の再拡大などの事態に備えた手元資金流動性の確保のため、取引銀行1行と新たに60億円の当座貸越契約を締結し、50億円の借入を実行しております。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り) 」に記載のとおりであります。
(5)生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 国内食品事業 | 51,726 | 94.5 |
| 国内化成品その他事業 | 5,325 | 93.2 |
| 海外事業 | 16,693 | 84.7 |
| 合計 | 73,744 | 92.0 |
(注)1.金額は生産者販売価格で算出しており、セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは一部の製品について受注生産を行っておりますがウエイトも小さく、大部分の製品は販売計画に基づく生産計画に従った見込生産を主体としております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 国内食品事業 | 54,013 | 94.7 |
| 国内化成品その他事業 | 6,204 | 93.6 |
| 海外事業 | 17,504 | 90.7 |
| 合計 | 77,722 | 93.7 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメントの各事業内容は次のとおりであります。
国内食品事業……………………一般家庭向け加工食品、業務用市場向け加工食品、食品業界向け加工食品用原料・食品用改良剤・ビタミンなどの製造、販売
国内化成品その他事業…………化成品用改良剤、飼料用添加物などの製造、販売
海外事業…………………………食品用改良剤、化成品用改良剤、水産加工品、冷凍野菜などの製造、販売
4.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。