有価証券報告書-第76期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/24 12:59
【資料】
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【項目】
144項目
当連結会計年度における当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
売上高につきましては、全体で69,044百万円(前連結会計年度比9.2%増)となりました。そのうち当グループの中核をなす医薬品事業では、新型コロナウイルス感染症の長期化により、従来の医薬情報活動が制限される中ではありましたが、過活動膀胱治療薬「ベオーバ錠」、腎性貧血治療薬「ダルベポエチン アルファBS注JCR」、高リン血症治療薬「ピートルチュアブル錠」及び「ピートル顆粒分包」などの売上が増加いたしましたことに加え、昨年4月に販売移管が行われました男性における夜間多尿による夜間頻尿治療薬「ミニリンメルトOD錠25µg/50µg」、夜尿症・中枢性尿崩症治療薬「ミニリンメルトOD錠60µg/120µg/240µg」及び「デスモプレシン製剤」、糖尿病治療薬「マリゼブ錠」の寄与などにより増収となりました。これらにより、医薬品事業の売上高は前連結会計年度に比べ5,099百万円(9.9%)増加し、56,407百万円となりました。
情報サービス事業の売上高は8,489百万円(前連結会計年度比28.0%増)、建設請負事業の売上高は3,538百万円(前連結会計年度比2.0%減)、物品販売事業の売上高は609百万円(前連結会計年度比63.8%減)となりました。
売上原価につきましては、医薬品事業の製品構成の変化などにより売上原価率が7.8ポイント上昇いたしました。この結果、売上総利益は前連結会計年度に比べ2,182百万円(6.3%)減少し、32,722百万円となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、主に研究開発費が減少いたしました。一方で、売上原価率の上昇に伴う売上総利益の減少により、営業利益は前連結会計年度に比べ352百万円(19.0%)減少し、1,505百万円となりました。
営業外損益では、有価証券評価益を計上いたしましたことなどにより、前連結会計年度に比べ1,399百万円の利益の増加となり、経常利益は前連結会計年度に比べ1,047百万円(43.1%)増加し、3,476百万円となりました。
特別損益では、投資有価証券売却益が増加いたしましたことなどにより、前連結会計年度に比べ利益が1,798百万円増加いたしました。
以上により、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ2,845百万円(61.5%)増加の7,476百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ2,467百万円(87.6%)増加の5,285百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
医薬品事業31,026+29.6
情報サービス事業2,464+18.9
物品販売事業433△35.5
合計33,923+27.2

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
② 商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高(百万円)前年同期比(%)
医薬品事業22,307+99.8
情報サービス事業4,178+108.9
物品販売事業113△90.1
建設請負事業-△100.0
合計26,599+85.8

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、仕入価格によっております。
3.当連結会計年度において、仕入実績に著しい変動がありました。これは医薬品事業におきまして、商品売上高が増加したこと、及び情報サービス事業におきまして、教育機関へのパソコン導入等によるICT環境整備関連の売上高が増加したことなどによるものであります。
③ 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
情報サービス事業7,697+33.3835+78.1
建設請負事業2,481△21.21,891△34.4
合計10,179+14.12,726△18.7

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.医薬品事業は販売計画に基づく生産計画により生産しております。
3.当連結会計年度において、受注状況に著しい変動がありました。これは、情報サービス事業におきまして、システム開発の仕掛中案件により受注残高が増加したことなどによるものであります。
④ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
医薬品事業56,407+9.9
泌尿器科用薬剤14,402+53.5
腎・透析科用薬剤15,845+23.6
代謝内分泌科用薬剤8,079+11.1
産婦人科用薬剤1,146△24.7
眼科用薬剤789△15.7
その他の薬剤7,877△16.8
ヘルスケア食品3,726△3.0
その他4,541△25.2
情報サービス事業8,489+28.0
建設請負事業3,538△2.0
物品販売事業609△63.8
合計69,044+9.2

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.医薬品事業における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
アルフレッサ㈱9,71415.412,26517.8
㈱スズケン7,65512.19,06613.1
㈱メディセオ6,56910.48,51112.3


(2)財政状態
・総資産
当連結会計年度末の総資産は268,861百万円となり、前連結会計年度末に比べ37,066百万円増加いたしました。流動資産は、たな卸資産、受取手形及び売掛金、有価証券などが増加いたしましたが、現金及び預金が減少いたしましたことにより、3,711百万円減少し92,965百万円となりました。固定資産は投資有価証券、長期前払費用の増加などにより、40,778百万円増加し175,895百万円となりました。
・負債
当連結会計年度末の負債は48,907百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,083百万円増加いたしました。流動負債は、「その他」に含まれる未払金が減少いたしましたが、支払手形及び買掛金、未払法人税等が増加いたしましたことなどにより、1,221百万円増加し18,245百万円となりました。固定負債は、繰延税金負債が増加いたしましたことなどにより、8,861百万円増加し、30,662百万円となりました。
・純資産
当連結会計年度末の純資産は219,953百万円となり、前連結会計年度末に比べ26,983百万円増加いたしました。主な要因は、利益剰余金、その他有価証券評価差額金が増加いたしましたことによります。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の83.0%から81.6%となりました。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より15,872百万円減少し、当連結会計年度末では43,447百万円(前連結会計年度末比26.8%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、当連結会計年度において2,542百万円の支出となりました。仕入債務の増加などの資金増加要因がありました一方で、売上債権の増加、たな卸資産の増加などが資金減少要因となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、当連結会計年度において9,329百万円の支出となりました。投資有価証券の売却による収入の増加などの一方で、投資有価証券の取得、販売権の取得による長期前払費用の計上などがありました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、当連結会計年度において4,000百万円の支出となりました。主な要因は、自己株式の取得、配当金の支払いです。
なお、2022年3月期における重要な資本的支出の予定はありません。
(4)新型コロナウイルスの影響
当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況につきまして、新型コロナウイルスの感染拡大による重要な影響はありませんでした。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があることから、実際の結果と異なる可能性があります。
なお、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定における新型コロナウイルスの感染拡大による影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産の回収可能性については、「繰延税金資産に係る回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号)に従い、将来減算一時差異のうち、回収可能と判断されたものについて繰延税金資産を計上しております。回収可能性は、取締役会で承認された中期経営計画を基礎とした将来の収益力及びタックス・プランニングに基づく将来課税所得により判断しております。